科挙を研究するスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
349世界@名無史さん
>>345
エコール・ノルマルはリセ教員や学者養成機関だけど、フランスは大革命以後も
外交官や裁判官や将校は貴族やブルジョアに事実上独占されていたから、プチブル以下の
階級から権力中枢に成り上がるためには、実力試験で入学可能でかつ奨学金つきの
エコール・ノルマルを卒業してリセの教員をやりながら政治家のブレーン→政治家になること
を狙う者が多かった。
第三共和制下の左派政党には教員出身者が多いのはそのため。

理系だとエコール・ポリテクニークが名門以外の秀才に門戸が開かれていた。
兵科将校は19世紀は貴族の牙城だったけど技術将校は実力主義だったから。
エコール・ポリテクニーク出のユダヤ人ドレフュス大尉が貴族出身者が多数を占める
陸軍で冤罪に陥れられたのは実にシンボリックな事件。

ENAは、それまで文系官僚の任用が貴族・ブルジョア出身者に偏っていたのを是正する
ため第二次大戦後に作られた。ノンキャリ下級職員からENAへの入学枠があるのは、
労働組合出身者に出世の道を開いて共産党のレジスタンスの功に報いるため。

学力試験オンリーだとブルジョアの優位を再生産してしまうことになるから。