1866年、プロイセンは鉄血宰相ビスマルクと参謀総長モルトケの元、
普墺戦争に勝利
_____
/ − 、 −、\
/ , -| ・|・ | 、ヽ
/ / ` ー ●ー′ ヽ 「たった7週間でオーストリアに勝利!
| / 二 | 二 l これでプロイセン主導のドイツ統一に
| | \ ─ | ─ / ! オーストリアも口を出せまい!」
| | \ | / /._
ヽ ヽ  ̄ ̄ ̄ /(__ )
>━━━━O━━━ /
/ / ____ヽ /
◯ | ヽ ノ | | ←宰相ビスマルク
ゝ/´  ̄ `\
/ ∠´ \ ヽ
/ / -、 -\l
l __/ | (| |(| l
( ー ゝ´ヽ 「ほらね。参謀本部率いるプロイセン陸軍は最強だよ。」
. Lヽ. ヽフ ノ
>ー─‐<__
/ l/ヽ// ヽ ヽ
l_| | |__| |
| |二二ヽ| |. |
| l_____| |_|
l l / l ←参謀総長モルトケ
プロイセンを盟主とする北ドイツ連邦を結成し、ドイツ統一に大きく近づく。
一方フランスは、
____
____ /____ ヽ=u約束通り
/ - 、-、\ | - 、 − 、ヽ| | ライン川の西岸を
/ , -/・|・\|- ヽ | ・|・ |-|__ / 割譲してよ」
i / ` -●-′ | | ーo − ′ )
. | l 二 | 二. ! ヽ└┬─┐ ノ
! |. ─ | ─ / (\∩ ` ─_──く
\ ヽ. \__|_ / /) !\/ |/\/^\
/━━━━o━━ヽ ` - ′ ↑仏皇帝ナポレオン3世
「ああ、その話は無かったことに…」
( ⌒ ⌒ ) ⌒ )
| | | ( ヽ\ ___
_____ /__ ヽ
. / −、− 、ヽ |−\ | i 「馬鹿な事言うなよ!
/ , -|/・|<\|-ヽ |・) |─|_ ! こっちは約束通り
i / U `−●-´ i d −´ ) / 中立を守ったじゃないか!
. | | 三. | 三. ! └´⌒) \ヘ/ ,- 、 汚いぞ!」
| | /⌒\._|_/^i / `─┐二二ヽ( ノ
◯ヽ ヽヽ______ノ/◯ i⌒^) / ) ヽ| ̄| ))
\ ━━━━o━━ / ヽ/\/ / i |
|. / ヽ |′ \ / |─′
「あんな虫のいい約束、守るとでも思ってたの?」
戦前のビアリッツの密約を反故にされたため、反プロイセン感情は高まり、
カトリックの多い南ドイツ諸国への離反工作を行い、統一妨害に動く。
_____
/ −、− 、\
/ , -| '|' |- ヽ 「今後の統一の障害は
/ / `−●-′ i. やはりフランスか…
| / 二 | 二. | なんとかしないと。」
| | ─ | ─ !
ヽヽ / ̄ ̄\ /
l━━━━6━━
| \/ ___ヽ |
! 、 ヽ ノノ j
o-| ヽ◯⌒ヽ ○ヽ
ヽ、__| |__ ノ...
`−´
ビスマルクはフランスから戦争を仕掛けるよう工作を始める。
__ゝ,..───..、
/ : : : : : : : : : : : :\
/:: : : : : : :; ───┬`
i : : : / / /^ヽ !
|:: :: :: ; -v' | | ゚| |
!:::: :::| d `− ┐ 「早速対仏戦の準備を
ヽ::: ::ヽ_ ┌── ! 始めましょう。」
\;イ ヽ./ノ
_j___┬─ ´
/───-ヽ ∩
/ /⌒\ | /  ̄,⊃
| ヽ \| /\ _ノ
ktkr!
1868年、スペインで革命が起こり、国王イザベル2世がフランスへ亡命。
1870年に息子である後のアルフォンソ12世に王位を譲るが、
スペイン政府はこれを認めず、ビスマルクが推すホーエンツォレルン家の
レオポルト公を国王として支持した。
┃┃┃ ━ , ──- 、
━╋┓ ━━ 「しょうかいしよう。 / \ 人
┃┃ ━━┛ 次のスペイン国王の l_l_|l__l__ ヽ Y
\ , ─── 、 // レオポルト公。」 || −、 −、ヽl l
\ ゝ/_____\ / | | |) | |) | | | ノ- 、
/ | / ⌒ ヽ ⌒ヽ ______ ノ | ー、 ー ノ |)_/
l |─| ((|)) | / /⌒ヽ ⌒ヽ \ ヽヽ ー >、ノ \)
/⌒ #ヽ | ノ_ / , ┤ ・|・ |- 、 ヽ ` _┬_イ ヽ__/
ヽ_ /^\ー っ-´ ノ // `ー ● ー ′ \ ヽ ( ̄ `ー─´ ̄フ
l | `ー⌒ー ´ l/ ─ | ─ ヽ i /( )\ 人
| |二二⊃/ | 二 | 二 | | / ヽ ノ 、 \ Y
(( /ヽ`_二二⊃ ! ヽ、____|____ ノ l l / / > ヽ \ ヽ_
/^\/\|ヽ ノノ _ ヽ \ / / // // \ \ ∋
|_| |_i (__) \ \(二二)/ / (__) ノ \ U ̄
| | | | \ ━━━6━━━━/ uuj \_,へ、_,へ、_ ノ
| |──┤| `l / \ / | | |
三 ヽ__ >三 | l ┌────┐ l | |ー l_ノ|
(/^∪\ ヽ \ l l ヽ、___ ノ ノ l-0 人 | ヽ ヽ
/ ノ、 ノ ヽ ヽ、____ ./ / Y | | \ ヽ
/ \/ ∠ ヽ___,ヘ ___ / | | \ \
( くヽ、 _ノ (____) ( ___) _ノ ヽ ヽ \
\ _ ) ( ____ノ \_)
しかし、ホーエンツォレルン家の治める国家に挟まれることを嫌った
フランス皇帝ナポレオン3世はこれに強く反対。
,,,────、
/______ `ヽ 「16世紀の再現はごめんだ!
i´ \|/ ヽ | | そんなもの絶対に認めないぞ」
| >|< | ─ |_/
| - c `−′ 6 |
i、┌─−、 ,-
∩ ヽ、`─−' イ
⊂ ̄( └─┬^| ̄∧ ̄/⌒\
i∋_ノ__|_|  ̄  ̄ ヽ \
| |ヽ/ \ ))
この抗議にプロイセンが折れ、レオポルト公が自発的に王位を辞退した。
___
/´ `ヽ
/ _l__ll_l_l 「フランスがあんなに反対しているのに、
l | /-、 -\! スペイン王になったら命が危ない!
, -l | | | (゚| |゚)| | っ せっかくですが辞退します。」
| (| ヽ ー ゝ´ヽ> っ
`7 ヽ/ (⌒/ ノ′
\/)ヽ_ノ__`l ー─┬_´ ∩/)
ノ (  ̄ ̄ ̄ フ、 / ` 三
\ \/ ( ノ ヽ´ / ̄ ノノ
\ / /\ _ /
`ー´ く
____
/ −、 −、\
/ , -|/・|・ヽ|-、ヽ
/ / `−●- ′ | 「今回は分が悪いな…
/| | 三 | 三 | 引き下がろう。」
| | | | ____)
| ヽ | / ̄ ̄ ̄ ̄ /
ヽ、 ━━━━o━━
| / __ ヽ \
. | | ヽ__/ | | ○
l \__ ノ !
ヽ______/
(___)___)
これによりスペイン王位継承問題は平和的に解決したかに思われた。
しかし、スペイン出身のフランス皇后ウジェニーはカトリックの影響力低下を懸念、
未来永劫に渡ってスペインの王位候補者を出さないことを
ホーエンツォレルン家当主のヴィルヘルム1世に約束するよう求めた。
ゝ ─── 、 ,, ─── 、
/ _____\ ( ( ( ヽ、 ヽ
. | | / − 、 −、| |/-、 -、ヽ\ ! 「ね!ね!あなた、
!__.|─| ・|・ | i| /| |ヽ | |__ノ
( ` ─ o −i | 、 U )−、 新教徒がスペイン国王になるなんて
(( \ 3 ノ ノノ ヽ、\ ̄丿 /ヽ、_< あたし絶対に嫌よっ!
i` ─┬、 ´-(⌒ヽ−` ─ ´ヽ なんとかして!お願い。」
/ ^ ヽ/  ̄ ̄( ⌒ ) ̄ ̄ )i ))
(( / / // `− ´┬─− |
/_/| | |. |
( ) |────| |───´ \←仏皇后ウージェニー
「う、うん…」
1870年7月13日、ドイツ西部の温泉地バート・エムスで静養中のヴィルヘルム1世を、
フランス大使が訪ね、会見を求めた。
____
/ \
i──────┐ ヽ
| ⌒ヽ ⌒ヽ\ | | 実は、かくかくしかじかこういうわけで、
| >|・ |─-|_ / 今後も出さないって確約してくれませんか?
j ーc ─ ′ ヽ
⊂____ /! _ノ
_(\ \ \ __/ /
(─ ヽ、 ` ─_──イ- 、
ヽ二_ノ \/|/\ / \
\
__, - 、
. /, ─── 、)
// / ヽi
|_| ┃ ┃ | 「いや、そんな権利は私にはありませんな、
( ⊂⊃ ヽ 申し訳ありませんがおひきとりください。」
>、 __ ノ .nm
/ \─── ´ヽ、 /)- |
/ \--/ |  ̄|_丿
| / | || ←プロイセン王 ヴィルヘルム1世
ヴィルヘルム1世はこれを拒否、ことの次第をベルリンのビスマルクに打電する。
,−、 __
(─── 、 ヽ 「温泉でゆっくりしてるのに無粋なやつだな。
/ / \ | | 一応、ベルリンのビスマルクに連絡しておくか。」
| ┃ ┃ |__|
/ ⊂⊃ )
|└┬─ ⌒ヽ ノ|ヽ、
. (\∩ ヽ、 `── ´ / ! \
/) )、/  ̄|_ ̄ _/ ヽ
`- 、 | \ ̄/
|ノ ヽ
(以下電報文)
【今日、フランス大使がやってきて
『今回の寛大な決断には大変感謝しています。しかし、今後もこのような問題が
起きかねませんので、未来永劫の平和を保つためにも、今後のスペイン国王を
ホーエンツォレルン家から出さないような確約をして頂けませんか。そうしたら、
フランスが強くお願いしていた、ビアリッツの件を撤回する用意があります。さらに
南ドイツ諸国についてもなにかと力を尽くすつもりですのでできればご理解を…』
と言ったので、
私は『その件について、今回はレオポルト公も辞退したし、これ以上話すこと
は無いでしょう。将来のことまでは私に決定する権利はないので、悪いが
お約束することはできない。本国へお帰りになって、ナポレオン3世陛下に
その旨お伝え下い。』と返事をし、お引き取り願った。】
電報を受け取ったビスマルクは、この電報を意図的に短縮した。
「うふふふ、ここをこうしてああしてやる。」
─── ____ ────
── / \,,/ \────
_ / / −| ・|・ | ヽ __
─ | / `−●-´ヽ| ──
. | | ___ 三 | 三 |
_ i | \| ̄| ̄| ̄|/ / __
─ ヽ | `─-─′ //○ ─
─ /━━━( t)━━i /___
○ / ヽ ノ/────
 ̄ ̄ ̄
【今日、フランス大使がやってきて
『********************************
*********未来永劫*************スペイン国王を
ホーエンツォレルン家から出さないような確約を*************
*****強くお願い*************する*****。さ**
*********もな******く**********ば***…』
と言ったので、
私は『その件について、***************これ以上話すこと
は無い*************************、***
*****************帰********レ*******
********。』と返事をし*******た。】
↓
【今日フランス大使がやってきて、
『未来永劫スペイン国王をホーエンツォレルン家から出さないような確約を
強くお願いする。さもなくば…』と言ったので、
『その件について話すことは無い、帰レ。』と返事をした。】
フランス大使が約束を強要し、それに立腹した国王が追い返したように改竄し、
その上で、これを記者に発表、加えて故意に事実と異なる説明をしたのである。
翌朝、新聞を見たヴィルヘルム1世自身が、
___, - 、
/ ___)
/ | ノ i
. i __| (・| 「これは戦争だ!」
| ( ○
ヽ/ /⌒ヽ__つ
_| |二⊃ (^ヽ、
| \ ヽ──、 (⊃`ヽ)
/ \ ̄j ̄\/\へ ノ
| `7 \`>
と叫んだと言われる。
果たして、ビスマルクの思惑通り、
フランス、プロイセン両国の国民感情は大きく悪化し、
( ⌒ ) ( ⌒ )
( \\ / | | | 「侮辱だっ!」
, ─── 、 / ヽ _____
ゝ/_____\ _ \ / \/ ヽ `\
/ | / ⌒\/⌒ l _ / | .|. |− 、 ヽ
l |─| ・|∠ | //`ー ●ー ′ \ ヽ
Y⌒ ` ー ヘー ヽ __l 三 | 三 ヽ l
ヽ_ /⌒ヽ___つ \______|__/ ̄`ヽ l |
l | / _ l | | /⌒ヽ
>、 二二二) | ) | / ⌒ヽ⌒ヽ | |ヽ_ノ
(( / \/\|──/ 二) 、ー┴─────┘ / / ノノ
/ l |__|、 (_ノ >━━O━━━━/ /
/⌒ヽ/| |  ̄ /⌒ヽ / \ |
「バカにしてる!」
7月19日、フランスはプロイセンに宣戦を布告、
普仏戦争の戦端が開かれることになる。
⌒ヽ 「受けて立とうじゃないか!」
( ⌒ ヽ ( )
, ─ 、 ( ) ー \\ , -───- 、
(_l_l_l_ j /// /ヽ \
ヽ ⊂ノ , ──- 、 /<ノ── 、 ヽ
| |/ ______ヽ /^)、 _●ー ´三 \ ヽ
| | | ノ ⌒ヽ⌒ヽ| /⊃ヽ_) ( /⌒ヽ ヽ |
| | |─| >|< |/ _ノ  ̄ ̄ i | |
|__|⌒ `ー o ー| / __| ! !
| |、 /⌒ー──つ/ ( ! / /
| |ヘ ヽ、(二)ノ</ __ _`_ノ / /
| \/\// ( __)━━━━━━━l
/ / \ |
「こうなりゃ戦争だ!」
ドラえもんのび太とエムス電報事件 完
リアルタイムキター!
ということで、エムス電報事件でした。
普仏戦争については、そんなに知識がないのでたぶん書きません…
また、いいネタがあったら書きます。
メス攻囲戦 /7 /7/7
_ ⌒ /7 /ニ ニ7  ̄
__/ | ( ) | / /ニ _ ̄//7 / / /7
| 、 )ヽ/ ( \ ☆ || // /_//_/  ̄  ̄  ̄
| | ̄ | |/ / ___
| ̄ ̄l /⌒)  ̄ -――  ̄
/ ̄ ヽ、  ̄`、 ̄ ̄ ̄| ̄) / /^ヽ
/_ _ ヽ_|―――┴--´ (ヽ´⊂)
____∠」/ | / ☆ / /| |\ / \
ξ⌒( // ̄ ̄/ `l / ☆ / / | | \ \
 ̄∪  ̄ ̄ l´二,二 | \ 〃 〃 | | \.
|| >| < |―9) \ ( ) ./ ||
l 二 二_/~ } \ \ _, | \
` ―--― ´ \/^ \ ( )
し、 、_ゝ ゝ ノ
そしてセダン
ヽ /
\ ____ /
ゝ/_____\
\ / | / , − 、 −、l / 「すっかり包囲されちゃった
i___|─| o|o | どうしようどうしよう!」
i d ` − o−|_
___ `-、 ,.-──┬ ┘∩∩∩
/ ,-ヽ┐ ヽ (_(二二)_| |~  ̄ ̄~|
| || ()(⌒| ̄ ̄^\┬、┬─' ̄|⌒) ノ
ヽ. 、_`゙ノ┘^  ̄ ̄| ` ` | ̄ ̄ ̄|´ ヽ
\() |___.| |___)
( ⌒ )二__| /⌒\二二 ∪∪∪
( /^`─ `┬┴ヽ/\/⌒i \\\
/// | ┌┴┘ \ / ( ⌒ )
( ⌒ ) `- ′ `−′ ( )
( ノ ///ヾ ☆
☆=\\\( ⌒ ) ── ( ⌒ )−( ⌒ )/
( ) 二二( 丿=( ノ
_____ _____
/ \ / \ 「みんなが いうことには、
/ − 、−、 ヽ/_______ ヽ ぼくは 皇帝には
/ -| /・|・ヽ|- |ノ−、 , ─ \ | | むかないから、」
| /_ `− ●-′ /⌒)| |_|___/
. | | _ ̄ | 二 | ⊂ノ | └ | 6 |
| |  ̄ | ─ |_/-c`─) ) - ′
ヽ |  ̄ ̄ |_) | |‘┬─(、( /
ヽ | /(⌒|\ | |`-`─- ´ノ^\
┝━/ /|~| |━l ヽ__|ヽ./\/ l |
. | / | | | |/ | | |
「イギリスにでも亡命したら?」