●文房具の歴史●

このエントリーをはてなブックマークに追加
1世界@名無史さん:04/06/13 16:04
鵞ペン、羊皮紙、筆、紙など
は常に人類の歴史と共にあります。
そんな文房関係の物品史を語りましょう。
22:04/06/13 16:32
2ゲット
3世界@名無史さん:04/06/13 17:27
そんな長い歴史の上に日々進歩している日本の文房具も讃えようよ
4世界@名無史さん:04/06/13 17:35
アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、無重力状態では
ボールペンが書けないことを発見した。これではボールペンを持って行っても
役に立たない。NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、10年の歳月と
120億ドルの開発費をかけて研究を重ねた。
その結果ついに、無重力でも上下逆にしても水の中でも氷点下でも摂氏300度でも、
どんな状況下でもどんな表面にでも書けるボールペンを開発した!!
一方ロシアは鉛筆を使った。

これってマジ話?
5世界@名無史さん:04/06/13 17:37
タイプライター。
ワープロの発明、発達、滅亡。
日本能率協会、産業能率大学の文房具にあたえた影響。
紙のA列、B列、菊判、レターサイズ。
6世界@名無史さん:04/06/13 17:39
>>4
結局、NASAは日本製の水性ボールペンを採用したと聞いたが。
7世界@名無史さん:04/06/13 18:58
ホッチキス式機関銃の発明者ホッチキス氏が
自動装填機構を応用して紙綴じ具を考案した・・・
http://www.uraken.net/zatsugaku/zatsugaku_35.html

・・・と思ったらそうでもなかったようで。
 
8世界@名無史さん:04/06/13 19:00
>>4
マジックか鉛筆でことたりるのに。
9世界@名無史さん:04/06/13 19:10
日本では天体望遠鏡も作った鉄砲鍛冶の国友藤兵衛が
1828年代にすでに万年筆の前身である懐中筆を製作していた。
10世界@名無史さん:04/06/13 20:40
シャープ社の元祖「早川式繰り出し鉛筆」もヨロシコ
国産シャーペンのはしり。
11世界@名無史さん:04/06/13 21:36
ロケット鉛筆って今でもあるんか。
12世界@名無史さん:04/06/13 21:40
>>10
国産シャーペンというか、世界初なんじゃないのか
13世界@名無史さん:04/06/13 23:34
元祖毛細万年筆ウォーターマン社
愛用してますクルトゥール・ライト・ソフト
14Krt:04/06/14 15:21
そもそも「シャープ」という社名の由来が創業者早川徳次の発明によるシャープペンから。
当時すでに繰り出し機構を持ったセルロイド製鉛筆はあったそうだが、太く脆弱で実用性の
無かったものを、金属製にしたり、繰り出し装置を改良したりしたのを「早川式繰出鉛筆」
として特許をとった。ただ当初「和服に合わない」「金属製で冷たい」と言われて不人気で
むしろ輸出先の欧米でヒットしてから国内でも広まったと、シャープの社史に書いてある。
http://www.sharp.co.jp/corporate/info/history/h_company/1915_1919/index.html

「金属繰出鉛筆はさらに改良を重ね、1916年(大正5年)にはこれまでにない
極細芯の近代的な筆記具に成長し、大正デモクラシーという、当時の自由で民主的な
時代の流れに合った、軽快さとモダンさを備えた先端文具として一世を風靡しました。
 名称もエバー・レディ・シャープ・ペンシル(常備芯尖鉛筆)と改め、さらに後に
シャープペンシルとなりました。当社の社名がこのシャープペンシルに由来しているのは
言うまでもありません」といった風に。ただ現在シャープは特許を手放しているらしい。

なお英語名は、automatic pencil とか、mechanical pencil とか、propelling pencil。
15世界@名無史さん:04/06/15 00:17
じゃあ、シャープはもうシャープペンシルを作ってないの?
16Krt:04/06/15 02:16
HPで見る分には作ってないみたいだね。
17世界@名無史さん:04/06/15 05:50
たしか早川工業の持っていた工場が関東大震災で全壊し、その損失補填の為に特許を手放したとかいう話ではなかったか。
この前職場でトリビアとして披露したら「シャーペンてそんな昔からあったのか!?」と驚かれた。
18世界@名無史さん:04/06/27 21:29
こんな感じ↓でおおかた合っていますかね?

紙発明・伝播直前の世界の書写用具の組み合わせ:

羊皮紙+ペン(羽根・葦) ⇒ヨーロッパ+中央アジア+西アジア+北アフリカ
貝多羅+尖筆(鉄・木)  ⇒南アジア+東南アジア
毛筆+木簡(竹簡/帛書他)⇒東アジア

あと何かあるかな・・・
・樹皮(西欧⇒主にブナ、東欧〜北欧⇒シラカバ)
・布 (中米⇒リュウゼツラン科マゲイの繊維を織って)
 
19世界@名無史さん:04/06/27 22:17
パピルスは?
20世界@名無史さん:04/06/30 21:26
>紙発明・伝播直前の

とあるから羊皮紙にとって替わられたのでは。
21世界@名無史さん:04/06/30 21:34
シャープが昔作っていたコンピュータを「HAYAC(ハヤック)」という。
2221:04/06/30 21:35
なお、それはオフィス・コンピュータです。
23Krt:04/07/02 00:21
パピルスというのはわりと後まで皮紙(羊皮紙、仔牛皮紙)と平行して用いられていたんだ。
たしかにヨーロッパでは4世紀頃から様々な理由(1)で次第に皮紙に代替されて行ったのだが
641年のアラビアのエジプト侵入でパピルス栽培場が荒廃するまで使われていたのは勿論(2)
近年の研究では官庁の文書等にはかなり後までパピルスが使われていたことがわかっている。
 例えばシリアやイスラエルでは9世紀半ばの日付のあるパピルス文書が発見されているし、
ユーフラテ川沿いに生えているパピルス利用のためカリフが836年にエジプトから器具と職人
を導入したという記録が残っているという。またシチリアでは地理学者イブン・ホーカルが
10世紀にこの地に育つパピルスについて、それらの大半は船の索具に用いられているものの、
なお少量は官庁の文書用に用いられている事を記録しているという(3)。
 実はもっともパピルスに執着していたのはビザンチンで、ここでは11世紀にいたるまで
紙ではなく、皮紙(冊子本用)とパピルス(法的記録文書、後に皮紙の巻物に転写する)
との併用が続き、そこのころにやっと導入された紙がパピルスを駆逐していくという形を
取ったらしい(4)。だからどちらかというと西欧は皮紙への切り替えが早かった方だろう。
 なお一番極端な例を挙げると、語彙の面からして10〜14世紀の物と思われるお守り用の
整版(5)のアラビア語印刷物がエジプトで見つかっているのだが、これが紙にだけではなく
羊皮紙に印刷したものが二例、そしてパピルスに印刷したのも一例出てきているという(6)。
24Krt:04/07/02 00:22
あと中央アジアに関しては、書写材料としては中国文化圏なんじゃないかと思う。
中央アジアの多くの遺跡からの発掘物の示すところによると、これらの諸都市においても
中国本土にやや遅れる形で、木簡(竹簡)→帛書(もちろん前者と平行して使用)→紙、
というパターンを取っているようなので(7)。

(1)ローマの知識人はパピルスの巻子本を上等なものと見なす風潮があったが、冊子本は
検索に便利なだけでなく裏表に書けるため経済的だったこと、あるいはキリスト教徒が
小型の聖書を隠し持つのに便利だった事などのために冊子本の使用が広がるにつれ
パピルスの強度が不足気味なことが問題になったとか、あるいは逆に冊子用にパピルス
では作成不能な大きな紙面の必要性が生じたといった様々な理由によって。

(2)cf.:L.D.レイノルズ/N.G.ウイルソン:古典の継承者たち p.96:国文社
なお、このことによってユーザは比較的安価なパピルスから高価な皮紙に切り替えざるを
得なくなったために、一文字が大きく一枚にあまり字数を書けないアンシャル字体という
大文字から次第に官吏の間で手紙や書類などに使われていた空間経済的な小文字を使う
という流れが出来ていく。ただしこれは8cぐらいになってからだろうと言われている。
25Krt:04/07/02 00:23
(3)Bloom,John M.: Paper before Print: The History and Impact of Paper in the
Islamic World p.27f..: Yale UP.:2001: 0-300-08955-4

(4)これはいち早く紙を受け入れたイスラムスペインと比較すると極めて保守的だった。
西欧への紙およびその製造技術の導入口となったのも中東や北アフリカ→シチリア経由
よりも、ハチバやトレドを中心とするスペインが主だったらしい。cf. Bloom:p.206ff.

(5)活字ではなく版画のような一枚の版を作って印刷したもの。日本でも江戸時代までは
多くの印刷物が木版による整版で作成されたが、これは錫版による整版印刷物である。

(6)cf.Bloom p.218

(7)銭存訓:中国古代書籍史ーー竹帛に書すーー:法政大学出版局
なお中国文化圏からイスラム文化圏への紙文技術の導入に関してはアラビア人が751年に
タラス川の戦いで捕虜になったシナ人から紙の製法を伝授されたことになっているが、
Bloom(p.45)は、これは文字通りの真実と言うより逸話として受け取るべきだという。
26世界@名無史さん:04/07/02 00:37
羊皮紙は書き込んだ文字を拭えばすぐに消えるため、公文書の改ざんが問題になっていたんだよな
しかし支那よりの紙の伝来で、その問題も無くなった。
27世界@名無史さん:04/07/28 05:37
>>11
>ロケット鉛筆って今でもあるんか。
戦後日本のロケット開発はペンシルロケットから始まりました。
28世界@名無史さん:04/07/28 21:16
三菱鉛筆最高。
29世界@名無史さん:04/08/14 16:11
紙以前と言うと羊皮紙が名高いが、
動物の皮膚を使ったものとしては
他にも羊、鹿、牛、豚、はてはリスの皮を使ったものまであった。
30世界@名無史さん:04/08/14 16:14
羊→山羊
31きつね:04/08/16 03:13
>>26
背教者ユリアヌスでもそういう場面ができますね。
32世界@名無史さん:04/08/16 05:16
ノート用石板と言うと昔のギリシャとかだけの話かと思ってたら
現在でも使われてるとか。
物資不足の時に代用品になるらしく、明治の一時期、満州国とかでも
使われた事があったそうな。

表面の反発が強くて字が金釘流になってしまい、
あんま使い良いもんじゃないらしいけど。
33世界@名無史さん:04/08/18 05:44
赤毛のアンを彷彿させるなぁ
34世界@名無史さん:04/08/31 23:29
簿・籍・簡・・・
今でも書類関係の漢字は竹冠が多いね。
35世界@名無史さん:04/09/28 06:40:26
千円の使い切りボールペンが20年ほど前にあった。
実に使いやすかったが、売れなかったようで、店頭から消えてしまった。
36世界@名無史さん:04/09/28 21:41:53
筆の自販機ってなかったっけ?
37世界@名無史さん:04/10/26 10:10:23
>>28
三菱鉛筆と三菱コンツェルンは全く関係がない。
38世界@名無史さん:04/12/13 22:38:22
ICリードフレーム大手の「三井ハイテック」みたいなもんか?
ま、こっちは経営者の名がホントに「三井」っていうんだがw

保全のためカキコ
39世界@名無史さん:04/12/26 01:47:33
保守します。
40世界@名無史さん:04/12/26 01:50:16
>>38
三菱コンツェルンよりも古い。
41世界@名無史さん:05/01/11 10:17:26
日本人は海綿とスポンジを別物と理解している人が多いが
実は海綿を英語ではスポンジ(sponge)というのは知られていない。
42世界@名無史さん:05/01/11 22:25:18
明治以前の日本では文具として海綿を用いることはあったのかな。
聞いたことはないけれど。
43世界@名無史さん:05/02/03 18:43:31 0
雁皮とか上等の和紙だと墨で書いても海綿で消せそうな気がするんだが。
実際どうだったんだろ?
44世界@名無史さん:05/02/18 06:56:01 0
墨は最も安定した性質のインク。
いったん染みこんだらどのようにしても落とせない。
45世界@名無史さん:05/02/20 00:28:03 0
習字の授業で服を墨汁で汚すと、よく歯磨き粉をつけて叩くように
シミを落としたっけな。それでもうっすら残ってしまうんだよね。
46世界@名無史さん:05/03/02 21:30:31 0
凸版印刷、バチカンの羊皮紙古文書上の抹消文字復元作業に成功、高い評価
http://www.toppan.co.jp/aboutus/release/article0207.html

羊皮紙にインクで書かれた文書は、用を終えると字を刃先でこすって
文字通り「削除」して再び白紙にしてリサイクルしていた。
この削除された文書のなかには、現在では散逸・失伝した「幻の書」も
数多く含まれている模様。
 表面は削り取られても、滲んだインクが内部に残存していることに着目して
デジタル復元にこのたび成功したもの。今後の成果が待たれる。
47世界@名無史さん:05/03/15 00:25:49 0
チベット仏教の経典は、短冊状に細長い紙を横長に綴ってありますが、
あれもインドの貝葉文の名残なのでしょうか。
48世界@名無史さん
朝鮮語では、硯、筆、文鎮、紙を「文房の四友」という。
実に上手い表現ではないか。