【イタリア現地実況1】
日本人ですが現地からです。地震の起きた街に滞在しています、今は救助の為旅行を一時中断
しています。瓦礫の山に人が大勢埋まっているのに処理班が全然足りないので自分や
他の観光客も、旅行をキャンセルして救助を手伝っている状態です、実際の被害は物凄いです、5Fの
高さの建物はぺっしゃんこに潰れていたりして悲惨な状況ですが、ここはヨーロッパなので、テントや
食料に関してはほとんど問題ないようですが瓦礫処理が余震が酷くて進んでいません、かなりの
数の観光客も逃げる人は殆どいなくてみんな なにかしらの役に立つ方
法を考えやっています、レスキュー隊に聞いてもぜひ手を貸して欲しいとの事なので(イタリアだから可能?
取り敢えずやっています、数人のイタリア人に一つの事を聞いてみました、それはなぜ地震国なのに
倒壊しそうな古い建物を補強なりしないのですか?と、驚いた事に全員(全員です)が
こう言いました『イタリア人は、危険や命よりも美しい町並みを優先にする、危険より美しい町並みを
後世に残す、今までもそうやって歴史を繋いで来た、なぜならイタリア人とは、そういうものです』
この言葉にすべての答が詰まっているような気がしました、次に
義援金関係の事に触れておきますね 、お金の余裕のある方は義援金なども、日本のイタリア大使館
などに託せると思います 、お金の余裕がない方は、被災者の人達に、励ましの手軽などを書いて
イタリア大使館や領事館などに託してもよいのではないかなと思います、食料等の物資の状況は
見たところそんなにシリアスな状況ではなさそうです 、義援金プラス手紙、または手紙だけでも必ず
届くと思います。あと最後に、現地で見かけた日本人は数10人ですが短期間の日本人旅行者の
人達が自分達の旅行を投げうって救助活動の手伝いをしています、自分は言葉が多少理解
出来るので不自由はありませんが、短期間滞在の日本人旅行者達は、言葉の壁を乗り越えて食事の
手伝いやお年寄り、子供の世話、更には仮設トイレの掃除等を普通の事のように笑顔でやっているのを
見て心から感激しました、イタリア人達も皆口々に日本人が一番誠実かつ優しさを持って助けてくれて
います、何世代にも渡って責任を持ってこの親切を伝え続け語り継いで行きますと言っております
では次に書き貯めた分のレポを送ります、さようなら。現地日本人
【イタリア現地実況2】
人々はからは建物の補強が足りないとか、国の基準はなってないといった声は一切聞こえません
話しを振っても首をすくめて両手を上にの例のポーズ、おそらく美しい物が再優先という感覚が
2000年以上前からの経験の積み重ねた末の常識としてあるようです、家が完全崩壊した人も
規格や建物の安全基準に対して文句を言ってる人は皆無です、イタリア人の美意識恐るべし
といった感じです、彼らいわく、この土地の下には昔地震や災害で埋まってしまったポンペイの
街のような町並みが埋まっていて歴史とは、そういう物だという感覚が染み付いているようです
個人的には凄い考え方をする人種だなと思いましたが、ヨーロッパ人はみんなそういう感覚だと
他の国からの旅行者達も言っています、おそらくキリスト教の運命論的な物を
人達の根っこの部分に持っているからかなと、思いました、それにしても彼らの美への意識、尊敬
というものは殆どそのまま彼らのアイデンティティに直結するものだと、今回は学べた気がします
日本ではどのように報道されているか知るよしもありませんが単に被害状況以外にも、色々な
人種的な違いが興味深いです、あと泊まっているホテルも、宿泊客全員一致で自分達の部屋を、家を
失った被災者達に提供したり(お年寄り、妊婦、病人、子供達を部屋の中に)持っているテントを
中庭に提供して健康な人達とシェア-していますし、ホテルも勿論無料になり食事も無料で被災者達や
私達に提供しています、食べ物、飲み物は全然問題がない事と、イタリア人は表向き裕福ではない
と言われていますが、資産保有その他、隠し財産を持っているので、飢えや病気に関しては心配
いらないようです、自分は今ヨーロッパを2年間かけて放浪中なのですが日本との地震や建物の
安全へ対する考え方やとらえかたの違い、歴史感の違いが分かって興味深い時間を過ごしています
あとレスキュー隊や消防士へのリスペクトの度合いが非常に高い事に驚きました、警察=泥棒はよく聞きます
が消防士に対しては凄い尊敬がありますし、実際に瓦礫の非常に危険な場所にも、胸でサッと
十字を切ってどんどん突入して行きます、取り敢えず次にすぐ書き貯めた現地実況3を送ります
ではさようなら。現地日本人より。
【イタリア現地実況3】
実際の現場でいくつか感じた事を無造作に書いてみますね
@イタリア人や欧米人は、建物の安全や規格よりは美しさを選ぶという事です国が定めた
規格、基準決まりといった物に対してのアレルギーが根底にあるようです
A安全なコンクリートジャングルに住むなら、死んだ方がましという考えで、生まれ育っている
B自国の政府や警察機構は全く当てに出来ないという感情を持っている(年齢、性別問わず)
C消防士やレスキュー隊には、全面的に尊敬、尊重がある
D消防士やレスキュー隊は国からの指示よりも現場の状況、状態優先で指示作業している
Eイタリア人は皆バラバラのイメージがあるが、物凄い団結力を見せる時がある
具体的には、男は全員救助活動に手を貸し、女性は食べ物や子供達の世話などの完璧な役割分担
F危険な場所で入ってはいけない立入禁止区域でも勇敢な人が行くというと誰も止めない
(レスキュー隊がいない場合)あとでどうこう細かい事を言う人は一人もいない
G最後にお国柄の違いが分かりやすい例で見る事が出来たので、書いておきます。
大人が困難な状況にいる子供やお年寄り、動物に対して物凄く優しいという一例です
実際見て驚いたのは完全倒壊した建物の中に、人は残っていなかったが、飼い猫が居るはずだ
と子供が泣いていたらベロンベロンに酔っ払った爺さんがサッと胸に十字を切って瓦礫に突入して
20分位経過したら、なんと猫の首根っこを掴んで真っ白になりながら出て来た、更に驚いたのは
誰も爺さんを止めなかった事です、自分は危ないから止めた方がいいのではと、隣にいたのオヤジ
に聞いら『爺さんは男だろう、男が自分でやると決めたのだから誰にも止める権利はないのだ』
と言ってた、そして猫を救助して、みんな拍手喝采、子供は爺さんに抱き着いて一件落着と
思ったら、なんと爺さんまた瓦礫に突っ込で行きなんと子供のボロボロになった、正体不明の
ぬいぐるみをなぜか口にくわえて出て来た、爺さんが子供に一言
『これで寂しくはないよ、もう大丈夫だ』と言い残した後、大袈裟にぶっ倒れてしまい
それを見たみんなが、なぜか爆笑していた、爺さんは住民が差し出したワインを持って
フラフラしながら、どこかへ歩いて行ってしまいましたが、ヨーロッパ人の本質をあらわしているなと思いました