西域にいくとバクトリアの末裔か、碧眼の人に出会う。 トルコでも、辺境にはロカルノ条約で交換し損ねた人々が・・・。 アレクサンダーの広めたギリシャ系って、金髪・碧眼・長身のような気がするが、 どうして今のギリシャ人はぜんぜん違うの? 南下したスラブ人が同化して言葉も文化も受け継いでしまったという説があるけど・・・。
2 :
世界@名無史さん :2001/07/19(木) 13:47
ロカルノ条約→ローザンヌ条約 では。 >南下したスラブ人が同化して言葉も文化も受け継いでしまったという説があるけど・・・。 19世紀のドイツ人だったかの地理学者の説ですね。 おそらく混血してるのは間違いないでしょう。 民族移動の激しいバルカンで直系・純潔のまま残っているわけがない。 しかもトルコとの住民交換のおかげでアナトリア系ギリシア人も多いはず。
3 :
世界@名無史さん :2001/07/19(木) 15:41
>>1 >アレクサンダーの広めたギリシャ系って、金髪・碧眼・長身のような気がするが、
金髪・碧眼・長身がどうして古代ギリシャ系になるのか…
どこからそういうイメージを持つようになったのか?
その特徴はむしろ北方のスラブ人やゲルマン人の特徴ではないか?
つーかスラブが金髪・碧眼・長身なんでは?
ギリシャ人は黒髪、巻毛、中身長の地中海人種でしょう?
6 :
世界@名無史さん :2001/07/19(木) 15:54
>>1 古代ギリシャ系は地中海人種で暗い褐色の髪か黒髪・短頭・褐色の眼・
(穀物食主体の都市民だから)短身だろ?
7 :
世界@名無史さん :2001/07/19(木) 15:55
8 :
よくわからんが :2001/07/19(木) 16:02
「中央アジアに残ったギリシア系」って言われてるような民族は みんな金髪碧眼だからね。 それでじゃない?
9 :
世界@名無史さん :2001/07/19(木) 16:06
>>9 朝日は左曲がりのくせにロマン主義を煽るようなところがあるからな
>>8 の民族はギリシャ文化の名残を留めた北方ヨーロッパの古代民族が
出自の人々と考えたほうがいいよ。
11 :
アマノウヅメ :2001/07/19(木) 16:32
ギリシャ神話の神様は大抵金髪の巻き毛のようですが なんか関係あるんじゃないかと。
12 :
世界@名無史さん :2001/07/19(木) 16:41
>左曲がりのくせにロマン主義 おひおひ。(笑)
13 :
世界@名無史さん :2001/07/19(木) 17:01
>>1 現代のマケドニア人は、古代のマケドニア人のようなギリシア人ではなく、言語的にも南スラヴ系らしいよ。
だけど、マケドニアが旧ユーゴから独立した際に、ギリシアが「マケドニアという地名はギリシアの一部だ」と主張して、国名を「マケドニア」にすることを認めなかったから、「マケドニア・旧ユーゴスラヴィア共和国」という変な国名でとりあえず国連に加盟したらしいよ。
14 :
世界@名無史さん :2001/07/19(木) 17:49
>>11 南欧では金髪碧眼に対する強い憧れが古代からあって、
後のケルト・ゲルマン・スラブといった北方民族出身の奴隷は
高く取引されたりしたからな。おそらく人間の理想の姿として
北方民族を認識していたのかもしれない。
15 :
世界@名無史さん :2001/07/19(木) 17:52
なんで、「マケドニア・旧ユーゴスラヴィア共和国」は「マケドニア」の名称に 拘ったんかね? 近所の国との諍いのタネになるんだったら、違う名称にしたら良かったのに。
16 :
世界@名無史さん :2001/07/19(木) 20:31
>>15 ついでに、ギリシアは今でもマケドニアはギリシア領と主張してます。
17 :
世界@名無史さん :2001/07/19(木) 20:39
だったら、クレオパトラはギリシア王家の血筋のはずなんだから 金髪碧眼のはずね。誰があんなオリエンタルなクレオパトラ像 考えたのかしら?
18 :
2 :2001/07/19(木) 22:21
>>2 誰もツッコんでないんで自分にツッコミ。
>19世紀のドイツ人だったかの地理学者の説ですね。
ドイツ人でも地理学者じゃなくて歴史家フェルメライヤーの言。
適当なこと書いてすんまそん。
>>13 マケドニア語はブルガリア語にそっくりらしいです。
でも教会典礼がセルビア風ということで
オスマン帝国→ユーゴスラヴィア王国領に
(ブルガリアも領有を主張したけどバルカン戦争で負けてしまって貰えなかった)。
ユーゴスラヴィアが連邦になったときに、
やっぱりあいつらセルビア人とちょっと違うってんで
別個の民族として地名から名前を取って「マケドニア人」として認定された。
ということは、マケドニア民族の歴史はここ50年しかない…。
>>15 それでも一度定着した民族名だから捨てられなかったんでしょう。
マケドニアって、民族名じゃなくて地名なんだから、べつにいいんだよ。 そこに住んでいるのがマケドニア人。古代のマケドニア人なんてとっくにいないのは当たり前だけど、 古代のマケドニア人だって、マケドニアの地の住人というのがもともとの意味。 もっとも、居住地と名称を引き継いでしまえば「俺たちゃアレキサンダー大王の子孫」と言い出す権利も 潜在的に認められたようなもんだから、それでギリシア人も一言いいたくなったんだろうけど、 この件に関しては、ごちゃごちゃ文句をいうギリシア人の方がドキュン。
20 :
世界@名無史さん :2001/07/19(木) 23:56
ローマ女性も金髪にするために髪を日光で焼いていたらしい。
21 :
世界@名無史さん :2001/07/19(木) 23:57
>>1 ラテンとスラブが混在してるのが実態。
というわけでこのスレ終了。 いいね?>ALL
22 :
世界@名無史さん :2001/07/20(金) 00:09
残された人骨からすると古代ギリシャ人は地中海人種のようだけど。 そのドイツ人の説は、優秀な古代ギリシャ人が、現代の劣った地中海人種と同じであるはずがない 必ず北方人種のはずだという偏見からきたモノだろう。
23 :
世界@名無史さん :2001/07/20(金) 01:47
>>22 同意。
"Black Athena"(Martin Bernal)という問題作がある。
古代ギリシャはアフロ=アジアティックな混淆文化であったにもかかわらず、
(要するにエジプト等の強い影響下にあったということ。)
それが、近代ヨーロッパ(特にドイツの古典学)によって、いかに隠蔽され、
その結果、いかにして古代ギリシャの「アーリア・モデル」が成立したか、
・・・・が主題。
24 :
世界@名無史さん :2001/07/20(金) 02:00
ギリシャ語って、ヨーロッパの中で孤立語ですよね。 そもそも、彼等はいったい何ものなの?
25 :
世界@名無史さん :2001/07/20(金) 02:13
>>24 ギリシア語はれっきとした印欧語族の屈折語だよ。
ヨーロッパ中の言語の孤島はバスク語(系統不明の膠着語)。
勘違いしてないかい?
26 :
世界@名無史さん :2001/07/20(金) 02:16
ヨーロッパの歴史の根底にはギリシアがあるのよ。 ギリシアなくしてヨーロッパのみならず、アメリカもないわよ。
27 :
世界@名無史さん :2001/07/20(金) 02:36
印欧語族の中では、ゲルマン系、ケルト系、ラテン系、スラブ系どれにも、含まれていませんよね。 ゲルマン民族、スラブ諸族とかで考えたら、有史以前には、ギリシャ諸族がどっかに原住していて、南下してきたのかな?と。 では、その原住地は?
28 :
25 :2001/07/20(金) 03:12
>>27 たしかに、印欧語族の中でギリシア語派は独立して立ててあるけど…。
たんに他の印欧語族より先にヨーロッパに入ってきて定住しただけでしょう。
たとえばスラブ語がスラブ語として独立したのも
せいぜい数千年くらい前の最近の話なので、
印欧語族話者の西のほうにいたもののうち
早い時期に南下したグループが南下した先で形成した言語なのでは?
現住地にあったときにはすでに言葉が大きく別れていたとは限らないよ。
ギリシア語は印欧祖語の名残が大きいといわれるけど、
それこそまさに分化が早かったことの証拠でしょう。
ちなみに、ヨーロッパの印欧語族にはバルト語派もお忘れなく。
>>26 ヨーロッパ人がそう考えるからこそ
ギリシア人の系統・血統にかんしていろいろ言われるんだろうな。
29 :
世界@名無史さん :2001/07/20(金) 04:36
印欧語族の中で孤立しているといえば、アルバニア語を忘れちゃいかん。
30 :
世界@名無史さん :2001/07/20(金) 07:59
ギリシア人は美しいモノが大好きだから、それで金髪碧眼のゲルマン系民族を理想の人間像として、イメージだけを神格化したんじゃないかなぁ 現実的には蛮族扱いしてたんだろーけど(w
31 :
世界@名無史さん :2001/07/20(金) 11:28
古代ギリシア人(ドリス人)の人種の詳細は不明だったと思
います。現代ギリシア人とは別物です。今日のDNA研究の
発展によって、色々明らかになってきているかもしれないけ
ど、おそらくは地中海人種かアナトリア人種で、暗色の頭髪
と虹彩、褐色の肌だったことは確かのようです。
>>1 それは、ルネサンス以後の西欧絵画に慣れ親しんだ結果の
イメージでは? ギリシアの古典には、金髪の人物がいるに
はいるが、実際にはっきりと描写されている例は、かなり少
ないと思います。
>>14 ,
>>30 古代ローマ人が憧れていたのは、あくまで髪の色です。古代
ギリシアでも、金髪はもっとも高貴な髪とされていましたが、そ
れが北方人との接触によるものなのかは、知りません。ギリ
シア彫刻に見られる身体は骨盤と肩の幅がほぼ同じなので
すが、これは明らかに彼等自身の身体(の理想化されたも
の)と考えられています。北方人種の場合、肩幅に比して骨
盤の幅が広いのが特徴です。また、彫刻の肌の部分には、
褐色の絵具かオリーブ油が塗られていたと考えられていま
す。
白い肌に金髪碧眼というギリシア人のイメージは、ヴィンケル
マン等、18・19世紀の西洋のギリシア熱の中で作られていっ
たものですね。
32 :
カ :2001/07/20(金) 13:25
現代ギリシア人はスラブとトルコの混血ですか?
33 :
Krt :2001/07/20(金) 15:00
えーと、金髪碧眼派の方々には申し訳ないんですが、絵画資料(壺絵)
からして、古代ギリシャ人の大半が黒髪(ないし暗褐色)
だったことは疑いようのないことであると思うのですが。
>>31 >古代 ギリシアでも、金髪はもっとも高貴な髪とされていましたが
すみません、この主張のソースをご教示願えませんでしょうか?
私もアポロンやアキレウスが時として「金髪の」という枕詞を
被されることがあるのは存じておりますが、そのことが直接
古代ギリシャ人が金髪を高貴なものと感じたかどうかは別だと思っています。
金髪を高貴なものとする、なにかそれ以上の資料があったら
是非ご教示願いたいのですが。
34 :
世界@名無史さん :2001/07/20(金) 15:13
スラブ=アラブ 周りはみんなそう思ってる。
35 :
:2001/07/20(金) 18:32
>>34 きみの頭の中でだけね。
逆に、ヘレニズム世界の広がりのなかで、
アナトリア半島以東にもギリシャ人が広がっていった、
ってこたぁないのか?
トルコがギリシャ系、とまで言うつもりはないが。
36 :
世界@名無史さん :2001/07/21(土) 01:32
英単語の"slave"(奴隷)の語源は"Slav"(スラヴ)
37 :
○ :2001/07/21(土) 02:00
>>36 イタリア語のciaoもschiavo(奴隷)の訛りですね。Sono vostro schiavo!(私はあなたの奴隷です)の略。
38 :
世界@名無史さん :2001/07/23(月) 12:18
>>36 それは俗説が広まったらしい。辞書にも語源として書かれていることが多いが、
年寄りの学者が信じていたものか?
39 :
アマノウヅメ :2001/07/23(月) 15:51
>>33 パルテノン神殿のアテナ像は肌には象牙を張り、髪の毛は黄金だっそうです。
材質が高価すぎて早い時期に盗まれてますが。
40 :
世界@名無史さん :2001/07/23(月) 16:14
スラヴ人って名前にslavがつく場合が結構ありますね。 Slava,Miroslav,Ladislav,Svyatoslavなどなど。
41 :
世界@名無史さん :2001/07/23(月) 22:30
>>40 たしかに、自分の名前に奴隷ってつけるわけないよな。
42 :
Krt :2001/07/23(月) 22:32
>>39 私は寡聞にしてパルテノンのアテナイ像が金髪だと断言した資料を知らないのですが、
これついてはパウサニウスが「ギリシャ案内記」1-24で「象牙と黄金の造り」と述べ、
プルタルコスも「ペリクレース伝」で女神の「黄金像」に言及していることなどから、
その可能性は高かったと思っています。ですがもしこの女神像が金髪だとしても、
それは像の多くの部分がもともと黄金製なためだろうし、しかもなぜ黄金製かというと、
これは単に美的な配慮からだけではなく、トゥーキュディデース「戦史」2-13における
ペリクレースがペロポネソス戦争におけるアテナイの戦略を述べた演説にもあるように、
非常時に黄金を取り外し軍資金として役立てる為の国の準備資産だったからなのですね。
(アクロポリスの神殿宝庫は集められた資金を元に中央銀行的役割を果たしており、
国家が緊急に資金を要する時には融資していた)だからアテナイ像が金髪かどうかは
ギリシャ人は金髪は高貴だと考えていたかという問題とは直接つながらないと思います。
次に一般論ですが、どうも古典時代のギリシャ人は、詩において神々が「金髪の」と形容
されるのは単なる詩学上の約束事に過ぎず、実際の所神々は黒髪だと考えていたらしい。
例えばキオスのイオンは以下のようなエピソードを失われた「面談録」で書いています。
(アテナイオス「食卓の賢人達」岩波文庫312p以後を参照)
酒席で悲劇詩人ソフォクレスが美少年に対し「赤く染まった頬」という詩句を引用して
くどいていたとき、一人の男が「もし画家が実際に少年の頬を赤く描いたら珍妙だろう、
美しい物を美しくない物になぞらえてはいけない」と難詰した。それに対し、詩人は
上手い言い方だと言われている「娘はその赤い唇から」とか「金髪のアポロン」とかも
「画家がこの神様の髪を黒くしないで金色に描いたら、できあがった絵は悪くなるから
だめかな」(以下略)と言ったという。
ここからギリシャ人の間では、神々も実際には黒髪で「あり」、金髪は時として美的
ではあっても、実際の高貴さという点ては、黒髪>金髪という序列が成り立っている、
と考えられていたと強く推測できるわけです。
43 :
世界@名無史さん :2001/07/24(火) 02:35
確かに「slave(奴隷)←slav(スラブ)」 という関係だが、「slav=奴隷」ではない。 slav は元来は「光」とか「栄光」を表す語。
44 :
31 :2001/07/27(金) 00:36
>>33 「もっとも」は余計だったようです。
>古来,金髪は高貴とされた。ホメロスの《イーリアス》には
>金髪のメネラオスが登場する。 1 世紀ごろのローマの詩
>人マルティアリスの詩に, 〈北の民からの髪 (鬘) を,レス
>ビアよ,君に贈った。君の髪のほうがそれよりもどれほど
>金色であるかを君が知るように〉とある。
平凡社:世界大百科事典、「髪」の項
>Blond hair was rare. Greek admired the blonde look and
>many tried bleaching their hair.
http://members.aol.com/Donnclass/Greeklife.html >>33 >絵画資料(壺絵)からして
うーん、美術史をやっている人間として、これはちょっといた
だけない気がします。ギリシア人が暗色の頭髪であったこと
は明らかですが、それは造形芸術からの推測ではないんで
すよね。壺絵の場合、特にメディウムの制約もあるわけだし。
造形芸術から考えるなら、彫刻の彩色などが有効なような。
こういうものもありますが。
http://www.artchive.com/artchive/G/greek/head_youth.jpg.html ご存知のように、芸術っていうのは、あくまで虚構の世界で
あって、そこに存在する虚構性と様式の問題を充分に把握し
て初めて、歴史史料になり得るわけですから。美術作品を
そのまま鵜呑みにしてしまうと、例えばギリシアの兵隊は下
半身裸であった、とか、ギリシア人はいわゆるギリシア鼻の
持ち主である、とかなってしまうわけで。
45 :
○ :2001/07/27(金) 02:05
ダリは金髪のイエスと十二使徒を描いたことがあるね。
46 :
世界@名無史さん :2001/07/27(金) 21:51
マザー・テレサはマケドニア人。
47 :
シモニス@コンスタンティノポリス :2001/07/27(金) 21:59
>1 近代ギリシャ人=スラヴ末裔説って、19世紀の ドイツの学者が唱えた、現在では否定されている説でしょう? ただ、スラヴ人が大量に移住してギリシャ人に 同化された事は事実。それに、ギリシャ人は、 ローマ人やアラブ人(特にクレタ島やキプロス島)や トルコ人などとも混血しまくっている。 また、上記されている通り、 古代ギリシャ人も実際には金髪で長身の者は 少数だったそうな。 >46 マケドニアのアルバニア人。
48 :
Krt :2001/07/28(土) 19:05
>>44 正直なところ金髪が高貴であるという主張の根拠として44さんの挙げているのは、典拠
としては質が良くないと思う。内容的にも既に発言42でも触れたように古典期のアテナイ人に
とっては韻文における「金髪の〜」という形容自体、意味内容が相当空洞化していたわけだし、
ましてやスペイン出身の一世紀ローマ人の美意識を古典期のギリシャ人に当てはめるのは、
現代日本における金髪流行から明時代の中国人も金髪好きだろう考えるようなものでしょう。
ただ英語の「ギリシャ人の生活」の方の「多くの人がブリーチしていた」という話については、
正確な典拠が知りたいと思った。私もこれは(特にある種の職業の女には)十分あり得た話
だと思うけれど20世紀最大の古典学者の一人ケネス・ドーヴァーが「古代ギリシャの同性愛」
(リブロポート)で女性の金髪が好まれていることが「時には事実である」p.104と述べつつも、
その根拠として文献ではなく一つの壺絵を挙げているほど立証困難な事なのだと思ってました。
次に壺絵からギリシャ人の髪色を推測できるかという問題ですが、文献からそれが立証できる
ことは私も承知しています。壺絵からして、というのは分かりやすい例を挙げたにすぎません。
しかしいくら様式の問題はあれ、既に赤絵式以前の黒絵式時代から、技術的には黒や褐色のみ
ならず白や紫の発色も可能であり、何千という壺絵には現実に相当数の「金髪ないし明色の髪」
の人物が描かれているにもかかわらず、大多数は暗い髪の持ち主だという事実はあるわけです。
もし文献証拠がなかったとしても、この事実があるのにギリシャ人には(金髪ないし明色の髪の
持ち主もいるが)多くは黒ないし暗褐色の髪の持ち主だ、という推論を否定するには相当強力な
逆の証拠が必要ではないでしょうか。42で述べたような例(金備蓄を兼ねたご本尊)もある
のだし、むしろたった一つの金髪の頭部彫刻から何かを推測する方が困難なのではと思います。
なお芸術における虚構の問題も42で述べたように特に美術に限った話ではありません。
さてドーヴァーは同じ箇所で女性や男色の受動側が色白金髪、能動側男性や神が黒髪に描かれる
傾向を(あまり明確な傾向ではないことを認めつつ)野蛮人や巨人が金髪に描かれる傾向と共に
指摘していますが、私はこれを様式論以上のギリシャ人の中核的価値観ではないかと思ってます。
例えばアリストテレス(学派)はその「動物発生論」において毛髪を黒と白とその中間色に分け、
白の方に病気、老い、衰弱を当てているし(782a)、「小品集」の「色について」において毛髪や
体毛に(湿気と)栄養供給による成熟という面から、黒>赤や黄>白という序列をつけています
(797b f.)。つまり成熟と強さが黒、未熟さが赤や黄、初期あるいは病気と衰弱が白というこの
ギリシャ人の自民族中心的価値観が、神や成熟した男性市民を黒髪、その愛や恐怖の対象である
年少の若者、女、異民族を時として金/赤髪で描く様式にも反映しているのだと私は思います。
49 :
31 :2001/07/28(土) 20:36
何か、すごい剣幕だなぁ。私としては、あなたがそう思っている なら、それはそれで、一向に構わないんですけど。
50 :
世界@名無史さん :2001/07/30(月) 21:17
時に、ディナール人種って何?
51 :
世界@名無史さん :2001/07/30(月) 22:17
52 :
世界@名無史さん :2001/07/31(火) 02:02
>>48 つまり、本心では黄色い肌に不満足なんだけど
表面上は白人は白すぎて気持ち悪いって言っている
今の日本人みたいな感じだったの?
53 :
Krt :2001/07/31(火) 22:22
>>52 日本人の西洋人コンプレックス(と言っていいのか?)の背景には、明治時代以後と、敗戦後の
二度に渡り彼らとの文明水準(含む生活水準)の圧倒的格差を痛感させられた体験があると思う。
それに比べ、ギリシャ人が密かにその文明水準(生活水準)を羨んでいたのはエジプト、及び
ペルシャであり、ヘロドトスの記述を信じて良いなら、双方とも金髪碧眼系ではなかったはず。
結局、42と48で述べたように、ブロンド(金髪、碧眼、色白)というのは、ギリシャ人にとって
当初はエキゾティックで自分たちに少ない要素であり、その分だけ魅惑的(隣の芝生は青い?)
だっただけなのが、時代と共に次第に自分たち成人男性市民とは異なる、女性的、幼児的で
優美なもの、「やおい」用語を使えば(笑)、「受け」の記号を強く発散させるものになって
いったんじゃないかと思う。
だが推測するに、52は、西/中部日本、あるいは関東南部の出身で、そのテリトリーをあまり
出たことがない人じゃないだろうか? 私は20年近く前に東北の田舎をローカル線で移動した
ことがあるんだが、そのとき空の車両に乗り込んできた女学生の集団に度肝を抜かされたこと
がある。目鼻立ちは彫りの深いのから、普通のまで様々だったんだが顔色については全員、
平均的な欧米人よりずっとずっと色白、というか、色白を通り越して頬には血管が透いて見え、
動く度にまるで上物の白桃がぷるぷる動いてるみたいだった。それがこっちには殆ど一言も
わからない、もの凄い方言で(都市部のではなく「在」(田舎)の言葉だったんだろう)
ぺちゃくちゃやってるのだ。これを見て以来私は、日本人の遺伝的多様性(雑種性)に驚く
だけではなく、全ての日本人=黄色人種説にも深い懐疑を抱くようになったもんである(笑)。
54 :
世界@名無史さん :01/08/29 19:28 ID:nbxRQjl2
あげ
55 :
世界@名無史さん :01/09/11 07:42
カーレーサー福沢幸雄(さちお)は日希混血ですな。ちなみに父方の曾祖父は言うまでもなく福沢諭吉です。
57 :
世界@名無史さん :01/09/11 09:42
アルプス人種は背が低く、髪も目も濃い褐色が多く、モンゴロイドが起源 という記事をよんだことがありますが、本当ですか?
58 :
世界@名無史さん :01/09/11 18:37
>>57 モンゴロイド起源は嘘だろ。
それ、何の記事だ?
59 :
世界@名無史さん :01/09/11 19:45
「日本大百科事典」小学館、昭和38年版、ヨーロッパ人種。 アルプス人種は遠くモンゴロイドが流れてきたため、これが起源という説もある。
60 :
世界@名無史さん :01/09/11 20:19
誰の説でどこから流れてきたって書いてあるの? 事典が手元にあるなら、該当部分の引用キボーン
アルプス人種って地中海人種と同じでないの?
62 :
世界@名無史さん :01/09/11 21:53
誰の説か残念ながら出てなかったですね。以下、引用・第一巻 アルプス人種ーコーカソイドの一部。短頭で、皮膚はヨーロッパ人としては 中ぐらいの濃色、毛髪は褐色か栗色。身長は割合に低く、165cm前後で、 ふとったからだをもつ。モンゴロイドと関係があるとして、アジアからおこった とする説もある。チェコ・ババリア地方を中心にしてヨーロッパ各地に住んでいる が、南ドイツのババリア地方に典型的な人種が住んでいる。<鈴木二郎>
63 :
世界@名無史さん :01/09/12 10:29
>>62 あの辺のドイツ人はいかにももとはアルプス人種がゲルマン人と混血したという感じだ。
ドイツにはもともとのゲルマン人はいないぞ。
64 :
世界@名無史さん :01/09/12 22:21
>>62 ありがとうございます。
ネットで検索してみると、Madison Grant (1865-1937) という人が
'The Passing of the Great Race' で、アルプス人種をモンゴル人
(おそらくモンゴロイドの意味で使われている)と誤って混同する
人類学者がいると書いているので、アルプス人種=モンゴロイド
起源説は古くからあるようです。この頃のヨーロッパ人は互いに
劣等人種だと罵りあっていたから、この説もそれと関係がありそうな
気がします。
http://www.jeffsarchive.com/race/madison%20grant/The%20Passing%20of%20the%20Great%20Race,%20Chapters%2011%20and%2012.html The Alpine race is clearly of Eastern and Asiatic origin.
It forms the westernmost extension of a widespread subspecies
which, outside of Europe, occupies Asia Minor, Iran, the
Pamirs, and the Hindu Kush. In fact the western Himalayas
were probably its centre of original evolution and radiation,
and its Asiatic members constitute a distinct subdivision,
the Armenoids.
The Alpine race is distinguished by a round face and
correspondingly round skull which in the true Armenians has
a peculiar, sugarloaf shape, a character which can be easily
recognized. The Alpines must not be confounded with the
sliteyed Mongols who centre around Thibet and the steppes of
north Asia. The fact that both these races are round skulled
does not involve identity of origin any more than the long
skulls of the Nordics and of the Mediterraneans require that
they be both considered of the same subspecies, although good
anthropologists have been misled by this parallelism.
アルプス人種は明らかに東洋、アジア起源である。それは
ヨーロッパの外で小アジア、イラン、パミール、ヒンドゥークシを
占める広く広がった亜種の西端の拡大を形成する。実際に、
西ヒマラヤは多分その元々の進化と放射の中心であって、その
アジアのメンバーは別個の副区分、アルメノイドを構成する。
アルプス人種は丸い顔と対応して丸い頭蓋によって区別され、
本当のアルメニア人では、容易に認識できる特徴の特有な円錐形の
形状を持つ。アルプス人種は、チベットと北アジアのステップの
まわりの細い目をしたモンゴル人と混同してはならない。これらの
両方の人種が丸い頭蓋をしているという事実は、北方人種と
地中海人種の長い頭蓋が彼らの両方が同じ亜種であることを必要と
する以上に、起源の同一性を伴なわない。良い人類学者たちがこの
並行現象によって誤って導かれてはいるが。
65 :
話題がそれてるけど :01/09/12 23:39
>近代ヨーロッパ(特にドイツの古典学)によって ドイツはフランスへの対抗上、「自分たちは(精神的には)ギリシア文明の 末裔だ」というフィクションを強調する傾向が強かった。 >印欧語族の中でギリシア語派は独立して立ててあるけど…。 学習してみるとラテン語とはかなり近い印象を受ける。ラテン語のS音が ギリシア語の気息音になるなど、規則的な対応も多い。 (例)super⇔υπερ(hyper)など。 >近代ギリシャ人=スラヴ末裔説って、19世紀の ドイツの学者が唱えた、現在では否定されている説でしょう? 誰が否定したの?なおJacob Fallmereyerの説では ペロポンネソス半島に流入したのはスラブ人だけではなく、アヴァール人、 そしてアルバニア人も挙げられている。 なおこの民族流入の結果、ギリシア文化の中心はコンスタンチノープル と小アジアのイオニア海沿岸部に移った。 現代ギリシア人はビザンツ帝国という「中華」帝国を経ている。軍事的には さほど強くなくとも、周辺の諸民族に比べると圧倒的ともいえる高い文明を 誇り、絶えず流入する異民族を併呑し、ギリシア化し、自らの活力元としてきた。 こう考えると現代ギリシア人=混血民族というのは当然。 純粋に人類学的な人種に関する議論は隣の板のほうが向いてるかもしれない。
古代エジプトの王様って黒人だったの? さっきNHKにエジプトの王夫妻の銅像がでてたけど 地中海人種にはみえなかった
>>64 ありがとうございました。勉強になります。
良スレのはず
69 :
世界@名無史さん :01/10/09 23:23
ドイツ人でも細くてやや腫れぼったいような目をしてる人がいるけど、 それがモンゴロイド起源説のあるアルプス人種なのかな
シリア人って本当にアラブ人?
72 :
世界@名無史さん :01/10/11 13:59
>>70 ドイツ人じゃなくてもアイスランドのビョークは殆どモンゴロイドだ
73 :
世界@名無史さん :01/10/11 14:23
>>71 現代シリア人は人種はさて知らず、民族的にはアラブです。
アラビア語を母語としているから。
74 :
世界@名無史さん :01/10/18 22:56
>>70 アルプス人種はフランス南部、スイスにいます
ゲルマン系の目が細いのは寒い気候のせいだよん
75 :
世界@名無史さん :
01/10/19 00:01 あれじゃないの。つまりいくらヨーロッパ程度の寒さでも 長年すんでると、寒冷化適応してくるということはない?