国民と国民意識ナショナリズムと国民国家ネーションステーツ

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1世界@名無史さん
はいつまで持つのだろうか。
2世界@名無史さん:03/10/14 01:29
戦争が利益を生むことが無くなるまで。




寝ろ。
3世界@名無史さん:03/10/14 01:40
戦争当事国が経済的な利益を受けるのは現代戦ではまず無理。
限定された紛争ならまだしも・・・・。

4   :03/10/14 02:31
国民国家が無くなった後は、一体何が出てくるのか?
5世界@名無史さん:03/10/14 04:21
統一世界帝国
6世界@名無史さん:03/10/14 05:02
んで50年後くらいに分裂って感じか
7世界@名無史さん:03/10/14 05:53
・超巨大多国籍企業が従来の国家という枠組みを越えて、
支配圏を確立し……SFの世界だね?
8世界@名無史さん:03/10/14 05:58
>>7
その世界観よく見かけるが初出は?
97:03/10/14 06:13
世界史板の質問?
しかも初出??
他の板の方が確実では???

このスレタイからすれば、フランス革命によってナショナリズム
が登場したとか(私はそうとも言い切れないと思いますけれど)、
中世には国家という概念が低く、一般の農民・市民は自分たちが
どこの国に属しているのかとか関心がなかったとかに始まり。
終わりは、国民主体の国家には限界があり、その限界とは何かと、
その限界をこえ新たに構築される国家形態についての内容でしょうか?。
ただ、後者の終わり部分は、政治レベルだし、それ以上の内容は
SFなりフィクションレベルで、この板で行うものでは無いような
気がしますが?
10世界@名無史さん:03/10/14 06:38
ロボコップじゃないの?
11世界@名無史さん:03/10/14 16:14
もしネーションステートが究極の形態だとすると
歴史はそこで終着点を迎えることになるな。
12世界@名無史さん:03/10/15 00:44
>8
今じゃB級漫画や映画にまでパクられまくっているから
ずいぶん陳腐になってしまったが、少なくともロボコップ以前に
ブルース・スターリングが『スキズマトリックス』などで
かなり緻密な世界を構築している。
13世界@名無史さん:03/10/15 21:19
>>9
ジャンヌ・ダルクとか、マルティン・ルターとか、
あのあたりはナショナリズムの原型?
14世界@名無史さん:03/10/15 21:29
>>13
レトロスペクティブにそう解釈できるだけ、っちゅう話だろ。
15世界@名無史さん:03/10/15 22:43
>>13
ジャンヌ・ダルクの場合、
ジャンヌ自身が、フランスというのがどの地方で、どこまでなのか
すら分からないと思います。
16世界@名無史さん:03/10/16 11:21
>>15
とすると、
ヤパーリナショナリズムというのは、印刷術をはじめとするマス・コミュニケーション
の手段が発達したあとに成立した、ということでしょうか。
17世界@名無史さん:03/10/16 19:15
フランス革命直後は多くの「フランス人」が
フランス語をしゃべれなかったといいますから
18世界@名無史さん:03/10/16 19:47
や、それは維新直後の日本人の殆どが標準語を喋れなかったのと同程度の問題なのでは。
そのあたりの差を埋めたのはどこの国でも書き言葉は新聞、話言葉はラジオ以降なのでは。
19世界@名無史さん:03/10/16 22:28
印刷術の登場というのは、
当時の人々にとってはインターネットの登場と同じぐらい衝撃を与えたのかもしれない。
それによって一部の人々が情報を独占する、ということができなくなった
わけだから。
20世界@名無史さん:03/10/16 23:51
古代ギリシャのポリス(都市国家)は、ある意味ナショナリズムと
言えようか。
21世界@名無史さん:03/10/16 23:58
>>20
意味がわかりません
22世界@名無史さん:03/10/16 23:58
>>19
マクルーハンぐらい読んでください。
23世界@名無史さん:03/10/17 00:31
印刷、或いは出版資本主義とナショナリズムの関係は、
アンダーソンの「想像の共同体」に詳しい。
読むべし。
24世界@名無史さん:03/10/17 12:07
ナショナリズムと宗教がむすびつくケースってどうよ?
25世界@名無史さん:03/10/17 12:23
>>24
べつに?普通でしょ?
26世界@名無史さん:03/10/17 19:44
むしろ、宗教がナショナリズムと必ずしも結びつかなかった西欧のほうが
特殊なんだよね。
27世界@名無史さん:03/10/17 20:30
>>26
西欧の場合、フランスが同じカトリックのスペインやオーストリア
(つーてもどっちもハプスブルク家なんだが)
と戦争しまくったせいで、宗教をプロパガンダに使いづらくなった。
イギリスも、国教会もピューリタンもカトリックも一度は敗れてるし。
結局、そういう王朝意識が宗教意識を上回り、その王朝国家を
国民国家の前提としたため、ヨーロッパではナショナリズムの
構成要素として、宗教的なものが存在しなかった。

ちなみに「想像の共同体」だと、宗教はナショナリズムの親戚
といった方が近いらしい。
現代の「宗教と結びついたナショナリズム」は、そういう意味で
近親相姦の奇形児と言った方がいいかも知れない。

どっちが本来のものかはともかくね。
28世界@名無史さん:03/10/17 21:07
近代中国の場合、ナショナリズムが道教や儒教といった宗教と
結びつかなかったのはなぜなんだろう?
日本やインドと比較して、興味ある。
香港・台湾・東南アジアの華人社会でも、
宗教とナショナリズムがむすびついているというのは
あまり聞かないし。
29世界@名無史さん:03/10/17 21:12
>>26
アイルランドは?
30世界@名無史さん:03/10/17 21:14
>>29
その前にイングランドと、国教会を指摘すべきでしょう。
31世界@名無史さん:03/10/17 21:26
>>30
ルター派は、ドイツ民族主義と結びついているといえるのでしょうか?
32世界@名無史さん:03/10/17 21:45
>>31

まったく皆無なんでしょうか?ドイツ語訳聖書とか。
33パシッチ ◆mWYugocC.c :03/10/17 22:08
>>30
リンダ・コリーが『イギリス国民の誕生』で述べてますね。
フランスというカトリック国家と対抗する国教徒のイギリス、というイメージらしい。
34世界@名無史さん:03/10/17 22:13
>>32
ルターはドイツ人の民族主義意識の形成に決定的な役割を果たしたと
いわれています。
35世界@名無史さん:03/10/17 22:24
ルター派がドイツと北欧にしか広がらなかったのに対し、
カルヴァン派のほうは世界的に広がったというのも興味深い。
36世界@名無史さん:03/10/17 22:29
アメリカ合衆国の場合、宗教とナショナリズムの関係はどうなのでしょうか。
アメリカ・ナショナリズムを見ていると、宗教というより
「アメリカは特別な国・理想の国」
という意識が強いように思えるのですが。
37世界@名無史さん:03/10/17 22:34
>>36
アメリカはファンダメンタリストの、もっとも宗教的な国家でしょう。
大統領宣誓式で聖書を使うし、
進化論を教えることが違法な州があるし。
38世界@名無史さん:03/10/17 22:40
>>37
そうなんだけど、
それはアメリカ国内に対してであって、
他の国にまでファンダメンタリズムを広げようという意識が
あまりなさそうに思えるんです。
39世界@名無史さん:03/10/17 22:44
>>38
??
何を議論したいの?ちょっと判らないので、論点をしめしてちょんまげ。
40世界@名無史さん:03/10/17 23:11
アメリカは西洋初の世俗主義国家じゃろ。
それ以前も以降も、日本が最も世俗主義的な国家だったが。
41世界@名無史さん:03/10/17 23:15
>>37
>進化論を教えることが違法な州があるし。

そりゃ州政府の管轄下の公立学校の話で、
しかも両論併記じゃなかったか?
私立学校なら問題ないはず。
もっとも私立学校の大半はキリスト教系だが。
42世界@名無史さん:03/10/17 23:22
>>40
国家神道は?
43世界@名無史さん:03/10/17 23:25
>>42
「最も」は言い過ぎたか。
44世界@名無史さん:03/10/18 01:50
プロテスタントのアメリカ人の中には、カトリック教徒に対して、

「アメリカ合衆国という国家ではなく、ローマ教皇に対して忠誠を誓っている」

として、不信感を抱いている者もいる。
45世界@名無史さん:03/10/18 02:04
そりゃ単なる馬鹿だろ。
馬鹿は相手にするな。
46世界@名無史さん:03/10/18 10:30
>>44
KKKの嫌いなもの
1.黒人
2.ユダヤ人
3.カトリック
47世界@名無史さん:03/10/18 12:32
>>44
聖公会モナー
48世界@名無史さん:03/10/18 12:53
どんな世界にも馬鹿はいる
49世界@名無史さん:03/10/18 12:55
>>44
基本的に陰謀論は、「自分ならそうするだろう」と考える人間が唱えることがほとんど。
なんでも「反日」「売国」に結びつける人とか、逆に「差別」「戦争準備」に結びつける人とか。
50世界@名無史さん:03/10/18 13:12
疎外感と嫉妬こそ陰謀論の母。
51世界@名無史さん:03/10/22 17:45
>>24
ナショナリズムとロマン主義の結びつき、ってのもあるよ。
52 ◆RlujhF6VrA :03/10/23 11:10
>>28

儒教は生活に密着しすぎているし、道教は逆に厭世志向が強い。
特に儒教は、知識人の間では近代化の妨げになると見られていた。
それでも義和団のように例がないわけではないがね。

あと、中国の場合、もともと宗教意識はさほど強くないところに加え、
当時の先進思想としてのマルクス主義とナショナリズムがほぼ同時に
入ってきて、しかもマルクス主義は宗教を敵視していたから、
余計宗教と結びつける意識は弱くなったと思う。
53世界@名無史さん:03/10/23 12:52
儒教はナショナリズムと結びついてますよ。

宋学は強烈な尊皇攘夷思想を持ってますし
清末の公羊学派は滅満興漢のナショナリズムと結びついた。
54世界@名無史さん:03/10/23 12:53
もちろん、日本でも幕末の尊皇攘夷思想は宋学から来たものです。
55世界@名無史さん:03/10/23 14:37
ただ、尊皇攘夷型のナショナリズムだと、現実に外国から
侵略されているのを跳ね返すことは出来ない。
日本もそれを悟ってから、「攘夷」とは手を切って
「尊皇開国」になった。
陳独秀など後の中国の知識人たちも、恐らく同じ認識だったと思う。
56世界@名無史さん:03/10/23 14:42
「われら皆、黄帝の子孫」といういいまわしが、近代以降よく使われる
ようになったけど、これはどう分類すべきなのかな。
57世界@名無史さん:03/10/23 14:46
あのう、日本や中国のナショナリズムを問題にすると必ず荒れる気がするので、
皆さん、やめません?

個人的には、ネイション(文化に基づく国家)・ステイツ(法による人工国家)
の議論がよいと思います。
そうなると、アメリカの国家体制や、EUなどの議論がおもしろいんじゃないかと。
58世界@名無史さん:03/10/23 15:38
>>57
ヨーロッパの場合、19世紀から20世紀前半にかけて、嫌になるほど
殺しあったので、EUのような組織ができたのではないかと。
59世界@名無史さん:03/10/23 15:59
ナショナル・フロントについて教えてください。
60世界@名無史さん:03/10/23 20:57
>>57
EUの将来ってどうなるんだろうか・・・
本当に「国家」という意識を捨てきれるのかな?
いまだにサッカーの国際試合では熱狂するしな。
61ミイラ:03/10/24 00:19
>60
南米ならいざ知らず、ヨーロッパなら、確かに「国家と言う意識を捨てきる」ことはないだろうけど、統合が破綻することは無かろう
イギリスを見れば、地元チームびいきと、より広い共同体への帰属が両立することがわかるだろ
62世界@名無史さん:03/10/24 00:42
サッカー見てる連中と、オフィスでスーツ来て「EUっていいよねえ」と言ってる連中が、同一だとは思えなんだが……。
広い共同体への帰属を利用して得をする連中と損をする連中が出ているだけなんでは?
63世界@名無史さん:03/10/24 01:08
民が国民となるのに必要な社会的条件と人的条件を教えてください。
どうもよくわからない。
64世界@名無史さん:03/10/24 03:39
税金払ってるか否かじゃない?
65世界@名無史さん:03/10/24 08:00
103 :Peak :03/02/17 00:13
大きなククリとしてのキリスト教ヨーロッパと言う概念と言うか、
考えは結構民衆レベルでも漠然とはあっただろう。
だから十字軍にも民衆は熱狂したんだよな。
それは宗教改革を経てもなくならなかったと言う方が正しいんではないか。

そう考えるとそれ以上の統合勢力としての「統一ヨーロッパ」は
むしろ必要ないのじゃないか。傘と言う言葉をもう一回使うなら、
「傘はは2重にさす必要はない」ということか。
逆にうざいのではないかな。あくまで国民レベルの話よ。
民主主義的政体は導入以降は、そういう意見が選挙で反映されるから、
ますます国家中心の政権が強くなったと言う事もあるんじゃないか。

今のヨーロッパの人々の EU にたいする感情なんて特に「アンビバレント」よ。
政治統合、経済統合すれば「誰かが徳をするだろう」けど、「それは俺たちじゃねえ」。
統合による利益よりも、もうひとつ政府ができて、二重に締め付けられてると感じる香具師は多い。
66世界@名無史さん:03/10/24 11:56
>64
海外居住者は税金払うけどその国の国民とは見做されませんがなにか。
67世界@名無史さん:03/10/24 12:21
国民国家でなくても税は徴集される。
68世界@名無史さん:03/10/24 15:18
たたき台:「その体制を受容するかどうか」>>63
69世界@名無史さん:03/10/24 15:27
>68
国家転覆権を認めない体制の場合は?
70世界@名無史さん:03/10/24 15:38
>>69
それはネーションステートとは言えないんじゃないか。
71世界@名無史さん:03/10/24 16:30
>>64
国民国家の定義が徴税なら
歴史上で国民国家でない国などほとんど無いんだが
72世界@名無史さん:03/10/24 19:01
>>63
「民族・宗教・人種・身分といった既存のもろもろの区分を越え、ネーション
というものが、国家にとっての基本的かつ唯一の構成単位とされている」

でいいかな?
73世界@名無史さん:03/10/24 20:15
>72
それは循環的定義では。

基本的には国籍だけでいいんでないの>国民たる要件
74世界@名無史さん:03/10/24 21:04
>>63が言いたいのは「近代国民国家の国民」てことじゃないの?
75世界@名無史さん:03/10/25 03:45
そもそもネーションの訳語を「国民」としたのが誤解のもとだ。
76世界@名無史さん:03/10/25 04:20
何がいいかな?
民族とも訳されるけどね。
77世界@名無史さん:03/10/25 11:45
>>76
民族はエスニックでは?
78世界@名無史さん:03/10/25 13:28
>>75
nationの語源って何なの?
79世界@名無史さん:03/10/25 14:48
ナショナリズムは「敵」の存在が無いと醸成できないの?
80世界@名無史さん:03/10/25 16:02
ベルギーって国民意識があるの?
個人的には最後の領邦国家だと思うんだが。
81ACE ◆Z7a1IZ9GTI :03/10/25 17:08
>>63
国民国家は、
1.明確にして連続的な境のある領土を有し
2.程度の差こそあれ中央集権的な支配が行われ
3.国家組織が教会や職能団体など他の組織と区別され
4.政府が物理的強制手段(軍隊・警察など)を独占する
といった特徴を持つ「近代国家」であるとCh.ティリは
定義している。
82世界@名無史さん:03/10/25 17:34
州軍を持つ米国は4には当てはまらないな。
定義としては参考になるが。
83世界@名無史さん:03/10/25 18:05
アメリカはUnitedStatesだから。当然、それぞれの州は一国家的体裁をとる。
84世界@名無史さん:03/10/25 18:10
それじゃ一国家的体裁をとった州と州軍の上に政府と政府軍があるから
やはり4の暴力装置独占にひっかかるな。
85世界@名無史さん:03/10/25 18:36
5.民族自決の原則により一民族一国家(という虚構)



USは国民国家ではないよ。
86世界@名無史さん:03/10/26 21:52
そういえばEUは「ヨーロッパ合衆国をつくろう」といってるな。
87世界@名無史さん:03/10/27 01:36
米国の場合は、連邦がワンネーションなのか、州のひとつひとつがネーションズなのか、
常に議論が紛糾し、定説はない。

でもこのスレのネタは、あまりドキュンや厨にはおすすめできないなー
88世界@名無史さん:03/10/30 23:24
マハトマ・ガンディーは、ナショナリストに分類されないのが普通なんですか?
彼は近代文明を否定する思想を持っていましたけど。
89 :03/10/30 23:41
徴兵制じゃないかな?
90世界@名無史さん:03/10/31 15:11
今のところ、良スレなので上げ
>米国の場合は、連邦がワンネーションなのか、州のひとつひとつがネーションズなのか、
常に議論が紛糾し、定説はない

中央集権を唱えるのが民主党(左派)なので、日本とは逆だよね。まあ、世界的に見ると「小さな政府」を目指すのが主流なのかな?
これからは、連邦政府に向かう動き(EU)と小さな共同体に向かう動き(小さな政府・地方自治体の独立)が共存していくと見ていいんじゃないか?
すくなくとも、EUに関してはそうだと思う。
91世界@名無史さん:03/10/31 18:02
>>90
中世の神聖ローマ帝国みたいなものかな?

ところで、アメリカの場合、国家統合以前に人々が帰属意識を
持っていたのは州に対してなの?
92世界@名無史さん:03/10/31 18:21
そうですよ。
93世界@名無史さん:03/10/31 18:36
独立前は、州の間で戦争もあった。

現在でもカナダは、ケベックと太平洋側に独立運動がある。
94世界@名無史さん:03/10/31 19:04
ベルギーもナショナル・アイデンティティが弱そう。
マロン系とフラマン系で構成されている国家。
国王はドイツのザクセン=コーブルク家から迎えた。
95世界@名無史さん:03/10/31 19:05
アーミッシュ(メノナイト)みたいな人々は、
州に対して帰属意識を持っているのかな?
96パシッチ ◆mWYugocC.c :03/10/31 20:40
州に対して帰属意識を持っている=連邦に対して帰属意識を持っていない、とは言えないと思うのですが、
その辺はどうでしょ。
97世界@名無史さん:03/11/01 02:04
独立当初は連邦の権限はかなり限定的なものにして、
あくまで主権の主体は州に持たせようと考えていたみたいだね。
それがすぐに破綻して連邦への集権化が始まるんだけど。
98世界@名無史さん:03/11/01 11:26
大統領制を採るからだな。
99世界@名無史さん:03/11/01 12:25
今でも南部ではUSへの帰属意識は希薄?
100世界@名無史さん:03/11/01 12:28
アメリカから独立しようとする州はないでしょ。
101世界@名無史さん:03/11/01 14:23
>>100
昔、南部連合がそれやって攻撃されたしな。
102 ◆RlujhF6VrA :03/11/01 17:15
「平和的・民主的手法による独立」つまり住民による投票で
多数が独立を選択したというんなら、「制度上は」可能だと思う。
ただ、それをやって利益があるかどうかだな。
103世界@名無史さん:03/11/01 18:47
ジョージアなどの右翼は独立派
104世界@名無史さん:03/11/01 18:48
KKKは南軍の残党だしな
105世界@名無史さん:03/11/01 19:32
南北戦争は、アメリカ連合国との戦争か、それともただの内戦か論争もあるし、
アメリカ合衆国は、「合州国」じゃないのか論もあるし、
難しいね。
106世界@名無史さん:03/11/01 19:51
合州国なんてタワゴトを気にする必要はないと思うが。
107世界@名無史さん:03/11/01 19:56
はっきり言って今のアメリカでは、黒人中流家庭の方が、白人貧困層より立場は上だよ。
108世界@名無史さん:03/11/01 20:01
>>107
当たり前のこと言うなよw
109世界@名無史さん:03/11/02 12:47
たいていの国には「国民の祝日」というのがありますが、
これはもともと何のためにつくられたもなんですか?
110世界@名無史さん:03/11/02 13:22
国民全員で祝いなさいってことかな。国威発揚のひとつかしら?
地方にはそれぞれローカルな祝日があるわけだし(大体はお祭りの日)。
別に祝日と休日はイコールではないし。
111世界@名無史さん:03/11/02 15:18
>>109
中世ヨーロッパでは聖人ごとの祝日にお祭りをやっていたのだが、
その数がどんどん増えて、しまいには一年の三分の一がお祭りになってしまった。
112世界@名無史さん:03/11/02 18:24
フランスは欧州でもっとも厳格な政教分離をおこなっている。
しかしフランスの休日のほとんどは、カトリックの祝日が起源。
113アマノウヅメ ◆2atuWPtiaQ :03/11/02 18:49
>>112
カトリックの祝日自体起源が怪しいのでは?
114世界@名無史さん:03/11/02 18:58
ttp://www.arukikata.co.jp/country/france.html
フランスの祝祭日

1/1元旦 Jour de l'An、*復活祭Paques('03は4/20)、
*復活祭翌日の月曜日 Lundi de Paques('03は4/21)、
5/1メーデー Fete du Travail、5/8第二次大戦終戦記念日
Armistice1945、*キリスト昇天祭 Ascension('03は5/29)、
*聖霊降臨の祝日 Pentecote('03は6/8)、聖霊降臨の翌日
Lundi de Pentecote('03は6/9)、7/14フランス革命記念日(パリ祭)、
8/15聖母マリア昇天の祝日 Assomption、11/1諸聖人の祝日 Toussaint、
11/11休戦記念日 Armistice、12/25クリスマス Noel  
<*は移動祝祭日で毎年変わる>
115世界@名無史さん:03/11/02 19:02
フランス革命では、1年の各月に新しい名前が付けられ、今までの
キリスト教の祝日や儀式が全て否定されました。
たしか、ナポレオンが政権を取ってから復活したと思う。

ところで、国旗や国歌を最初に制定したのもフランスなのかな?
116パシッチ ◆mWYugocC.c :03/11/02 21:25
国旗はデンマークかどこかが「うちのが最古じゃあ」とか主張してましたけど。
117世界@名無史さん:03/11/02 22:16
ttp://www.asahi-net.or.jp/~yq3t-hruc/flag_JTE.html

世界でもっとも古い国旗といわれている。 13世紀初め、デンマーク王が
エストニア人と戦って苦戦しているときに、この旗が空から降ってきて
勝利することができたといわれている。また、ローマ法王が十字軍に
授けたという説もある。
118世界@名無史さん:03/11/02 22:18
━━━━━━ 中国大使館前で抗議オフ ━━━━━━

11月3日
午前11時集合
場所 東京 中国大使館  東京都港区元麻布3-4-333 (最寄り駅 地下鉄 麻布十番駅)
持参 ペットボトル プラカード ビデオ カメラ

プラカード 内容例-----(日本語、英語、中国語で書かれたもの)

●デモ隊が留学生寮に乗り込んで、無関係な日本人が暴行を受けた。犯人を直ちに逮捕せよ。
●中国・日本政府は事実関係を徹底的に調査しろ。うやむやは許せない!
●中国マスコミの誤報を謝罪せよ
●中国は誇張デマ流すな
●日本にいる中国人留学生の犯罪者にも謝罪させ強制送還させろ
●中国人犯罪者は出ていけ
●中国人による窃盗、強盗、殺人を徹底的に取り締まれ
●中国人は犯罪目的で日本に来るな
●捏造国家  非人道国家 人権無視国家
●ODA廃止!ロケット打ち上げる大国が日本人の血税をむさぼり、 日本人の人権までも踏みにじった。
等。
暴力厳禁!


119世界@名無史さん:03/11/03 03:08
アフリカの諸部族は国に対しての意識が薄そうだが。
120世界@名無史さん:03/11/03 21:31
>>109
「創られた伝統」を読むべし。Nation Stateとは一つの帰属意識を
持つものの集団であるわけだけど、その定義は非常に曖昧なわけです。
様々な文化や、言語をもつ多様な人々が、一つにまとまるには、なにかを
共有するのが一番。近代国家が成立していくなかで、国民統合というものが
行なわれました。そのなかで、教育による、言語、歴史の共有が図られます。
そして、「国民の歴史的な記念日」といものが創られます。こうして、
人々は、国民の記念日=国民の歴史を共有。一つの集団としての帰属意識
を高めていくことになるわけです。
121世界@名無史さん:03/11/03 21:37
>>120
なる〜
国民の記念日に戦争や革命や宗教にまつわるものが
多いのもうなずける。
122世界@名無史さん:03/11/03 21:39
Invented Traditionってヤツやなー
123世界@名無史さん:03/11/03 21:41
アメリカは州によって祝日が異なっている場合がある。
124世界@名無史さん:03/11/03 21:42
そりゃあ東京だって都民の日ってのがあるがな
125世界@名無史さん:03/11/03 21:45
南部の州では、いまだにリンカーンの誕生日が
祝日になっていない。
126世界@名無史さん:03/11/03 21:54
マーチン・ルーサー・キングの誕生日は?
127パシッチ ◆mWYugocC.c :03/11/03 21:56
>>120
あれはいい本ですね。このスレに興味を引かれた人は、読んでみるといいと思います。
あと、『想像の共同体』も。
128世界@名無史さん:03/11/03 21:57
>>126
そっちは全国的な祝祭日になってる。
129世界@名無史さん:03/11/03 22:06
わが国だって「A級戦犯」処刑の日12/23が祭日になっている。
130天皇誕生日だゾ!:03/11/03 22:14
死刑執行人の名は、マーチン・ルーサー・キングJR.軍曹
131世界@名無史さん:03/11/06 13:26
ナショナリズムやネイション・ステイツとは直接関係無いけどさ、
近代主義やそれを克服しようとして生まれたポスト・モダン哲学に
ついて語るというのはどう?
例えば、文化相対主義など。
132世界@名無史さん:03/11/06 21:23
「近代主義」と「ポストモダン哲学」と「文化相対主義」を
それぞれ軽く解説してくれ。まったくわからん。
133ミルトン ◆cA7oIM8fok :03/11/06 21:42
>>132
やっぱポストモダンよくわかんないだろー。
広辞苑第五版によると
ポストモダンは
>建築に始まり芸術一般やファッション・思想の領域で
>近代主義を超えようとする思想。
となっている。
だがこの広辞苑の定義では「男でないものが女」としてるようで
決してうまい説明だとは思えない。
にもかかわらず思想畑の人はポストモダンとかいう言葉を
あたりまえのように使っているわけだ。
ぜひ的確な解説をして欲しいのだがね。
134ミルトン ◆cA7oIM8fok :03/11/06 21:46
建築や芸術はポストモダンといわれる具体的な作品を
みれば、これがそうなのかと理解できるかもしれない。
だが抽象的な哲学・思想においてのポストモダンとは何ぞや?
135ミルトン ◆cA7oIM8fok :03/11/06 21:57
例えばヨーロッパ以外の文化も尊重して取り入れよう
という考え=ポストモダン、とした場合には
美術における印象派もポストモダンといえなくもない。
印象派の画家たちが日本の浮世絵の影響を受けた
などという話は有名だ。
136世界@名無史さん:03/11/06 23:58
とにかく新しそうなモノにレッテル貼っただけなんじゃねえの。
137世界@名無史さん:03/11/07 01:03
とりあえず10年位前から「ポストモダン」なんてことばは
パロディとしてしか感じられないわけで。
時代はポスト・ポストモダン(←これも同様)
138世界@名無史さん:03/11/07 11:48
http://www8.ocn.ne.jp/~senden97/kihonhou_13_122.html
◇ポスト・モダン思想とは◇

◎ポスト・モダンの特徴としては、モダンの様な、一つの強力な原理なるもの
による支配というものが存在しない。それ故、”折衷主義的傾向”、”様々な
諸要素を寄せ集めることによって成立”している。
◎何が真で何が偽か、何が合理的で何が不合理かを決めつけない。
◎真とされている知識も、偽とされている知識も、同じように扱う。
◎「中立の立場」を押し進めていこうとする。それは、知的怠慢というものだ。



139世界@名無史さん:03/11/07 11:52
ttp://member.nifty.ne.jp/ysakurai/post.htm
ポスト構造主義というコトバを聞いたことがありますか?。

構造主義とは、30年ほどまえからフランスの思想界で大きな力を得るように
なった考え方で、ソシュールという言語学者を「元祖」として、
レヴィ=ストロース(人類学)、ラカン(精神分析)アルチュセール
(マルクス主義)、ロラン・バルト(批評)などを中心に展開された思想です。

ポスト構造主義とは、これらの構造主義を、いわば乗り越えるものとして
フランスで力を得た思想で、ボードリアール(社会学)、フーコー(哲学)、
デリダ(哲学)、リオタール(哲学)などが、代表的思想家です。

140世界@名無史さん:03/11/07 11:55
ttp://www.sabbs.net/dean/03_09.php

現代はポスト・モダン時代といわれ、二つの特徴が指摘されています。
一つは、フランスのリオタールという思想家が指摘した「大きな物語」
の危機です。「大きな物語」は比喩的な表現ですが、西欧が人間を
解放するために形成してきた「自由」「進歩」「平等」「理性」などの
基本的な概念のことを指し、物語という言葉を用いることによって、
それらが虚構であるというニュアンスを含ませています。19世紀末から
二つの世界大戦――世界大戦とはいえ主戦場はヨーロッパでした――
を経て、そのような基本的概念の有効性が問われるようになりました。
脱西欧的思考の動きが欧米の中でも外でも生じ、価値観が多様化し、
中心が複数化しました。
141世界@名無史さん:03/11/07 14:48
やっぱわかんねえよ。
だってさ。「ポスト」ってことは「〜以後」ってことでしょ。
つまりポストモダンとは「モダン以後」なわけで。
そもそも「モダン」自体が死後じゃん。
前提が人口に膾炙してないのに、更にそれに付け加えた定義なんだから
そりゃわからんよ。
アンチテーゼとして(推測だが)生まれた言葉なんだから
その根本のテーゼを説明してくれないと。
それなのにそんなのお構いなしにわかる奴らだけ使っているわけだから
そのタコツボぶりには恐ろしいものを感じる。
142世界@名無史さん:03/11/07 15:00
ポストモダンってのはキャッチフレーズみたいなものだから真面目に受け取っちゃいかんよ。
「近代後期」じゃ言葉に衝撃がないでしょ(w
143世界@名無史さん:03/11/07 16:53
しかしポスト・モダンでも何でも良いんだが、
それに関する基本書はおろか解説書一つ読まないで、
「誰も俺にわかるように解説してくれないから、ダメなもの」と決めつける
知的怠惰と自己中ぶりには、それこそ「恐ろしいものを感じる」よ。

144世界@名無史さん:03/11/07 17:10
まあ、みんな哲学は苦手っぽいから元の話題に戻した方が良さそうだ。
145世界@名無史さん:03/11/07 18:20
>>143
順序が逆なのでは。
146世界@名無史さん:03/11/07 18:40
で、あれですか。日本は近代化が不十分だから、ポストモダンもあり得ないという
お決まりのコースに議論が逝きますか。
147世界@名無史さん:03/11/07 19:24
それがお決まりなのかすら知らんので解説しろ。

>近代主義やそれを克服しようとして生まれた
>ポスト・モダン哲学について語るというのはどう?

克服しようとするからには近代主義だと具合の悪い人々が
一杯いたのだろうということは想像できるが
具体的に近代主義だとどういう不具合があったのか?
ポストモダンとやらをどう運用してそれを克服しようとしたのか?
また実際問題として果たしてそれは克服できたのか?
そのあたりを教えなさい。話はそれからだ。
148世界@名無史さん:03/11/07 21:07
>>57
>あのう、日本や中国のナショナリズムを問題にすると必ず荒れる気がするので、
>皆さん、やめません?

じゃあ、インドのナショナリズムについて語るのならいいかな?
149世界@名無史さん:03/11/08 03:55
インドも多民族国家だからな。ひとつの国としてまとまるのは
ナショナリズムなしでは不可能だろう。

もしガンジーがジンナーを説得出来てインドとパキスタンが
ひとつの国として独立してたらどうなっていただろう。
150世界@名無史さん:03/11/18 10:55
test
151世界@名無史さん:03/11/21 20:57
インドのナショナリストは、

「これまでの西洋に支配された歴史においては、アーリア人は中央アジアから
インドに侵略してきたことになっているが、これはイギリス人がインドを
分断するためにでっち上げた偽りの歴史です。アーリア人はインド起源の
民族です」
と主張しているのだそうで。
152世界@名無史さん:03/11/21 21:03
さらに、
『マハーバーラタ』のような神話や、ヴェーダのような古典籍に
描かれた事象の存在を科学的に立証する試みや、
「コンピューターの開発は、0と1によって成り立つインド起源の
二進法がなければ根源的に成り立たない。デモクラシーも我々の歴史が
築き上げてきたものです。決して西洋起源のものではありません。
我々は自分たちの歴史の偉大さを再認識する必要があります」
などという主張もある。
こうしてみると、インドのナショナリズムには、意外に東アジアのそれと
共通点が多いことがわかる。
153世界@名無史さん:03/11/21 21:07
韓国が特殊だというのは
嫌韓厨の妄想ってことか。
154世界@名無史さん:03/11/21 21:31
>>153
そのようですね。
他にも、
「イギリスがインドを支配したとき、まず行ったことは、『歴史の支配』
でした。彼らは『歴史を書くこと』を占有することによって、インドを
支配しようとしたのです。これによってインドの歴史はオリエンタリスト
の手に握られてしまいました」
「インドはいまだに西洋の植民地支配から脱していない」
と述べたりしています。

ますますウリナラ国と似ている。
155世界@名無史さん:03/11/21 21:39
でも、海外に移住したがるインドのインテリたちは誰も本気で信じてないそうな。
156世界@名無史さん:03/11/21 21:54
>>155
韓国の場合、エリート層までもがそういう話を本気で信じているのが
特殊だということかな?
157世界@名無史さん:03/11/22 03:42
民間のデムパと、大統領がワールドカップで半万年の歴史と公言するのは
デムパの度合いが違う。
その建国神話も1600年代に描かれた偽作なんだが。
158世界@名無史さん:03/11/22 12:55
民族運動を指導し、独立をもたらしたインド国民会議派の人々はほとんどが
英国が育成したエリート層から生まれている。
英国はインド支配のために英語の高等教育を受けたインド人の協力者層を
必要としていた。
159世界@名無史さん:03/11/23 05:33
しかし。
それを呑み込む度量があるかどうかでイギリスの、
(くだばれバーロ)
本領は自ずから明らかとなる。
160世界@名無史さん:03/11/24 12:46
>>157
韓国や中国のナショナリズムは、
むしろバルカン諸国のナショナリズムと似ているのでは?
たとえば近現代ギリシアの「メガリ・イデア」(大構想)とか。
161世界@名無史さん:03/11/24 13:19
nation state の対立概念に適切な語彙が無いのが不便だな。

オスマン朝はイスラム世界国家で、nation state ではなかった。
意識としては、中世の西欧も「教皇を元首とするキリスト教徒の国家」であり、
各地の王国や諸侯領はその仮想的国家の地方自治体という建前だった。
三十年戦争は、その仮想的国家からの新教諸国の独立戦争であり、
ここから西欧は nation state の時代に入るわけだ。
「教皇を元首とするキリスト教国家」や対応するイスラム側の諸帝国など、
<民族よりも一回り抽象的な対象への帰属意識でまとまった国家>
を総称する一般名詞があれば、議論はもっとすっきり判りやすくなると思う。

そういう種類の国家を仮に「文化圏国家」と呼ぶならば、
かつてのソ連は『文化圏国家」だったし、EUが目指すのも「文化圏国家」なんだろう。
微妙なところだが、アメリカ連邦(United States of America)も「文化圏国家」で、
nation state とは別のカテゴリーのように思える。
162世界@名無史さん:03/11/24 21:57
> 民族よりも一回り抽象的な対象への帰属意識でまとまった国家
帝国
163世界@名無史さん:03/12/03 09:16
古田博司氏(筑波大学教授)

「東アジアとは世界でも稀な、自己中心的な国家がひしめく地域ではないか
と思うことがある」
「一人種一民族が、それぞれ一国家を独占しているために自己完結性が驚くほど高い。
人種は黄色人種だが、日本は倭族、中国は漢族、韓国・北朝鮮は韓族、
ベトナムは京族が、おのおの独占している。このような国家群はよそにはない」
164世界@名無史さん:03/12/03 09:20
そして、中国とロシアが突出する北東アジアに真の融和的ムードなど皆無。
EUや米国のごとき国籍法の出生地主義導入は「先進的」どころか
自国の破滅を意味する。
165世界@名無史さん:03/12/03 09:39
戦後、非武装中立国家を提唱した輩は、世界地図も東アジアの歴史もしらなかったのだろう。
166世界@名無史さん:03/12/03 10:57
>>163
このスレの問題設定が日本人に判りにくいのは、それが原因だろうな。
>>161 の通り、欧州の民族国家というのは数百年の歴史しかない発明品であるのに対し、
日本や周辺国家は千年以上昔から民族国家だったから、
それがデフォールトになっていて、民族国家でない国家のあり方を想像することができず、
世界の他の国々もそれぞれ民族国家だと無意識に前提してしまっている。
二言語話せることを「二ヶ国語話せる」と言うとか、mother toungue のことを「母国語」と言うとか、
言語のことを「国語」と表現する語法があるけど、これもそういう意識の現われなんだろう。

「スイスは、スイス語を話すスイス民族の国です」
という文章が間違いである理由を説明できる人の比率はどのくらいなんだろう?
167世界@名無史さん:03/12/03 16:22
>>166
朝鮮半島の場合、19世紀までは文語が漢文で、
ハングルは補助的表音記号という扱いでしかなかった。
朝鮮民族という民族意識が生まれたのも19世紀になってからで、
それまでは「漢民族」ないし「中華文明の一員」と自己定義してたんじゃないかな。
古代から中世まで「〜〜文明の一員」というアイデンティティーを持っていたのに、
近代になって「〜〜民族の一員」というアイデンティティーに切り替えたという点では、
朝鮮と西欧は似ている。
というか、むしろそれがグローバルスタンダードで、日本が特殊なんだろうが。
168世界@名無史さん:03/12/03 16:31
日本でも中国人みたいな名前を名乗るものが江戸時代まで居たような?
169世界@名無史さん:03/12/03 17:53
>>167
中世ヨーロッパでも、公式文書にはラテン語が用いられていた。
その一方で、文学は自国語で書かれていた。
『ベーオウルフ』『ロランの歌』『わがシッドの歌』
『ニーベルンゲンの歌』など。
イタリアの場合、ラテン語の勢力が強すぎたため、13世紀あたりに
やっと俗語文学が開花。
ちなみにダンテやペトラルカ、ボッカッチョが用いたトスカーナ方言が
その後ののちにイタリア標準語の母胎になる。
170世界@名無史さん:03/12/03 17:55
>>168
西欧でもラテン語風の名前を名乗る知識人がイパーイいたよ。
171世界@名無史さん:03/12/03 18:01
http://mentai.2ch.net/korea/kako/963/963089942.html
韓国の古典文学について

ところで、べトナムでも昔は漢詩をつくったりしてたんですか?
日本でも「懐風藻」などがありますね。
172 ◆RlujhF6VrA :03/12/03 18:12
>>167
日本の場合、逆に「〜〜藩の一員」(武士の場合)、
「〜〜村の一員」(農民の場合)という意識が強くて、
「日本人の一員」という意識が出てきたのは幕末になってから
のように思うが。

「文化圏国家」(『想像の共同体』では、これを
宗教共同体と王国という二つの名前で呼んでいる)
からの切り離し/独立ではなくて、他地域との統合による
ナショナリズム形成、という意味では特殊だろうな。
ドイツの場合とちょっと似てるが、ドイツはナショナリズム先行
型のようにも見えるし、日本みたいに同時進行ではないと思う。
173世界@名無史さん:03/12/03 18:15
>>167
西欧の場合、中世には「キリスト教世界の一員」だと考えていただろう。
ただし、西欧人は同じキリスト教圏でも東ローマ帝国(ビザンツ帝国)
を嫌っていた。
その後ビザンツ帝国はオスマン帝国に滅ぼされるし、近世になって
宗教改革が始まると、キリスト教世界が分裂。
三十年戦争後に「ウェストファリア・システム」というものができる。
その後啓蒙時代を経て、フランス革命によって国民国家が成立。
朝鮮に似てるのはむしろイスラーム圏だと思うが。
174世界@名無史さん:03/12/03 18:19
神聖ローマ皇帝とローマ教皇という二つの権威があった点では、
西欧のほうが他の文明圏に比べて特殊に見えるが。

175世界@名無史さん:03/12/03 18:21
>>172
イタリアの場合はどうなの?
176世界@名無史さん:03/12/03 18:34
>>172
おとぎ話に登場する西洋で言う「王様」にあたる存在が
「将軍様」ではなく「殿様」が多いのも、統一された
日本の国民という意識が無く、地方共同体の一員だと
いう意識の表れなのかもしれないな。
177世界@名無史さん:03/12/03 18:47
やっぱ、イラク国民ってのもよくわからんな。
178世界@名無史さん:03/12/03 19:06
>>177
イスラーム圏の場合、近代以前には「ワタン」(郷土、故郷)という
言葉があったけど、これは近代ナショナリズムとは異なっていただろうね。

>>172
英語の「ナショナリティ」、フランス語の「ナシオナリテ」は、人々が
市民として属する国家、ひいてはその国民である状態を意味することが
多いが、
ドイツ語の「ナツィオナリテート」は、法や政治のカテゴリーというよりも、
エスニックな意味合いを帯びているらしい。
ちなみにロシア語で「ナツィオナーリノスチ」は民族籍の意味だとか。
国籍・市民籍をさすのは「グラジダーンストヴォ」。
179世界@名無史さん:03/12/03 20:25
多民族の帝国オスマン朝では、イスラム以外には求心力がなかったから、
イスラムを相対化して見直し、社会システムを改良するということは不可能だった。
しかし、属領を失って民族国家になったトルコは民族主義が求心力だったので、
アラビア文字をラテン文字に切り替えるなど、ラディカルな改革が可能となった。

清朝の王族は満州民族だったが、漢民族を統治するためには、
中華文明の守護者として振舞わねばならなかった。
しかし、満州人が守護する「中華文明」は抽象的な理念になってしまい、
このために、清朝は西洋の知識を取り入れることができなくなった。
漢民族だったら、西洋文化を受け入れても漢民族なわけだが、
漢民族でない「中華文明の守護者」が西洋文化を受け入れたら単なる異民族になるからだ。
生物学的に♀である者は、「女らしい振る舞い」などしなくても女なわけだが、
オカマが「女らしい振る舞い」をしなかったら単なる男になる──というのと少し似ている。

近代になって、何らかの理念を求心力とする国家よりも民族国家が優位になったのは、
民族国家では実も蓋もない実用主義で社会システムを変革することが可能なのに対して、
理念に基づいた国家では、その理念が社会変革を邪魔するからだろう。
ソ連の経済的停滞と解体も、この一般論の一例だと思う。
日本の近代化の成功も、一つには、実用主義を妨害する宗教的理念が無かったからだろう。


180世界@名無史さん:03/12/03 20:27
じゃあ清が漢人王朝なら
近代化の可能性があったの?
181世界@名無史さん:03/12/03 21:53
>近代になって、何らかの理念を求心力とする国家よりも民族国家が
>優位になった

アメリカ合衆国についてはどう解釈されますか?
182世界@名無史さん:03/12/03 21:57
アメリカが理念型国家だなんて言説は化石
183世界@名無史さん:03/12/03 22:00
>>167
>それまでは「漢民族」ないし「中華文明の一員」と自己定義してたんじゃないかな。

李氏朝鮮の場合、他国より中華文明に近いことを誇ってたけど、
何か、現在のフィリピン人が他のアジアの国より西洋化されていることを
誇っているのと似てますね。
フィリピン人の考え方では、自国はキリスト教国であり、西洋風の名前を持ち、
アメリカと特別な関係にあるのだとか。
184世界@名無史さん:03/12/03 22:12
>>182
理念型国家でないとしたら実際は何?
185世界@名無史さん:03/12/03 23:47
その理念が適合する環境であれば、理念型国家の方が強いんじゃない?

例えば、工業化以前の段階では、イスラムはかなり最適解に近かったんじゃないかな。

製鉄とか鉄道とか電力とかスケールメリットが強く出る重厚長大型産業については、
産業の国家管理というのは合理的政策だし、現に日本や西欧でもやってたわけだから、
そういう部門が国家経済の大半を占める発展段階でなら、社会主義に優位があったと思う。
186 ◆RlujhF6VrA :03/12/04 00:47
>>175
イタリアの場合、ハプスブルク家という敵がいたことが
最大の違いだろう。ドイツは「大ドイツ主義」といって
ハプスブルク家を軸にした統一構想もあったくらいだが、
(ヒトラーの構想をその亜種とする見方もあるそうだ)
イタリア統一にとってハプスブルク家は明らかに敵で、その分
まとまりやすかった。だから割と早く統一が達成されたが、
概念と現実の進み具合で行けば、日本とドイツの間くらいだろう。

>>178
納得。
だから「ドイツ国民に告ぐ」なんていう演説が1808年に出てくるわけだ。

>>180
その可能性はあり得る。
何故なら満州族である時点で、清王朝は当時のナショナリスト兼
革命家たちにとって「追い払うべき存在」である要素を
余計に持っているから。
187世界@名無史さん:03/12/04 10:02
>>180
>>186
ということは、清朝が異民族王朝だったということは中国にとって
不幸だったのかな。
188世界@名無史さん:03/12/04 11:36
ttp://www1.ocn.ne.jp/~tnkoumei/

では、中国におけるナショナリズムには、一体どういう性質・特徴が
あるのだろうか。率直に言って、先に述べたような概念をそのまま
引き当てるわけにはいかない。上述したのは一般的な理解・視座で
あって、「ヨーロッパのナショナリズム」という何か型の決まった
概念及び事例があるわけではないが、中国のナショナリズムは
ヨーロッパのそれとは異質なものと見る方が、誤解がなくてよい。

中国のナショナリズムにおける決定的に重要な特徴は「反帝国反植民地主義」
である。それは「応激-反応型ナショナリズム」であり、指導者・知識人が
帝国主義に抵抗する思想的主柱として、都合のよいものとして輸入された
ナショナリズムなのである。ゆえにむしろ同じ「反帝国反植民地主義」の
歴史を持つインドやインドネシアの事例が、中国のナショナリズムを
相対化するに役立つと思われる。
189世界@名無史さん:03/12/04 12:08
意味わからん
具体的に言え
190世界@名無史さん:03/12/04 14:41
「反帝国反植民地主義」の行き着いた場所が「帝国植民地主義」だというのはまったく皮肉だな。
191カラジチ ◆mWYugocC.c :03/12/04 15:08
元パシッチです。
>>186
イタリアの事例は、ユーゴと比較すると面白いですね。
イタリアとほぼ同時期か少し遅れて発生した南スラヴの統一運動がうまくいかなかったのは、
オスマン帝国からの自立を目指すセルビア、ハンガリーからの自立を目指すクロアチア、
オーストリアからの自立を目指すスロヴェニアとダルマチア、
というふうに、明確な敵に対して一致団結したわけではないから。

第一次大戦後のユーゴスラヴィアが曲がりなりにもまとまったのは、イタリアという敵がいたから。
ところがナチスドイツが台頭すると、
イタリアと対抗する手前ナチスと仲良くしといた方がいいんじゃね、という論が出てまとまれなくなっていく。

第二次大戦後にはチトーのカリスマもさるところながら、ソ連という明らかな敵と対峙しなければならず、
それがまとまりをうんだ、と。

まあそれだけではないんだろうけど、こう考えたら共産圏の崩壊が、その外側にいたユーゴを揺るがした、と言えるのかも知れない。
192世界@名無史さん:03/12/04 15:17
ttp://www1.ocn.ne.jp/~tnkoumei/

中国は、実のところ「単一民族国家」である。「漢族と55の少数民族」
は公的にも認められており、当然多民族国家であると言われるかも
知れないが、単一民族国家であることもまた公言されていることである。
この謎かけの答えは、中国における「民族」という言葉の二重性にある。
ひとつは、純粋に「エスニック」としての民族であり、「多民族国家」
として使用される場合の「民族」である。そしてもうひとつが、
「一つの中国」という主張において想定されている「民族」である。
このもう一つの「民族」とはすなわち「中華民族」のことであって、
中国人は「民族」概念の上位に、もう一つの「民族」概念を作り上げて
いると言えるのである。
だが、この「上位の民族概念」は、我々にとっては明らかに「国民」の
ことを指している。「ネイション」を指していると言ってもよい。
毛里和子氏は、「中国でさかんに言われる『中華民族』はわれわれの
言葉で言えば実は『中国国民』なのではないか、なぜ国民概念を使わない
のだろうか」(文献2P25)という疑問を呈しているが、まさにその通り
なのである。

193世界@名無史さん:03/12/04 15:19
中国共産党が「国民」という言葉を使用しないのは、階級闘争の理論が
原因である。中国において「国民」に代わって一般的に使われている
「人民」という言葉は、「労働者階級、農民階級、小ブルジョア階級、
民族ブルジョア階級、ならびに反動階級の立場から目覚めた一部の
愛国民主人士」を指している。一方「国民」という言葉では、
「官僚ブルジョア階級や土地を没収された地主階級」という「反動勢力」
を含んでしまうのである(詳しくは、文献3の終章「二〇世紀における
人民・国民・公民」を参照のこと)。
このことは、僕が二年半中国語を勉強していて、ついぞ「国民」という
言葉を見たことがない、その理由ではあろうが、ここでの問題の答えと
してはかなり不十分である。明らかにしなければならないのは、政府が
国内に「エスニック(民族)」の存在を認めているのに対し、「ネイション
(民族)」が複数あることを頑なに認めない、その思想的淵源である。
例えば、チベット民族と漢民族が「中華民族としてひとつのネイション
である」と言えるだろうか。エスニシティ、言語、宗教、共通の歴史的記憶
など、ネイションを定義する際に用いられる様々な概念を引き当ててみて、
両者が「ひとつにして不可分」であるというのはどう見ても不可解である。
だが日本人の僕がこんなことを言うと、中国ではおよそ「帝国主義勢力
による中国分裂、弱体化の策動」としか受け取られない。

194 ◆RlujhF6VrA :03/12/04 23:00
>>188
インドネシアの事例は、またちと微妙で極端だな。
「インドネシア」という概念そのものが、独立運動の中で
作られたから。大体「インドネシア」という言葉自体、ギリシア語起源で
現地語ではない(現地語ではヌサンタラというのが近いらしい)。
独立運動の指導者たちが「我々の国や民族をこう呼ぶ」と言って
使い始めた言葉だ。

それまでは幾つかの別個の小王国で、それをオランダが征服していった。
インドと異なるのは、それまで緊密だった(時には同じ王国の
支配下にあった)マレー半島の小王国との関係を断ち切りつつ、
オランダの征服が進行したこと。この点ではアフリカ的でもある
と言える。
現在のインドネシアは、実はこの「オランダ領東インド」をそっくり
そのまま引き継いでいる。
更に独立戦争が、ジャワやスマトラといったそれまでの小王国的な
区分を超えた「インドネシア国民」を生んだ。独立のために
オランダと戦ったという経験、或いは記憶を共有することで。

多分インドや中国では、「国民」は独立/反帝国主義運動以前から
存在していて、(インドの「国民会議派」は、当初イギリスと
必ずしも敵対していなかったし)インドネシアほど一から作り上げる
というようなものではなかったと思う。
195他スレからのコピペ:03/12/05 00:47
中国専門家のミンシン・ペイという人が「アメリカ・ナショナリズムの逆説」
という論文の中で、

・実際にはきわめて強いナショナリズムを持っているにもかかわらず、アメリカ人は
自らをナショナリスティックであるとは思っていない
・自らのナショナリズムの高さにもにもかかわらず、他国におけるナショナリズムの
力についてほとんど理解しない

という指摘をおこなっていましたな。
196他スレからのコピペ:03/12/05 00:47
>中国人も相当のナショナリストとは思いますが・・・。

そうですね。
前褐の論文ではそのほかにアメリカ・ナショナリズムの特徴として、

(1)他の地域におけるナショナリズムが多くの場合国家によって担われて
 いるのに対し、アメリカ・ナショナリズムの担い手は圧倒的に民間団体である。
(2)ナショナリズムの基礎にあるのが文化的民族的優越感であるよりも
 政治的理想である。
(3)勝利者意識を背後に持つ。
(4)他国のナショナリズムが被害者意識を持ち、過去の栄光にこだわることが多い
 とすれば、アメリカ・ナショナリズムは「前向き」である。

などの点が指摘されていました。
そういう意味でアメリカ・ナショナリズムは中国や韓国のそれとは対照的ですね。
197世界@名無史さん:03/12/05 11:21
前向きだろうが後ろ向きだろうが爆弾落とされる方はたまったもんじゃねえな
198世界@名無史さん:03/12/05 21:53
>>197
でもアメリカ国民は、ナショナリズムが「前向き」であることで
幸福なんだろうな。
199世界@名無史さん:03/12/05 23:39
傍迷惑な国ですね。
200世界@名無史さん:03/12/06 11:34
>>195,196

中国人は、本来ナショナリストというよりは、宗族主義というか、一族血統主義って感じ。
だからこそほっとおくと勝手なことするので、政府とかは激しくナショナリズムを鼓舞するのでしょう。
その点、アメリカは当然にナショナリストなので、あえて言うまでもない。当然過ぎて自覚するまでもない。
201世界@名無史さん:03/12/06 20:13
>>200
でも民族主義は強そう。
202世界@名無史さん:03/12/12 05:04
現代の中国はナショナリズムかもしれんが、
そのまえは世界の中心という認識だったわけで・・・
203世界@名無史さん:03/12/18 18:01
>>196
日本のナショナリズムはどういうタイプに分類されるんだろうか。
日本の場合、あまり「過去の栄光」にはこだわってないが。
204世界@名無史さん:03/12/19 04:45
技術本位のテクノナショナリズム
205世界@名無史さん:04/01/07 21:22
>>202
中国って、ネイションというよりはむしろ帝国化していると思うんだけど。
辺境エスノに対するひどい扱いって、
彼ら↑をnationの構成員として平等に扱っているとは思えない。
206カラジチ ◆mWYugocC.c :04/01/09 23:38
それは、少数派を排除することで国民意識を形成するというやつなのでは?
207世界@名無史さん:04/01/10 00:38
>>205
ひどい扱い?
208世界@名無史さん:04/01/10 00:43
>平等に扱っている

むしろ社会内に序列的な階層をつくることこそ、ネーションステートでは?
往々にしてそれは、一国内の民族別に階層序列が決まる。
そういう意味では中国は正統派。
209世界@名無史さん:04/01/10 00:51
多民族帝国には民族差別は少ないんじゃない?近代国民国家に比べると。
210世界@名無史さん:04/01/10 00:56
つかネーションステーツであることと帝国であることって別に矛盾しないと思うのだが.
211世界@名無史さん:04/01/10 01:05
>>210そのとおおり
212世界@名無史さん:04/01/10 02:03
nation stateっていうのは、
“国民ひとりひとりがnationの構成員として平等”という意識を持って
初めて成立するモノなんでは?
帝国の内包するヒエラルヒとは無縁のはずでしょ、建て前上は。
213世界@名無史さん:04/01/10 04:08
>>212
あなたが言うのは、いわゆる原理主義。
清教徒革命〜フランス革命の時代と20世紀以降では国民国家の意味も変わってくる。
214世界@名無史さん:04/01/10 05:27
また面白くなってきたのでage
215世界@名無史さん:04/01/10 05:59
>>213
そりゃ苦しいよ!
もし原理主義というなら、その教義に不変の真理があるからこそ今日まで
“普遍的な国家の規格”として民族国家のシステムが採用されているんだろ?
nation stateとliberalismは表裏一体。
この“自由”が構成員に対して説得力があるからこそ“普遍的な規格”たり得る。
これは専制政治のヒエラルキーなどとは相容れないもの。
210,211にはどう矛盾しないのか、論理的に説明してもらいたい。

>>206
土着的なアイデンティティは残ったにせよ、
ScottishもWelshも建て前上「自分は英国民」と自覚した時点で―――
エスニック集団のカベを乗り越えた時点で、英国は最初のnation stateになったのでは?
マイノリティ(エスニック・グループ)への迫害なんて行為は、
中国がnation stateでないことの証左のように思えるけど。
216世界@名無史さん:04/01/10 07:16
>>215
言いたいことはわかるし、全否定はしないけど・・・
英国の階級社会とか20世紀初頭までの植民地政策はどう説明するの?
217世界@名無史さん:04/01/14 07:14
そもそも日本においてはnationという語の持つ意味が曖昧すぎるよね。
「self-determinationされるところのnational」は確かに本来リベラルなはずで、
帝国主義などとは矛盾すると思う。
でも、日本でnationalismというと国家主義や、場合によっては国粋主義も意味するよね?
racism(人種主義)・ultranationalism(国粋主義)・Zionism(失地回復主義?)との
使いわけができていないような気がする。(意図的にしないのか?)
佐高 信とかも平気でナショナリスト=右翼みたいな物言いをするんだよな・・・
それとも、213がいうようにコトバの持つ意味が変わったのかな。
218世界@名無史さん:04/01/15 01:59
左翼民族主義ってのもありえたはずなんだが。
219世界@名無史さん:04/01/16 05:49
最初のネーションステートってフランスでなくイギリスなの?
厨な質問なのでsage。
220世界@名無史さん:04/01/16 08:50
清教徒革命は国民意識とは無縁だと思う。
221カラジチ ◆mWYugocC.c :04/01/16 12:51
>>215,219
リンダ・コリーが18世紀イギリスの国民意識形成について、
『イギリス国民の誕生』という本を書いている。
これの本には、スコットランド人がどのようにイギリス国民に参加していったのかが書かれていて、すごく面白いのだけど、
スコットランド人への差別があったことも書かれている。
つまり、スコットランド人が出世するためには、「俺達はスコットランド人じゃねえ、お前らと同じイギリス人(British)だ」という考え方を振りかざす必要があった。
同時に、彼らは、本国の高官の地位はイングランド人にほとんど独占されていたので、植民地官僚になり、
「野蛮」で「非文明的」な東洋人と触れ合う中で、「文明的」なイギリス人という意識を獲得した。

国民意識は他者への差別と表裏一体。差別されがちなボーダーライン上の人たちが"nation"を振りかざし、他者を排除してみせることで"nation"を強化していくことは、多い。
222世界@名無史さん:04/01/16 13:11
>>221
>「野蛮」で「非文明的」な東洋人と触れ合う中で、「文明的」なイギリス人
>という意識を獲得した。

「野蛮」で「非文明的」な東洋人と触れ合う中で、「文明的」なヨーロッパ人
という意識を獲得した。

と言い換えれば、「ヨーロッパ・アイデンティティ」を説明することもできそう。
223カラジチ ◆mWYugocC.c :04/01/16 14:03
>>222
そのまんまオリエンタリズムの論理ですもんね。
224世界@名無史さん:04/01/16 21:20
>>221
唐獅子さんは
「さまざまな矛盾や不公平はあったにせよ、
最初にNationとしてのエポックをつくったのはフランスでなく英国」
という意見?
225Ryuju ◆RlujhF6VrA :04/01/17 11:40
>>216
現実の国内に、いかに差別や矛盾があろうと、
国民というのは水平的な深い同志愛として思い描かれる。

故に貴族だろうと金持ちだろうと普通の庶民だろうと、
戦死すれば建前上は等しく国家の英雄だ。
階級社会とナショナリズムは矛盾しないどころか、
国内問題を乗り越える(或いは隠蔽する)ためにナショナリズムが
使われることもある。

中国において問題なのは、各民族が他民族をも含めた
領内にいる人々全てを「水平的な同志愛」の対象として
見なしているかどうか。少数民族に独立運動があるということは、
恐らくそうではないのだろう。
226世界@名無史さん:04/01/18 18:19
>>225
漢族は少数民族を蔑視しているらしい。
227世界@名無史さん:04/01/18 18:21
世界史B 第1問・問5
> 「日本統治下の朝鮮」を述べた文として正しいものを、
> 次の@〜Cのうちから一つ選べ。
>
> @朝鮮総督府が置かれ、初代総督として伊藤博文が赴任した。
> A朝鮮は、日本が明治維新以降初めて獲得した海外領土であった。
> B日本による併合と同時に、創始改名が実施された。
> C第二次世界大戦中、日本への強制連行が行われた。
今年のセンター試験の問題です
4が正解とマルをつけさせるためだけの設問です
来年以降教師はセンター試験のために強制連行はあったと教えるのでしょうか
228世界@名無史さん:04/01/18 18:34
強制連行が無かったなんて主張してるまともな学者がいるのか?
229世界@名無史さん:04/01/18 19:03
「強制連行」と呼ぶか、「徴用」と呼ぶかの違いだけだと思われ。
230(○m○)[英○機]:04/01/18 22:19
まともな学者は口を閉ざし、まともでない学者が騒ぎ立てて「定説」にし
たて上げる。
231世界@名無史さん:04/01/19 01:58
>>227
なぜこのスレで?
他スレにも貼って歩いてるのかと思えば、
そうでもないみたいだし。
232世界@名無史さん:04/02/07 23:23
>>227のような卑近な問題意識を
どのようにしてこのスレで語られている問題意識にまでレベルアップさせることができるか。
啓蒙の必要がある、と思う。
233世界@名無史さん:04/02/07 23:28
>>225
前にCNNのサイトで載ってたが、
中国のチベット人学生寮に中国人が大挙して押しかけて
「チベット人は中国から出て行け!」
と騒ぎ立てて衝突したって事件があったぞ。

中国人こそチベットから出て行けよw
234世界@名無史さん:04/02/07 23:35
>>233
もともと漢族の土地だったと思い込んでいるのかな。
235世界@名無史さん:04/02/07 23:55
>>233-234のような卑近な問題意識を
どのようにしてこのスレで語られている問題意識にまでレベルアップさせることができるか。
啓蒙の必要がある、と思う。
236世界@名無史さん:04/02/08 03:35
*雑談*が卑近なものになるのは、ごく自然なことだと思うのだけどねえ。
237世界@名無史さん:04/02/08 07:51
大衆(マス)は*雑談*の中で国民意識に目覚めるのかもしれないよ。
238世界@名無史さん:04/02/10 21:46
このスレの上のほうで「宗教とナショナリズムの結びつき」について
語られていたけど、

「文化ナショナリズム」ってどうよ?
「ネーションの文化的アイデンティティおよび共同体的連帯を創造、促進する
ことによってネーションの創造、再生を目指す現象」
と定義される。
これらの運動の多くは、その文化的同一性の象徴として伝統的宗教や教会との
再結合を目指す運動として展開している。
239世界@名無史さん:04/02/10 21:46
お舞ら投票しる

自衛隊イラク到着、あなたは何を望みますか?
http://www.bnn-s.com/gong/multiq.cgi?mode=enquete&number=256
240世界@名無史さん:04/02/10 23:42
>「文化ナショナリズム」ってどうよ?
と言われてパッと思い出すものは「中華思想」なわけだが。
241世界@名無史さん:04/02/11 00:06
>>240
東南アジアの華人はまさにそれで国境を越えてつながっているね。
242世界@名無史さん:04/02/12 17:42
ttp://www.shinshokan.co.jp/sho/j-higasi-asia-i.html
東アジア・イデオロギーを超えて
古田博司

東アジアの地域統合や東アジア諸国の連携を説く論者は多い。しかし、
そのための共通の思想的文化的基盤はあるのだろうか。
著者は東アジアの特徴を、儒教を副次的要素とする中華思想を分有することだ
と考える。それは、共通の文化的伝統ではあるが、相互の連帯を阻害する方向
に作用する。中華思想とは、いうまでもなく、自国が世界の中心とし、他を
野蛮と見る思想である。そういう思想は世界中にある。中国の中華思想の特色は、
礼を重視することである。

中華思想は東アジアに広がった、ベトナムは15世紀になると、自らを中国
(北国)と対等の南国であるとし、ラオスやカンボジアに対して中華思想で
臨んだ。朝鮮でも17世紀には自らを小中華と位置づける思想が登場し、日本
などは野蛮な夷狄だと見るようになった。とくに礼を重視した朝鮮から見れば、
ちょんまげ、褌の日本は最悪だった。一方、日本では、礼ではなく、天下泰平
を誇りとする皇帝思想が江戸時代に発展した。
このような東アジア世界で、礼軽視の日本が大陸に膨張したのだから、問題は
複雑かつ深刻だった。一方で日本のアジア主義者たちがなぜ挫折し続けたかも、
連帯感と優越感の交錯という点から、分析されている。
著者は、今日の東アジア連帯の思想にも疑問を投げかける。日本のナショナリズム
に対して批判的なのに、韓国や中国のナショナリズムには無批判ではないか。
東アジアに自然な連帯の条件があると考えるのは幻想ではないか。そんなものは
存在せず、むしろ阻害条件が存在する。そういう事実を直視することが必要だと
著者は述べている。

243世界@名無史さん:04/02/12 22:35
いいこと書くね
244世界@名無史さん:04/02/12 23:25
日本の場合は左傾化した親教師世間にたいする反動なだけなんじゃ
245世界@名無史さん:04/02/15 21:01
ウェストファリア後の“諸nationが分立・共存する欧州”のモデルを
導入することに失敗した最悪の例が東アジアかも。
東アジア全域をどんよりと覆っていた中華思想を払拭できなかったのがその原因。

帝国の非合理性、腐敗を産みやすい構造を自己批判できずに
趨勢に流されるまま近代化・共産化した中国。現在は無意識裡に?再度帝国化しつつある。

小中華の事大主義にどっぷり浸かり、その羊水のなかでなにもself-determination
して来れずいまもなお分裂の憂き目に遭う朝鮮。韓国では離米親中が進行中。
統一が実現すれば対中華事大主義(含む反日ルサンチマン)が本格化する可能性大。

女真族にひれ伏し、列強に侵蝕される本家を憂えた一部国学者の論を借り、
自らを“新しい中華”と位置づけ、宗主国気取りで膨張→自滅した日本。

揃いも揃って中華思想の呪縛から解き放たれていない。
国家の体を成してはいても“諸nationが共存する国際社会”の理念を理解できていない。
246あぼーん:あぼーん
あぼーん
247世界@名無史さん:04/02/15 22:16
>>245
現在のアジア(東アジア・東南アジア・南アジア)諸国は、みんな西洋に
憧れて、お互いを蔑視してる。
こういう横のつながりの薄さがアジアの特徴。
248世界@名無史さん:04/02/15 22:27
>ウェストファリア後の“諸nationが分立・共存する欧州”のモデルを
>導入することに失敗した最悪の例が東アジアかも。

バルカン諸国はどうよ?
249世界@名無史さん:04/02/16 05:52
うーむ。バルカン半島が最悪かもな。
セルビアがやった民族浄化っていうのは日帝の皇民化政策を凌ぐ愚挙かも。

東アジアもバルカンも、帝国主義の権化――中華とオスマンが瓦解する行程において
社会共同体(民族・宗教・代替国家)間の反目・憎悪が育った感がある。
厭戦気分のウェストファリア体制下で軍事的弱小国であるスイス・オランダが
平和的に独立を維持できた西欧とは対照的。
250世界@名無史さん:04/02/16 17:25
>>249
>厭戦気分のウェストファリア体制下で軍事的弱小国であるスイス・オランダが
>平和的に独立を維持できた西欧とは対照的。
当時のスイス、オランダは全然軍事的弱小国じゃないでしょ。
西欧だってステートのサバイバルはそうそう甘いもんじゃないんじゃ?
251世界@名無史さん:04/02/16 23:03
バルカン半島における、「民族浄化」という発想はどこから出てきたのかな。
ナチスから学んだの?
それともそれ以前からあったの?
252世界@名無史さん:04/02/17 00:17
>“諸nationが共存する国際社会”
これは共産主義や民主主義でも同じ事なんだけどあくまでも「理想」であって「現実」ではない。
大体「ウェストファリア後の“諸nationが分立・共存する欧州”のモデル」からして
ナポレオンによる国民兵があっさり吹き飛ばしたわけで。そのあとはもう帝国主義真っ盛りだし。
253世界@名無史さん:04/02/17 11:19
>>250
程度問題になってしまうが、ウ条約前後のオランダは軍事的強国とはいえないだろ。
ハプスブルグ家の支配を脱して70年たらず、ウ条約でようやく独立承認。
さあこれから、ってときに英国に航海法を突きつけられて出端をくじかれてる。

スイスが神聖ローマ帝国から独立したのはウ条約によって。
誕生→即強国とは考えられん。

>当時のスイス、オランダは全然軍事的弱小国じゃないでしょ。
――と主張できる根拠が知りたい。
どこで、いつ軍事的な強さを発揮してたというの?
254カラジチ ◆mWYugocC.c :04/02/17 12:09
>>251
セルビア人を貶めるためにクロアチア政府と情報機関が作り上げて宣伝した概念、というのが真相らしい。
ソースはNHKスペシャル「民族浄化」〜ユーゴ・情報戦の内幕〜。

それ以前の行為としてはクロアチア独立国のセルビア人・ユダヤ人虐殺が有名。
「民族浄化」という言葉が生み出される過程で、クロアチア独立国やナチスが想定されたのは間違いないと思う。

クロアチア独立国以前のバルカンで、住民の虐殺をふくむ「民族浄化」は……たぶんないと思われ。
そもそも流動性の高い地域なので、何かあったらすぐに他の地域に移住してしまう。
255世界@名無史さん:04/02/17 12:13
レイプ収容所もガセ?
256世界@名無史さん:04/02/17 12:33
超古代史では世界全体を統治していたのは日本です。
だから多分日本に全部責任があるのだと思います。
257カラジチ ◆mWYugocC.c :04/02/17 13:04
>>255
ガセとは言ってないですよ。
ただ、そういった行動をまとめて「民族浄化」という概念を仕立て上げ、相手を非難するという手法は、
クロアチア政府と情報機関が生み出したここ最近の手法だよ、ってことです。
そのとき、宣伝のためにナチスやクロアチア独立国の事例を重ね合わせたんだから、似ているのはむしろ当然かと。

ただ、こういう経緯で生み出された言葉に踊らされて、他の事例を「民族浄化」に分類するのは気が引けますね。
258世界@名無史さん:04/02/17 14:09
日帝の皇民化政策というのは、要するに他民族を無理に同化してしまおう
という考え方だけど、これと似たようなものは世界各地にあると思われ。
259世界@名無史さん:04/02/17 17:24
>>253
台湾・・・ なんてゆうのはダメ?
260250:04/02/17 18:28
>>253
スイスはたしかに軍事強国とは言えない。
しかし、スイス傭兵の全盛期は遠い過去のものになったとは言え、
その民兵の伝統は地理的条件とあいまってスイスをアンタッチャブルな存在にしていた。

17世紀中庸のオランダは、豊富な資金と発達した金融システムの存在のおかげで、
長期債によって恒常的・安定的に軍事費をまかなうという軍事-財政国家の条件を
当時の列強中唯一備えていた。
またマウリッツの軍制改革以後は、欧州各地の貴族の子弟は
軍事技術を学び、あるいは単にハクをつけるためにオランダの連隊に参集した。
つまりオランダは、いわゆる欧州の「軍事学校」としても機能していた。

多分、スペイン継承戦争あたりまではオランダを軍事的強国に数えてもおかしくはない。
ただ、スレタイとはあまり関係ないことに突っ込んだのは揚げ足取りのようでスマソ。

言い訳っぽいけど、ウェストファリア体制をステート・システム成立の契機として見るのはいいけど、
これとネーション・ステートの成立は(大きな関係はあるとは言え)直接には結びつかないのではないか?
スレの流れで言うと
>ウェストファリア後の“諸nationが分立・共存する欧州”
というのはかなりラフな表現な気がするけど。
261世界@名無史さん:04/02/17 20:33
>>260
“宗教改革の使命を担う選ばれた民”という形で生まれた英国の民族意識を
一過性の宗教的熱狂に終わらせないために必要だったのが
“複数の国家を拮抗と協調の関係に長期的に留まらせるような”政治的枠組だった。
1648年の条約において“諸nationが分立・共存する欧州”ができたんではなくて、
最初のnation state英国にとってウェストファリア後の複数国家並立システムが
“渡りに船”というか、まさに神懸かり的なタイミングで訪れたその枠組だったのでは。

だから1648年に一気にそのような国際社会・世界経済のシステムが成立したとは言えないけど、
“ひとつの時代の始まり”ではあったとは思う。
262世界@名無史さん:04/02/17 22:11
>>257
なんかミロシェビッチだけが悪人にされた感もありますよね。
知れば知るほど誰が正義で悪かなんて言えない紛争だったと思うのですが。
日本人は地理、歴史的にもあの地域に関心が強くなりようもないから
欧米メディアの悪=セルビアの図式を鵜呑みにしちゃってる感じがします。
263世界@名無史さん:04/02/18 21:02
>>245
南アジア(インド・パキスタンなど)のナショナリズムは?
264Ryuju ◆RlujhF6VrA :04/02/18 21:19
>>262
ある意味、ヨーロッパ諸国の政府自体がその宣伝に乗っちゃったからなあ。
コソヴォ空爆の時にシュレーダーがニューズウイークに寄稿した文を
当時読んだ記憶があるんだが、その時はもうミロシェビッチ=ヒトラー、
みたいに書いてあった。
まあコソヴォの時はミロシェビッチがそれ以前の和平合意を
拒否したという経緯があるんだがね。
265世界@名無史さん:04/02/18 21:51
>>245
東アジアで「諸民族が共存する国際社会」が実現するなら
琉球や台湾も独立できてないとおかしいよね。
266世界@名無史さん:04/02/18 22:47
今帰仁や宮古も琉球に服属させられてるからなあ。
中国もチベットやウイグル手放すとは思えない。
267世界@名無史さん:04/02/18 23:14
nationやnation stateとなると、やはりフランス革命、
ナポレオン戦争以後と考えた方がしっくり来るな。

むろんそれ以前の時代が切り離されているわけでなく、nationを作るための
遡る材料として使われることが多いわけだが。
268世界@名無史さん:04/02/19 04:51
>>267
植民地争奪戦〜七年戦争と英国に負け続きだったフランスが
ライバルの成功例を模倣しようとした試みがassemblee nationale常設に
代表される立憲主義的体制改革(のちに革命に発展)。
フランス革命に思想的な影響を与えたモンテスキューやヴォルテールは
英国発展の代弁者であるジョン・ロックにインスピレーションを受けているし、
英国こそが理想の国家であると評価している。
269世界@名無史さん:04/02/19 11:50
こーゆーイギリス大好きなヒトっているよね
270世界@名無史さん:04/02/19 12:23
>>269
ヴォルテールは中国もマンセーしてたような。
271世界@名無史さん:04/02/19 12:49
モンテスキューの英国認識は三権分立とか勘違いも多いわけだが
まぁそれは置いといて、その当時の英国が果たしてnation、あるいは
nation stateといえるモノであったかどうかは疑問が残る。

nation stateには、国境線に区切られた国家という枠組みだけじゃなく、
そこに住む住民たちがnation(国民)としての一体的な意識を
共有しているしていることも不可欠であって、それをなすために
言語、公教育など諸制度が整えられていくことになる。
272世界@名無史さん:04/02/19 17:59
>>271
ほとんど同意なんだけど・・・
「nation stateと呼ぶためのいくつかのファクターがあって、
それを満たしたら、その日を境にnation state」ってモノでもないような気はする。

◎君主制のもと、中央集権的国家体制が確立していた。
◎適度なサイズ(人口も国土も)の、島国だった。
◎君主制国家にありながら、王権神授説を標榜する絶対主義を許さない
 議会の存在・common lawの伝統があった。

・・・英国が潜在的に持っていたこれらの要素が宗教改革・戦争によって
爆発的に結びつき、市民革命を機に“選挙された議会に主権が存在する”国家になった。
その直後の英国に、221でカラジチさんが言及しているエスノ間の序列や
多数の農民から土地を奪った囲い込み、アイルランド征服やジャマイカ領有など、
nation stateとしての矛盾が存在したことは間違いない。
ただ、国民の意思を反映した国家が万人祭司説の政治的な帰結を追及するなかで
“後発に模倣されるような国家モデル”を確立していった・・・という意味では
「英国が最初の民族国家」と言ってもいいように思う。
273世界@名無史さん:04/02/19 20:33
そうか?単に権力の所在が移行しただけじゃないのかな。
当時の英国のどこに「英国国民」がいたのか、かなり疑わしいのだが。
274世界@名無史さん:04/02/19 22:21
つまりは、>>272で述べられていることは、nationやnation stateを
作るための材料、素材であって、私たちにはこんな伝統がありますよ、
これが我が国家の成り立ちですよ、こういう歴史を共有しているんですよ、
ということが述べられていく。

その結果として、nationの一体性ができあがっていくわけだわな。
275世界@名無史さん:04/02/20 00:20
民族国家を成立させるのに最重要の社会的条件というのは、
「階層を超えて共有される文語」だろう。
サハラ以南アフリカみたいに、別々の土語を話す大衆の上に、
英語・仏語を話すエリートの層が被さるという社会構成では、
民族意識・国民の一体感なんてものは生まれようもないから、
民族国家を成立させるのは無理である。

「土語を話す大衆と、別の文化的共通語を話すエリート」
という点では、中世欧州もそうだったわけだが、
農業主体の経済段階ではそれでも何とかやっていけた。
しかし、商工業(と高度な軍事組織)が発展していくためには
大衆レベルでの読み書きの普及が必要になってきた。
そのためには、口語と別の言語が文語になっている状況は好ましくなく、
土語を文語として洗練し、共通の教育媒体にするようになった。

新たな言語状況によって、それぞれの民族のエリートは、
地元の大衆との連帯意識を強く持つようになったが、
「異民族だが同じ文化圏のエリート」との連帯意識は薄れた。
政治的問題も、そういう文脈のうえで論じられるようになり、
結果、民族国家が最も自然な社会組織と考えられるようになった。

朝鮮において漢文がハングルに置き換わった過程が、
こういう流れを一番クリアに示していると思う。
276世界@名無史さん:04/02/20 00:25
>>275
>サハラ以南アフリカみたいに、別々の土語を話す大衆の上に、
>英語・仏語を話すエリートの層が被さるという社会構成では、
>民族意識・国民の一体感なんてものは生まれようもないから、
>民族国家を成立させるのは無理である。

東南アジア・南アジアも似たような状況のところが多いね。
277想像の観念体系:04/02/20 06:57
つまりは、>>274で述べられていることは、思想や哲学を
作るための材料、素材であって、私たちにはこんな概念がありますよ、
これが私たちの思想の成り立ちですよ、こういう概念を共有しているんですよ、
ということが述べられていく。

その結果として、観念の共通性ができあがっていくわけだわな。

278世界@名無史さん:04/02/20 09:17
>>273
権力の所在の移行は、
このスレで話してるテーマにおいてはとてつもなく重大なファクターだろ。
279278:04/02/20 09:26
重大→重要に訂正させてくらさい。
280世界@名無史さん:04/02/20 11:44
英国って今でも「臣民」という言葉を使ってるんだよね?
281世界@名無史さん:04/02/20 11:47
>>272
帝国主義的な領土拡大が民族国家の理念に矛盾するという意味?
アイルランドについては対カトリックの戦争と解釈すれば
矛盾してないような気がするんですけど。
ジャマイカはわからん。だれか教えて。
282世界@名無史さん:04/02/20 14:49
>>280
場合によっては王を殺すこともできる(処刑した歴史を持つ)君主制。
宗教が権威と結びつくこともありえない国是。

国民の主権を侵されないという絶対の保障があるから、
文化・統合の象徴として担ぐことができる。

不恰好に神話と共棲を続ける皇室を支持・容認する日本国民とは似て非なる“臣民”。
283世界@名無史さん:04/02/20 15:07
>282
英国の主権者は女王ですが何か?
法的に国王・女王を表す言葉としてsovereignを使ってるくらいだからな。
284世界@名無史さん:04/02/20 15:13
だから、建て前ではな。
何か? ってなんだよ。
なにを聞いてるの?
285世界@名無史さん:04/02/20 15:17
>258
おフランスは戦後になってもアルジェリアでやってた罠。

と思ったら現在では手のひらを返したように
「フランスは世界中に海外領を持ち、文化的多様性を持つ国家です」
と誇らしげに大使館HPでPRしているし。
286世界@名無史さん:04/02/20 15:19
>284
戦前日本の神話も建前だったんだがなぁ。
まして現代日本の皇室について何を知ってるつもりになってるんだか。
287世界@名無史さん:04/02/20 15:22
>>278
重大でも重要でもいいけどそういう問題じゃないよ。
権力の移動先が当時の英国においては国民ではない、という話だよ。
つまり当時の英国は
「国民国家によく見られる条件をいくつかは備えている国」ではあっても
別に国民国家じゃないよ。
288世界@名無史さん:04/02/20 17:11
日本オタがつっかかってるなw
289世界@名無史さん:04/02/20 17:52
コリー女史の著書もそうだけど、
「イギリスもまた国民国家だった」というのは、
それこそフランスなんかを国民国家の典型例に見なす議論に対してなされた、
比較的最近の、論争的な主張なんじゃないかな。
290世界@名無史さん:04/02/20 18:34
スペインの場合、フランスに占領するまでは国王が「カスティーリャ王、
アラゴン王、バルセロナ伯・・・」とたくさんの称号をずらずら並べていて、
「スペイン国王」という称号が存在しなかった。
ナポレオン軍によって占領され、ナポレオンの兄がホセ1世として
送り込まれてから、「スペイン国王」と名乗るようになったそうで。
イギリスの場合、スペインと違ってフランスに占領されることが
なかったからなあ。
291世界@名無史さん:04/02/20 19:00
>>287
じゃ、権力はどこに移動したの?

>>283=>>286
おまえ、恥ずかしいやつだな。
立憲君主制の意味も解らないくせにテキトーなレスつけるなよ。
292世界@名無史さん:04/02/20 21:15
>>291
少なくとも英国国民ではないわな>権力の移動先
293最初の民族国家に関する研究者の見解:04/02/20 22:00
「民族主義とは、政治的単位と民族的とは一致すべきだという政治原理」と説く
アーネスト・ゲルナー・・・「民族主義が目ざましく台頭したのは19世紀。
宗教改革には民族主義の要素を見出せる」

「民族とは想像された共同体であり、文化に加工された事実である」と考える
ベネディクト・アンダーソン・・・「フランス革命を契機に民族国家のモデルが成立し、
それが全世界に輸出された」
294世界@名無史さん:04/02/20 22:16
>>292
で、移動先は今考え中ですか?
あなたこのまま消えそうですねw
295世界@名無史さん:04/02/20 22:21
「想像の共同体」の肝は、序文の無名兵士の墓の記述だろ。
296世界@名無史さん:04/02/20 22:56
>>295
掴みはOKの名序文だと思うけど、
293のセンテンスに盛り込むのはムリ。
長レスになるし、どうせみんな読んでるだろ。
297世界@名無史さん:04/02/20 23:08
そーかな?
政治系の学生は結構読んでるだろうけど、史学科で読む人あんまりいないような気がする。
298世界@名無史さん:04/02/20 23:36
>>294
イングランド人からイングランド人へと受け継がれたのではないか。
というか、この場合は当時の英国が国民国家であるか否かが問題なのでは。
当時のあの島国にイングランド人はいただろうしウェールズ人も
スコットランド人もいただろうけど英国国民はいなかったのではないか。
299世界@名無史さん:04/02/21 00:00
英仏百年戦争の頃の英国の上流階級は家庭でフランス語を話していて、
アングロサクソン語を話す庶民とは別の民族だったわけだが、
その支配層が庶民に同化したのはいつごろなんだろう?
300世界@名無史さん:04/02/21 00:09
その後の薔薇戦争で英国の貴族は一旦ほぼ絶滅したのが契機で
以後はジェントリーの下克上がくるわけなので
いつごろというかその後すぐ。
301カラジチ ◆mWYugocC.c :04/02/21 00:15
>>290
スペインの統一ってスペイン継承戦争の時だと思ったけど……
302世界@名無史さん:04/02/21 00:26
193 :(1/3) :04/01/07 01:14
>>191
「スペイン国王」の称号の問題は『スペインの歴史』(昭和堂、1998年)の一節「「スペイン王国」の構造」が詳しいです。

>>131にあるように1808年は「スペイン国王」の称号が公式に使われるようになった最初の年で
これは上記の文献にも記されている(そこでは具体的な史料は挙げられていない)

それ以前にはやはり領土に含まれていった各地域が列挙されていて
フェリペ2世の遺言状では
「神のご加護による、カスティーリャ、レオン、アラゴン、両シチリア、ポルトガル、ナバーラ
グラナダ、トレード、バレンシア、ガリシア、マジョルカ、セビーリャ、サルデーニャ、
コルドバ、ムルシア、ハエン、アルガルベ、ヒブラルタール(ジブラルタル)、
カナリア諸島、西インドおよび東インド、大西洋の諸島と大陸…の国王、
ブラバントとミラノの公爵、フランドル、…バルセローナの伯爵、ビスカーヤとモリーナの領主、等々」
となっている
(アルガルベはポルトガルの南海岸、モリーナはカタルーニャのピレネー沿いにある)

で、カトリック両王の時代以降も1808年に至るまで「スペイン国王」の称号は公式には使われず
>>191のフェルナンド6世や上のフェリペ2世のように「○○と××と…の国王、…の公爵」という
表現が使われた。
303世界@名無史さん:04/02/21 00:27
194 :(2/3) :04/01/07 01:15
ここで気をつける必要があるのが
「1492年はカトリック両王のもとで国土・宗教共に統一された近代スペインが成立した」というよく見られる見解。
この見解はフランコ時代の地域主義否定・伝統的カトリック教会重視のなかで作られた産物で、最近では
カトリック両王によって共同の統治が始まったが、イベリア半島の各地域(後にポルトガルが独立)は
それぞれの法体系・行政組織・議会・税制を維持しており、直接に統一的近代国家のスペインが成立したとは
言い難い。そしてこの時期の「スペイン」は
王(カスティーリャの王でありアラゴンの王であり以下上述したいろんな地域の領主であるところの)を
媒介として、カトリックを統合の原理とした各地域の緩やかな統合体であった、とする見方が現在では多い
(その統合を維持する手段がカトリックのキリスト教共同体の確立(=具体的には異端審問や強制改宗)だった)
近代国家としてのスペイン政治的統合は
基本的にはカスティーリャの法や行政制度を他の地域に移植する方法で行われたが、
これは18世紀の間を通じて大問題だった
304世界@名無史さん:04/02/21 00:27
195 :(3/3) :04/01/07 01:17
…というのがだいたいの論旨です(長くてスマソ)
「スペイン国王」の称号が19世紀初頭の旧体制の崩壊まで公式に用いられることがなかったことと
カトリック両王以降の同君連合的な統合の在り方とは密接に関連しているようです。

そして「フランス国王」の称号が使われていた(もちろん国家の構造も大きく異なる)
フランスから来たホセ(フランス名でジョセフ)・ボナパルトが「スペイン王」を名乗ったのは、
フランスの統一的な「国王」の称号をイベリアの地に持ち込んだと考えられるのではないでしょうか。

>>113ではジョゼフ・ボナパルト以降はただの「スペイン王」になったみたいな書き方

ただの「スペイン王」になったというよりこれ以降「スペイン王」の称号が段階的に定着していき
各地域を政治的に統一する過程の中で各地域の称号に取って代わられたと見るべきでしょう
305世界@名無史さん:04/02/21 00:37
カルロス1世の頃でも反アラゴン同盟とか、宮廷内部で権力闘争があったし
306世界@名無史さん:04/02/21 08:30
カトリック国君主の呼び名が統一的なものに変わったところで、
それが自決する民族となんの関係があるのよ。
しかも君主や国民・議会が危機感を持って(必要に迫られて)自主的に改革したのではなく、
占領者によってもたらされたのでは・・・
307カラジチ ◆mWYugocC.c :04/02/21 20:41
>>302-304
山川世界各国史の『スペイン・ポルトガル史』で、アラゴン連合王国に征服権が適用され、制度的統合が進んだ、とかある。
たぶん私はこれを読んで「これがスペイン統一か」と思ったんだと思う。
これは、単に法や議会が統合されただけで、王権が統合されたわけではないってことでしょうか。
それとも制度の統合もきちんと進まなかったんでしょうか。
308Ryuju ◆RlujhF6VrA :04/02/21 23:51
>>306
多分、象徴的なものが違うからね。
むしろ、ナポレオン没落後に復帰したブルボン家の王が、
何故(敵によってもたらされた)スペイン王という称号を
使い続けたのかを考えた方がいい。

私が思うに、「アラゴン、カスティーリャ、レオン、……」だと
「自分はアラゴン人であって、カスティーリャのことなど知ったことか」
という意識になりやすい。
それは特に、軍の組織や士気の維持にとって都合が悪い。
内部分裂やサボタージュの原因にもなるからね。
「同じスペイン人」と言われることで、そういう意識を乗り越える
基礎が出来るんだろう。
これは、その「スペイン人」という概念をもたらした者が
誰だろうと、多分関係ない。
309世界@名無史さん:04/02/22 22:14
>>298
まんま引用でスマンが、ハンス・コーン1965年の言↓
「近代の民族主義は、17世紀の英国において最初に完全な形で現れた。
この世紀に英国は初めてヨーロッパ地域の指導的な国家になった。
この国は科学的精神・政治思想や政治活動・営利企業のような“近代”を特徴づけ、
それを以前の時期からはっきり区別する――まさにそうした分野でその指導性を発揮した。
新たに開かれた可能性への限りない自信に鼓舞されて、
英国の人々は自分たちが歴史的使命を担っていると感じた。
彼ら英国の普通の人々は、新しい真の宗教改革が始まるべき大いなる分岐点に立つ
“選ばれた民”だった。歴史上初めて、国家と教会の土台となっていた権威主義的伝統は
17世紀の英国革命によって、人間の自由の名のもとに挑戦された。」

ここに出てくる「英国の人々」「英国の普通の人々」「選ばれた民」って、英国民だと思うんだけど。
土着的血縁者的集団の寄せ集めではないでしょ。
310世界@名無史さん:04/02/22 22:56
革命を過大評価しすぎだよ。
グレートブリテン成立は1707年じゃなかったっけ。
大いなる助走としてのステュアート朝成立も含んでるのかな。
311世界@名無史さん:04/02/22 23:12
そいつらに英国国民としての国民意識があったとはとても思えんのだが
312世界@名無史さん:04/02/22 23:48
フェリペ2世がスペイン王国をお里のカスティーヤ王国への同化政策として
形作っていったという考え方はどうでしょうか?
313世界@名無史さん:04/02/22 23:50
混ぜっ返すようで悪いけど、
Nation States なんて過去のヨーロッパの亡霊みたいなこと、今頃議論してどーするの?
ほとんど空想の産物ではないか。
第一次大戦後のユーゴ見たらすぐ分かる。
314世界@名無史さん:04/02/22 23:53
>>309
訳語が「英国民」でも
もとの言葉が English か British かで文意は全く違うぞ。
どっちかはっきり出してくれよ。
315世界@名無史さん:04/02/22 23:56
ついでに British ってアイデンティティーは
18世紀にはほとんどなかったことも付け加えておきたい。
いまでもEnglish Scotish Welsh Irish が British に先立つのが普通。

316世界@名無史さん:04/02/23 00:28
英国長期滞在経験(ホームステイ)があるんだが、今でも母国をU.K.と呼ぶのは
イングランド北部の人間だけだと知って驚いた。
でも、それ以外の地域が辺境視されているかというとそうでもない。
現存する独立運動も、実現を目指しているとは感じられない・・・ お国自慢のポーズというか、
参加して楽しむ類いのものみたい。ヘンな比較かも知れないけど、
日本における沖縄の日本国民度と比べたら、英国に帰属している度合いは強いと感じた。
317世界@名無史さん:04/02/23 00:32
>316
ウェールズ人もUKって言うね。
318世界@名無史さん:04/02/23 00:34
>316
沖縄の場合、独立運動自体がほとんど存在しないんだが。
319世界@名無史さん:04/02/23 00:49
>>318
「沖縄人」に帰属させられてるのに
嫌悪感を持つ離島出身者ならいるが。
320316:04/02/23 10:40
>>318
独立運動の有無を言ったんではなくて、
その地域を訪れたときに感じた異国感というか・・・
沖縄を訪れたとき、日本にとってマージナルな地域だとおれは感じた。
むろん差別的に見下したわけではなく、ある種の憧憬や情緒があると思った。
老若男女みな英語を話しゲール語は保護の対象であるスコットランドは
(娯楽じみた)独立運動・強い郷土愛があろうともある意味れっきとした英国。

321世界@名無史さん:04/02/23 18:50
>>316-317
UK という意味は次のうちどっちを言おうとしている?

1. UK の語を使い Great Britain や British をつかわない
2. Welsh などの民族的帰属より UK が優先する。
3. 外国人が England English の語で UK 全体のことを指し示されてうんざりし、
  訂正の意味も込めて UK を強調する。

上記3つで全然意味は違ってくるわけだが。
一般に1はあまりない。
2 はあり得るが、具体例キボンヌ
3. ならよくある話。

>>316
ショーンコネリーが火を噴いて怒りそうなことを言ってるな。

322世界@名無史さん:04/02/23 20:21
>>321
役者が広告塔のレクリエーションに他ならない。
323世界@名無史さん:04/02/23 21:51
>313
そう、たしかに亡霊みたいなもんで、その実態の危うさは言うまでもない。
しかし、そのまぼろしが現実を縛りつけていることもまた事実なのよ。

1990年代のバルカンみたいに。
324世界@名無史さん:04/02/24 07:23
>>310,>>314ほか
日本語訳された引用部分しか読んでないので、原文をぐぐってみたけどみつけられなかった。
Hans Kohn,「Nationalism, its Meaning and History」なんだけど、邦訳版は出てないみたい。
母校の図書館には間違いなくある(確認済み)ので、
いつになるかわからないけど行ってきたら報告します。

ttp://www.nakayama.org/polylogos/books/nationalism09.html
他の主著が↑この本で紹介されているので、こっちを読んだほうが論旨をつかむには早いかも。

古い世代の人だし、アンダーソンやらスミスやらが出た今となっては軽視されがちだけど、
この人の言っていることは説得力あると思うよ。

「近代最初の民族国家=英国」派はこのスレでは少ないようだけど、
挫折(憲法制定失敗〜独裁者出現)したフランス革命をエポックとするほうが過大評価だとおれは思う。
325世界@名無史さん:04/02/24 07:27
>>320 >>322
スコットランド人に面と向かっていってみな。
ただし命の保証はしないから。


326世界@名無史さん:04/02/24 09:01
>>324
>「近代最初の民族国家=英国」派はこのスレでは少ないようだけど、

英国ってEngland なのか、Britain なのかってこと。発言者ははっきりさせるべき。
原著があるならその使用語が分からないことには何とも言えませんと。
327カラジチ ◆mWYugocC.c :04/02/24 09:30
>>313
そのユーゴぶっ壊したのもNationalismなわけですが。
328Ryuju ◆RlujhF6VrA :04/02/24 10:12
>>324
フランス革命は一種の「神話」だからね。
象徴、或いはモデルとしてのフランス革命。
民衆の利益に反すれば、国王も殺されるんだという。
清教徒革命で自国の王を殺したのはイギリスだが、
あれは宗教色が強くて、まだ国民国家以前の段階だ。
それにあれも、クロムウェルという独裁者を生んでいるし。

「対仏大同盟」に対抗するため(というかフランスを守るため)に
国民軍が形成されて、それが侵略者である他国の軍を
打ち破っていったというのが実は重要なのであって、多分そういう
政治の過程と結果は、国民国家形成にはさほど重要ではないと思う。

中国や東南アジア見てると、独裁体制でありながら国民国家を
名乗っている(いた)国は珍しくないし、
そういう国では特に、大抵独立戦争(外国からの侵略戦争)が
神話化されて、ナショナリズムの源ともなっている。
329世界@名無史さん:04/02/24 12:42
>>328
近代科学が神に支配されない世界観を打ち立てる前は、すべての権力は
なんらかの神秘的な力を背景にしなくてはその正統性を説明できなかったと
いわれるね。
オランダも、もうここはプロテスタントの国で、ローマ教皇やカトリック君主
の支配には入らない、というかたちでの独立だったし。
330世界@名無史さん:04/02/24 13:23
歴史はみんな神話とも言えるな。
>>328
>政治の過程と結果は、国民国家形成にはさほど重要ではない

完全に論理矛盾だな。政治の過程や結果が重要でない政治組織とはなんぞや?
331世界@名無史さん:04/02/24 14:20
ネイションの語源はネイチャーでありそれを旨とする語はナショナリズム。
ソーシャルの語源はソサイエティーでありそれを旨とする語はソシアリリズム。
コミュニティの語源はコモンでありそれを旨とする語はコミュニズム。

フランス革命はパリコミューンを生み出し、コモンズを重視する考えが共産主義に発展する。
コミュニティとは共同体と訳すわけだがそこに共通性(コモン)を認めたがらない理由はなんだ?
少なくともコミュニティと言う組織からは「論理的に」多元的個性的な組織なるものは生まれ難い。
共通性を重視した組織だから。
想像の共同体と言う批判は本質的に論理矛盾に聞こえる。
そもそも共通性を重視する組織たる「共同体」は共有できる神話、歴史、倫理、宗教等を必然的内在的に
共有する。それ以外にどんな組織が現実的に可能と考えるのだろうか?
あらゆる共同体は共通の価値観をもつ。
組織内の多元性は共通性の多元化に過ぎず、多元化と言うからには大小様々な共通性を認めないと
論理的におかしい。小たる共通性が大たる共通性に比して希薄と言うのは当然の事である。
さて、小たる共通性に過ぎない村落の生活や部落での親近感なるもののどこが想像ではなく
どこから想像なのであろうか?
村落に残る神話や口承、昔話は想像の共同体を可能ならしめる想像ではないのだろうか?
町の名の由来は想像の伝説や歴史ではないのだろうか?
都市の形成過程に単なる共有されたエピソードがなかったとでも言うのだろうか?
部族の歴史に英雄伝説や迷信的な習慣が想像され共有されていなかったとでもいうのであろうか?
更に言う、家族や親族の一体感の維持に家訓、家系図、出生の秘密化、
或いは他の家族の土地との境界線、母系的あるいは家父長的う権威の一元化、家族間の代々のいいつたえ、
祖先信仰、親或いは年長者による権威や制裁手段の一元化或いは独占がなかったとでも言うのだろうか?
否である。
批判の論たる想像の共同体とは、論のための論、言わば詭弁である。
もしくはアナ−キーの勧めと言うしかあるまい。
332世界@名無史さん:04/02/24 15:05
>ソーシャルの語源はソサイエティー
逆だったな。
333Ryuju ◆RlujhF6VrA :04/02/24 15:32
>>330
前の行も含めて読んで欲しい。
「そういう(=フランス革命における憲法制定失敗〜
独裁者出現という)政治の過程と結果」は、フランスにおける
国民国家形成には余り重要でないということだ。

フランス革命において国民国家が形成されたというのは、
憲法制定運動やナポレオンの独裁の結果などではなく、
国民の利益に反する君主を処刑したということ
(究極的な国民主権の実行)と、国民軍によって
諸外国の侵略をはねのけたということの結果だろう。
そしてこれは(特に後者は)、戦前の日本や今の発展途上国にも
当てはまると思う。

イギリスに関する分析は328の通り。
一言付言するなら、イギリスは外国から実際に侵略された
という経験が近世以降ほとんどないため、具体的な契機が
極めて特定しにくいとは言えると思う。
334324:04/02/24 16:56
>>326
だから、原著に関してはいま鋭意確かめ中(でも平日は難しいッス)と書いたのだが・・・
揚げ足とりが目的なら、スルーしてください。
おれ自身の語句の用い方に関しては
英国=Englandとは使わないよ。「そういう風に使うべきではない」って先生に教えられた。
間違いではないけど、学問上とか政治上とかではそうしなさいってニュアンスで。
だから英国はThe United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland。
335世界@名無史さん:04/02/24 19:52
漏れも、「イギリス=最初の国民国家」には、どっちかというと懐疑派なんだけど、
近代のイギリス(イングランド)の国民的「神話」になったのは、
いわゆるピューリタン革命よりも名誉革命の方でしょ。

そこでは議会&君主共治の「古来の国制論」「混合政体論」が中心的な弁証論だったため、
1.革命イデオロギーの海外への応用可能性に乏しい。
2.英蘇愛三国及び植民地をも含めた、「王冠」による統合、
   すなわち「帝国」の象徴体系が「国民」のそれを凌駕した。
・・・という結果を導いたわけで。

ただ、ステート・システム内の抗争・角逐で常に優位者だったイギリスは、
そもそも「国民」をそれほど必要としなかったのではないか、という気はする。
336324:04/02/25 03:14
19世紀に生きてイギリス経験論から帰納法を完成させたJ.S.ミルは、
サラッと「民族的に同一なほうが議会政治はうまくいく」と言っているけど。
実証学的社会学の立場にいる彼が自国の状況をそう捉えていたのは、
結果的に英国という民族国家が成立していたことの証明では?

成功者のストラテジーを模倣せんとする2番手以降たちは意図して
その成功モデルを取り入れようとするんだけど、
先駆者である英国の場合は“なるようにしてそうなる”諸要因が
偶発的な幸運も重なって民族国家としてまとまる方向に動いている。
337世界@名無史さん:04/02/25 03:38
そいつが見ていたのは英国の「民族的に同一でないのでうまくいかない議会政治」なのではないのか?

普通に
当時の英国に国民はいなかったから英国は最初の国民国家では無い、
でいいんじゃないの。

当時、あの島国とそこに住む者をワンネイションとして捉える一体誰がいたのかと。
338324:04/02/25 08:22
“そいつ”って・・・ ミル知らないの? (ここ世界史版だよな?)
19世紀の英国までnationでないというなら、さらにあなたの見識を疑うよ。

名誉革命の段階で、英国では
◎ピューリタンが中世的身分秩序を打破した(社会的障壁がなくなった)結果、
商業資本主義が急成長していた。
◎大商人・地主・農業資本家などのブルジョア層が(出現〜)台頭していた。
◎貴族とブルジョアジーには商業の発展という共通のヴィジョンがあった。
 
・・・つまり、持てる者・能力がある者の間には英国民としての平等が存在していた。
そして、囲い込みによって持たざる者になった多数の農民は
都市においてプロレタリアートになり生産システムに加わった。(←これも意図せぬ幸運だわな)
つまり、すでに国民経済らしきものの創造に成功していた。
名誉革命の6年後にイングランド銀行(世界最古の中央銀行)が設立されたのは、
その象徴的な出来事でしょ。建て前上は王冠で、本質としては経済によって英国は統合されたんだよ。
で、その国民経済を“成功モデル”として自国の改革に取り入れようとしたのが
フランス革命前夜の重農主義者・ケネーだよね。
政治思想のモンテスキュー・ヴォルテールも、経済のケネーも英国礼賛してるのは無視なわけ?
339口は災いの元:04/02/25 08:55
>>335
あらゆる想像のなかで最も神秘的なものは信仰だろ。
だから英国議会の混乱や国王との対立は審査律でおさまったわけだろ。
王冠に象徴されているものも宗教的権威だろ。
これはカトリックの影響が極めて強かった。
だから旧教徒は公職から追放して混乱を収めた。
英国の議会と国王の対立は結局はカトリックの国王対セントポール、プレスビテリアン、
ピューリタン、等の議会と言う対立なんだよね。
つまりそれぞれの神話にしがみついた結果だ。
>>333
やはり信仰だろ。
皇帝の権威は信仰からだろ。カトリックだろ。
選ばれた皇帝が法王の権威に認められたのが戴冠式だろ。
絵画になっているやつだ。
皇帝も今でも賑々しく棺と共に神秘化されているね。
ギロチンや戦争は選ばれた皇帝ほど神秘的ではないね。
国民はミシュレ同様ロマンに弱いよ。英雄ナポレオン。
これほどのロマンはない。
だからヒトラーとナポレオンは同一視されないんだろ。
国民の歴史とは信仰により認定された神話だろ。
だから単なるイデオロギーより長命なんだろ。
では信仰の主体は何か?個人や家族だな。
これが拡大すると部族、民族、国民の信仰となるわけだろ。

信仰は21世紀のトレンドだね。古来神話は信仰から生まれている。
人間は信仰が好きだね。
>>338
少なくともカトリックには19世紀まで平等はなかったよ。審査律の廃止は1828年。

知らないの?(ここ世界史版だよな?)
340近代物語:04/02/25 09:04
>>338
なるほど、そうやって国民国家の神話が形成されていったわけだ。
神話に重要なものは権威であり、近代では曰く国民経済、
曰く、重農主義、曰く、三権分立等々は権威としては不可欠な
ものでありましたとさ、まる
341世界@名無史さん:04/02/25 09:09
>>340
てーと、曰く、想像の共同体、なんて神話もあり?
342世界@名無史さん:04/02/25 09:13
>>341
それを言うなら権威だろ。
ありだろうな、当然。インドネシアの多元的世界に理想郷
をみいだし、その崩壊に地獄を見る。
すばらしい信仰じゃないか。
343世界@名無史さん:04/02/25 09:33
>>339
こいつ視野せまそーだな。
好きな権威主義やらマキアヴェリやらの勉強だけしてきたんだろな。
344世界@名無史さん:04/02/25 09:43
339 はとんでもないな。

それからずっと言ってるけど英国って使うなとは言わないから
どういう意味か最初に宣言してから使ってくれ。
あるいはイングランド、スコットランドなどと書くだけで誤解はずいぶん避けられる。
345世界@名無史さん:04/02/25 10:04
>>343
「昨今の識者が言うほど宗教の権威は決して衰えてはいない」
〜ナポレオン〜
346世界@名無史さん:04/02/25 10:16
>>344
イングランド、スコットランド?
ああ、そういう想像の共同体のことだね?
カトリック、セントポール、プレスビテリアン、
ピューリタン、で体現されているね。
>>339

米国民同様、英国民も教会中心の社会で今でも生きているよ。
ほほー、イングランド人とかイングランドと言う地名使うべきなのか?
それも所詮は想像の共同体だろ。
イングランドにいるのは全てイングランド人ではないのは北アイルランドひとつ見ても
わかるよな?
地域や地名は必ずしも民族や部族を体現はしない。
やはり信仰だろうな。民族や部族古来の信仰と言う想像や神話が
共同体を形成した。
347世界@名無史さん:04/02/25 10:26
>>346
セントポールってなに?
348世界@名無史さん:04/02/25 10:34
>イングランドにいるのは全てイングランド人ではないのは北アイルランドひとつ見てもわかる

ふーん。
349Ryuju ◆RlujhF6VrA :04/02/25 10:34
>>338
経済的統合が国民意識の形成に直接結びつくとは、必ずしも言えない。
それが当てはまるなら、EU(特にユーロ加入国)は既にして欧州人という
統一された意識を持っていなければならなくなるが、実際は違う。

>>339
いまいち論旨が分かりづらいんだが、「信仰」という言葉に関して言えば
アンダーソン曰く「ナショナリズムは宗教の親戚」だそうだ。
ただ、宗教では「神の思し召しです、受け入れなさい」で済んでいたのが
ナショナリズムでは「A国が悪いんだから倒せ」という話になりやすい。
宗教にそういう面がないとは言わないが、世俗的な問題に関して
いちいち「他国が悪い(から倒せ)」とは言わない。
その他国が同じ宗教なら尚更だ。同様に、ナポレオンが死んで、
いくら彼が神秘化されても仇を取るものはいない。
その起源を信仰と言うには、現実のナショナリズムは攻撃的すぎる。

>>342
別にアンダーソンは「理想郷」など求めてはいないと思う。
というか、彼にとってインドネシアを理想郷とするには崩壊が早すぎた。
インドネシアという国民国家の形成と国民意識の由来を研究することは、
彼のナショナリズム論の原点ではあるだろうが、それと理想郷はまた別だ。
350世界@名無史さん:04/02/25 11:43
イングランドに北アイルランドがあるとは知りませんでした。
さすが世界史板ですね。
351世界@名無史さん:04/02/25 15:48
英国王家のドイツ起源を示す「ハノーヴァー朝」という名称が、
第一次大戦時に問題にされて「ウィンザー朝」に改められたというエピソードは、
(ブリテン島に関しては)意識として民族国家になっていたことを示している。
逆に、名誉革命後の英国が外国から君主を呼び寄せたのは、
「民族国家」の理念からするとありえない行為で、
この時点では英国が民族国家でなかったことを証明していると思う。
その後の数百年の間に、イングランド地域と他地域で意識の差を伴いつつ、
民族国家の意識が徐々に定着していったんだろう。
352世界@名無史さん:04/02/25 16:44
上のレスの数々で触れられている
英国が最初の国民国家たる理由の殆どは
無関係ではないが必要条件でも無いものばかりです。
そんなものとはほぼ無縁でフランス共和国は成立しましたし。
ロベスピエールやナポレオンみたいな独裁者も出たけど彼らだって国民。
今でいう米国の大統領と大して変わりない。

要は
1:国民がいるかどうか。
2:国民が権力を握っているかどうか
かと。
353世界@名無史さん:04/02/25 16:48
>ただ、宗教では「神の思し召しです、受け入れなさい」で済んでいたのが

実際にはそれで済まなかった事の方が多いわけだが・・・
354世界@名無史さん:04/02/25 17:53
国民国家にも寿命はあるだろうけど、今のとこそれの代替物は見えてこないねぇ。
そういった現状で国民国家からの脱却を説くのは無責任に思えて仕方が無いな
355世界@名無史さん:04/02/25 18:02
>339 はスルーでよろしこ。
手の込んだ釣りなのか、単に妄想が激しいのか分からんけど。
356世界@名無史さん:04/02/25 18:27
>>352
ナポレオン3世って皇帝だったろ。1852-70年に在位。少なくともこの時代は
フランスは国民国家じゃないな。帝政だもんな。
メキシコの独立共和国化1824年。だめだなフランスもメキシコに遅れてちゃ。



357世界@名無史さん:04/02/25 18:46
>>351
フルネーム、George Frederick Ernest Albert

どう読んでもドイツ人まるだしなんですけど。

現エリザベス2世の旦那フィリップ(エディンバラ公)はギリシャやドイツの血が入りまくり
みたいなんですけど、ほっといていいんですか?また、殺しちゃいましょうか?
                     
http://www9.wind.ne.jp/chihiro-t/royal/England/Windsor.htm
358世界@名無史さん:04/02/25 20:47
>>357
イギリス貴族王室個人ネタはスレ違い、こっち行け。「知識豊富」な人がいる。

現代のイギリス貴族の状況
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/whis/1053338507/l50
359世界@名無史さん:04/02/25 21:21
>>356
その国家がどのような政治体制を採用しているのか、ということは
その国家が国民国家であるかどうかということとはまったく関係ありません。
簡単に言えば「帝国かつ国民国家」などいくらでもあります
360世界@名無史さん :04/02/25 23:46
アンダーソンが若干誤解されている。あれだけ有名なのにきちんと読まれてないな。
「想像の共同体」っていうのは、見知らぬ他人を「同胞」と考え、
行ったこともない土地を「郷土」とだと考えるのが「国民」の本質だ、というもの。
わかってるはとおもうが、「国民」は所詮「想像」に過ぎない、などと言っているのではない。
本来的に「想像」でしか可能にならない性質のもの、ということ。良い悪いの話ではない。

ところでナショナリズムを宗教のアナロジーで捉えるアンダーソン的な理解には反対だ。
だって宗教は信仰する瞬間がたいてい意識できるし、経典もはっきりしているけど、
ナショナリストになる瞬間はだいたいにおいて無自覚だし、経典みたいなものもない。
つーか「国民」の教義は別になんでもいい。時代によって変わるのが当たり前。
サヨクからウヨクまで「愛国者」を語ることができる、これがナショナリズムの強み。
「信仰」なんて言葉を軽々しく使っている人がいるがはっきり言って間違い。
ナショナリストがなんでナショナリストなのかと問われたら、
「生まれた国だから」「自分の国を愛するのって普通じゃない」「健全な常識」って答えると思う。

あと、イギリスが最初の国民国家がどうかは国民国家の定義による。
国民国家というか「nation」がイギリスが起源だという研究も少なくないが、あくまで「nation」にこだわるなら間違い。
しかし、国民国家は人民主権の原則に基く国家、というくらいの意味ならイギリスが最初と言っても差支えないと思う。
やはり慎重を期すなら、フランス革命で「国民議会」が成立し、シェイエスが「国民」とのたまわった時、
これを近代ナショナリズム運動の嚆矢とすべき。
ちなみにアンダーソンはアメリカ大陸だと主張したが、かなり強引な感じがして説得力はない。
361世界@名無史さん:04/02/26 00:29
>しかし、国民国家は人民主権の原則に基く国家、というくらいの意味ならイギリスが最初と言っても差支えないと思う。

これ違うと思う。
18世紀末以降の急進主義者、あるいは内乱期の水平派あたりに根っこ探しすれば絶無とは言えないが、
しょせん「人民主権」という発想はイギリスではついに主流たり得なかったのではないか?
362Ryuju ◆RlujhF6VrA :04/02/26 11:15
>>360
アンダーソンが「アメリカ大陸が先」だといったのは
多分二つの意味があると思う。

一つには「アメリカ独立革命(独立戦争でもいい)」が
フランス革命より年代的に先んじているという単純な事実。
しかもフランス革命の初期の立役者の一部は、アメリカ独立革命にも
関わっており、影響があったとすれば当然アメリカ→フランスに
なるだろう。
まあ私も、アメリカの時点でnationが概念として確立していたとまでは
思わないがね。

二つには、アメリカ独立革命〜フランス革命〜ウィーン体制までの
「ナショナリズムの勃興」を、最初にモチーフ化したのが
ラテンアメリカの独立であり、後のアジア・アフリカの独立時と
同じような構造が見受けられる点。

二つ目の点についてはアンダーソンが確かに一章(第四章)論じているが、
「先駆者」といってもこの程度の意味で(彼自身、ラテンアメリカの独立
運動が啓蒙思想やフランス革命に大きな影響を受けたのは認めている)、
フランス革命より先と言っているわけではないと思う。
363世界@名無史さん:04/02/27 01:16
>>361

そういう意見もアリだが、人民主権がイギリスの主流じゃないなんて言っちゃっていいのか?
もちろんフランス革命の人民主権とはかなり質が違うにせよ。

>>362

アンダーソンがアメリカを強調したのは、東南アジアを念頭に置いているからだと思う。
つまり植民地官僚やクレオールといった人たちが「国民」を構成した、という点を強調したかったのではないかな。
彼の関心は、いろんな宗教やエスニシティがいろいろあるのに「国民」ができるのはなぜ?ということにあった。
古くからの文化的な一体性に基く「国民」が比較的確認しやすいヨーロッパは、
彼にとってそれほど魅力的なモデルじゃなかったのだろう。
364世界@名無史さん:04/02/29 21:33
ドイツ・イタリア・東欧諸国の国家・国民のあり方についても語ってちょ。
365世界@名無史さん:04/03/14 11:13
ここって「文化ナショナリズム」について語るのはOK?
宗教を含めた伝統文化とナショナリズムの結びつき、というやつ。
366世界@名無史さん:04/03/14 17:38
okok
367世界@名無史さん:04/03/15 13:14
宗教は神話の名人
368世界@名無史さん:04/03/15 16:30
「フランスの田舎はフランスの心だ」
369世界@名無史さん:04/03/17 13:22
「中華ナショナリズム」って、典型的な文化ナショナリズムだと思う。
370世界@名無史さん:04/03/17 14:27
>宗教は信仰する瞬間がたいてい意識できるし、経典もはっきりしている

これはどうかと。
371世界@名無史さん
ユダヤ教・キリスト教・イスラームの場合は経典がはっきりしているな。
でもヒンズー教、神道、道教などの場合は・・・