1 :
世界@名無史さん:
ビザンツはもとより世界戦史上、五本の指に入る名将ベリサリウスを語れ。
2 :
世界@名無史さん:2008/06/22(日) 20:00:13 0
1ペニーめぐんで下され
世界史フラッシュの「ローマの鍵」シリーズは大作だな
>>3 第1話しか見てないが、燃えるね
選曲と、flash有効活用した戦術解説が好き
ヴァンダル王国は滅ぼして欲しくなかった
北アフリカのゲルマン人国家ってなんか面白そうだったのに
ぶっちゃけムンドやナルセスのほうが上だろ
8 :
世界@名無史さん:2008/07/04(金) 19:59:17 0
でもベリサルウスってのは、ルンペンになる前に一度も野心をもったことなかった
のかな?なにせ皇帝ユスティニアヌスは後世に多くのものを残したことは確かかも
しれんが、民衆の信望があったわけではないからな。反旗をひるがえそうと思えば
いくらでも隙があったと思うのだが…
9 :
世界@名無史さん:2008/07/05(土) 16:57:32 0
プロコピオスのヴァンダル戦記とゴート戦記が京都大学から
出版される予定だけどいつでるんだろ。
10 :
世界@名無史さん:2008/07/11(金) 08:19:43 0
>>8 ベリサリウスがあれだけ活躍できたのって、なんだかんだいってユスティニアヌスが
東ローマ帝国をしっかり支えてたからじゃないの?
12 :
世界@名無史さん:2008/07/11(金) 11:24:28 0
ヴァンダル王国との戦いのとき、ベリサリウスはまだ25歳だったんだなあ。
それ以前にもペルシア防衛線や「ニカの乱」で軍功を立てているし。
13 :
世界@名無史さん:2008/07/11(金) 11:37:26 0
軍人として優秀でも、政局に強いかどうかはまた別の話
14 :
世界@名無史さん:2008/07/11(金) 14:30:54 0
>>6 あの時代の北アフリカは今とは違って非常に豊かな土地だったらしいね。
ゲリメルがベリサリウスとの戦いに敗れた後、敵の本陣に入った東ローマ軍は、
おびただしい金銀財宝を発見して、彼らの強欲さを十分満足させたとか。
よく比較されるスティリコは野心もあったようだけど、ベリサリウスは本当にバカが付くくらい忠実な将軍だったみたいね。
腕のいい作家が彼の一代記を書くだけでも、陰影に富んだ大作になりそう。
16 :
世界@名無史さん:2008/07/11(金) 15:36:51 0
ヴァンダル人は三代にわたってきたアフリカで生活しているうちに、
すっかり柔弱になっていた。
あと、ガイセリック以降は優れたリーダーが現れなかったのも、あっさり
滅亡した原因かな。
17 :
世界@名無史さん:2008/07/11(金) 17:00:51 0
ベリサリウスがコンスタンティノープルから北アフリカへ向けて出発したとき、
率いていたのは5千の騎兵と1万の歩兵隊、合計1万5千の軍勢だった。
これらの軍勢を運ぶ500隻の運送船は、最小のものが30トン、最大のものが500トンと
計算して、総計約10万トンの船に3万5千人の兵卒と水兵、5千頭の軍馬と各種の武器、
兵器、軍需物資そして3ヶ月におよぶ航海のための水と糧食の備蓄を載せていた。
そしてこれらの船を、小型の帆船92隻が護衛した。
(この時代にはかつてのようにガレー船を用いるわけにはいかなくなっていた)
この航海の途中、糧食であるパンが腐敗して、兵士や船員500人が中毒を起こす。
本来パンを2度焼かなければならないところを、カッパドキアの近衛長官ヨハンネスが、
燃料の経費を節約するために、パンを1度だけ、それも浴場を暖めた同じ燃料の
余熱で軽く焼くだけでよい、と指示を出したのが原因らすぃ。
18 :
世界@名無史さん:2008/07/11(金) 19:06:33 0
>>15 政治的には有能とはいえなさそうだから、陰影というより哀愁に富む感じになりそう。
19 :
世界@名無史さん:2008/07/11(金) 22:25:07 0
やれやれだな…戦争馬鹿の末路というのは古今東西どこか似ているなw
>>15 物語の中での語り部役はやっぱプロコピオスかな
ベリサリウスはユスティニアヌスだけではなく、妻のアントニナにも悩まされている。
23 :
世界@名無史さん:2008/07/12(土) 10:18:40 0
うーんアントニナというのは山本モナみたいな奴だな。しかも不倫の相手が養子
というのが痛いな…ちょっとだけエロイなw
ゴート軍との戦いで、双方の兵士がハドリアヌスの皇帝廟から大理石彫刻の
傑作を落として破壊したというエピソードには、心が暗くなる…
もうこの時代には、ギリシア彫刻の傑作を守るという考え方は失われていた。
>>23 ローマ人の物語の最終巻ではちょこっとだけしか言及されなかったが良妻って書かれてたけどな>アントニナ
>>25 アントニナは夫を助けたこともあったけど、浮気もしていた。
27 :
世界@名無史さん:2008/07/12(土) 17:24:30 0
世界戦史上最強の名将と聞いて飛んでやってきました。
28 :
世界@名無史さん:2008/07/12(土) 18:37:05 0
アントニナというのはなにか、テオドラとユスティニアヌスが放った間諜
ぽいな。実はベリサリウスが謀反をおこせなかったのは彼女のせいだったり
して。まあ多少小説的すぎるかもしれないが…
>>26 夫の人事に口を出すせいで軍の士気を異常に下げたことも度々あったようだ。
30 :
世界@名無史さん:2008/07/13(日) 07:54:43 0
アントニナについてkwsk
アントニナの父は戦車競争の御者で、母は舞台の遊女だった。
ベリサリウスの妻になる前に、彼女は一度結婚していて、フォティウス
という息子を一人儲けている。
ベリサリウスとアントニナ夫婦は、テオドシウスというトラキア出身の
青年を養子にしていたが、アフリカ遠征の航海の途中にアントニナは
彼と密通した。
32 :
世界@名無史さん:2008/07/14(月) 20:15:11 0
西ローマ滅亡後のゲルマン人諸王国は、フランク王国を除いてどれも短命に
終わったな。
たまにガイセリックやテオドリックのような傑出した人物が出てきたけど、
彼がいなくなると内訌で弱体化。
西ゴートは300年近く続いたし面積もなかなかだが
どうも影が薄いような。
イングランドや北欧以外の生き残ったゲルマン人諸王国
はフランクに全部併合されたようだの。
>>24 この頃になるとキリスト教の偶像崇拝批判の影響が強くなってきて、丸彫りの彫像は廃れていた
>>33 影が薄いというより、イスラムに征服されたりしたために記録が残ってないらしい
36 :
世界@名無史さん:2008/07/16(水) 16:00:33 0
20年にわたるゴート戦争で、イタリアの惨害と人口減はその極に達した。
ベリサリウス自身の統率下での第4次侵攻の段階ですでに、ピケヌムの狭い
地域だけで5万人にのぼる農民が飢餓で死んだ。
37 :
世界@名無史さん:2008/07/18(金) 14:12:06 0
ところで西暦535年のクラカタウ山の大噴火って本当にあったのかな?
イタリア戦役の時はちょっとだけ野心を見せてなかったか?
帰還命令無視して、ユスティニアヌスの部下も帰して、
イタリアの王になろうとしたんじゃないの?
>>38 小説『最後のローマ皇帝』ではそういう描写になってますね。
「俺が王になれんじゃね?」って感じに。
作家の想像力がそっちの方向にかきたてられるのは理解できる
41 :
世界@名無史さん:2008/07/22(火) 23:38:54 0
ベリサリウスが北アフリカを去った後、ソロモンという宦官がこの土地を
統治したが、彼もナルセス同様、ムーア人相手の戦いで武勲を立てている。
42 :
世界@名無史さん:2008/07/26(土) 19:45:15 0
もしハンニバルとベリサリウスがカルタゴと戦ったらどっちが強いかな?
43 :
世界@名無史さん:2008/07/26(土) 19:46:08 0
ごめん間違えた。カルタゴと→カルタゴで
余裕でベリサリウス。 正直レベルが違う。
ハンニバルは包囲戦術の完成者として有名だが、戦術家としての多様性でいくと
比較にならん。 ベリサリウスならザマでスキピオに完勝するかもな。
45 :
世界@名無史さん:2008/07/29(火) 08:37:30 0
祖国からの扱いの悪さも余裕でベリサリウスの勝ち
46 :
世界@名無史さん:2008/07/29(火) 10:24:49 0
ベリサリウスの生涯成績って何勝何敗なの?
印象だとかなりの勝率のようだけど。
47 :
世界@名無史さん:2008/08/02(土) 12:02:42 0
東ゴートに敗北して初めてナルセスと交代したんだっけ
48 :
世界@名無史さん:2008/08/02(土) 18:56:16 0
やれドS女だ宦官だおかまだとビザンツきめえぇぇぇぇ!!
49 :
世界@名無史さん:2008/08/02(土) 19:39:08 0
きもくなければギリシア人の帝国じゃあない
将軍の戦歴は評価されてるけどユスティニアヌス帝の対外政策自体は
帝国を衰退させたといわれてるギャップが
ベリサリウスは密かに世界戦史史上最強かもしれんと、軍事家達は言い合ってるからな。
もちょっと取り上げられてもいいんじゃないかな?
>軍事家達
たとえば?
リデル・ハートとか
>>53 リデル・ハートか
Great Captains Unveiledで「チンギス・ハーンとスブタイの戦略能力に匹敵するのは
ナポレオンがいるのみ」とか書いてたけど
55 :
世界@名無史さん:2008/08/05(火) 20:33:30 0
ベリサリウスの戦術能力はその2人にも引けを取らんと思うんだがのう。
あまり詳しくないが、ベリサリウスが寡兵でも勝てた最大の秘訣はなん
だったんだろう?
リデル・ハートの「戦略論」にまとめがある
ナポレオンは戦術はともかく戦略的に優れていたのか?
>>56 騎兵の活用と防御戦の構築、だったかな?
59 :
世界@名無史さん:2008/09/21(日) 12:26:38 0
なんだよベリサリウスってのは、ほんとに最後は乞食にまで落ちぶれたのか?
常勝将軍としての誇りがあるなら、どうしてそうなる前に自害しなかったんだ?
60 :
世界@名無史さん:2008/11/27(木) 05:32:08 0
>>58 優れてるだろ。
まあロシア攻めだけはありえない戦略的ミスとは言えるけど。
戦術つっても、優秀な戦略手がないと戦術的打破なんて簡単にできないし。
>>59 ユスティニアヌス一族へのいやがらせじゃない?
「よく大恩人ほっとけるよね、あの神経わけわからん」的なこと首都でさんざん噂になったと思われ
なんちゃって乞食だったのかもな。
63 :
世界@名無史さん:2008/12/02(火) 09:36:04 0
浮浪者にまで落ちぶれたってのは伝説だろ?
まぁユスティニアヌスの神経が理解できないのは変わらないが。
よくあそこまで大恩ある忠勇兼備の将を無碍にできるわ・・・
猜疑心の強い権力者ってどこでもいつでもそんなもんでしょ。
ユスティニアヌスはその中でも特に過剰だとは思うけど…
古くは劉邦が韓信を粛清した話とか、
近い時代ではスターリンがナチスの策にかかって名将トハチェフスキーを粛清した話とかあるしね。
それにしてもベリサリウスほど報われない人物も珍しい。
劉邦すら韓信に対して一時にせよ功績に見合う地位と大禄を与えたが、ベリサリウスはユスティニアヌスが困った時だけ都合よく呼び出されてこき使われて、あとはお払い箱。功に対する褒美なんか皆無。基本シカト。ベリサリウス面目丸つぶれ。
宮廷の陰謀に加わっただかの容疑で無実なのに捕まえたり。
悲劇の英雄演出するにも程度があるだろ、とユスティニアヌスには言いたい
財産は全て没収。ベリサリウスがそこまでされるようなことしたか、と考えると首を傾げざるを得ない。
功績が巨大になってきた臣下は扱いづらい、ということを考慮に入れてもやりすぎだ。
功績に驕りもしない、主君の命には唯唯諾々と従う武将なのに。
やっぱりユスティニアヌスは好きになれねー。
68 :
世界@名無史さん:2008/12/03(水) 18:27:01 0
戦史すら翻訳されてない状態でどう語れつーねん
Loebの英訳でプロコピオスの主要な著作が近所の図書館に揃ってて英語も一応読めるけど
ビザンツ史は1204年以降しか興味ない俺って負け組?
ニカイア・パレオロゴス朝時代が好きだとは、変わってるな。
別に好きでもないが興味はあるよ。
そもそもビザンツ史に関心をもったのは、中世後期あたりを扱った本を読んでると
「その頃ビザンツ帝国では2人の皇帝が争っていて・・・」とか「その頃ギリシャにいたフランク人諸侯は・・・」
とか時々出てくるので、コンスタンティノープル陥落までに一体何が?というのがきっかけだから。
でもビザンツの軍事関係はオスプレイの本とかで読んだりするけど
正直ミカエル8世までの方が面白いんじゃないかとw
a
ビザンティン風
76 :
世界@名無史さん:2008/12/30(火) 01:20:56 0
ほしゅ
77 :
世界@名無史さん:2008/12/30(火) 09:41:13 0
それにしても当時のローマ市民ってのは国家から最低限の生活保障
に娯楽の提供されているのに、ちょっと税金が上がっただけでニカの乱み
たいなのをおこすとは、今の日本と比べたら身勝手極まりない連中だなw
それを言ったら世界的に見ると今の日本人は…って事になるぜ?
79 :
世界@名無史さん:2008/12/31(水) 17:38:53 0
経団連のエライサン達は海外の上っ面しか見てないよな
上にとってどんだけ楽な国民なのかがわかってない
80 :
世界@名無史さん:2009/01/12(月) 09:47:00 0
81 :
世界@名無史さん:2009/01/14(水) 21:53:56 0
アシモフのファウンデーションに出てきたベル・リオーズとの比較を語らないのは、
ここが世界史板だからなんだろうなぁ...
82 :
世界@名無史さん:2009/01/14(水) 22:01:28 0
83 :
世界@名無史さん:2009/01/14(水) 22:15:27 0
語らないのなら語ってもしかたがないさ。w
84 :
世界@名無史さん:2009/01/14(水) 22:18:22 0
すでに語ってるし
85 :
世界@名無史さん:2009/01/14(水) 22:27:05 0
87 :
世界@名無史さん:2009/01/15(木) 23:53:50 0
ダラスの戦いの空堀を掘ったのって、野戦築城に含めていいのか?
それで敵を防いだわけじゃないし、要塞の前に掘ったわけだが
88 :
世界@名無史さん:2009/01/19(月) 00:24:49 0
ベリサーリオスが晩年に乞食に成り果てたという史話の典拠を教えて下さい。
おそらくプロコピオスであろうとは思いますが、何という文献の何章に記されているのでしょうか?
よろしく。
89 :
世界@名無史さん:2009/01/19(月) 21:31:43 0
出所不明の民間伝承らしいよ。
その民間伝承をネタにジャック=ルイ・ダヴィッドっていう著名な画家が絵を描いたから、
それっぽく広まったみたい。
志村けんが死んだと同じレベルの噂をまにうけて絵を描いた奴がいたってことかね。
プロコピオスには、記述はありません。
中世の伝承と聞く。不遇な名将がいたという話が伝わってそんな伝説になったのか。
93 :
世界@名無史さん:2009/01/22(木) 00:53:31 0
皆様方、誠に以て有り難う御座りまする。
ところで、ベリサリオスの妻が悪妻だったという話はプロコピオスの書物に
記されている、と聞いたことがありますが、具体的には如何なる振る舞いが
あったのでしょうか?
遠征に同行し、占領地での政策に口出しして
本国からの指示とは違うことさせたり
占領地でゴージャスな生活をして
現地の司令官たちの反感をかったりして
ベリサリウスの本国召還に繋がったから悪女といってたんじゃなかった?
95 :
世界@名無史さん:2009/01/23(金) 22:01:37 O
あとは、
ベリサリウスがどこかへ遠征中
使用人の女官の密告で
浮気がバレて怒ったベリサリウスが
殺害しようとしたところ助命嘆願して助けてもらったが
その後、密告した女官を探し出して残忍な方法で殺害した…
前レスにも少し書いてあるから重複かな。
96 :
世界@名無史さん:2009/01/24(土) 09:43:45 0
彼女が浮気をした相手は養子ただ一人だけなのですか。
97 :
世界@名無史さん:2009/01/28(水) 17:05:47 0
>>46 54戦53勝1敗
しかもほとんどが劣勢状態。まさしく神。
>>95 でも旦那が皇帝に殺されようとした時には、一生懸命弁護したとか。
なんだかんだで鴛鴦夫婦だったんだろうね。
周りには理解できなかったのだろうけれど。
>>98 そりゃ旦那が居るからこそ優雅な生活が出来たからじゃないの。
ローマ法での未亡人の扱いはどうなってたんだろ?
>>81 強大帝国がどうでもいいような辺境に侵攻するには条件がある。
強い皇帝と強い将軍が存在したときのみである。
ってヤツだね。
アシモフはあまりにもステレオタイプに考えすぎたような気はするけど、考え方は面白い。
101 :
世界@名無史さん:2009/05/15(金) 08:09:28 0
むおおおお!
>>66 アラリックを撃退し続けたスティリコ
アッティラを粉砕したアエティウス
敵でも、クラッススを撃破したスレーン
ベルサリウスは、生き残れただけ幸運かも。
狡兎死して走狗烹らる、と
中国ではことわざにまでなってるくらいよくある現象
最高権力者を世襲制化させるとこで政争や内乱の種を未然に阻止する、王=政権というスタンダードな政体。
そんな中頭角を現し台頭する実力者と、最高権力者の地位の形骸化が平衡して進行。
国家と王が一体のはずなのに、国家に対する貢献が王を上回ってしまうとおかしな事に。
l国の為?それとも王様の為?あれ?別に王様(皇帝)いなくても関係なくry
こんな感じなのか?
スムーズに権力者交代できる制度がない以上どうしても起こりうるってことだとはおもうが。
105 :
世界@名無史さん:2009/08/14(金) 00:13:15 0
すぐれた統率能力、指揮能力を持ちながら
女房の尻に敷かれっぱなし。
この人は野村監督ですか?
スケールがだいぶ違うな…