>>857 だいぶ違うような。
(親王の要件について)
1.天武朝のころ,天皇との親族関係(兄弟及び子供)を親王の要件とする原則を定めた。
→親族関係の要件を満たせば,当然に親王となり,逆もまたしかり。
2.淳仁天皇が,王でありながら天皇になっため,それまで王であった者が親王の要件を満たす事態が生じた。
→親王宣下により,非親王を親王とすることが行われる。
3.嵯峨天皇が,自分の皇子の一部を臣籍に落とした(賜姓源氏)。
→親族関係の要件を満たしているのに,親王となれない場合が生じる。
4.平安期以降,天皇の皇子であっても,親王宣下がなければ親王になれなくなる(ex.以仁王)。
→逆に,親王宣下があれば,親族関係の要件に関係なく親王になれる(宮家の成立)。
5.明治の皇室典範で,天武朝の原則に近い形に戻る(但し,親族関係の要件が,天皇から四世までと広がる)。
6.戦後の皇室典範では,天皇から二世までと,親族関係の要件が厳しくなる。
(王の要件および皇籍離脱について)
1.天武朝の原則では,天皇の玄孫の子(五世王)より後は,「王」と名乗って良いが「皇親」ではない。
2.明治の皇室典範では,五世以下は,すべて王であり,皇族である。
3.現在の皇室典範では,三世以下は,すべて王であり,皇族である。
4.したがって,代数を経ることによっては,当然に「皇籍離脱」は生じない。