1 :
世界@名無史さん:
「略奪の法観念史」「北の十字軍」「決闘裁判」「十字軍の思想」
など、西洋法制史の山内進氏の著作について語ろう。
はい
3 :
世界@名無史さん:03/09/16 21:02
2ゲット。口で言うほど簡単じゃあない。
もう何千回と2ゲットに挑戦したことか。
もう何万回とF5キーで新スレが立っているかチェックしたことか。
すでに俺のキーボードの2キーは磨り減って2の印字が消えている。
他の奴らが2をゲットしているのを見てくやしくて枕を濡らした夜。
よっしゃあ2ゲット!と思い書き込みボタンを押したら回線が重くて
2ゲットに失敗したあの暑い夏の日。
2を取るために光回線を導入した。
2を取るために指の力が上がるように特訓した。
2を取るために動体視力を上げる本を熟読した。
2が取れたならもう死んでもいい。
寝ても覚めても2ゲットの事しか思い浮かばない。
2ゲット。ああ好きさ。結婚したい。
今度こそ2ゲットできると信じてる。
さあ、書き込みボタンだ。2ゲットォォォッッーー!!!!!!!!!!!!!!
4 :
世界@名無史さん:03/09/16 21:11
ついにイスラム擁護派の本音が出たねw
自分達の意見(強制)が聞き入れられないと
レッテル張りw
イスラムを擁護している奴は焚書が大好きな
ソ連のやり口そのものw
ソ連崩壊後、反米に凝り固まって、もはや何で
もありになった連中の末路は悲惨だなw
5 :
ty270410:03/09/16 22:00
私は歴史好きだから,『北の十字軍』と『十字軍の思想』を読んだ.
前者では,十字軍が終焉に向かう時,北へ方向転換し,それとバルト海
貿易とが結びつき,バルト南岸にドイツ騎士団が成立したこと,
毎年,非キリスト教圏のリトワニアへ人狩り遠征をしたこと,
ローマ法王が人狩りを嘉したことなどを知った.
現在の感覚でなく,当時の西欧の社会では,それが当然出会ったと知った.
法制度,倫理観が時代と社会によって変遷する好例と思った.
現在にわれわれの倫理観も普遍的でなく,歴史的なものと類推する.
後者では,十字軍の思想が現代の米国に脈打っていることを知った.
「悪の枢軸」というブッシュ大統領のきめつけのなんと宗教的なことかと
読後に思い知った.
ことの良し悪しはおいても,反対する人も,賛成する人も一読される
ことをお勧めしたい.刺激的な本である.
6 :
世界@名無史さん:03/09/16 22:27
>>5 『北の十字軍』は、日本では中世ポーランド・リトアニア史を扱った本が
少ないので、そういう意味でもありがたかった。
あと、山内氏の著作で指摘されている「中世西欧の特殊性」。
「権利のための闘争」は、近代ではなく、ヨーロッパの土壌(中世)に
根ざしているとか。
「新ストア主義の国家哲学」もこの人のじゃなかったっけ?
日本語で、リプシウスの思想に接近できる貴重な一冊。
(ユストゥス・リプシウスは、ボダン(主権論)、アルトジウス(共和政体論)と並ぶ16世紀社会思想の3本柱の一人。
ナッサウ伯マウリッツの先生でもあった。)
8 :
世界@名無史さん:03/09/17 00:22
>>7 新ストア主義の国家哲学 ユストゥス・リプシウスと初期近代ヨーロッパ
(成城大学法学部研究叢書 3)
著者: 山内 進著
本体価格: \3,800
出版:千倉書房
↑これですな。
「略奪の法観念史」が図書館にあったんで読んでみる。
10 :
世界@名無史さん:03/09/17 20:07
第一次世界大戦当時のアメリカで、
「ドイツ人の銃が50丁で、われわれが一丁の銃しかもたないとしても、それは
問題ではない」
「なぜなら、われわれの側にいる主は、年寄りのクルップが作ることのできる
銃よりも、さらに価値があるからだ」
などと、旧日本軍ばりの精神論をとなえた人物がいると知ってチョト驚きだった。
今でも、妊娠中絶や進化論や終末思想で騒いでる人間は、先進国の中で
アメリカが一番多いモンナ。
>10
まあそんな珍しい話でもないというか。
坂井三郎も「大空のサムライ」の中で、
「われに大和魂、敢闘精神あれば、かれにヤンキー魂、フロンティア精神あり。
銃後の宣伝とは違い、精神力では差はない(したがって精神力のみで空戦に勝つことはできない)」
というようなことを書いているし。
12 :
世界@名無史さん:03/09/17 20:26
確か、ナチスドイツも、自分たちのことを共産主義に対する十字軍と
位置づけてなかったっけ?
反共十字軍ってのもあったね。
主にフランスだったと思ったが。
>>10 古いタイプの軍隊はどこでもそうだよ。
現代の特殊部隊、デルタやSEALSでも
「限界までやるだけでは足りない。精神力で不可能を可能にしろ」と
叩き込まれるそうだ。
15 :
世界@名無史さん:03/09/17 22:07
>>14 以前、ディスカバリーチャンネルで「スパルタの死の谷」という、
テルモピレーの戦い(ペルシア戦争で、レオニダス王率いるスパルタ軍が
ペルシア軍相手に全滅するまで戦い続けたというエピソード)
をやってたんだけど、
その番組に出演していたアメリカ海兵隊員が、
「子供の頃からあの戦いの話には影響を受けていました」
「あれこそ、本物の戦士の姿だと思ったんです。私も同じような戦士
になりたくて、海兵隊に入隊しました」
「私だけでなく、海兵隊員ならだれでもスパルタ人の生き方に共感を
覚えているのではないでしょうか」
と語っていた。
>>15 ハンス・デルブリュック(近代軍事史学の鼻祖)も、
レオニダスの取った戦術の得失について、冷静にかつやや批判的に論じた後で、突然、
「レオニダスは撤退すべきだったと批判者は言うかも知れない。
だが、一つのことだけは確かだ−−−彼らがレオニダスの立場なら逃げ出していただろうね。」
・・・もう理屈じゃないのね。我々が真田幸村に萌えるのと殆どおんなじ。
17 :
世界@名無史さん:03/09/18 00:32
現代の十字軍は米英プロテシタント系になっているが、カトリック系はないな。
なんだろうね。
18 :
世界@名無史さん:03/09/18 00:42
古代ローマの詩人(ホラティウスだったっけ?)が、
「祖国のために死ぬのは楽しくかつ名誉なり・・・」
とかなんとか詠っていましたっけ。
1914年のランゲマルクの戦いで、14万5000人のドイツ兵が命を落としましたが、
ドイツ国内ではこの不毛な攻撃が賛美され、英雄的犠牲として称えられたとか。
19 :
世界@名無史さん:03/09/18 01:04
アメリカの政治学者のアービング・クリストル(ネオ・コンサバティブ
の重鎮)が、アメリカ外交という馬車はいつも4頭の馬によって引っ張られている、
と主張していまつ。
第一は「道徳的孤立主義」で、アメリカは民主的な政治の輝くような
規範を外部世界に示し、各国もその例に従うことを期待する。だが
そうならなければそれまでで、諸外国を指導したり、実際に介入して
矯正したりというのはアメリカの責務ではない、とする思考。
第二は「リベラル国際主義」で、世界中のすべての国が国連や国際裁判所が
掲げる国際法のルールを守っ行動すべきだ、とする。各国の合意による公正や
正義のルールを破る国に対しては抑制のための直接行動も辞さないという
場合が多い。
第三は「保守的国際主義」で、アメリカには「民主的資本主義」を守る
ために、国際的な行動をたとえ一方的にでもとる責務や権利があるという
考え方。
第四は「国益現実主義」で、国際的な合意に違反があればアメリカは
一方的にでも他国に対し行動をとるべきだが「リベラル国際主義」とは
違って、その対外行動は問題そのものがアメリカの国益にどれほど
影響するかによって決められるべき、という思考。
今回のイラク攻撃は、この四つのうちどのパターンに当てはまるんだろうか?
21 :
第20軍団兵:03/09/18 02:14
レオニダスには神託が下っていて、ペルシア戦争では
スパルタは"王を失うか、さもなくばラケダイモンを失う"という内容だったので、
レオニダスは戦死するしかなかったということをヘロドトスは伝えていますね。
馬じゃなくて力じゃないの?
23 :
世界@名無史さん:03/09/18 21:05
『十字軍の思想』(山内進著、ちくま新書)より引用
「かつて丸山真男は日本的なるものを無体的な『古層』と理解し、常に
執拗低音として流れ、何かがあると表面に突出すると指摘した。この指摘は
傾聴に値する。しかし、意味合いは異なるとはいえ、この種の現象は何も
日本だけに認められるわけではない。十字軍思想という執拗低音は、
西洋とくにアメリカではいまもなお健在だと私は思う」
24 :
世界@名無史さん:03/09/19 10:33
『新ストア主義の国家哲学』、
図書館にあるかどうか検索してみたら無かった・・・鬱だ
どうしても読みたかったら自分で買うしかないのか・・・
25 :
世界@名無史さん:03/09/22 19:26
第一次世界大戦に出征した英軍兵士は、
クリミア戦争バラクラバの戦い(テニスンの詩で賛美された)に
憧れていたらしい。
26 :
世界@名無史さん:03/09/23 19:38
『十字軍の思想』(ちくま新書)を読んでいて興味深かったのが、
メロヴィング朝の名祖であるメロヴェウスが、神秘的な出生の秘密(母が海で
泳いでいたとき、海神に襲われ、身ごもったのがメロヴェウスである)を
有していたということ。
キリスト教以前のゲルマン人の王権というのは、日本の天皇家の伝承などと
あまり変わらないな、と思った。
「山内進氏て誰?」と一瞬考えたのですが、本のタイトルを見てみると
持ってました。
『北の十字軍』(読了)
『決闘裁判』(読了)
『十字軍の思想』(読みかけ)
『十字軍の思想』(ちくま新書)は、
各章ごとに、時間と空間こそが別ですが、十字軍という点で共通した流れで
時代を中世から現代へとつないでいる。また、章の始めに地図があるので見やすい
。同じぐらいの時期に出た某氏に比べて、文体も読みやすいし。まだ途中なので
これぐらいしか述べられませんが。
なにげに良スレの予感がします。山内進氏を批判するにしても氏の本を
読んだことがないと批評しずらいはず。ネタも入れにくい、厨房は入りづらい。
しかし、そうすると、人口が少ないからレスが少なくスレが落ちる予感大。
28 :
世界@名無史さん:03/09/28 20:55
>>27 山内氏は、「中世西欧の特殊性」ということを書いてるけど、
たとえば西欧で教皇権と皇帝権、聖と俗を明確に分離することができたのは
なぜなんでしょうね?
日本も含む他の文化圏だと、聖俗が分離されないままだった。
29 :
ACE ◆Z7a1IZ9GTI :03/10/06 22:04
『十字軍の思想』読了しました。
お約束的な説明では、多神教と一神教の違いということになるのでしょう。
多神教の場合、神の延長(末端)に選ばれた人間(王など)が存在するが、
一神教の場合、人と神との間に、エリコの壁(絶対破れない壁の意)が
あると……。しかし、まともに考えると「宗教とは」になりそうで……。
30 :
世界@名無史さん:03/10/19 16:24
伸びないなあこのスレ・・・
31 :
世界@名無史さん:03/10/19 18:24
みんな、十字軍でのヨーロッパ人の人肉食の話知ってる?
>>31 「アラブからみた十字軍」で読んだような・・・
べつに飢えてもないのに喰い散らかしたんだっけ?
「フランク人は犬を食う」とかいう中傷もあったらしいね。
34 :
世界@名無史さん:03/10/22 17:58
エドワード・ギボン『ローマ帝国衰亡史』より
「飢餓の絶望的な状況に追い詰められた彼らは、時折彼らの幼児もしくは大人の
捕虜の肉を焼いて貪った。
かくてトルコ人やサラセン人の間ではヨーロッパの偶像崇拝者の評判は、人食い
人種なる呼び名と風評で一段と忌まわしくなった。
ボヘモンの厨房に潜入した密偵は、串に刺されて回転しているいくつかの死体を
見せられた。
そして狡猾なこのノルマン人は、不信心者たちの恐怖と憎悪を同時に煽るこの
風評を意識的に流した」
ところで、十字軍に参加したヨーロッパ人は、補給のことを何も考えてなかったの?
だとしたら、太平洋戦争での旧日本軍みたいだな・・・
35 :
世界@名無史さん:03/11/01 19:51
参考文献がほとんどドイツ語か英語なんだもんなあ
36 :
世界@名無史さん:03/11/01 21:24
37 :
世界@名無史さん:03/11/02 00:23
日本語
要するに専門家でもない人がさらに知識を深めたいと思っても、
参考文献見てもその指針にならないって言いたいんでしょ、
>>35は。
38 :
世界@名無史さん:03/11/02 02:29
>>36 ポーランド語の文献は押えておくべきだろう
39 :
世界@名無史さん:03/11/08 00:15
十字軍が建てたエルサレム王国・トリポリ伯領・アンティオキア公国・
エデッサ伯領・小アルメニア王国などのいわゆる「ラテン国家」ですが、
これらの国々での生活はどんなものだったんでしょうね?
普通の本には国王が誰だったか、ぐらいしか書いてないですね。
>>39 「モンゴル軍のイギリス人使節」って本に割と詳しい部分があったような。
41 :
世界@名無史さん:04/01/01 00:13
良書なので喚起age
42 :
世界@名無史さん:04/01/01 23:19
『決闘裁判』の中で、山内先生の書かれている、
イングランドの巡回裁判のことを、
「...十三世紀になると、裁判官の方が地方を巡回するようになり、..」
という下りがあるのですが、
巡回裁判は十二世紀のヘンリ2世の時代にはあったし、
その祖父のヘンリ1世治世時にもその萌芽があったはずなんですが、
これはどういった解釈だか、
ご存知の方おられます?
43 :
世界@名無史さん:04/01/01 23:23
警察もない時代、犯罪の強制管轄権がなければ、王の裁判所が地方を巡回
しなければ各自治体の訴状も王に受理されず、結果的に王権も認められず
王土が分裂しちゃうから
山内進氏の『決闘裁判』は、既に読了しておりますが、どこにやったのか
見つからないのでコンテキストから判断しかねる部分がありますが、一応、
考えますと問題ないかと思います。
巡回裁判(assize)についてですが、
山内進氏が使用なさっている使い方の意味。すなわち、中央の裁判官が地方を
巡回するという意味でのassizeは、13世紀ごろからでよろしいかと思います。
12世紀のヘンリ2世治下におけるassizeは、土地占有に関する訴訟に、陪審
(Jury)が参加する裁判方法を指していると思いますが。つまり、同じ単語を、
使用していますが、狭義の意味では、13世紀からとなり。広義では12世紀の
ヘンリ2世の裁判方式を嚆矢とするのでこれを含める形を取っていると思います。
>ヘンリ1世治世時にもその萌芽があったはずなんですが
この部分に関しては、勉強不足なため把握しておりません。
46 :
世界@名無史さん:04/01/06 13:46
十字軍はイスラム側の侵略によるものでキリスト教徒に非はないという電波を受信しました。
いったいどこをどう捻るとこんな電波が出てくるんでしょうか?
47 :
世界@名無史さん:04/01/06 14:08
42です
遅くなりましたが、
ハリネズミさんありがとうございます。
eyreとassaize解釈の問題なのでしょうか。
確かに、12世紀におけるassaizeはそのように記憶していますので。
48
>ヘンリ1世治世時にもその萌芽があったはずなんですが
>eyreとassaize解釈の問題なのでしょうか。
巡回裁判と巡察裁判と分けて、実際に巡回したのが13世紀という解釈では?
巡察裁判(eyre)と巡回裁判(assize)と分けないで、ひとくくりに巡回裁判としてしまって、
ヘンリ1世が基礎を、ヘンリ2世が制度を確立をなしたとすれば、12世紀に成立という見方も
出来そうです。でも巡回裁判といっても巡回していない(?)
大体こんなものでしょうか?
eyre *1 国王と宮廷が各地を移動して法廷を開き、裁判官も移動した巡察(巡察裁判)
eyre *2 12世紀前半では国王は宮廷を(ほぼ?)固定し、裁判官のみを派遣し、州内の全訴訟
を担当する巡察裁判。自由土地保有者(Freeholder)が全員出席が求められた。
思い罰金などで批判があいつぎ、13世紀末頃から、assize *2に取って代わられる。
assize *1 12世紀後半のヘンリ2世治下における、土地占有に関する訴訟に、陪審(Jury)
が参加する裁判(方法)。
assize *2 13世紀頃からassize *1の裁判を中央の裁判官が地方を巡回し、同世紀末頃から制度化され
た巡回裁判。同世紀末頃から財政負担なのが軽かったのでeyre *2にとって代わった。