エカテリーナ女帝はイギリスの議会がロシアに対していくつもの敵対的な宣言を打ち出した事で、
英国政府に不満を抱いていた。ちょうどその頃、イギリス大使が接見を願い出たので宮廷に呼ぶ。
大使が書斎に入った時、女帝の小犬が激しく吠えながら彼に飛び掛かったので、
大使はすこし困った顔をした。だが女帝は仰った。
「大使、ご心配なさいますな。犬は吠えてはいますが噛みつきはしないので、危険はありません」
エカテリーナ2世当時の権勢ぶりを物語るロシアの古典アネクドートの一つだが、
適当にいじると色々なバージョンが作れそうな気がする。