97 :
世界@名無史さん:
ジョージ・ワシントン「訣別の辞」部分
「…(略)…国家政策を実施するにあたってもっとも大切なことは、
ある特定の国々に対して永久的な根深い反感を抱き、
他の国々に対しては熱烈な愛着を感ずるようなことが、あってはならないということである。
そして、そのかわりに、すべての国に対して公正かつ友好的な感情をもつことが、なによりも重要である。
他国にたいして、常習的に好悪の感情を抱く国は、多少なりとも、
すでにその相手国の奴隷となっているのである。
これは、その国が他国に対して抱く好悪の感情のとりことなることであって、
この好悪の感情は、好悪二つのうち、
そのいずれもが自国の義務と利益とを見失わせるに十分であり、…(略)…
国家間の平和は、この好悪の感情の犠牲となって失われることがしばしばある。
好意を抱く国に対して同情を持つことによって、実際には、
自国とその相手国との間には、なんらの共通利益が存在しないのに、
あたかも存在するかのように考えがちとなる。
一方、他の国に対しては憎悪の感情を深め、
そこには十分な動機も正当性もないのに、自国をかりたてて、
常日頃から敬意を抱いている国との闘争に誘いこむことになる。
…(略)…」
引用:
A・C・ウェデマイヤー著「第二次世界大戦に勝者なし」
(講談社学術文庫)上巻P33 より