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世界@名無史さん:
ロザリンド・フランクリン
遺伝子研究学者。早くから遺伝子の高解像度のX線撮影に成功し、この分野の研究をリードしていた。
二重らせん構造を初めて提唱したのも彼女である。しかし、仲の悪かった彼女の上司のウィルキンスが彼女のデータを勝手に持ち出し、他の研究者に渡してしまう。その相手が遺伝子の構造を解き明かした学者として歴史に名を残しているワトソンとクリックである。
後にノーベル賞を受賞するワトソンとクリックの研究は、そのフランクリンの非公開データを下敷にしていた。
フランクリンはDNAの塩基配列の謎までは解けなかったものの、彼女の研究がなければワトソンとクリックは決してDNAのモデルを構築できなかったであろう。しかし彼らはフランクリンのデータを流用している事をフランクリン本人には一切伝えなかった。
フランクリンは1958年に栄光なきままにガンでこの世を去った。享年37歳。ワトソンとクリックがノーベル賞を受賞する4年前である。
ノーベル賞と「遺伝子の謎を解き明かした」という栄光と名声はワトソンとクリックの頭上に輝いたが、その後にフランクリンの死と彼女の研究の事実が知られるようになってから、
人々は、科学者の研究におけるモラルとはなにか、という件に関して延々と議論することになったのだった。