251 :
ウェールズ三角地帯の真相:
西ウェールズのUFO目撃事件は、数あるUFO事件の中でも、もっとも複雑でもっとも豊富
な資料がのこっている事件である。しかし、事の真相は、報道された記事の内容とは著し
く異なるものだった。
1977年にディフェードで起きたUFO目撃事件を報道するため、マスコミが大挙してこの地域
に押し寄せ、数え切れない新聞雑誌の記事やテレビ番組がイギリスのこの片田舎で起きた驚異的
事件を扱ったが、こうしたことに疑問を抱く人はほとんどいなかった。しかし、結局、こ
の騒動はマスコミの異常な過熱によるものであり、公表された記事の薄弱さを露呈する結果に
終わった。事件に対する見解がただひとつだけなら、それが福音のごとく受け入れられた
かもしれない。ところが、実際には記事によっていくつもの見解に別れ、すべてが食い違
い、互いに相いれない解釈が加えられた。実に安易な仮説を立ててつじつまの合わない事
実は軽々しく黙殺している。そして結局は、さまざまな点で調査が情けないほどお粗末で
あり、また同時に、原形をとどめていないまでに事実が歪曲されたり誇張されているのだ。
西ウェールズの目撃事件に関して公表された記事の中には、どれだけの真実が含まれているか
再評価してみよう。
252 :
ウェールズ三角地帯の真相:2008/07/20(日) 16:39:45 0
ペンブロークシャ-のフラップ(目撃事件の集中発生)は、ブロード・ヘイブン小学校から始まった
ともいえる。そこで、再評価の作業は、目撃地点とされている場所の検証からはじめるべ
きだろう。現場へ行くと、まずいがいな事実がわかる。報道記事の中では特に触れられて
はいないが、この場所は茂みや木立が密生しており、何かを目撃したにしてもかなりの部
分が隠れて見えなかったに違いない。したがって、翌週の月曜日に子供たちが描いたスケッチ
は、かなりの部分が彼らの想像だとみなさなければなるまい。さらに、この野原は狭い谷
間にあり、何件かの家がこの場所を見下ろせる位置にある。UFOが白昼堂々と3時間以
上も野原に留まっていたとは、どうも考えにくい。目撃事件が、ここを囲んで半円形に並
ぶ家々から常に見えるということを考えると、この話はますます怪しくなってくる。それ
に、この事件がすべて冬の日の午後に起きているということも思い出すべきだろう。「あの
日はずいぶんうっとうしい天気だったけど、僕は確かに何か見たんだよ」と、目撃者の1
人は語っている。ということは、着陸地点の正確な位置の特定などできなかったのではな
いだろうか。
とはいえ、子供たちがわざとうそをついたと責めるのは不当だろう。教師が自分たちのい
うことを信じてくれないので、子供たちは勇気を奮い起こして警察署に訴えているほどな
のだ。彼らが自分たちに認識できない何かを見たことは間違いない。その何かがいったい
なんだったのかはわからない。が、同じ地点で物体を目撃した食堂の従業員が、近くで行
われていた下水処理工事の車両だと思ったと語っており、このあたりが真相なのではない
だろうか。
253 :
、:2008/07/20(日) 16:43:15 0
「ブロード・ヘイブンの目撃事件以来、うちの電話が鳴り止まないよ。今ならばかにされずにす
むとわかって、目撃者がどんどん名乗り出てきたんだ」
こうしてピューたちのもとに報告された事件のうち、何件が現実に根拠のあるものなのだろ
うか。いまとなってはこれもたしかめようがなさそうだ。しかし、地元で相当数の住民が
購読しているはずの地元紙のファイルをざっとみるだけで、1977年の春から夏の間つづい
たUFO騒ぎの加熱振りに驚かされる。毎週必ず、UFOに対する読者からの肯定的意見
や否定的意見が読書欄に載った。記事そのものは、まじめで客観的なものであり、決して
センセーショナルな扱い方でもなければ冷やかし半分のものでもなかった。これだけでもすでに、
真実とともに作り話までもはびこらせる温床として、十分な素地となったのではないだろ
うか?
一方、これが全国的メディアとなると、事情が違ってくる。ごく短期間の現地取材を終えてロン
ドンに帰ったジャーナリストたちは、誇張に満ちたばかげた物語をでっち上げた。そして、「サン」
紙がなずけたいわゆる恐怖の三角地帯に住むおびえる地元住民たちについて書きたてたの
である。こうした感情的ム-ドを考慮したうえで、次のようなケースを評価しなければならな
い。4月14日、ハーブランドストンの13歳になるデボラ・スワンは、午後6時30分ごろ公園で友
達と遊んでいた。すでに奇怪な出来事が数多く報じられていた。そこで彼女たちは、自分
たちもこの宇宙からやってきた物体を見られるかもしれないと、探しに行くことにした。
しかし公園を出てしばらく行くと、彼女たちのうち2人は怖くなって引き返してしまった
後の子供たちはそのまま先へ進み、フェンスをくぐり、じゃがいも畑を越え、土手を下っ
た、そのときだった。デボラは後にこう語っている。
254 :
、:2008/07/20(日) 16:45:25 0
向こう岸の野原に異様なものがあったわ。あんなのを見たのは、生まれて初めてよ。目の
迷いかとも思ったわ。でも、そうじゃなかった。一番驚いたのは色よ。ギラギラと銀色に光
ってたの。形は丸くてサッカーボールみたいだったわ。それに動いてた、前後左右に四方八方に
動いていたわ。私たちが動くと、あれも一緒に動くのよ。それで、私たちは全速力で逃げ
出したの」
デボラと彼女の友人たちが見たものは何だったのだろう。あれは本当にUFOだったのか、
それとも幻覚だったのか、何かのみ間違いだったのか?あるいは純然たる空想の産物だっ
たのか、それとも作り話だったのか?ひとつだけ確かなことがある。UFOを探しに行っ
て数分以内に本当にUFOと出くわしたなどという前例は、これまでまったくないという
ことだ。にもかかわらず、当時、事実について客観的な調査を行っていたはずの人々が全
員、当時のデボラの話をそっくりそのまま信じていたのである。
西ウェールズ目撃事件の中でも最も広く報じられたものが、リッパーストン農場の事件である。
この一連の事件は、果たして客観的調査に耐えられるものなのだろうか?何よりもまず驚
かされるのは、クームズ家には、たんなる近所ではなく、まさに彼らと隣り合わせの家に住む
隣人がいたという事実である。事件が起きたとされる期間、ブライアンとキャロラインのクラス夫妻は彼
らのすぐ隣に住み、ビリー・クームズと同じ農場で働いていたのだ。ところが、まったく信じが
たいことだが、事件についてこのクラス夫妻に意見を求めた記者や研究家は誰一人いなかった
のである。彼らが直接巻き込まれた唯一の事件、すなわち2人の外国人が来訪したという
不気味な一件では、この出来事にまったく誤った歪曲を加える虚偽の証言を、クラス夫人にさ
せる結果になっているのである。
255 :
、:2008/07/20(日) 16:47:11 0
牛の瞬間移動の事件は、明らかに作り話の事件によって脚色されたものである。農場主
ビリークームズの同僚は2人とも、リッパーストンの牛がしょっちゅう逃げ出して近所の農場へ迷い込
んでいたと証言していた。では、牛たちはどうやって誰にも気配を気づかれずに彼らの家
を通り過ぎたのだろうか。「そりゃそうだよ」とビリー・クームズの隣人は断言した。「風
が吹いているときは物音は聞こえないし、テレビやラジオがついていればなおさらさ」リッパースト
ンでは、このほかにも奇妙な出来事が起きているが、客観的に観察してみると、それほど不
可解な問題でもないことがわかる。たとえば、不思議な力が機械類に作用して、一年の間
に5台も車が壊れてしまっていることになってる。クームズ氏を知る人々は、一介の牧夫が何
台も車を買い換えるような金を持っているはずがない、と指摘している。彼はスクラップ置き場
から廃車を買ってきて、精一杯の修理を施し、車が完全にだめになるまで遣いつぶしていた
のである。一家のテレビがやたらと故障ばかりしていたことにも、同様の説明が成り立
つ。以上に高い電気料金については、近所の人がこう証言している。クームズ家では、いつも
ドアや窓を開けたままでセントラル・ヒーティングをつけっぱなしにしている、と。
もっとも衝撃的な事件の一つが、4月22日の夜にクームズ家の今の窓の現れたなぞの怪人で
ある。このとき、現実に何かが起きたことは間違いなさそうだ。
真夜中にクームズ氏から電話を受けた農場主は、彼が本当におびえていたと語っている。しか
し、いったい何におびえていたのだろうか?
256 :
、:2008/07/20(日) 19:17:53 0
これより少し前のこと、土地の男が2人のヘイブン・フォート・ホテルを通りかかった。ここの
女性経営者がホテルの敷地内でUFOと2人の人影を目撃したと報告したばかりのころだっ
た。衝動的に彼らは彼女をからかってやろうと思い立った。彼らは雰囲気を盛り上げるた
めに懐中電灯まで使って、まがまがしい格好でホテルの周りを歩き回った。後にクームズ家に現
れた怪人も、これと同じ2人の仕業だったのではないだろうか。クームズ家に現れたいたずら
犯人の正体については衆目の一致するところだが、彼らはいまだに共犯関係を公に認めて
はいない。従ってこの解釈も、あくまで推測の域を出ない。しかし、現在地元では、この
いたずら説が一般に有力である。類似の過誤や誇張を1つ1つ取り上げることはできないが、
スタック・ロックスの衝撃的な目撃事件には触れておかなくてはなるまい。残念なことに、こ
の事件に関するさまざまな報道記事にはとりわけ顕著な食い違いがあり、正確に述べるこ
とは不可能である。ともあれ、推定される事件のあらましは、次のようなものである。
,, -‐- ,,
./ ヽ
/ u' ',
_ /¨`ヽ {0} .|
/´ i__,,.ノ u' |
/' `ー- ', <ドキドキドキ、、、、、
,゙ / ) ノ u' '、
|/_/ ヽ
// 二二二7 u' __ ヽ
/'´r -―一ァ"i '"´ .-‐ \
/ // 广¨´ /' /´ ̄`ヽ ⌒ヽ
ノ ' / ノ :::/ / ヽ }
_/`丶 / ::i {:::... イ
10月のある日の夕方、ポーリン・クームズは母親と子供を車に乗せてリッパーストンに帰る途中だっ
た。このとき、彼女の母親が、円盤型のUFOがスタック・ロックスへ向かって頭上を飛んでいく
のを目撃した。スタック・ロックスは、本土から少し離れた沖合いに浮かぶ岩礁である。UFOは
その岩場の上を旋回すると、2枚の引き戸のようなものの間をすり抜けて岩の中に飛び込
んだ。
彼女たちは不安に駆られながら家へ向かった。彼女たちが家に着くと、すぐに電話がなっ
た。ヘイブン・フォート・ホテルのグランビル夫人からだった。夫人は空に輝く閃光を目撃し、双眼鏡を
持ってきてスタック・ロックス(夫人の所有地だった)の様子を確かめたのだそうだ。すると、岩
をよじ登るいくつかの人影が見えたので、クームズ夫人も何かそれらしきものを見かけなかっ
たかと尋ねてきたのである。クームズ夫人は子供たちをつれてすぐに農場を出ると、見通しの
聞くがけの上にまで行った。
当時の記事によれば、彼女たちはがけから戻ってくるとグランビル夫人の目撃内容を裏付ける
証言をしている。ところが、さらに詳しく調べてみると、実際には彼女たちががけから戻
る途中、子供たちだけが先に駆け出して母親より一足早く家へ帰りついた。隣人のキャロライン・
クラスが、何か見えたかと息子のカロラインに尋ねたところ、彼女は何も見えなかったと答え
た。ところが遅れて帰ってきたクームズ夫人は、岩礁の上に階段のようなものをよじ登る人影
を確かに見たと断言した。
これをどう考えたらよいのだろうか。スタック・ロックスはヘイブン・フォート・ホテルから約5kmはなれ
ており、この距離では動くものをつぶさに観察することはできそうもない。特に夕暮れ時
は、岩礁の本土に面する側は陰になってしまう。しかも、岩礁のホテルに面する側とクームズ夫
人が見た位置とは角度に90度もの開きがあり、彼女に同じものが見えたとは考えにくい。
グランビル夫人は閃光に驚いてスタック・ロックスを見たと説明しているが、これも説得力に乏しい。
というのも、セント・ブライズ湾上空は、近くのブローディにある英国空軍基地から発信したジェ
ット機が絶えず飛行しており、その上スタック・ロックスは基地に着陸する航空機の飛行コース上
の目標にもなっているからだ。スタック・ロックスの上空には、1日に幾度となく閃光が目撃でき
るに違いない。
もう一つ忘れてはならない。クームズ家の人々が最初に閃光を目撃したのは、舗装していない
でこぼこ道を車で走っている最中だったはずだ。すると、車の中からは断続的にしかスタック・
ロックスは見えない。この地点も、スタック・ロックスからは3kくらい離れていたはずだ。BBCの記
者がこの目撃の原因となりそうな対象物が何かないかと、岩礁まで行って確かめた。何も
見つからなかったが、一つ注目すべきものがあった。クームズ一家が円盤が岩の中に飛び込ん
だのを目撃したと思われる地点と、同じ角度の側へ回ってみると、大きな板状の岩が二枚
並び、その間が暗く影になっていた。彼らは、この岩を引き戸と見間違えたのかもしれな
い。
259 :
、:2008/07/20(日) 19:22:18 0
最後に、ポーリーン・クームズには目撃者としてどれだけの価値があるのだろうか。彼女が生まれ
つきの霊能力者かもしれないとにおわせる経緯もあったが、同時に暗示にかかりやすい性
質か豊かな想像力の持ち主とも考えられる。1977年の事件からしばらくして、著名な
UFOコンタクティー(被接触者)の特集番組がテレビで放送されてまもなくのこと、クームズ夫人は、
自分も異星人の宇宙船に乗せられて飛行したことがあると、キャロライン・クラスに打ち明けている。
ここにあげた調査結果は「ジ・アンエクスプレインド」誌のために特に行ったものであり、報告の
内容を覆そうという意図はなく、ただ真実を確認するためのものである。こうした誇張や
手落ち根拠のない歪曲や明らかなうその寄せ集めを掘り下げてみると、あまりにも予想外
で拍子抜けしてしまう。さてこうなると当然、1977年の西ウェールズのフラップには、何
がしかの真実が含まれていたのだろうかと疑いたくなってくる。
幸いなことに、こうして明らかになった事実がすべて期待を裏切るものばかりではない。
マスコミや英国UFO研究協会代表フランドル・ジョーンズ・ピューに自分の体験を語った目撃者たちの
うち、かなりの人は確信に満ちた態度で申し立てており、彼らが目撃したものは本物のU
FOだと考えても差し支えなさそうだ。こうしたケースの中から、一つ代表的な例を挙げてお
こう。
3月26日土曜日、午前8時少し前のことだった。ジョセフィン・ヒュイソンは、ロウアー・ブロードムア農
場にある自宅の寝室の窓辺に立っていた。このとき彼女は、家の前まで回りこんでいるドラ
イブウェイのすぐ先の畑に、幅15mくらいの大きな物体があるのを見た。その大きさは、後
ろの温室がほとんどそっくり隠れてしまうほどだった。それは丸みを帯び、3つの層を重
ねたような形だった。基部は幅広く、その上の層は丸く盛り上がり、一番上はドーム型をし
ていた。全体は、ヒュイソン夫人の言葉を借りると、「山形のゼリーを押しつぶした」ような格
好だった。表面はすべすべとし、ずんぐりとした感じで、アルミニウムのような色だった。まっ
たく音を立てず、動いている気配もなかった。完全な白昼下の出来事だったが、空はうす
曇りだった。したがって、温室に反射した日の光で彼女の目がくらんだという仮説は成り
立たない。
260 :
、忘れがたい不思議な出来事:2008/07/20(日) 19:25:49 0
彼女は約二分間この物体を見つめていたが、誰か別の人間に知らせるべきだと気づいて、
子供たちを起こしに行った。が、彼女がもう一度窓の外を見たときには、物体は消えてい
た。
忘れがたい不思議な出来事
ジョセフィン・ヒュイソンの証言は、立証することも否定することもできない。しかし現場へ行って
みると、彼女が何かを誤認したと考えられるような対象物はまったくない。彼女は現実に
存在する何かを見たのかもしれないし、幻を見たのかもしれない。そして、彼女の幻覚だ
ったと考える根拠もなさそうだ。この事件似たいする彼女自身の見解は、現在でも控えめ
で客観的なものである。彼女にとって、あの朝自分が何かを見たのは事実であり、いまな
おあの時見たものは現実に存在するものだと思っている。一部の記事には彼女がおびえて
いたと報道されたが、彼女は自分の見たものに対してまったく恐怖は抱かなかった。ただ、
忘れがたい不思議な体験となったのである。
西ウェールズのフラップは、人間の本質をさらけ出す不幸な結果となった。事件にかかわった
人々の中には、他人から聞いた話を何の疑問も持たずにすっかり信じ込んでしまう単純な
人もいれば、客観的調査をしているとくちでは言いながら己の無能振りと先入観の強さだ
けを証明した人もいた。証拠を提供してくれた人の中にも、どうにも信用しかねる人や、
意図的にうそをついている人らしい人もいた。本当の超常現象を体験したのは、ジョセフィン・
ヒュイソンのようなごく少数の人たちだけのようだ。しかし、事件の取り上げ方があまりにもず
さんだったために、ありとあらゆる過誤と無責任、作り話と虚言の元に、真実が埋もれて
しまったのである。