>>47-48 西洋ではともかく東洋では「根本的に、庶民は字が書けない。」という図式は簡単に成立しない。
なぜなら、律令法は徹底した文書主義で戸籍の作成や班田制を行うために必要な帳簿を作成するには、人口全体のうち一定の識字率を有し、識字者である民衆に記録などの雑務をさせなければ事務量的にとても追いつけない。
かつて、教育史学者の久木幸男が推定した奈良〜平安期の識字率(日本で律令制を導入するために必要とされた最低限の識字率)は8%前後とされている。それでも、人口全体の中で貴族・官人・僧侶の占める割合よりも上。