自殺の歴史

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73山野野衾 ◆CXSSL1llHI
天台僧の『法華経』薬王品に基づく焼身は10世紀末から流行したことが、
『権記』や各往生伝(『法華験記』を含む)に出ていますが、確か室町時
代の公家某の日記では、批判がましく書かれていました。

薬王品には、仏のために自らの指などを焼いて捧げるものが極楽往生を遂げ
るとあるので、浄土宗(中世史料における「浄土宗」は現在の浄土三部経を
中心とした浄土宗ではなく、天台宗の一分野もしくは亜種と認識されていた
一派を指しており、統一された教団を意味しない)で行われたこと自体はお
かしなことではありません。

ただ、行う人間が特定の教団とは別に行動する「異分子」であった場合、主
に政治上の理由から特定の人種が排除された可能性はあります。
教団としての天台宗における焼身(焼身自殺、と書くと現代的感覚になるの
で止めておきます)が、いつまで続いたのかよく知らないのですが。
精進ミイラは明治に禁止されるまで続いたようですが、その理由も風紀や治
安の保全によるものであったようですし、「なんで禁止されたか」はやはり
問題だろうと思われます。