社会システム論による世界史観

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1世界@名無史さん
60年代あたりにはやったそうですが、
一般的に胡散臭いと取られているのですか。
私は未来学に通じる有効な方法論だと考えているのですが。
2世界@名無史さん:2001/07/05(木) 12:45
未来学じたいが学問の世界では一種のドキュンっぽいような気がちらほらと・・・
3世界@名無史さん:2001/07/05(木) 13:09
社会システム論って、後知恵で考えた予定調和だからなあ。
どんな社会も存続していればいいものなんだという味付けに、
生身の人間は耐えられんよ。
4世界@名無史さん:2001/07/06(金) 20:34
>>2
現行の学問世界では、ほぼ完全に相手にされていないでしょう。

おれが思うに、未来学とはSFである。
サイエンス・メタフィクションと言ってもいいけど。
付け加えなきゃいけないだろうけど、
おれはSFを愚弄するような気持は微塵もないよ。
むしろ、敬意に近いものを持っている。
5世界@名無史さん:2001/07/06(金) 21:22
アニメで富野監督がよくやってるやつね
6世界@名無史さん:2001/07/07(土) 00:49
みなさんの考えている、
社会システム論による歴史観、
ってどんなものなんですか?
不勉強ゆえ、名前を聞いたことぐらいしかないので、
短くで結構ですので教えていただけませんか。
検索してみましたが、なにか怪しげなところしか行けないもので。
よろしければお願いします。
7!!:2001/07/07(土) 02:12
とりあえずシステム論について・・・
というのも、昨日(金曜)の東京大学駒場教養学部「政治T」でちょうどシステム論が取り上げられていたから・・・
マジでタイムリーなのでびっくりしました。
とりあえず教授−T橋−の言ったことをそのまま書きます。
まずは参考文献 公文俊平「社会システム論」(日経、1978)
このころ大ブームだったらしいですが・・・
では書きます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
システム論とは科学一般に適用できる「方法論」である。
もちろん社会科学の分野でもこの分野自体をひとつのシステムととれる。
対象はどんな分野でもよい。
(ここで教授は「夏目文学全般でもよい」と言う)
そして主体が対象を認識するときの「形式」がシステムである。
世の中のありとあらゆるものは「システム」として認識でき、この方法でいくと大体同じ「格好」で物事が見えてくる・・
8!!2:2001/07/07(土) 02:18
システム論以前の考え方・・・「機械時代」
特徴
a 還元主義 物事の原因をその物事のなかに求め、ひたすら分解しながら解明しようとする。
さながら時計の故障の原因をそのなかのゼンマイに求めるように(by教官)
すなわち、社会学をやるときには人間がなかに居るんだから心理学の方へ、心理学をやるんだったら行動科学へ、行動科学をやるんだったら生物学へ・・
とさかのぼって究極的には素粒子論まで行く、と。
b 分析的思考 ある問題があるとき、それを解明するために構成部分にわかち、それぞれの部分を考える。
c 究極的には機械論−還元主義的因果論
すべての事柄はいくつかの因果関係の組み合わせによって説明できる。
この分析の方法@一定条件のもとで因果関係の法則を考える A世の中のすべてはこの法則によって動いている、故に問題解決は原因をコントロールすればいい Bそして「機械」が動く目的は主体=個が決める C世の中(他人すら)は個の目的実現のための「機械」である
だそうです。
これがシステム論以前の考え方・・・だそうで。
9!!3:2001/07/07(土) 02:24
それではシステム論自体の考え方に移ります
a 拡張主義 ある問題はそれを含む全体の一部分で、他の部分と何らかの関係があるはず(原因は内包されいているだけではない)
b 構成的思考 ある問題は大きな部分の一部であることを元に思考する(aからすぐ導き出される)
c 目的論的思考 世の中には「産出者」と「産出物」の関係があり、この関係は一対一(機械論は内包しており一対一である)ではなく、一つの生産者が複数の生産物を生み、一つの生産物の生産者は単数とは限らず、複数である。
このような生産者−生産物の関係が網の目のように「ねっとわーく」広がっていると認識する。
しかしながら我々の認識力には限界があり、このネットワークすべてを認識することは出来ない。
よって、認識できた部分を「システム」と呼ぶ。
しかしながらその外側にもネットワークは広がっており、認識できない部分は「システムの環境」という。
なおシステムもその環境もそれ自体には違いはない。すべてネットワークの関係にあり、それを分けるのは我々の認識力の限界故にすぎない。
ex.宇宙の地平線、と同じ。

・・・・・
と、だいたい90分中の60分ほどかけて説明されました。
あ、ほかにもシステム論についての参考文献があがっていました。
T・パーソンズ「AGIL図式」これはかなり有名だそうです。
10!!3:2001/07/07(土) 02:29
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個人的(雑魚雑魚)見解です。
機械論は「各国史の時代」にはかなり当てはまるのでは無いでしょうか。
それに対してシステム論は大航海時代〜現代までの複雑な関係において有効なのでは??
実際現代の「国際関係論」の授業では当然のようにシステム論的解釈がなされていましたので。
どうでしょうか?
しかしながらご覧の通り私はまだ大学一年生で、歴史学に関しては高校レベル+趣味+一学期の授業程しかありません。
ただ、このシステム論の定義がみなさまの議論のお役に立てれば幸甚です。
ではでは。
試験も近いです(死
11だね:2001/07/07(土) 03:15
どうなんでしょ。システム理論。一生懸命やっても
学問的に未来はなさそうですね。
システム理論、アメリカでも風当たりは厳しくなってるね。
学問的権威はまだまだあるだろうけど。
最近アメリカでもシステム理論を分析に多用する
政治、社会学系のシンクタンクはものすごく敬遠されるらしい。
まあ僕は史学の人で無いので、そっち方面でどういった評価があるのかは知りませんけど
12世界@名無史さん:2001/07/07(土) 07:01
パーソンズなんかのアメリカ社会学っていうのは、近代化理論というか
経済成長史学なんかとは相性が良さそうだけれど、アメリカの理論家って、
普遍主義・科学的客観主義を唱えながら実はアメリカ的価値観にどっぷり
浸かってるところがあるような気がします。
13世界@名無史さん:2001/07/07(土) 11:52
!!君のを読んで思ったんだけど、これ、もろ『攻殻機動隊』では・・・
14世界@名無史さん:2001/07/07(土) 15:14
宮台センセが、自分のHPで書いていたんですけど、
やっぱり、英米ではシステム理論系の社会学者は論壇ではまったく力を失っているそうです。
15世界@名無史さん:2001/07/08(日) 22:01
>>1
何をさしているの?
社会学原論は一応機能主義で完成したはずだったから、
その応用領域としてsocial policy(「社会政策」じゃあないよ)や「社会史」が考えられました。
経済史は歴史学者でなく経済学者がやっているでしょ。だから社会史もって。
たとえば、パーソンズと共著のあるスメルサーが産業革命研究をしています。
でも、歴史学とは無関係みたいでしたね。交流ないから。
16>15:2001/07/08(日) 22:09
今、アメリカなどでは経済史って経済学部からはほぼまったく追い出され、歴史学部の所属ですね。経済史の研究者も経済学者というより歴史家と認識されていると思います。
17名無しさん:2001/07/08(日) 22:21
>>16

なんで?
ダグラス・ノースってノーベル経済学賞とったじゃん。
1817:2001/07/08(日) 22:30
最近では、経済史ではゲーム理論や契約理論などの
ツールを使って、歴史分析が行われています。
http://www-econ.stanford.edu/faculty/workp/swp97017.pdf
19世界@名無史さん:2001/07/08(日) 23:12
ちなみに史学の世界でも数学バリバリ使うようになったら
困る研究者はいっぱいいるだろうね。
20世界@名無史さん:2001/07/08(日) 23:28
いません>19
というか、バリバリ使えるような統計があれば、
だれも苦労はしないよ
21世界@名無史さん:2001/07/09(月) 02:23
>>18
んー、悪いけど考え方が保守反動なもので、あんまり関心ないなあ。
つか、そもそもゲーム理論自体よく解ってないし。スマソ
まあ、流行ものには、そのうち日本でも飛びつく人はでてくるだろうし、
そういう人が「こういうのもあるよん」って紹介してくれるのはとても便利では
あるんだけど。
22世界@名無史さん:2001/07/09(月) 17:21
>>20

資料はあれども、分析のないまま放っておかれる現状。
地方の図書館、名望家の旧家に行けばいくらでも放置されたままの古文書が見つかる。
そもそも、日本の史学者は統計の取り方も知らないのか、それとも資金がないから
放置されたままなのか?まずは統計を取ることからはじめるべきか
23世界@名無史さん:2001/07/09(月) 19:51
なんか人種に優劣があるかスレあたりから、統計大好きっ子が
出てきたみたいだね。いや、別にいいんだけどさ。
24世界@名無史さん:2001/07/13(金) 02:06
>>8 >>9
間違ってはいないと思うけど、それだとあらゆる理論モデルが全部システム論
の中に入ってしまう。たとえばウォーラーステインの世界システム論はシス
テムというけれど、社会システム論とは別物でしょ。彼も含めるような定義で
いくと、ほとんどの学派はシステム論の一派になってしまう。

システムと環境という区別は理論のキモだけど、それだけでなくて……。

社会システム論には、存続している社会システムは存続に必要な機能を果たし
ているからこそ存続できているのだという仮定があるのさ。で、各機能が各社
会システムでどのように異なる形で果たされているかを分析してみようと考え
る。そういう研究を構造機能分析と呼ぶ。なかなかおもしろそうでしょ。

それが目的論なのは、ふつうの科学は心がないものに目的を読み込むようなこと
を慎しむのに、ここでは社会に目的を持ち込んだから。人間ではなく社会が目的
をもつという発想が思想にまで高まるようだと、これはちょっとついていけない。
弱点。

 とまあ偉そうに書いたけど、外部からの偏った理解なので、詳しい人が修正し
てくれるといいなあ。
256:2001/07/14(土) 08:03
いろいろな説明やご意見、参考にします。
ぼく自身《社会システム論》なるものを知ったばかりなので。
これからもっと勉強してみます。
否定的というよりは批判的な視点を持ってですが。

ぼくが《社会システム論》を知ったのは、
大学のあるとち○った教官に、
えらそーに,
《社会システム論》も知らないのか、
トンデモ本だがA・G・フランクの『リオリエント』でも
読めといわれ,とりあえず入手しました。
でもどうやら《社会システム論》≠《世界・・・》らしいですし,
教唆された本は《世界・・・》の本だし,
なんだか訳がわからなくなりました。その教官の○○加減以外は。
26世界@名無史さん:2001/07/22(日) 03:03
agetemimasu...
27sage:2001/08/23(木) 10:58
sage
28世界@名無史さん:01/08/27 13:39 ID:boL65gJs
>人間ではなく社会が目的をもつという発想が思想にまで高まる

これを排除して,各人が持つ歴史観以外を括弧に括った上で
いわば現象学的に《歴史》と対峙してゆけば有意義なものとなり得ると思うのですが,
どうでしょうか.
2924:01/09/04 21:23 ID:NXeqpz7w
>>28
同意します。この程度のイデオロギー的バイアスは、どの理論からも
抜き取れませんからね。わかってて使ってればいいんでしょう。

私も、社会システム論はきちんとトドメをさされていないのでは?と思って
います。流行の変転によって今すたれていても、いつか野心的な人が
復活させるかもしれません。
30世界@名無史さん:01/10/03 07:02
消えるのはもったいないから保存sage
31世界@名無史さん:01/11/20 04:00
じゃああげ
32世界@名無し:01/11/20 04:29
古代地中海=理念ゴリ押し

最近はようやく社会史が活発。おいてけぼりナリる。
33sega:01/11/20 16:50
sega
34厨房青年
age