たびたび科挙の受験に失敗した洪秀全は、
___
××│| /__ ヽ
××│| / |⌒ヽ\| ヽ 「また試験に落ちた〜」
──┘|/ |+ |─l- 、 |
 ̄ ̄ ̄| cーU # ノ / っ
| / ⊂_/ ⌒ヽ\ヘ/ っ
|/ ⊂j ゙ .へ
 ̄ ̄ ̄| (ヽ∩ヽ二二 // ヽ
| / 三 j ̄ ̄ ̄ ) l
___|/  ̄  ̄ ̄ ̄| | ───
| / ,−┼ー──|  ̄ ̄ ̄
| / /´ヽ/ヽ_|.___ノ、_,− 、 ⌒ ヽ
___|/ ! //ヽ/ \ | |__ l ── )
/. \ __ノ  ̄ ̄|ー !  ̄ ̄( ノ
/ `ー′
/ :::::::::: ↑洪秀全
ショックのあまり40日間寝込む間、不思議な夢を見た。
、 丶 ' ,
ヽ /⌒ヽ、 ′
ヽ / ) ´
、 / / -
/ _ ノ −
- i ( * -
− j ) −
- ノ / - __
ノ_j i ヽ __ , -/___ヽ,- 、 __
´ / | * 、 /´ / i / ヽ | j | `
′ '¬, | 、 / / ( ^ ) j
´ | | ヽ /_/´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`\_
´ * | | ヽ /´ _ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ_
′ i i 、 / /
それは、謎の老人から、この世の誤りを正すよう命じられたのである。
, , ⌒゙´^⌒ヽ
/ \
∠ ノVVv,ヽ、
.. ∠. / つ j ヽ
/⌒/ ^^~~~~ ヽ
/ ´{ ノヽ
.. | | ゙ vvVvv v' |
| | _\/ | |
| | ∈ | ̄ ̄ ノ
 ̄└── ′
「おまえは我が息子だ。この世の誤りを正すのだ。」
その後、病が癒え、広州に受験で訪れた際、プロテスタントのパンフレットを入手し、
以前に見た不思議な夢の意味を「理解」して、キリスト教に傾倒する。
, -──- 、
/ : : : : : : : : : : : \
ゝ/: : :.________ヽ
/: : : :| __ -─ |
l : : : :| ,− 、 ,−、! | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
! : : : | l l ゚j l l ゚j |、 | 勧 |
V⌒`  ̄ ゝ ̄ ヽj , ┤ 世 |
(\ ヽ__ ┌── ノ ./ ⊃ 良 |
\ ヽ/ ) \ ヽ__ / / i ノ| 言 |
(__ノ / _/` −-─ イ._ /\_.| |
ヽ、 _/\ /´ \ / \ ノ ^ー─´ / |______|
\ ヽ l | /
\ ノ | ̄ ̄ ̄
「あなたが試験に落ちたのは、あなたが悪いのではありません、
信じる神が間違っているのです。」
, ──- 、
___ ゝ/_____\
原 | / | / / ⌒ヽ⌒ヽl
道 | l __|_| @|@ | ∩/) 、
覚⊂ヽY ` ー ヘー´ー、 ヽ⊇
醒 |ノ \ |`ー───, ┬´>ー−′
訓 |\ \ヽ( 二 )_///
 ̄ ̄ \ ヽー──ィ/
`| \/ \|
| | /⌒ヽ
(( |ー───┼─┬┘ |
/、 ___|___|_. l
/ `/ `ー ′
\ ノヽ- 、 ノノ
> ノ
( _ /
「そうだったのか。じゃああの老人が唯一神エホバで
僕はイエスの弟なんだ!」
これ以後洪秀全は宗教団体拝上帝会を興し、布教活動を始める。
拝上帝会は現世利益的な内容を加えながら、貧困層に信者を増やしていった。
___
/`ヽ/ / `ヽ 「本当に御利益あるのかしら?」
ヽ └┐ l ___
,−| | (・ j /´ `\
ーl /⌒ ー´っ /__ll_ll__ll_ ヽ
l ヽ_ // ヽ | | -、 - 、ヽ| l
ヽ/ | l /´ ̄ ̄l l l |) | |) | l |ヽ |
l `ー─‐ノ l / ー、 ー ′| |ノ !
/\ |、 ̄ ̄__ ノ l 、-、 l |
/\ \ / ヽ ,l | | lヽ ` ー\ _ ー′ ノ____ ノ
. / \ \/ | | | /l ̄ |ヽ、
| \ ヽ ヽ イイ / ヽ \ // \
「今までよりはましだろう。」
アヘン戦争後の銀の高騰と重税に苦しむ人々はこぞって拝上帝会に入会した。
しかし、拝上帝会の膨張は地域の有力者との軋轢を生み、
幹部であった馮雲山などの逮捕が相次いだ。
その為、ついに広西省桂平県の金田村にて蜂起を決意する。
( ⌒ ヽ
, ─ 、 ( )
(_l_l_l_ j ///
ヽ ⊂ノ , ──- 、
| |/ ______ヽ /^)、
| | | ノ ⌒ヽ⌒ヽ| /⊃ヽ_)
| | |─| @|@ |/ _ノ
|__|⌒ `ー o ー| /
| |、 /⌒ー──つ/
| |ヘ ヽ、(二)ノ</
| \/\//
/ /
「滅満興漢!こうなりゃ立ち上がるしかないぞ!」
そして国号を太平天国とし、自らを天王と称する。
ヽ l /
, ──── 、
ゝ/ ______ヽ 「私はイエスの弟にして天王である!」
/ | / ヽ|
i. | / ⌒ ヽ ⌒ ヽ! 「国号は
/⌒ヽ−、|_| @|∠ | 太平天国とする!」
(( i _.ノ ) d ヽ、_ っ_ ノl
!__./`-、 _____⊃ ノ
| | \ \ −、 / //⌒ヽ
i ` ─ /` -`、─ <´ (^ヽ、 )
\ \/ \ノ | ヽ/\_./ノノ
 ̄ T | /
清の正規軍はアヘン戦争で疲弊しており、太平天国軍の前に何度も破れた。
________
ヽ, ─┴── 、 / ←楊秀清
/ W___ | ̄|
| ̄ ミ|・ |─| |
/ ー 0 ー─ ′ ⌒ヽ
「既に虎の背中に l (\ ヽ _ノー- 、
乗ってしまったのだ l > | ノ | / \
前進するほか無い!」 ヽ、_(__ノ____ / | | l \
/ | ヽ /▽\ | < ヽ
l 7 \ | \.| / \
| 、 \ \ | /
| |\ ` O
太平天国は軍事的指導者楊秀清の元、武昌に続き南京をも陥落させた。
, ──- 、
ゝ/______\ 「南京を天京と改め、太平天国の首都としよう!」
/ | / , − 、 − 、l
l | / l l
l |─| ^|^ |
Y⌒ ` ─ ヘー ヽ
ヽ_ |`───┘ノ
∩ ヽ、_ヽ__// ∩
┘`ー┬─´\/\/ー┬─´ └-、
_ __|_ ノ |_|___三
| |
この快進撃の背景には、太平天国の軍の非常に厳しい規律があげられる。
軍紀の緩みきった清正規軍に対して、厳罰主義を以て高いモラルを保った
太平天国軍に民衆の支持が集まったのである。
この厳しい規律を支えたのは天父天兄下凡という、一種のシャーマニズムであった。
________
ヽ, -─┴ ─ 、__/ ←楊秀清
____ / ノヽ___ | |
. ゝ/ ____\ 「 ̄@| @ |─| | 「洪秀全、
/ | //⌒ヽ /ー 0 ー─ ´ ⌒ヽ 私は、上帝である。
/ |─| @| l (\ ヽ _丿 おまえに権威を与えよう。
l /⌒` ヽ__ ノヘ l (_ | ノ、 天下を平定するのだ。」
ヽ ヽ_ ┌──| \ _____ // \
\/ ヽ_/ノ___ /|/▽\/_ //^\
l── 、─ ´| | /7 | / |/ > l ヽ
/ ̄ ̄ ヽ _/⊃天父 | l ヽ | / / \ l
/ l__| __| 聖旨 | | O ´ | ノ
/ | |. |____| | | /
「わかりました。」
中国には古くから易姓革命の考えがあり、天からの命令を受けることは
新しい王朝の君主となることを意味していた。
そして、軍紀に違反したものは、
、ヘ__,へ── 、
∠(_)-´二二二\
/_,、_,、___ ヽ 「右足を民家に入れた者は右足を切る!」
| -ヽ∧/-、 | |
| | ミ| |) | |. |
/−< − ′ j |
く| (_/⌒ヽ. ノ___ / ⊂⊃
ヽ、 \__丿 ノ | |
` ┬__─´/ ̄| ̄ ̄⌒ヽ
/|/\./ ┼─ヽ冖丿
/\ |. | | |
/ / |____| | |
( ) / \. | |
`^ /______ | |
/ / | | | |
_| | \ `ヽ__ ノ
(___) / ノ
神の名により厳罰に処せられたのである。
こうして、内部の規律が保たれていたのである。
南京に都を定めた太平天国は、北京攻略を目指し北伐を開始する。
___
____ / \
/_____ヽ ⊂二二>─ ┬i
|__| ヽ / | | | /| |ヽ | |_| ←李開芳
(d (・ (・ l、 | 。 6) 「迂回しながら
! )⌒ i ∩__ ヽ ノ ノ 黄河を渡るチャンスを待とう!」
/\ ノ(フ ノ ( つ ) ` ┬ イ
/ ヽ ` ─── ´ ヽ_| ̄ ̄| /^▽▽ ^ヽ
| | | ノ | | | |
↑林鳳祥
「精鋭2万を率いて北京を目指そう!」
一時太平天国軍は天津に迫ったが、
清朝は蒙古人の将軍、僧格林沁に迎撃させ、これを撃退した。
___
/ \
___ |┬--<二二⊃
/____ヽ / ⌒ |_| ><|
|__| / ヽ|/ /(d o | ヽ
(d > < | / └,\ A 丿 ノ 「調子に乗りすぎたYO」
j、 )⌒ ) / | | / |  ̄ ̄ /
/ \ A / | | | /| | /
/ ⌒  ̄ ̄ |^| |ヽ-\ ̄l )/ ̄`ヽ
| | |__ | | /\ ( ̄ ̄ ヽ ̄ |─|
/|\\_ |⌒)⌒)  ̄ ̄|─| | ̄ ̄)
|  ̄ /⌒i ̄  ̄ ヽ /| ̄ ̄)  ̄ ̄
\_|__ |─-| ─| /  ̄ ̄
/|─ | | ̄ ̄)
| ̄ ̄)  ̄ ̄ 「畜生!全滅だぜ!」
 ̄ ̄
北伐軍の全滅により、太平天国は主力の精鋭部隊を失い、
太平天国による中華統一の望みは絶たれることになる。
一方江南では、官僚出身の曽国藩が義勇軍である湘軍を編成。
以後清朝正規軍に代わり、太平天国軍と戦うことになる。
____
/ -w- 、\
/ , -| ・|・ |-ヽ
i / ` -●-′ | 「奴らの狼藉もここまでだ!
| | .三 | 三. ! 粤匪を討つ!」
ヽ ヽ (  ̄ ̄ ̄) ノ
○、_>━━o━━━ ヽ
ヽ_| / ___ ヽ ○__) ←曽国藩
| i ヽ ノ ノ |
しかし、湘軍は湖南、湖北、江西で太平天国軍を破るものの、
九江にて太平天国軍に惨敗を喫し、太平天国は小康を得る。
☆ _____
☆ /, = 、 −、 `\
./-/ +/. ノ、=「l=ヽ
/ `=●ー ´ ヽ` ヽ 「いてててて、手ひどくやられたな…」
l =「|=゙ | 〜〜 l |
| 〜^ | 〜~^ | l
ヽ /⌒ー⌒ー⌒ヽl ノ
>━━o━━━━イ
/ / ___ |. |
/⌒ヽl ヽ.__ノ ノ | _ |
| | ` ー─ /⌒ヽ(_)
`ー´ ̄ ̄ ̄`| |/
`ー ´
一方、天京では内紛が勃発する。いわゆる天京事変である。
政治的な実権を握っていた楊秀清が天父下凡を乱発し、
君主たる天王洪秀全すら軽んじる態度をとったのである。
________
ヽ, ─┴── 、 /
___ / W___ | ̄|
ゝ/ __\ っ | ̄ ミ|・ |─| | 「私は、上帝であーる。
/ | ノ/⌒ヽ っ / ー 0 ー─ ′ ⌒ヽ 楊秀清を万歳に封じなさい。」
l |─| @| l (\ ヽ _ノー- 、
| (|| ヽ__ ノ1 l > | ノ | / \
ヽ / ゙゙___っ ヽ、_(__ノ____ /| | l \
ヽヘ ( _ ____ / | ヽ /▽\ | < ヽ
|──、─−´ | | l 7 \ | \.| / \
/ ̄ ̄/^ヽ __/⊃ 原道 | | 、 \ \ | /
| l__|.___l覚醒訓 | | |\ ` O
「万歳は天王だけに許された称号ですが…」
_______
ヽ_, ──┴─- 、/
\ | / | | __ W__l
. ____ | |─| ー| ー | 「あっそ。
ゝ/_____\ /⌒ ` ー─ Oーヽ
ヽ∩ / | ノ− 、 −、l っ ヽ_ / /) l お前には天罰が下るでしょう。」
l |__ |─| /|ヽ | っ l. | ⊃ !
ヽ \( ー ヘー l /lヽ、 ______ /
\/\ /  ̄ ̄ ̄ヽノ (⌒/⌒ヽ | \ / ▽\| |\
(( \ l ヽ_/⌒ー´/⊃ ヽ ノ ー┐ \ | \| < ヽ
| ヽ/ヽ/|\/ _ | ̄ ̄ | \ \ / / l
l |、/_ / l l ヽ / |
├───l. `ー イ .O |
「わ、わかりました。」
これが、洪秀全の激しい怒りを買うことになる。
____
/ ____\
ゝ/ | ノ/⌒ !
/ |_| @| 「あの野郎!
| /^` ヽ_ ノo 絶対わざとやってやがる!
ヽ ヽ /⌒\_つ いつかギャフンと言わせてやる。」
\/ | _
ヽ `──, ( )二l
j二二ヽ ̄ / `-ノ
/ ⌒ | ̄| ̄ /
/\/ |-┴−´
洪秀全は楊秀清の独裁に反発するものたちを使い、楊秀清を殺害する。
|\ lヽ、ヽ lヽ∧/レ
lヽl \ ノ レl
ヽ ` ー 、、´ ノ
ヽ ____||___ /
ヽ-──/ / ヽ\
| / _____ ____ヽ
/⌒ヽ/ | (0) | (0) |、 「ギャフン!
l ヽ  ̄ ̄| | _ | | 調子に乗りすぎた!」
| ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ( _ )  ̄ \
ヽ、_ /⌒ヽ ヽ
/ / | / __ノ ヽ |
. l | l | | | |
| | | | | | l
. | ヽ l | | ノ /
| | \ `\ /
| | ヽ 、 _____\_ ノ__ /
| | / \ | | |
l |\/ \__ /\/| | |
さらに、楊秀清の親族、部下を含め4万人を虐殺する。
天京事変により太平天国は洪秀全以外の挙兵からの指導者をほとんど失い、軍は弱体化、
体勢を立て直した曽国藩率いる湘軍により天京は包囲され、存亡の危機にさらされる。
_____
/ | ・| ・ | 、 \
// `-●-′ ヽ ヽ_ 「さぁ、奴等に引導を渡してやれ!」
| 三 | 三 `(___)
| / ̄ ̄ ̄ ̄\/ /
ヽ\_(二二)_ / /
/━━(t)━ / /
/ (┌─┐) |
|
\ / 「まだだ!
_____ まだ打つ手はある!!」
/ ヽ /^ \
_ /________ ヽ (_/ ヽ
|ノ─ 、/─ 、ヽ | ヽ (_\/ !
,| \ |@ | | j ヽ `−ノ
. || 二 | | ̄ ⌒ヽ′ / /
/ /ー C ` ─ \) _ノ / /
! ⊂──´⌒ヽ ノ/( / ノノ
\ \_(⌒⌒_) /! ヽ、/
` ,┬─_− ´/ ヽ /
/ |/ \/ く
(( /\ \ ヽ
/, ─ 、/ \ /\
. ( l l j \ ___ / ヽ
これに対し、洪秀全は李秀成や李世賢、そして陳玉成らの若き歴戦の勇士を投入する。
___ < 天王様に いじわるすると、 >
(( | | < わたしが ゆるしません!! >
|__| < > ____
カコン..巛... ∨∨./ ̄ ̄ ̄\..∨∨∨∨∨∨ /____ ヽ
(( (⌒\ /ヽ/ フ | −、 − 、ヽ| |
~\ \>| ___))_|.. )) / | / | ヽ ├-|__ノ
\ \ ∨(゙| | \ ノ / っ |` -c − ′ 6)
| | | \ |__| > </| っ ─ ヽ.└─┘ ノ
─ \/ヽ(\/ノ ̄ / | ▽▽^⌒ヽ
/  ̄ノ<) \\\ /ヽ| |─|
/ (( (  ̄ /\ \ /⌒\|.____|| |
( _ \ \ \_ ブ チ /--ノ ノ / ̄ヽ
,−、_/ヽ-へ_,ヘ__) | , ,) /| \( ̄ )  ̄.~/⌒~| ̄ _ノ
/ |_/ | | 巛☆/\ /|  ̄( ⌒ ) (___/ ̄ ̄
| | ̄ | | バ /≫》巛 / / 三( )
`−′ \\ |▽|_ キ|\ 巛 / / ( )
李秀成↑ (___) \\/ /
☆\|/ ☆
李秀成らは安徽省三河鎮で、湘軍の最精鋭部隊を全滅させる。
_____
/ − 、-、\
/ , -|ノ ・|・ |-ヽ 「あと一歩だったのに!
i / `− ●- | 全て振り出しに戻ってしまった。」
. | / /\_三 | 三__>
| | |  ̄ ̄ / /
ヽヽ ヽ__(二二)_/ /
━━━o━━━
/ /┌─┐/ |
これにより太平天国は窮地を脱し、一息つくことができた。
そんな中、洪秀全のいとこで初期の信徒だった洪仁カンが香港から天京に到着した。
/´  ̄ ´⌒ヽ
/ /)ノ )ノ)丿
l //−、 −、| 「遅れてごめんなさい。」
ヽ _l | (| |(| !
_( ゝ lヽ
∠__ノ\ ヽフ ノヽノ
/` ー─, ´ ∩/)
/ ) ̄ ̄ヽ\/ 三 , ─── 、
_/ / l、 / ̄ /____ ヽ
∈ ノ ノ、 ___/ ` | ⌒ヽヽ | ヽ
 ̄U/ \ |@ |_| |
ヽ、____ノ c 、_ノ ⌒ヽ !
| |ヽ ヽ ⊂__ _ノ /
,-、 く ノ |_| / \ヘ/
/ /__ / | | ` ─┐__ l
| ー/ (ヽ二\ /|/ \ / ヽ
`ー ′ ヽ、_ノ /_l l__|
洪仁カン↑
洪仁カンは、近代的な国家プランである「資政新篇」を出版、制度改革を行おうとした。
「もっとしっかりした国づくりをしましょう。」
/ ´ ̄ ̄ ⌒ヽ , ─── 、 「そうだね。」
/ /)丿)ノ)丿 /______ ヽ
/ / /−、 -、| |/⌒ヽ ⌒ヽヽ| ヽ
l | | (| |(|l | /|ヽ |-| l , ─── 、
Y⌒ ー ゝヽ / ー ヘ ─ ′⌒∨ / \
ヽ_ ┌─ ノ lヽ / _ノ / ヽ
/ ノヽ、 _`_´ /ヽ ヽ \ __ / / l_ll__ l
'ー ´ l── ' 、 `ー` `,ー── く _| | l
(⌒ヽ l、 /|/ \/ ヽ | l |、/ ⌒\ /⌒ヽ
| \ \ | \ /\| |─| | ノ__ノノ、l l /
| \ \ _ / / | | | ヽ、 7 l ヽ
/`ー─\ く_ ノ´ |ー──( ) _  ̄l─\__ /ヽ_/
<  ̄ ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ノ
しかし、資政新篇は当時、あまりにも先進的な内容で、将軍たちの理解を超えていた。
─── 、 ┃ ┃┃┃
\ ┃ ┃ ┃ ┃┃┃
ヽ ━┳ ┃ ┃
______ヽ ━╋━ ━┳
. / 「 ヽ l / ☆ ━╋━
/ /´ ̄ ̄ヽ| , ──── 、_ ☆ ノ` ー _____
/ | / `ヽ ) (/´ `\
| /^ | / , - 、 、 、 l ⌒ヽ´ ヽ
─| | @| / / ノ ノー) ノ ) ノ / ヽ−、
l ー | l /// ⌒ヽ /⌒ヽ! |_|l___| |__|l___ | ヽ
♯ \ ノつ | l | /⌒| | /`l | |へ /ヽ \ | /
♯♯ ゙ ー─ ´ ー 、 l | | | ゚l l | ゚| |ヽ−−−| / \_、、_/ \ | l く
/ ⌒\ __ ノ ∨⌒ ` ー ′ ヽー ´ヽノ /l |) | |) l / lヽノ ノ
/ | ) ´ l / / ヽ_ ノ ヽ _ ノ / / |_ /
/ ヽ _ ノ / l < /⌒ / /__ノ/ヽ
l / \ /⌒ー┘/`\ \ ヽ / \ / ヽ
| ∠ ノ `,ー──┬ ´ヽ ヽ ` \ ∨ / ノ
l ´ー ´ ,l ̄ ̄ ̄ ̄l、 ` ー` ` ー───_<__ /
ヽ、 __ /  ̄ ̄ ̄ /⌒ヽ く
___/ /l l | /(
また、洪秀全が身内重用の姿勢を見せたことに、李秀成らは激しく反発する。
李秀成は欧米列強と外交交渉を行おうとする洪仁カンの方針に反発、
列強の租界が多数あった上海を攻撃し、英仏列強を敵に回す。
/
/⌒ヽ_ /
(, ヘヘ `\
/)`ヽ(\ ヽ ─ \ | / /
(\/ ) _/ ノ / | _
三 \ l `ー ´\ /⌒l l ((( \ /´ ̄ ̄ ̄`\「なによ!あんなインテリ!
\ \ ̄ ̄`ヽ __ノ / _) /_/_/___ ヽ ことごとく邪魔してやる!」
\ \ _ ノ \ く `ー─、l へ、、 ノ l | \\ //
(ヽ、__\/\___ へ「 ̄__ / ミ < / l \\
三` ____l\ ヽ─| ___ く//^ー ⌒ヽ/ /ヽ ノ ̄l
(/ / ` ー | | | | | | / /_ノ /── , −''─ 、
( l (ヽ_)ヽ ヽ`ー⌒ー\/ヽ、_ |  ̄ ̄/ ___(⌒ヽ
ヽ | ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)) | / /−、/ '、
_ ___ノー──´ヽ ヽ__ , ──┬、─ ノ l l /( ヽ | | ̄
//⌒| / ̄\ | _ヽ、 ̄ | /⌒ー| /⌒\. ノ⌒ヽ| |
| 二 l/ , ─\ ノ , く ̄\  ̄ `ー∪─-/⌒ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ヽ
| | / ヽ、__ | /⌒ヽ/ >─ \ /⌒(((_ノ ─ ─┴──
ヽヽ__ノ ヽ `ー─'⌒ヽ、 / `ー、_ノ`ー´
\\ ⌒ヽ \ __ | | ノ ⌒ヽ _ | |_/⌒\ ─────
( ) ヽ//l | ( )─ ヽ/ ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
゙ー ヽノノ ー  ̄ ̄ ̄ ヽ_ノ
清朝はこの地方の防衛のため、曽国藩の弟子の李鴻章に命じて准軍を組織させる。
\\\ /⌒\ , ─ 、
/___ヽ / ヽ\\\
/  ̄  ̄ ヽ. i
\\ /  ̄ ̄ ̄ ̄ \ \ | 「上海を失うわけにはいかない!
/ へ /ヽ ヽ ヽノ 賊ども、覚悟しろ!」
/ /^ヽ /^ヽ ヽ ヽ \\\
|. | 0 | | 0 | | i
\\| `− 6 `−′ |. |
! ! !
ヽ /  ̄ ̄ ̄ \ / /
\ \_ (⌒ヽ丿 / /
━━━6━━━━━ヽ、
/| / ___ \ /⌒ヽ
(⌒ | | ヽ ノ i ` ┬′←李鴻章
さらには、英国軍人ゴードン率いる常勝軍までもが、反太平天国の戦列に加わる。
/ ̄ ̄ ̄ ̄\
l ∨∨∨∨∨ l
| \()/ |
(| ((・) (<) |) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ⊂⊃ | / 上海攻撃で気分をこわした。
| .| ⌒ \.l/ ⌒ | | <
/ |. l + + + + ノ |\ \ 戦争を申しこむぞ!
/ \_____/ \ \___________
/ _ \
// ̄ ̄(_) |
|ししl_l ( | |
|(_⊂、__) | |
\____/ | | ←チャールズ・ゴードン
_____ 「北京条約で権益を確保したし、
/ , へへヘ∧ヽ 太平天国はもう必要ないな。」
| | \l l/ |
/⌒ ( . ∠ l ヽ \ 「清朝の方が言うことを
ヽ_ (二) ヽ 、─` `ー‐───┐ きかせやすいですからな。」
l ______つ ! > _____ |
>、 \|_|_|_/ /  ̄ l⌒ヽ\| !
/ l ヽ、 ____ /、 |・ | l/^ヽ |
/ ` ー──‐─ ´ \ _o 、__ノ _ノ |
/ | __(^| /⌒ ヽ \___/ \|
/ヽ| (二 ヽ / | \\\/ |
l \ /\ / `ー─/l/\/ヽ
`ー 、 ヽ / | |
イギリス フランス
この背景には、アロー戦争で完全に清朝を屈服させた英仏が、
手強い太平天国より、与しやすい清朝の存続を支持したことがある。
さらに、このころになると太平天国軍鉄の規律は失われ、食糧確保のために
略奪を行うこともしばしばとなった。
___,,,,,__
〃/ / / \ ヽ 「やっぱり奴等はペテン師だべ!
≪|__| ( ・ ∠ | うまいこというだけで、略奪するだけだべ。」
(d u ⊂⊃ |) _,,,,,___
__| : : : : : : ヽ.,,∠,,,--(__)-ヽ、
,,-\ヽ└<>-'丿=| // - 、-ヽi 「みんなで土地を分けるって言ったのに
/ \ ̄ ̄/ ̄.i.. |__| | ・|・ || 約束が違うでねえか。」
|/(⌒ヽ/⌒)____|.. (d ` - o-´ !
゙|\, ̄ ./ ̄ .ノ ヽ、 3 ノ , つ
.|  ̄  ̄ | /゙\ ̄/ヽ /⊃)
また、太平天国が初期に主張した土地の共有と収穫の公平な配分を旨とした
「天朝田畝制度」が、相次ぐ戦乱の中、看板倒れに終わってしまったことも、
民心を離反させる結果を招いた。
常勝軍と准軍は近代兵器の威力にものを言わせ、太平天国軍を打ち破る。
そしてついに、蘇州・杭州を陥落させ、湘軍と共には天京を包囲するに至る。
____
/ − 、 −、\
/ , -| ・|・ |- ヽ
/ / `− ●- ′ | 「さぁ!これで終いだ!
| | 二二 | 二二. | 城壁の下にトンネルを掘れ、
| | |\ -─ | ─___) 奴等の得意技で息の根を止めてやる。」
_ ! | !  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / /_
( __)\ヽ \(二二二)//(__)
\ ━━━━6━━ /
| /___ヽ |/
| | ヽ__ノ ノ |.
| ` ─── ′ |
敗色濃厚の中、洪秀全は栄養失調により病死する。
これにより、太平天国の命運は尽きる。
_ ( ,ゞ ─┴"─"、) _
、ゞ" \=
ヾ/ ________ヾ
`゙/ | ヽ、_(_)ノ |`
ヾl | /´⌒ ヽ/ ⌒ ヽl 「朕は直ちに天上に昇り、
=| | | |@ | 天父天兄から天兵を得て
ーY⌒ヽl─l @l、 l、 天京を守らん!」
| ) `ー─‐,/ヘ、ー‐〈 ノ
ヽ_ `| " ` l
>、 ,−───、ヽノ
`(_∠ 、───-、ソ
/ \ \/\ノヽ
l ヽ | l
| |. | |
ついに天京は陥落し、太平天国は滅亡する。
しかし、彼らの考え方は、清末の洋務運動、
さらには共産中国の人民公社や改革解放運動にも連なっていくのである。
ドラえもんのび太と太平天国 完