高句麗の言葉が

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85世界@名無史さん
上代日本語を8種類で書き分けているが、母音は5種類しかない。っていう本を昔読んだんですけど、難しすぎて内容忘れてしまいました。(トンデモ系の本ではありませんでした。)
5母音説ってどうなんでしょうか?
86娜々志娑无:2001/06/11(月) 22:12
>>85
 確かに、そういう考え方をする研究者もいます。おっしゃる通りトンデモ系では
ありません。乙類を二重母音と考えることにより、基本母音は5つのままで済ませ
ることが可能になるというものですが、この考えの利点は、上代特殊仮名遣(言い
忘れてましたが、これが上記の甲・乙の区別云々の正式名称です)の消滅という問
題を考える上で、多少有利になるというところにあります。実際、奈良時代(8世紀)
にはあれだけきちんと書き分けられていたものが、平安時代に入るや否や急速に書
き分けがなくなり、9世紀末には完全に区別がなくなってしまうというのも不思議
な話ですが、奈良時代から現代に至るまで日本語の基本母音は5つだったと考える
ことにより、上代の甲乙の区別も一時的な現象ということで捉えることができると
いうわけです。いやはや、うまくしたものですね。ともあれ、私レベルでは旧来の
説と比べてどちらが正しいやら判断が付きません。悪しからず。
87日本@名無史さん:2001/06/11(月) 22:16
8母音は朝鮮半島との交流が多かった時代に特有の
しかも、近畿から北九州にかけてだけの特例じゃないかな。
東歌や防人歌は5母音だからね。
日本語固有のものでないから、平安になると消えてしまった。
88娜々志娑无:2001/06/11(月) 22:30
>>87
 お言葉ですが、東歌・防人歌にも甲乙の区別はありますよ。ただし、オ列音
だけですが。しかも、当時の中央語(奈良)よりも正確に区別されていること
が、防人歌の万葉仮名の詳細な研究により明らかにされています。確かに私も
更に起源を遡れば、8母音の問題は朝鮮半島の言語と関係しているだろうとは
考えておりますが、こういう文献的事実を無視して、安易に朝鮮半島の言語と
結び付けて考えるのは感心できません。

 私自身も