調度品として天皇・皇后の寝床の前に置く一対の獅子や、四天王寺の聖霊会
に登場するような人が中に入って舞う獅子は平安時代には見られ、中国由来
と考えられています。
ただ、東北地方や東北から転封に伴って伊予の宇和島に伝わった一人舞いの
獅子舞は、鹿を模したものですね。
中には、通常の獅子舞の獅子頭に鹿の角をつけた折衷型も見られます。
何時始まったのかは分かりませんが、宇和島の獅子舞が伊達氏入封と同時に
伝わったものであれば、江戸初期には既にあったことになります。
奥三河には、猪の獅子舞がありますが、「シシ」はイノシシやシカを指して
言われることもあった言葉です(稀にカモシカも指す)。
余談ながら、石造狛犬の中で一番古いのは12世紀末の東大寺のもので、こ
れは石材を宋から輸入し、宋人に作らせたものでした。
ついで12世紀初めの九州は宗像社のものが古く、こちらも宋風です。