ドラえもん・のび太の世界史板

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1962年春、ソ連共産党第一書記のフルシチョフは、クリミアにて休暇中ある計画を思いつく

          , ────、─ 、
       //  (・/・)   ノ、    \ 「よ し こ れ だ !」
      //`ー ●`ー ´   \   ヽ
    /⌒ヽ二 /  二二     ヽ  ヽ
     ヽ、  ─ /   ──   ,ヘ  ヽ  丶
        ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  l  l  l
          |            |   |  |
 / ⌒ヽ   /⌒ヽ_/ ⌒ヽ   l   l  !  ←フルシチョフ
 ヽ_ ノ、  ヽ、_______ ノ   ノ  /  /
☆ \  ヽー─┴──────´  / /    
  \!l \  `,━━,−、━━━┯━━イ
  − / ⌒ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    |
  / ヽ_ノ
                     ____
      ____          / −、−、    \  「アメリカへの牽制のために、
  ゝ/   ___ヽ       / -| .|. |- 、   ヽ  キューバに核ミサイルを配備しよう」
  /     | / −、!      i   `-●−′  \   ヽ
  |     |─|  ・|      | 二  |  二    i  |
  !    (|| `− b     (_─ |  ─    |  !
   \ ヘ/     ノ       ヽ ̄ ̄ ̄ ̄\  /  /
    j二二ヽ ̄          >━o━━━━━l
    /  /^ヽ          ( \ ヽ/  /  | ))
    |   |  |         (( | | ̄ ̄ ◯イ    |
    |   |_|_           |ヽ──´ ノ    !-o
    |──| ヽ )         ヽ  ̄ ̄´     /
    ヽ、_ uui/)          (二二(二二二)
キューバ側も多量の援助の中これに同意、

この年の夏にかけてソ連製核ミサイルがキューバに配備されはじめた。

     ,  ───  、
  ゝ/ ________\  「これが完成した暁の
  /  | / ─ 、 ─ 、l    アメ公の泣き顔が目に浮かぶぞ!」
 /   | /    l    l
 |   |─|    (・|<   |  (⌒ヽ  
 Y⌒`  ヽ_ ノっ_ ノ 三   )
  ヽ_    、____つ l  (、_ ノ
    \  \−、-、_/ノ  _   _
     /` ー | l |‐ ´  l l//)、
   /´ \/ `ー´ \   l )  ヽ´ノ
    |  ヽ     |/\/  __ /
   ├─┤    | 、     /
7月から8月にかけてソ連の貨物船が集中的にキューバの港に出入りするようになったため、アメリカは偵察を強化していたところ、
10月、アメリカの偵察機U2がアメリカ本土を射程内とするソ連製準中距離弾道ミサイル(MRBM)の存在を発見する。
これを受け、ケネディは直ちにエクスコム(国家安全保障会議執行委員会)を設置した

「大統領、直ちに基地の空爆を」
               , ─── 、 「まあまて、
                   /ww    ヽ  とりあえず会議を招集しよう」
  ____ /∠     |.  |     l
 |   ___ <  (⊃     ^ヽ   l     ∩
 |    | / / ヽl ̄   |      _ノ   |   (ヽ|  ̄ヽ
. |  /^  | ヽ|    ヽ        ̄ ̄l   ヽ、___ ノ
  | ヽ_  `ー >    >ー‐─── ´)__  |    |
  l/    <    /´  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `   ̄     l
  l二二ヽ ̄    /  l          |      ノ
 /l    lヽ    l  |             | ̄ ̄ ̄

そして、空爆を主張する軍やCIAを押さえて、第1段階として海上封鎖を実行する。

        _____   「まずは海上封鎖だ
      / , へへヘ∧ヽ  プレッシャーかけてやろうじゃねえか。」
     |  |     \l l/ |
      /⌒    ( . ∠ l       ヽ \        「しかしフルシチョフが
    ヽ_       (二) ヽ    、─`  `ー‐───┐  簡単に退きますかね?」
     l   ______つ !    > _____      |
      >、 \|_|_|_/ /      ̄  l⌒ヽ\|      !
    / l ヽ、 ____ /、       |・  |  l/^ヽ  |
   /   ` ー──‐─ ´   \     o 、__ノ   _ノ  |
  / |   __(^|      /⌒ ヽ   <         \ |
 /ヽ| (二   ヽ    /    |     >__ ____ l
       l     \ /\   /        /l/\/ヽ
      `ー 、       ヽ /         |      |
さらにNATO諸国などの支持を取り付けたケネディは、22日、国民に向けてテレビ演説を行う。

        / ̄ ̄ ̄ ̄\
        l ∨∨∨∨∨ l  「これはアメリカの安全保障に対する重大な挑戦だ!
        |   \()/   |   これを排除するために可能なあらゆる手段を採る」
        (| ((・) (<) |)
        |    ⊂⊃   |
       | .| ⌒ \.l/ ⌒ | |
     / |. l + + + + ノ |\
    /   \_____/  \
  /   _              \
 // ̄ ̄(_)               |
 |ししl_l  (            |    |
 |(_⊂、__)            |    |
 \____/              |    |

ケネディは直ちに準戦時体制を発令し、ソ連との全面戦争に備えアメリカ国内の核弾頭搭載のミサイルの発射準備を行った。
      _____
    /   − 、-、\
   /   , -|ノ ・|・ |-ヽ   「なに言ってんだ!
   i  /  `− ●-   |    そっちだってトルコから核ミサイルを向けてるじゃないか。
.  | / /\_三 | 三__>    お互い様だろ!」
   | | |      ̄ ̄ / /
   ヽヽ ヽ__(二二)_/ /
    ━━━o━━━
  / /┌─┐/   |
それに対し、ソ連も国内やキューバのミサイルの発射準備を開始する。
明日にも全面核戦争が始まるかもしれない中、米ソ間でミサイル撤去のための様々な駆け引きが開始される。
10月25日の緊急国連安全保障会議
アメリカ国連大使が、ソ連国連大使にキューバのミサイル基地を撮影した写真を示し、核ミサイルの存在を認めるよう迫った。
                   ___
               /⌒/ //   \    ←米国連大使 スティーブンソン
     / ⌒ ⌒ \  i /   ||   /⌒ヽ 「この写真を見てほしい。
    /   ノ \   ヽ| i 3 || 3   |  |  ミサイルがあるかイエスかノーかで答えてほしい。」
   i  ∠ U ー\  | ./ ̄⊂⊃ ̄ `ヽ|   |
   |_/ へ    へ\_| i         .|  |
   ( | | (゚|  |∠| | Vヽ、____ ノ\_ ! \
 (/  !  ー  、 ー  !/  / | l | `ヽ     ヽ
     \   _   ./ ─- 、ヽ__ノ   ヽ\    i
   (/  .>ー──イ( ___   ヽ       ∨   /
  ┌=/ l \/=\ノ   \(_,_,_ ノ      |   /
  │ / |      \  ヽ          ヽ、_,_,_)
  | / ─, − 、 , -< ノ          |  |
 ̄ ̄ヽ _(__i_)U (_、、_ノ'i ̄ ̄ ̄ ̄\    |  |
「うう、そ、それは・・・」 
         ↑ソ連国連大使 ゾーリン

このやりとりで、ソ連がキューバにミサイルを配備していることが全世界に知らしめられたのである。
さらに、10月27日にはU2偵察機がソ連軍の対空ミサイルで撃墜されるなど緊迫情況が続く

     /  ̄ ̄ ̄ \   
    /       / vv   
    |      |   |
    |     (||   ヽ       _______
    ,ヽヘ /     |     >_____  |  「今度こそはキューバの
   /\\       /      ̄ |⌒ v⌒ヽ |__|   地対空ミサイル基地を空爆すべきです。」
  /    \\  __ /        | .| . ノ   )
 /         `\|          < ` o `- ´  ノ  
 |         ヽ           >    /    
 |  |   l    |           /▽▽\
「いや、空爆はトルコのミサイル基地への
 攻撃を誘発しかねない。ここは静観だ。」
そんな中、
             「同志フルシチョフ
         ___   ケネディが教会で礼拝したとの報告が。」
    /´      ⌒ヽ
    /      /)ノ)ノ
  /       // /⌒ヽ!
  |   /^ヽ|─|  .|
  ヽ  l )   ヽ__ ノ┐     「な、なんだと!」
   ∠  >      ___ j          ____
   ´ーイ      ヽ          /⌒ ⌒ヽ   `\
      /ー‐─┬−′      // (/ノ  /−、   ヽ
   /\ / ヽlヽ         /´ `ー●ー ´    \   ヽ
  /  ヽ     ヽl      /⌒三 /  三       ヽ   ヽ
  |   |    /二⊃    ヽ、__/___ /⌒ヽ  |   |
.  |   ー─/ 二l       | |            |   l   l
   ヽ ___ヽ_ノ、      ヽヽ   / ⌒`⌒\l  /  /
     j _____l、  \      ヽヽ、_l_,─ 、._ノ /   /
   /        | \/ ^ヽ     >━━━━O━━━l
    l       |   ヽ )ノ     /   /     ヽ  l


          , -────- 、
.      /       /⌒ヽ⌒ヽヽ
── /     , -| / (|)\ | \  「アメリカ大統領は開戦を告げる前に必ず礼拝すると聞く。
──/    /U ヽ、  .l、__ ノ\ヽ  もしかして、ケネディはすでに開戦を決めているのでは?」
.  /    /       ̄ ●   ヽl
  i    /      ̄ ̄   | ── |
─ |    l      ̄ ̄   | ── !
─ |    !       ̄ ̄   |   ⌒ヽ
 ̄ |    |           __|___ノ
   ヽ   |   / ̄ ̄     /
 ̄  >━━━━━━,-、━━く 
─ /   /       '、フ  ヽ ヽ
さらに、駐キューバソ連大使の元へ、”数時間以内にアメリカが武力侵攻するという確実な情報“が伝えられると、
これにカストロは激昂、アメリカへの核攻撃を主張した。

                        ( ⌒⌒ )
「落ち着けよ 、どうせ            | | |
 CIAあたりが流したデマだよ。」    _____
      ____           /____  `\
   /´     −、 −、ヽ          lノ ヽ   |    ヽ   「やられる前にやってやる!
  /    -|   ・|・  |、 \   ⊂ヽ |・   |─r‐、   l    アメリカに核ミサイルを撃ち込んでやろう!」
 /   /  `ー ●‐′ ヽ  (ノ⊂`c、__ ノ#  丿    !
 |  /    三   |  三  |   `ー⊂_/⌒ヽ\  /
 l  |         |__    |  ((   ヽ∧ヘヘ_ノ  >′
 ヽ ヽ        _)   /    (ヽ  ー,───|
  ヽ ヽ       )   /   三  ヽー┬ ヽ ̄ ̄ヽ
   〉━━━━━O━ ー◯゚   `ー‐─┴┬    l ))
   /    ̄◯´    ヽ /           l_     |
   |    ̄| ┌──┐|l          / ̄ ヽ  ̄ ̄ ̄!
   |      /⌒ヽ─ ノ/⌒ヽ      l_ ,‐┴、__ ノ
   ヽ    |   | ̄  |   |   ,─┘  |   | └┬⌒\
   Oヘ、_ヽ_ノ__.ヽ_ノ   ヽ__ ノ   ヽ __|__ )
しかし、フルシチョフの心中では当初の強気の姿勢を失いつつあった。
       , ───── 、
.   /   / ⌒ヽ ⌒ヽ  \    「冷静に考えれば、我が国の軍事力はアメリカのそれよりも圧倒的に劣っている。
   /   , ┤ /・|・\ ├ 、  ヽ     このまま戦争をしても、相手にもダメージを与えられるかもしれんが、
  /  /  ` ー ● ー ′ \ ヽ    我々が勝つ見込みは万に一つもないだろう。
 / /  ──  |  ──   ヽ l    ここは、退いた方が賢明かもしれんな。」
 l /  ──   |   ──   | l
 l l   ──   |   ──   l l

結局、フルシチョフはミサイル運搬船をキューバに到着させることなく引き返させるのである。
そしてアメリカがキューバに侵攻しないことと引き換えにキューバのミサイル基地を解体することに同意したのである。
この妥協にカストロは激怒し、フルシチョフに詰め寄った。
          _____
     /´   − 、 - 、\         , ── 、  「なんで頭越しに妥協なんかしたの?
    /  , −#| @|@ |#、ヽ      /__     ヽ こっちは国を挙げて対米戦の準備をしてたのに…
 ( ( /  /   #ー●ー♯ `ヽ ) )    l− 、ヽ|     ヽ 一言ぐらい相談があってしかるべきだ。」
   l   l    ──  | -─   l       |・  |─|__    |
   |   |   二二  | 二二 l    c ー ′  6)   /
   ヽ ヽ \___|___/ /    └─⌒ヽ   \ /
  ◯\ ヽ   \____/   /○      ヽ二 ___l
(( \ ヽ━━━━6━━イ / ノノ   __∩ / ── l
    |    /    \ |/    ⊂  | ̄ ̄ ̄) |
「そんなこと言ったって、全面戦争なんかしたら
 確実に負けるんだから。」

      ____
   /´   − 、 - 、 \          , ── 、  「そんなこと覚悟の上なんじゃないの?
  /   , −|/ ミ|<\|- 、ヽ        /__     ヽ 今からでもアメリカに核ミサイルを撃ち込んでやろうよ」
. /  /    ` ー●ー′  ヽ ´     l−\ |      ヽ
 l   l  三三  | 三三  l -    |・  |─|__    |
 |   | ヽ、____|____ノ l 、     c ー ′ 6)    /
 ヽ ヽ  ヽ         ノ  /    └─ 、    \ /
  \ ヽ   \/ ⌒ヽ/  /        ⊂_ __l
   l━━━━| | |━イ ̄○    _∩__/ ── l
   ノ  ___○.`ー´ ヽ | /    ∈   |  | l⌒l |

「そんなことしたら報復の核ミサイルが来るじゃない
 君だってまだ死ぬのはいやでしょ?」
      ____
   /´  − 、 - 、\
  /  , −| /・|・\| 、ヽ
 / /   ` ー●ー ′ ヽ        ____   ##
 l l    三   |  三  |   ゝ/____ヽ #
 | |     /\    l    / | , ─ w−、!  「こんなヘタレとは思わなんだわ。
  ヽヽ   /   \  /   | __|-|   +|+  |   このハゲ豚!」
   >━━━━6━━<     (   `ー  oー |
  /    /___ヽ ヽ   /ヽ、/^\__/ ノ
  ◯   l ヽ__ノ ノ l○   l、(uu ー,─ 、´
  (ヽ   ` ー── ´ )    l \ __/┬ ′
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 「君は過激すぎるんだよ」
この事件を教訓に米ソ首脳間にホットラインが設置されるなど、デタントが進んだ。
しかし、翌1963年にケネディは暗殺され、
       , ────-   
       //V:V:V:V:V:V    
       ||::::::::::\:/:::::::::||   「ぐはっ…
       ||::::(×):'':(☆)::::||    CIAか、それともカストロの仕業か? 」
      )::::::::::(二二)::::::::::(    
     _ /::/ヽ/::::::\/ヽ::ヽ_ 
     |:::::|//|\:/|\\|::::|
    ヽ// ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\\:
    //、\__(二 二)__//
        `-─--─-- ′ 

また、1964年にはソ連でも、保守派によりフルシチョフが失脚、
            _ ____
         ,,-´     _ _` ヽ、
       /      / /|\\ \
      /    ,,,−|/ /|ヽ ` |- 、 ヽ.
     /   /    ヽ _ | _./   \ヽ
     |   /         ●        || 「祖国のためによかれと思ったのに…
    |    |    /     |  ヽ    |  それを弱腰とは」
    |   |   / /    |    \  |
     |  |    /  /   |   \  /
    / \ |       /    |  \   /
   /   \ヽ  / ̄\_|__/ヽ /
   |     ヽ━━━━━┯イ ´
.   |   i\  \   (T) ノ ノ
   |  |  _\  \ _ / /
    |  | \ \(  )/|
                
こうして、全世界を恐怖に陥れたキューバ危機の主役たちは歴史の表舞台から去った。
ただ一人、冷戦が終結した今なお、キューバの指導者の地位にあるフィデル・カストロを除いて。

       /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
       |  ソ連も崩壊して、キューバ経済もガタガタになっちゃったよ。ヽ
       |  でも……チャベスもモラレスも仲良くしてくれるし         |
       |   何とか、やっていけると思う。                   |
       \_   だから…。心配するなよキューバ人民諸君。____/
           ̄ ―――――――――――――――― ̄ ̄                            
                       __        
                   /  ̄ __\    
                    | /,二 ,二Τ   
                    |_|__|  /| ヽ|    
                 (6  `- っ- ´})   
                   / \`――`ノ    
                   ノ /^ /⌒l ~)_)   
                  |  `、_^^ ノ  |    
                /__/⌒l |  |   
          XXXXXXX|     |― | | ̄ |_ 
      XXXXXXXXXXXX` ― - |  | |     ) 
    XXXXXXXXXXXXXXXXXX|   ̄)  ̄  
             XXXXXXXX` ― ´

ドラえもんのび太とキューバ危機 完