>>368 これと思われる警察隊が「ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅」という本の上巻に
言及されている。ゲットーの治安を維持するためにユダヤ人とポーランド人によって
組織された補助的な警察隊で、ヤルケ中佐指揮下のワルシャワ警察隊に
所属する下部機関である。任務は第304大隊によって遂行されている。
これらポーランド人警察官の構成員はいわゆるVolksdeutscheだった。
元はドイツが侵略を開始したときにドイツ軍に味方して国内各地で
軍事活動を遂行したドイツ系ポーランド人の民兵で、
1939年9月8日から10日の間にSelbschutzという自警団に改編され、
ポーランド占領政策の開始とともにこの自警団がOrdungspolizei(治安警察)の指揮下に入ったもの。
全てのSelbschutzは1940年4月までに解散させられたが、構成員の一部はその後、
Ordungspolizei指揮下に新たに組織された補助警察に入った。
ポーランドでは12個連隊が組織されている。
これはGranatowa Policjaと呼ばれた。
1943年のピーク時には補助警察官は16,000人に達した。
ポーランド国立歴史研究所の調査によると
ポーランド民族系の補助警察官はごく少数ながら存在したようだ。
しかし、一方でそのうち対独協力していた人物の名前は明らかになっており、
彼らは国内軍などの地下抵抗組織によって次々と暗殺されている。
つまり、補助警察内部にも国内軍のエージェントが潜入していたということになる。
彼らはまた、警察内部に地下組織を作り、国内軍の外部組織等と協力して
ユダヤ人救助活動を行なっていたらしい。
ワルシャワ市やPrzemysl市の事例があげられており、
関った警察官の名前も明らかになっている。
こういう資料を見ていくと、当時のポーランド人の地下抵抗活動の複雑さが窺える。