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世界@名無史さん:
わが国を「侵略戦争」を行なったと断罪したいわゆる東京裁判とその後
の占領軍とそれに迎合する人々によって歴史教育ひいてはマスメディア
に定着せしめられた「東京裁判史観」に対する批判は、ようやく広く世
に知られるようになってきた。しかし、ナチス・ドイツの指導者を裁い
たニュルンベルク裁判に対する批判は、わが国ではあまり知られていな
い。東京裁判に問題点があるとすれば、その先例かつ模範であったニュ
ルンベルク裁判にも当然同じような問題があり、いわゆる「東京裁判史
観」に問題があるとすれば、ナチス・ドイツを「侵略国」として断罪し
た「ニュルンベルク裁判史観」(このような用語はないが)にも当然同
じような問題があるはずである。だが、「東京裁判史観」を批判する人
々も、ややもすれば、ニュルンベルク裁判で戦勝国側が「証拠」として
確定した事例をそのまま鵜呑みにしてナチス・ドイツの「国家的犯罪」
を糾弾している。だが、東京裁判と「東京裁判史観」に対する批判は、
当然にも、ニュルンベルク裁判と「ニュルンベルク裁判史観」への批判
に行き着かなくてはならないはずである。
ニュルンベルク裁判の法律上の最大の問題は、東京裁判と同様に、事後
法=遡及法によってナチス・ドイツの指導者を告発したことであった。
訴因の主なものは、平和に対する犯罪、人道に対する犯罪、通常の戦争
犯罪、以上の犯罪を共謀・組織・実行した犯罪であるが、このうち既存
の国際法のもとでは、通常の戦争犯罪(捕虜の虐待、民間人の殺害その
他)だけが、犯罪として法律的に認められたものであった。「法律なく
して刑罰なし」という罪刑法定主義は、為政者の恣意的・専制的な権力
の行使を阻止する目的で長年にわたって達成されてきた近代の民主主義
的な法律制度の根幹であった。したがって、これに違反するニュルンベ
ルク裁判は、当時の戦勝国の憲法に照らし合わせても、まったくの憲法
違反であった。