1 :
世界@名無史さん:
時は19世紀。フランスはパリ。『ル・ドゥミモンド(半分の世界)』というタイトルの
戯曲が上演されて大人気! でも何? この変な造語…、どんな意味?
第一、これは小説の『椿姫』じゃないの? 作者のデュマ・フィスは答えて言った。
「我々の上流社交界では、パーティーなどに出席する際、夫婦揃って出かけるのが常で
ある。しかし半分(ドゥミ)つまり男だけしか行かない社交場がある。それが彼女達、
高級娼婦の家なんだ。」それまでは「クルティザンヌ」と呼ばれていた高級娼婦は、
それ以来、「ドゥミモンデーヌ」とも呼ばれるようになった。彼女たちは小説家たちの
モデルになったばかりではない。「ドゥミモンド」では、対立関係にある男たちの秘密の
会談も行われた。『椿姫』のモデルであったマリー・デュプレシスからココ・シャネル、
さらにマレーネ・デートリッヒ演じる『間諜X27』まで、裏社会に生き、陰で男たちを
操った女たち、強かで、儚く、美しい、ドゥミモンデーヌの歴史を語ってみよう。
2 :
カルメンシータ:03/03/12 20:53
はじめまして〜! あたくし、1ですのよ。カルメンシータって呼んでくださいませね。
マリー姐さんやココ姐さんみたいな、財政界に影響を及ぼすほどの大物カリスマでは
ありませんけれど、姿の見えない半世界、2chという「ドゥミモンド」に棲息している
「ドゥミモンデーヌ」の一人ですの。だぁれ? 「ネカマっぽい」なんて言ってるの…。
はじめにお断りしておきますが、これは「売春の歴史」とは、全く違いますの。
高級娼婦は、普通の売春婦とは全く別格ですのよ。その証拠をご覧にいれますわね。
1872年12月26日のフィガロ紙に、次のような記事が載りましたの。「共和国となった
フランスから、二人の大物が姿を消した。ナポレオン公とコラ・バールである」…と。
コラ・バール姐さんは、ナポレオン公の愛人だった「ドゥミモンデーヌ」ですけれど、
彼女がどれほどの大物だったか、この記事でもおわかりになるでしょう?
コラ・バール姐さんの物語は、後でゆっくりお話しいたしますが、ナポレオン公が亡命し、
ロンドンで彼女に再会した際、イギリス人は、彼女を妃のクロチルドと勘違いし、大歓迎
してしまったというエピソードがありますのよ。ナポレオン公がイギリスに到着するより
少し早くイギリス入りした彼女が、ロンドンの最高級ホテルのスウィートを予約した際、
前金を一か月分払ったにもかかわらず、彼女の職業を知ったホテルは、前金の返却を拒否
した上、彼女を追い出してしまったというのに…。イギリスって、肩書きが立派なら、
意味も無く尊敬される「階級制」の国ですのね。それともピューリタンの堅苦しい道徳観
とやらのせいなのかしら…。あたくし、イギリスという国は、あまり好きになれそうに
ありませんわ。コラ・バール姐さんも、パリでは、「超大物カリスマスター」で、どんな
高級ホテルでも社交界でも出入り自由でしたのよ。
3 :
カルメンシータ:03/03/12 20:54
長くなって申し訳ありませんが、1に書いた『椿姫』のタイトルのことも少し付け加えて
おきますわね。初めに書かれた小説は、"Le Dame aux camelias"、文字通り『椿姫』。
次に出された戯曲が、"Le Demi-mondo"、これは、無理やり日本語にすると「花柳界」と
でも訳しますかしら。そして、ヴェルディのオペラは、"La Traviata"。「道に外れた者」
という意味ですわね。オペラのプログラムなんかを拝見すると、『ラ・トラヴィアータ』
とそのまま書かれていることも多いようですわ。
では、皆さま、このスレをよろしく〜。今日はこれで失礼させていただきますわね。
4 :
世界@名無史さん:03/03/12 20:55
ち、4かよ
5 :
世界@名無史さん :03/03/12 20:55
売春婦の行き着く先は、病院か刑務所で野垂れ死にさ。
6 :
世界@名無史さん:03/03/12 21:01
(^^)
8 :
カルメンシータ :03/03/14 01:00
>
>>5 チッチッチッチ! こういう甘ちゃんがいるから困るのよね。
きっと貴女なんか、ホワイトディにプレゼントの一つも貰えないブス子ちゃんなんでしょうね。
あるいは、知性にも容姿にも恵まれていない可哀相な奥様? どちらにしても、ご愁傷様。
億万長者になって、優雅に天命を全うした姐さんはいくらでもいましてよ。
そんな貴女に、「マキシマム嬢(最高に高くつく女)」のお話しをしてさしあげましょう。
彼女の名はレオニード・ブラン。それほど美人でもグラマーでもないのに、一度でも彼女に
会った人は、その魅力の虜になり、逃れることはできなかったといわれています。
彼女の最大の武器は、その頭の良さ。「若さ」さえも彼女の才能と知性の前には平伏してしまったようです。
50歳に近いレオニードに、あの有名なルイス・ティファニーが、おびただしい宝石を送ったことは有名です。
彼女が、若い青年とデートしていることが発覚して、ティファニーは去っていきますが、
それまでに送られた宝石類の数は夥しく、「アラジンの宝石洞窟」と呼ばれるほどだったそうですのよ。
女性たちの憧れの的のティファニー。
>>5さんはプレゼントされたことがありまして?
あたくしは、・・そうね、プレゼンの中で一番嬉しかったのは、ティファニーよりも、カルティエのリングかしら。
「トリニテ」とかいう、3つのリングが合わさったやつ。最近わかったんですけど、カルティエのそのデザイン、
もともとは、ジャン・コクトーが恋人のレイモン・ラディゲに送ったリングなんですってね・・・。
あたくしにプレゼントしてくれた人、そっちの気もあったのかしら・・・・・、なんて、まあ、どうでもいいわ。
・・・では、お幸せなホワイトディを・・・。明日はデートですから、ココへは来ませんわよ。おぼわー!
9 :
世界@名無史さん:03/03/14 01:05
はじまったよ。カメレオンの狂気が。
モニターの向こうに手前勝手な人格すえて正気の沙汰じゃない
DJトークが。
まったく、ファンだぜ。素晴らしいようん
10 :
カルメンシータ:03/03/14 01:38
>>9 ありが十。狂気でも侠気でも何でもいいわ。カメレオンでも亀でもおかめにでもなってみせますわ。
一人のファンを獲得するためなら、セーヌ川を服を着たまま泳いでもみせますわよ!
こんなあたくしも、陰ながら、あなたのファンですのよん。どんなに叩かれても決して負けない不屈の精神、
転んでもただでは起きないサモシイ精神・・・貴女に学ぶべきものはまだたくさんあると思いますわ。
・・・でも役者は観客に正体を晒すものではなくってよ。貴女って、まだまだ修行がたりないわ。
ばればれですわよ。・・・そんな貴女にも、レオニード姐さんは、是非とも見習ってほしい先輩ですわよ。
レオニード姐さんはね、オデオン座に女優として出ていたことはあるんだけど、コメディー・フランセーズの
舞台には、一度も立ったことはないの。でも、出演したことのないコメディー・フランセーズの恩給支給者
名簿の中には、彼女の名前があるのよね。役者としての評価が高かったっつうか、したたかだったっつうか、
とにかく、年をとっても、生活の心配なんかなかったのよね。「太っ腹」っていうか、カッコイイってえか、
まあ、「男気」のある「ドゥミモンデーヌ」だったわけよ。
・・・あ、これ以上夜更かしすると、お肌にひびくわん。
お肌はね、3時までに寝ないとリフレッシュされないらしいわよ。
>>9さんもお休みー!
11 :
カルメンシータ:03/03/15 10:57
ぼんじゅー! さりゅ? みなさま、よいホワイトディをお過ごしになられまして?
あたくしは都内のレストランでフレンチをいただきましたの。もちろんジャンパーニュで乾杯!
でも、同じレストランで、ドンペリを飲んでいるテーブルが3つもあって、ちょっと驚きましたわ。
不景気とはいえ、お金のあるところには、あるものですのねぇ・・・。
お金持ちといえば、贅沢のかぎりをつくし、伯爵夫人にまでおさまった、ラ・バイヴァ姐さんのこと、まだ
お話ししていませんでしたわね。彼女がパリのシャンゼリゼの近くに大邸宅を建てたとき、その祝賀パーティに
招待された大勢の著名人の中に、ヨーロッパ随一のお金持ち、ロスチャイルド男爵もいらっしゃいましたの。
パーティの後、自宅へ戻った男爵は、「ラ・パイヴァの屋敷に比較すれば、我が家は、あばら家同然だ」と
嘆息したと伝えられておりますわ。
12 :
カルメンシータ:03/03/15 10:58
ラ・パイヴァ姐さんの本名は、テレーズ・ラフマン。1819年、モスクワのユダヤ人街で織物職人の娘として
生まれました。でも、幼少の頃から、彼女には奇妙な噂がつきまとっていましたの。魔女の子であるとか、
コンスタンチヌス大公の私生児であるとかいう噂・・。いずれにしろ、不思議な雰囲気のある美少女だったようです。
17歳の時にモスクワの平凡な仕立て屋と結婚。子供も生まれました。でもその小市民的な生活にあきたらず、
2年後、彼女は夫と子供を捨ててパリへと旅立ってしまいます。まもなく、フランス人のピアニストで、大金持ちの
ヘルツと結婚(重婚)します。ヘルツは新妻を紹介しようとチュイルリー宮殿へ出向きますが、ルイ・フィリップ王も
妃のマリー・アメーリも、正規のものではないこの結婚を認めず、テレーズと会うことを拒絶したといいます。
このことが彼女の自尊心をひどく傷つけ、生涯、フランスに対する恨みと復讐心を抱かせる結果となってしまいます。
そんな妻の心を慰めようと、ヘルツはサロンを開きます。サロンに集まった芸術家の中には、リヒャルト・ワグナー、
フランツ・リスト、テオフィル・ゴーティエ、エミール・ド・ジラルダンなどがいました。
・・・でも、そんな贅沢な日々は長くは続きませんでした。ついに財産を使い尽くしたヘルツは、一攫千金を求めて、
単身アメリカへ・・。シャンゼリゼ近くのみすぼらしいホテルに一人残されたテレーズは、重病にかかってしまいました。
生命の危機に瀕した病床のテレーズは、ゴーティエを呼びつけて、次のように言ったそうです。
「私はもう助からないかもしれないわ。でも、もし良くなったら、針仕事なんかして、惨めな一生を送るつもりはないわ。
いつかこのシャンゼリゼの近くに、パリで一番立派な邸宅を持つつもりよ。あなた、この言葉、よく覚えておいてね」
・・そして、助かった彼女は、この言葉を実行すべく、行動を起こしたのです。
13 :
カルメンシータ:03/03/15 10:59
1849年、モスクワに残してきた夫が亡くなったので、正式に結婚することができるようになったテレーズは、
貴族の称号を得るために、ポルトガルの貴族、パイヴァ伯爵と結婚します。パイヴァ伯爵夫人「ラ・パイヴァ」となった
テレーズは、パイヴァ伯爵をポルトガルへ帰し(つまり用済みの貴族はお払箱にして・・)、ドゥミモンデーヌ、
「ラ・パイヴァ」としてデヴューすることになります。失意のうちにポルトガルへ帰ったパイヴァ伯爵は、
彼女の面影が忘れられず、ピストル自殺してしまったそうです。
フランスへの復讐と野心の権化と化した「ラ・パイヴァ」の野望は爆発します。11歳年下のプロイセンの若い貴族、
ドンネルスマルク伯爵(彼はビスマルクの親友で、ビスマルクのスパイだったと言われています)の心を射止めることに
成功し、1856年には、前述のシャンゼリゼ近くの大邸宅を建て、「フランス帝国を崩壊させた女」と呼ばれるに至るまでの
彼女の波乱の生涯は、すぐには語りつくすことができません。あたくしも少々疲れてしまいましたので、この続きは、
また日を改めさせていただくことにいたしますわ。それでは、みなさま、あびあんと〜!
14 :
世界@名無史さん:03/03/16 06:36
>>カルメンシータ
サバティエ姐さんについて語ってくれい。
15 :
カルメンシータ:03/03/16 11:03
>>14 あろ! さば?
「サバティエ姐さん」ですって? その方、あたくしはよく知らないわ。教えてくださる?
ドゥミモンデーヌでいらっしゃるなら、きっと一流の方ではないんでしょうね。ぶすっぽいお名前・・・。
あ、でも、ノーベル賞を受賞されたムッシュ・ポール・サバティエなら少しは存じ上げていましてよ。
え〜、スペルは、Paul Sabatier でよかったかしら? 1854年に生まれて、1941年に亡くなられた、
有機化学の専門家でいらっしゃるわよね。なんでも、ニッケルなどの金属触媒による不飽和有機化合物の
水素添加反応を組織的に研究なさったとか・・。でも、14さんは、無粋な方ねぇ。
亀の甲羅つなぎ合わせたような化学記号を思い出させるお話、このあたくしにさせるなんて・・・。
(よほど「亀」がお好きなのね・・・)化学板もあるそうぢゃないですか、そちらへいらっしゃれば?
あたくしと貴女とは、「スレちがい」の仲ですのよ。粘着はやめていただきたいわ。
そんな貴女には「ばてあん!」と言ってさしあげますわ。
日本語では「逝ってよし!」とか言うらしいですわね。
16 :
世界@名無史さん:03/03/16 19:03
>>カルメンシータ
ボードレールの『悪の華』のモチーフとなった女性で、‘女大統領’とまで
呼ばれたあのアポロニ・サバティエを知らんのか?もういい。藻前の程度は
知れたから…。
17 :
カルメンシータ:03/03/17 00:35
>>16 おぉーほっほっほっほっほっほっ! ぼんそわ。まだむ、こまんたれぶ?
見事にひっかかってくださいましたわね。
ドゥミモンデーヌの中でも最高の美女、気品と才知にかけて、彼女の右に出る方はいないとまで
言われた方のことですもの。存じ上げない筈などございません。ただちょっと、あたくし一人が
お話しし続けているのも、少し飽きてしまったので、
>>14さんが、ご存知のことがおありだったら、
お話していただきたいと思って、サバティエ姐さんのこと知らないなんて、ばっくれてみましたの。
ほほ・・あしからず。「もういい」なんておっしゃらず、「あのアポロニ・サバティエ」のこと、
もっとお話ししてくださいな。
サバティエ姐さんといえば、テオフィル・ゴーティエの『サバティエ夫人への手紙』が有名ですわよね。
そのタイトルはよく耳にしますが、残念ながら、あたくし、ゴーティエは読んでおりませんの。
どんな内容か、もしご存知でしたら聞かせていただきとうございますわ。あ、あと『悪の華』には、
サバティエ姐さんがどんな風に描かれていますの? 詩のタイトルだけでも教えてくださいな。
たぶん『悪の華』は持っていたと思いますから、早速、読みなおしてみますから・・・。
>>14さんは
>>16さんですわよね。(もしかして
>>4さん
>>5さん
>>9さんも同じ方? まさかね?)
いつまでも番号でお呼びするのも面倒ですから、あたくし、勝手に貴女のコテハン名を考えましたわ。
「マダム・ド・サンジュ」さん。いかが? 美しいお名前でしょ?
これからはこう呼ばせていただいてもよろしくて? お返事がなくても、もう決めましたわ。
では、ぼんにゅい! マダム・ド・サンジュ! (「サンジュ」のスペルはsingeですわよ!)
18 :
カルメンシータ:03/03/17 00:41
>>14さんは
>>16さんですわよね。(もしかして
>>4さん
>>5さん
>>9さんも同じ方? まさかね?)
いつまでも番号でお呼びするのも面倒ですから、あたくし、勝手に貴女のコテハン名を考えましたわ。
「マダム・ド・サンジュ」さん。いかが? 美しいお名前でしょ?
これからはこう呼ばせていただいてもよろしくて? お返事がなくても、もう決めましたわ。
では、ぼんにゅい! マダム・ド・サンジュ! (「サンジュ」のスペルはsingeですわよ!)
19 :
カルメンシータ:03/03/17 00:43
きゃあ! 二重書き込みしてしまいましたわ。ごめんあそばせ!
恥ずかしい・・・。 もう寝ますわ。皆様。
20 :
カルメンシータ:03/03/17 10:57
倦怠している風姿
軽はずみな風姿
不貞くされた風姿
冷たい風姿
自分の心の中をみつめる風姿
尊大な風姿
強情な風姿
意地わる気な風姿
病気のような風姿
猫のような、子供らしさと無頓着さと狡猾さのまじった風姿
ボードレール詩集『火箭』より(矢内原伊作訳)
21 :
カルメンシータ:03/03/17 10:58
ぼんじゅー、マダム・ド・サンジュ! よくお休みになられまして?
ムッシュ・ボードレールの詩をみつけましたので、転載させていただきましたわ。
あ、『悪の華』ではなく、『火箭』の方にしましたから、『悪の華』はよろしくねん!
でも、ムッシュ・ボードレールは、女性に対して偏見を持ちすぎていらっしゃいますわよね。
彼の女性に関しての有名な言葉、ご存知? 「さかりがつけば、されたがる」ですって!
(昼間っからお下品で、ごめんあそばせ〜)
まあ、世の中には、そういったむきの女性がいないとは申し上げられませんが、少なくても
知性あふれるこの世界史板の女性にはあてはまらない言葉だと、あたくしは思いますのよ。
まあ、でも世界史板には「人間」でない方もいらっしゃいますから、・・びみょう〜ですわね!
22 :
世界@名無史さん:03/03/20 00:37
日本で言えば○姉妹のこと?
23 :
カルメンシータ:03/03/21 11:01
>>22 あんしゃんて〜! 世界@名無史さん。
○姉妹さんですって? お顔とプロポーションはまあまあですわね。
でも、ドゥミモンデーヌとしてはまだまだ・・・。一流と言われるほどのお方なら、今日あたりはてれびに出まくって、
あめりかのいらん攻撃について、コメントを求められているはずですわ。
政治的立場も、自分の意見も明確にし、社会的影響を与える存在になってはじめて、「ドゥミモンデーヌ」と呼ばれるに
相応しい女性となることができるのですわ。でも、○姉妹さんは、「鬼女板」なんかで、カキコしている奥様より
「数段まし」ですけれど・・・。ほほほほほ・・・。あら、ごめんあそばせ。
あたくし、未婚ですから、こんなこと書くと、既婚女性に偏見を持っているなんて言われてしまいますわね。
「女はばか」と決め付ける方もいらっしゃるし・・・。
近頃は世界史板も住みにくくなりましたわね。おぼわ〜。
24 :
カルメンシータ:03/03/21 11:10
あら? あたくしとしたことが、「いらん」なんて書いてたわ。
「いらく」ですわね。ごめんあそばせ〜。
25 :
カルメンシータ:03/03/26 09:55
ぼんじゅ〜! めだむ、めどもわぜる、え、めっしゅー!
あたくし、5日ほど、旅に出ることになりましたの。
このところ、マダム・ド・サンジュさんもいらっしゃらないし、旅行している間にこのスレが落ちてしまわないよう、
ほしゅあげさせていただきますわね。あしからず。
今日は、あまり時間がありませんので、姐さんたちのお話は、また今度・・・。
そういえば、○姉妹の妹さん、ちょこっとだけ、てれびでお話していらっしゃいましたわね。
平成のドゥミモンデーヌとして、がんがっていただきたいですわ。・・・それでは、おぼわ〜!
26 :
カルメンシータ:03/04/13 12:13
ぼんじゅー! おひさ〜! 5日なんていいながら、長いことお留守にしてしまってごめんあそばせ。
お詫びに今日は、とっておきの面白いお話をしてさしあげますわ。
ドゥミモンデーヌが小説のモデルになったというお話はよくありますけれど、逆に小説の主人公に
なろうとしたあるお方のエピソードです。小説の作者はかの有名なザッヘル・マゾッホ氏。
もちろん、「サド・マゾ」の語源になったマゾッホさんですわよ!
彼の書いた小説に『プラトンの愛』というお話がございますの。その中に出てくるアナトールという名の
娼婦は常に男装をしている享楽的な女性で、この小説は、彼女を「男として」愛そうとした同性愛者ヘンリックと
アナトールとの愛の交渉を描いたものなんですの。
1877年の11月初め、当時オーストリアに住んでいたマゾッホのもとに、次のような短い文面の手紙が届きました。
「君の内なる《新しきプラトン》はいまだ死なずや? 君の心には、愛には愛を報いる用意はありや?
もし君の願望が偽りでなければ、君は求むるものを得たことになろう。
君のものたらんが故に、君のものなる・・・・ アナトール」
(「穴取る」なんて下品な駄洒落言わずに聞いてくださいませね。・・って言ってんのは自分かよっと
勝手に突っ込んでおきますわ。ぶっちゃけ穴があったら突っ込みたい・・なんて・・おほほ! 失礼。
でもマゾッホさんは同性愛趣味は全くなかったそうですのよ)
27 :
カルメンシータ:03/04/13 12:14
この手紙を受け取ったマゾッホ氏は、おおいに好奇心を刺激され(しかし、同性愛趣味はないので)、
相手は「男装の麗人」であると思い込み、かなり熱心な返事を書いちゃったんですの。
すると、「アナトール」からも矢継ぎ早に返事が来たのです。しかもその手紙の発信地はザルツブルグ、
ウィーン、パリ、ブリュッセル、ロンドンとヨーロッパ中の諸都市を転々としている様子です。
「アナトール」はたいへんなお金持ちで、身分のある人らしく、正体を隠したがっているらしいことは
明らかでした。そしてマゾッホとは、手紙による交渉(すなわち精神的なプラトンの愛)しか求めて
いない様子でした。それなのに、マゾッホ先生の方は「アナトール」に一目会いたくてたまらなくなって
しまいましたの。だって、彼は、これほど熱烈な、これほど長文の、これほど文学的な修辞や表現に優れた、
これほど教養ありげな筆跡で書かれたファンレターをこれまで受け取ったことがなかったんですもの。
「アナトール」は、欲求不満に悩む女王然とした貴族の女か、ヨーロッパ中を叉にかけて遊びまわる
高級娼婦に違いないと信じたマゾッホの強い要望に負けて、アナトールはついに会見の場所を
指定してきました。Mの趣味の人にはたまらない、こんな条件でしたのよ。
【まず、場所はミュルツ河畔の小都市ブルック。マゾッホは指定の時間に汽車に乗り、指定のホテル
ベルナウエルに部屋をとる。部屋はカーテンをぴったり閉めて真っ暗にしておかなければならない。
マゾッホは椅子に腰掛け、目隠しをして待っていなければならない。そして深夜12時、ドアを3回
ノックする音が聞こえたら、3回目のノックのときに「どうぞ」と言う。ただし、決して椅子を離れて
動いてはいけない。】
28 :
カルメンシータ:03/04/13 12:15
・・・さて、約束の時間、先生は、期待に胸を膨らませて、指定されたとおり、ホテルの部屋で
目隠しをして待っていました。そしてついに、時計が12時を打ち終えたとき、階段を上ってくる足音が
聞こえたのです。ああ! ・・しかし、その足音は明らかに男のもの。思い込みの激しいマゾッホ氏が、
ホテルのボーイだろうと思って、目隠しを外そうとしたとき、ドアを3回、ノックする音が聞こえました。
「どうぞ」・・彼は震える声で言いました。そして入ってきた人の気配は・・・やはり男だったのです!
(マゾッホ先生、さぞがっかりしたでしょうね。あは・・いい気味・・)
男は、マゾッホ氏よりもずっと若く、背も高い様子でした。二人並んでソファーに腰掛けると、
男はきれいな声で言いました。「あなたは、女が来ることを期待していたのではありませんか?」
失望を隠し、平静を取り戻した先生(マゾッホさんは、熟練した遊び人ですからね!)は、不味いことに
ならないよう用心しながら、男女3人のセックスを成立させる「3人目の男」の話をしながら、自分の妻の
ワンダがいかに魅力的であるかを力説したそうですが、男はもっぱら精神的な愛の話をするばかりで、
自分は一度も女性に接したことがない、と告白をする始末でしたの。結局、あまりにもお互いの
イメージが異なっていたため、この会見は不成功(なにが?)に終わったようですが、男は別れ際に、
先生の手に熱い接吻をしていったそうです。(ゲッ! 気色わる・・・と思ったでしょうね、彼・・・)
29 :
カルメンシータ:03/04/13 12:15
それでも、マゾッホ先生とアナトールの文通は続きました。相手が男と知ってしまったので、一時の情熱は
失せたものの、アナトールがいかにも高貴な身分を感じさせる男だったため、妻のワンダと3人でしたい!という
欲望は、まだ先生の胸の中に燻っていたんですの。(いやーね。殿方って、下半身のことばかり考えてるんだもん)
アナトールはようやく、夫妻と3人で会うこと承諾し、またホテルを指定してきました。
でも今度は、マゾッホ先生、一計を案じて、妻のワンダを一人だけホテルに行かせたのです。
(まあ、女性経験がないと言ってたし、いきなり襲われることはないだろう、と踏んだわけよね)
ボーイに案内されてワンダが行った部屋は、やはり真っ暗でした。「アナトール」に手をとられたワンダが、
ソファーに腰をおろすと、彼は子供のような甲高い声で話しかけました。しかも並んで座ってみると、
アナトールはワンダよりもはるかに背が低く、マゾッホの会った相手とは別人であることは明らかでした。
騙されたと思ったワンダは、憤然と部屋を出て、一切を夫に報告したのです。
「アナトール」は二人いたのか、またその正体は誰だったのか? 実はあっと驚くような人物ですのよ!
このエピソードはワンダ(マゾッホの小説『毛皮のマリー』の女主人公の名をペンネームにしている
オーロラ・リューメリンという女性)の『告白録』の中に書かれているのですが、全くの嘘ではないようですわね。
でも・・・このミステリーの結末は、お・あ・ず・け! ・・・また、後ほど書くことにいたしますわ。
お暇な方、どなたか、「アナトール」の正体を当ててみませんこと?
ヒントをさし上げるとね、一人は、この世界史板にもその名前のスレがあるほど有名なお方ですのよ。うふ・・・。
正解なさった方には、「カルメンシータ」から熱い接吻を送りますわ。
もう一人はあまり知られていないけれど、オランダの王子様・・・なんちゃって・・・。
「アナトール」を名乗った人物を二人とも見つけ出した方には、ご褒美に「カルメンシータ」の正体を
教えてさしあげてもよくってよ! ふふふ・・・。それでは、また! おぼわ〜!
(^^)
31 :
カルメンシータ:03/04/19 10:38
さりゅ!("Saru!"ではございませんことよ。"Salut!"ですわよ!奥様!・・日本語では「ごきげんよう」って意味ですの)
どなたもレスくださらないようですけど、気にしないで、一人語りを続けさせていただきますわね。
(どーでもいいことですけど、あたくし「婆」じゃございませんことよ。1967年生まれですから、若くもございませんが・・・
それに、生まれも育ちも・・生粋の江戸っ子でぃ!ってことで、阪神ファンでも、子持ちでもありませんからね! 念のため・・)
さて、続きです。ワンダがアナトールに会いにホテルへ行った翌日のことです。マゾッホ一家が朝食をとっていると、
玄関のベルが鳴りました。女中が手紙を持ってきて、「お客様が外で返事を待っている」といいます。
手紙は昨夜の「アナトール」からで、「奥様一人だけとお目にかかりたい」というものでした。
仕方なく、ワンダが彼を私室に招き入れると、そこには子供のような畸形の、悲しげな顔をした青年が立っていました。
今にも泣き出しそうなおずおずとした様子に同情したワンダが青年の手をとると、彼は跪き、ワンダのスカートに顔を埋めてこう言いました。
「もう二度とお目にかからないつもりですから、今夜、もう一度だけ、ご夫妻で国立劇場に来ていただけませんか。
芝居が終わったら、大聖堂の前に馬車をとめておきますから、そこで最後の握手を交わしてください・・・」
国立劇場の芝居が終わった後、約束通りマゾッホ夫妻が大聖堂の辺りへ行くと、そこには一台の立派な馬車がとまっていました。
近づくと、馬車の窓が開いて、仮面舞踏会用の黒ビロードの仮面を被った顔が現れ、二本の腕が差し出されました。
ああ・・・、それは明らかに逞しい男の腕で、昨夜の青年の、子供のような畸形の腕ではありません。
男はまず、マゾッホの手に長い接吻をすると(その気色悪い感触は、明らかに最初の「アナトール」のものでした!)
ワンダの手にも儀礼的に唇を押し付けました。無言のうちに交わされたこの挨拶の後、馬車は静かに動き出し、
マゾッホ夫妻は、その後、二度と「アナトール」からの手紙を受け取ることはなかったのです。
32 :
カルメンシータ:03/04/19 10:39
マゾッホ夫妻の遭遇したこの不思議な出来事には、もちろん後日談がありますのよ。でも、それはまた、お・あ・ず・け!
「アナトール」の正体は、まだ、どなたもお分かりにならないんですの? 世界史板なのに、だめだめさんたちですわねぇ・・・。
仕方がないから、もう少し、ヒントをさし上げてよ。子供のような畸形の青年は、1884年、33歳の若さで亡くなったそうです。
病弱で、王位継承者でありながら、その肉体的欠陥のために不遇な生涯を送られた、お気の毒な王子さまですわ。
もう一人の「アナトール」は、その二年後、シュタルンベルク湖に溺れて死んだということです。享年41歳・・・。
ヒント出しすぎかしら〜、おほほほ・・・。では、また、おぼわ〜!
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
34 :
カメレオンI世 ◆5x.rm/pgdQ :03/04/21 03:29
皆、知っていたと思うが、「カルメンシータ」は俺だ。サン・ジュストスレに書いたように、
俺は世界史板から足を洗うことにしたので、このスレも続けることができなくなった。
中途半端になって申し訳ないが、簡単に答えだけ書いておく。マゾッホが会った「アナトール」は
ルードヴィッヒ二世、ワンダが会ったのはオランダのヴィレム三世の長男、アレクサンデル王子だ。
なんですか?このスレは?
36 :
カメルンシータ:03/04/26 07:36
カルメンシータではありませんことよ。カメルンシータですの。
コテハンスレでご挨拶しましたけど、中の人はカメレオン兄貴じゃなくて、アルルカンどえす。
19世紀の歴史には詳しくないけれど、女優さんたちのお話ならまかしといて!っていっても、
きょうはもうバイトに行く時間ですわ。とりあへずほしゅあげってことで、またね〜。
37 :
カメルンシータ:03/05/21 02:01
カルメンシータはどこにいる?
・・・そう、あれは一昨日の深夜だった。
なんだか懐かしい人の気配がするので、辺りを彷徨してみると、
職人の格好をしたカルメンシータが、
可愛らしい猿の絵を描き終わったところだった。
・・・バイト忙しいし、公演間近なんで、ろくな書き込みができなくて、ごめんなさい。
ただの保守あげです。
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
39 :
カメルンシータ:03/05/23 02:47
カルメンシータが好きだった、美男子サン・ジュストスレッドに、カルメンよろしく
薔薇を一輪、口にくわえた天使が現れた。ちょっと怪しいその気配。
まあいい。君にはコクトーのこの詩の一節を捧げよう。堀口訳ではご不満か?
天使ウルトビーズよ、『天使祝詞(アベ)』を唱えろ。
片足は亀に載せ、片足は翼に載せ、つまり羽根と
砲弾で軽業をするわけだ。
名無しの2chであえてコテるカメレオンシータの心情。
・実生活では誰からも必要とされていないカスが掲示板だけでは皆の注目を浴びたい。
・コテを長く演じていると良コテと化しそれを一つの人格とする。
なかなか言いたいことも言えなくなる。中には当てはまらないのも居るが…。
・所詮は社会不適格者。活動時間諸々でそいつの生活リズムが分かる。
・こういうことに釣られて「今日は休暇」とか必死になって反論する香具師は100%当てはまる。
結果、串を刺して暴れる(藁
41 :
カメレオンシータ:03/05/24 11:10
>40
ようこそ〜!、お客様。あたくしの性格分析ですの?
せっかく性格分析までしていただいたので、あたくし、HNを「カメレオンシータ」に変えましたわ。
お客様は、あたくしをよくご存知でいらっしゃるのね・・・、ひょっとして、貴女はマダム・ド・サンジュさん?
いいえ、お答えくださらなくても結構よ。あたくしにはちゃ〜んとPCに張り付いている貴女のお姿が見えますわん♪
煽りも叩きも大歓迎ですわ! お客様の罵声、声援、笑い声は、何よりも役者の芸の肥やしになるんですから。
・・・とは言っても、後で、とやかく言われるのは嫌ですから、先にお断りしておきますけどね、あたくし、
カルメンシータ姐さんじゃありませんことよ。姐さんよりも若いんですけど、ちょっと太めで、顔はイマイチな女ですの。
でも、芸の上では、負けません。(ゲイじゃありませんわ! 芸ですわよ! カルメンシータ姐さんらぶ(ハアト)ですけど)
お客様の笑いをとることでは、右に出る者がいない、と言われた役者根性で、がんがっていく所存ですので、よろすく。
では、お客様(マダム・ド・サンジュさん)、またのご来場をお待ちしておりま〜す♪
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
ね〜ぇ、皆様、あたしの名前、ご存知?
あたしのことを詩に書いてくださった方がいらっしゃるのよ。
う・ふ・ふ!それも、「魅惑の美女」だなんて〜!
いや〜ん!あたし、恥ずかしいわん!
でも、さりげなく、その詩をご紹介しちゃったりなんかして(^^)
彼はブランコを揺すっていた。
観客の上、死の上、滑稽の上、悪趣味の上、無作法の上、スキャンダルの上で、
落ちることなく。
この魅惑の美女に、あたりのしがない女たちは皆、すっかり霞んでしまった。
彼女たちは色褪せ、醜くなった。
それは、彼が一人の女を演じつつ、すべての女を総括していたからだ。
このような非凡さに太刀打ちできる女はいなかった。
彼は一巡して出発点に戻りさえした。
というのも、一瞬にして人を眩惑してしまうと、
彼はもはや、男の身ごなしを慎もうとしなかったからだ。
それゆえ、人が目にしたのは男勝りの女であった。
本能的な計算。それを私たちの領域に移し入れ、故意になさねばならない。
もう、お分かりかしら?
あたし、男ですの。
アメリカ人のアクロバットで、本名はヴァンダー・クライドといいますのよ。
「カジノ・ド・パリ」で空中ブランコの芸を見せていたところ、かの有名な、
ジャン・コクトー先生のお目にとまり、この詩を作っていただいたんですのよん。
う〜ん、でも、よく読むと、褒めてくださってるわけじゃないのかしもしれない。
45 :
世界@名無史さん:03/06/02 01:37
すげーデムパだ!こいつら!!
それとも自作自演でひとりでやってんのか?
>>45 や〜ね、ここはネタスレよん。
この板の人は、皆、知ってて、生あったかく見守ってくれてるんじないの。
マダム・ド・サンジュさんだけよ!
こんなとこに本気で突っ込んでくるの・・・。
恥ずかしいったらありゃしない。
ネタにデムパもクソもないでしょーよ。フンだ!!
お客様は、言葉使いにお気をつけあそばせ。お下品ですわよ!
じゃあ、ぬしさんはどなたでありんす?
これなら文句はありんせんか?
知らざァ云ってェ、聞かせやしょう、と言いてえとこだが、すっとこどっこい、
ここは地の果て2ちゃんの板さァ、名無史、七誌と名も知らねえ、
他人同士が馴れ合って、面白可笑しく遊ぶのさァ。
名を聞くおぬしは〜、あ、無粋者だねぇ〜。
わ!下品!!!
52 :
アマノウヅメ ◆4cna7XPsQo :03/06/02 09:38
あれ、まだあったんですか?このスレ。
>>34さん
本当にカメレオンさんですか?トリップあってるかな?変な気がするけど。
バルベットってマン-レイの写真集に出てる人かしら?
>>48 >あ、無粋者だねぇ〜
歌舞伎の声色で息継ぎのとこで「あ」とか入れるのは素人さんの野暮芸に堕します
ここは息を詰め一呼吸おいて科白を繋ぎましょう、 お気を付け遊ばせ
きゃあぁ! 45さんのお返事の、あまりのセンスの無さにがっかりして、ふて寝してたら、
なんと、アマノウヅメ姐さんに、あやめ姐さん・・・、あたしが心から敬愛する、
世界史板、二大太夫の御登場じゃありませんの!!!
あたし、嬉しくって、嬉しくって、涙がとまらな〜い!
>>52 アマノウヅメ様
カメレオンさんねぇ〜、どこかで、お見かけしたような・・・。あ、そうそう、
↑に書いた詩がのっている、コクトー先生の自画像集『鳥刺しジャンの神秘』に、
なんだかカメレオンさんに良く似た絵があったわ。32番の絵なんですけどね、
コクトーの肩と胸のあたりに、カメレオンさんに良く似た爬虫類が乗っているの。
そこには、こんな言葉が書いてありましたっけ・・・。
私はしっかりと護られている
鳥刺しジャン
星々
どういう意味か、わからないけど、カメレオンさんはコクトーさんの守護天使にでも
なっちゃったのかもしれないわ。きっと、お★さまは知っていると思うわよ!
>>53 あやめ様
>バルベットってマン-レイの写真集に出てる人かしら?
ええ、ええ、そうですわ。マン・レイさんとは親しくしていただいていますのよ。
歌舞伎の演技指導、痛み入ります。ご指摘の通り、あたし、歌舞伎には全くの素人ですの。
数回、舞台を拝見しただけで、脚本などを見たことも無く…、でも、歌舞伎のメイクを
ちょっと参考にしてクラウンの顔をつくりましたら、大好評でしたのよ。
東洋の文化、とりわけ日本の古典芸能は、あたしたちには、憧れの的でしたわ。
これからも、よろしく、ご教示、ご鞭撻くださいましね。
本当にありがとうございました。
56 :
世界@名無史さん:03/06/02 19:35
>52
そーゆーアンタもトリップ違う様なきがする。
>バルベットさん
教示だなんてとんでもないわ、ただ以前いくらか清元など齧ったことがあって、
歌舞伎風エロキューションに多少なれてる程度ですの。鞭撻に至ってはSMの
女王様じゃないので大の苦手でございますのよ。
SMといえば昔あちらの雑誌に載ってたバルベットさんの回想記が、女性誌に
抄訳されてたのおぼろげに思い出しました。あちらの高名な殿方が貴女の靴で
踏んづけて欲しいと懇願なさったとか。
ネットで遊ぶようになってふとした御縁で女装の方々とお知合になりました。
皆さん単にお美しいだけではなく、ソフィスティケイトされたお振舞と独特の
才能をお持ちの方ばかり。
バルベットさんからも生涯の興味深いエピソード、もっとお聞きしたいわ。
58 :
アマノウヅメ ◆4cna7XPsQo :03/06/02 21:43
>>56 移動の時に変わってしまったんです。どういうわけか知らないけど。
私はネタスレは苦手なんで、ちょっと覗きにきただけです。面白いから。
59 :
世界@名無史さん:03/06/02 21:44
「インドの建国の父」とよばれるマハトマ・ガンジーは、若いころ、とにかく性欲の強い人だったという。
彼が結婚したのは13歳のときだったが、それ以降、異常に性欲が旺盛になる。ときには、その衝動を制御することにも、ずいぶん苦労したらしい。
たとえば、ガンジーが16歳のとき、父親が病気をこじらせて床についた。献身的に看病していた彼は、ある夜、叔父と交代して寝室に帰った。
そこで、妻の寝顔をみた瞬間、ムラムラとして妻のベッドにもぐりこんだ。それから、朝まで延々とコトに励んだのだが、その間に父親の要態が急変。妻のよがり声をきいているあいだに、父親は息をひきとっていた。
「もしあのとき、獣欲に目がくらまなければ」
とガンジーは悔やんだけれども、すべては後の祭りだった。しかし、それでも、性欲を抑えることはできず、それ以降も欲求のままに妻を求めつづけた。
そんなガンジーが目覚めたのは、18歳のとき。女と酒と肉食を断つと誓って、民族開放運動に身をささげることになる。
あふれる性欲を闘争のエネルギーにかえることで、ガンジーは祖国の独立を導いたともいえるのである。
60 :
世界@名無史さん:03/06/02 23:45
>>57 あやめ様
昨夜は、酔っ払って帰ってきて、不覚にも眠ってしまいました。
せっかくご降臨遊ばしたのに、レスが遅くなって申し訳ありません。
それに・・・、あたし、もう一つ、あやめ様に誤らなければなりませんわ。
あたし・・・、実は、バルベットではありませんの。
バルベットの仮面を被ったヴァンダー・クライドでもありません。
バルベットの仮面を被ったヴァンダー・クライドを演じるカメレオンシータですのよ。
でも、カメレオンシータは、この間までカメルンシータと名乗っていたの。
で、カメルンシータは、カルメンシータを真似たアルルカンですのよ。
嘘をついて御免なさい。
ですから、バルベットさんの生涯のお話は存じません。
あちらの雑誌にのった、バルベットの回想記の抄訳、是非教えていただきたいわ。
高名な殿方って、どなたですの?
興味津々ですわ。
みなさま、おひさ〜!
アマノウヅメ様もあやめ様もあれっきりいらっしゃらないし、・・・淋しいわん。
お二人とも、お元気でいらっしゃるのかしら? くすん・・・。
(マダム・ド・サンジュさんだけは、他板で相変わらずのご活躍のようだけれど)
ところで、あたし、昨夜から、急に気になって仕方がなかったことがありますの。
例のバルベットさん、どうして、そんなお名前を付けたのかしらって・・・。
それで、少し、調べてみたんですのよ。Barbette の語源・・・。そうしたら、
なんと洒落ているじゃありませんか!
「barbette」は、服飾用語で、修道女や中世の寡婦がつけていた胸当てのことですが、
他にも、古語(俗語)では、密偵(女スパイ)のことだそうですのよ。
(男性のスパイは 「barbet」で、「barbette」はその女性形)そして、それらの
語源になっている 「barbe」は「ヒゲ(髭・鬚)」を意味しているんですの。さらに
男性のヒゲだけじゃなく、動物のひげ状のものについても「barbe」は使われます。
例えば、「barbe de coq」は、雄鶏の「肉垂」、「barbes de plume」は、鳥の羽の
ピラピラ=「羽枝」のことですのよ。
「男性のヒゲ(鳥の羽)」→「女スパイ」→「修道女の胸覆い」・・・ね、これって、
男性でもあり女性でもある、女装の空中ブランコの曲芸師ヴァンダー・クライドさん
ばかりじゃなく、ルイ15世の密偵であった、シュバリエ・デオンさんのことまで、
髣髴とさせる名前でしょ?
63 :
カメレオンシータ:03/06/11 07:00
あらら! あたしったら、「カメレオンシータ」で書くつもりだったのに、前の名前が
残ってて、「バルベット」になっちゃってたわ。「バルベット」が「バルベットさん」
だなんて、おかしいわね〜。おほほ・・・。ごめん遊ばせ!
ぼんじゅー! さりゅ! 皆さま、おひさでございま〜す!
あたし、この名前が何だか気に入ってしまいましたわ。ですから、初代バルベット氏の
ことはほとんど存じ上げないんですけど、この名前、ここでのHNにしてしまうことに
決めましたの。以後よろしう!
ところで、あたし、まだパリへ旅行したときのお話、していませんでしたかしら?
パリといえば、皆さま、必ずといっていいほど、スリに遭われたとか、金品を盗まれたとか
おっしゃいますわよね。あたしも、3度ほど、スリには狙われたことがありますのよ。
でも、皆さまと違うところは、1度も被害を受けていないことですの!
あたし、普段はお人好しそうで、ボーっとしているように見られがちですのよ。だから、
どちらかというと、カモにされやすいタイプ。でもね、あたし、実はある「不思議な力」に
よって、強力にガードされていますの。
とりわけ印象的だったのは、パリのシャトレ駅(東京の地下鉄でいうと、大手町みたいに
各線が乗り入れてて、乗降客が多く、混雑している駅)での出来事です。
あたしが乗り換えのために、電車を降りようとすると、ブロンドの若い女性がよろけて
あたしにぶつかってきたんですの。「ごめんなさい!」と言って顔をあげたその人、とても
可憐で美しかったので、「ん…、ちょっと得したぜ!」と思い、「いやー大丈夫っす!」
と言った途端、彼女は、いきなり渋いジージャンのおっさんに腕を掴まれていたんですの。
「え?何?痴話げんか?・・」と思い、よく見ると、おっさんは、もう一人、いかにも
真面目な女学生という感じの女の子の腕を、もう一方の手で掴んでいます。
そして、あたしに向かい、「あんた、財布掏られてるよ!」と言っている(らしい…)
「えー!!!、うっそ〜!」と思って見ると、自分の財布がバッグに入っていない!
…そして、金髪美人の手に握られているのは、確かに見覚えのある自分の財布…!
世界史じゃないじゃんか、なんて言わず、もう少しお話を聞いてくださいましね。彼女たち
こそ、現代のドゥミモンデーヌ、夜は娼婦に、昼はスリにと暗躍する「半世界」の女たち
なんですから…。
金髪美人と女学生風は、スリの常習犯。渋いおっさんは、なんと、私服刑事だったのです!
おっさんは顔写真入りの身分証をあたしに見せると、二人の女性に手錠をかけて繋ぎ(!)
ジージャンをスルっと脱いで、二人の手錠で繋がれた手を隠し、あたしについてくるよう
促すと、颯爽と歩き始めました。「きゃー♪、すごーい、すごーい♪、映画みたーい♪」と
心躍らせたあたしは、シャトレ警察署まで、この奇妙な一行(私服刑事と美人スリ二人組)
とともに歩いて行ったのです。何だかわくわくして、あたしは顔がほころんでしまうのを
止めることができませんでした。
その日はパリ祭の前日で、観光客も多く、シャトレ警察署はスリに遭った日本人の被害者で
ごった返していました。現行犯逮捕という快挙を成したおっさん(ジャックだったかな?)
は「やったねー!」「すごいぞ!」という、同僚の祝福の嵐に嬉しそうに答えていました。
…素敵な体験! 同じ日、別の場所でスリの被害に遭った友人たちは、「現行犯逮捕なんて
今どき考えられない! 君には何か憑いてるんじゃないの〜!」と羨んでいましたっけ。
そう、本当にあたしには何か憑いているのかもしれませんわ。守護天使みたいなやつが…。
夜道で強盗に遭い、ナイフを出されたこともありますが、その男は何故か急に怖気づいて
逃げ出してしまいましたし、あたしをレイプしようとして襲った男は、急性胃腸炎に罹り、
七転八倒したあげく、あたしに救急車を頼む始末でしたわ。ほっほっほ…、いい気味!
友人たちは、あたしが無防備すぎる、もっと気をつけるように、と忠告してくれます。でも、
あたしは友人たちにこう言います。「ご心配なく! あたしに危害を加えようとする人は、
それが年貢の納め時! なんてったって、正義の女神はあたしの味方なんですからね!」
あたしや、あたしの大切な友人たちに事実無根の罪を着せて誹謗中傷し、匿名メールを
送りつけた方たち…、「あなた方」は、そろそろ年貢の納め時ですわよ!
お気をつけあそばせ! おぼわ〜!
68 :
カメレオンシータ:03/06/16 12:52
おや? あたし、ちょっと前までバルベットだったカメレオンシータなんですけどぉ・・・、
まあ、いいや、その名前、姐さんにさしあげますわ!
そうそう、昨日、面白いお話を聞きましたのよ。隣の席で飲んでいた40歳位のおじさんが、
白土三平の『忍者武芸帖』の話を盛んにするんですの。中でも、「女忍者」と「くの一」は
違う、と力説していたのが印象的でしたわ。
どうやら『忍者武芸帖』には、「くの一」が敵に見つかってしまう場面があって、そこには
淡々と、こう書かれているそうです。
「・・生理が始まってしまったのである。血の匂いが彼女の命取りになったのだ・・」
おじさんは、同伴の女性に対して、「男は偉い!」と言いたかったらしく、さらに続けて、
「女」は忍者になれない、「女忍者」とは「女」の姿をしている「忍者」であって、男と
同等の働きができなくては「女忍者」とはいわない、「女」でありながら忍者を生業として
いる者は、「くの一」と呼ぶ・・と、これはおじさんの説か、白土三平の説か分からない
ですけれど、「なるほどな〜」と妙に納得してしまったカメレオンシータでした。
あやめ様 お久しぶりでございます。
今日は、少し嬉しいことがありましたので、レスさせていただきますわ。
実は「鳥人」であるあたしが育てているヒナ鳥が、ほんの少し、自分の翼で飛びましたの。
これまでは、たいそう美しい声で鳴くことはできましたが、飛ぶことは難しいらしく、
(だって、まわりの状況や景色もよく見ることのできない子供だったんですもの)
バタバタと飛ぶような仕草をみせてはいましたが、「飛ぶ」ということの意味を少しだけ
理解できるようになったみたいです。
そういえば、あやめ様は、16日に「蒼い馬」が宙を飛んでいるのをごらんになりました?
ニュースにもなっていたようですが・・・、あら、これは関係ありませんでしたわね。
そうじゃなくて、「銀の扉」のお話の続きをまだしていなかったことが、気になっていた
ものですから…、あしからず。
あやめ様は、『銀の扉の秘密(アルベールとアルベルティーヌ)の物語』をご存知?
そう、あたしの国では有名なお話ですけど、日本語に翻訳されたものは、まだないよう
ですから、ご存知ないかもしれませんね。…あたしが知っているお話は、こうですの。
親しい友人の死の知らせを受けたあの日、アルベールは悲嘆にくれていました。
「とても人前にでることなんかできない。あの衣装を着けて踊ることなんかできない!」
刻々と迫ってくる開演時間を前に、彼は苦しみました。「舞台で棒立ちになって、お店に
恥をかかせてしまうくらいなら、やはり今日は急病ということにしてもらおう…。」
ところが、公演中止を決めようとした瞬間、彼の心に一条の光が射したのです。
実は、アルベールには、あたしと同じ「鳥人」の血が流れていて、同族の匂いを
感じ取ることができるのです。「誰かいる! 銀の扉の前に、今、自分と同じ鳥人の血が
流れている人がいる!」アルベールは叫びました。「銀の扉を開けて! 今! 今すぐ!」
扉が開きました。殺到する観客の中にアルベルティーヌの姿をみつけて、アルベールは
狂喜しました。「そうだ!あの人だ!あの人になら、この衣装を託すことができる!」
アルベルティーヌは、挫けそうになる心を励まし、最高の舞台を見せることにだけ専念
しました。そして、最後…! フィニッシュを決める瞬間、踊りながらアルベールは
七色のベールをアルベルティーヌに向かって投げかけました。まだ若く、何も知らない
アルベルティーヌ…。ベールを受け取ってしまったことにさえまだ気付いていない…。
しかし、その瞬間「アルベルティーヌ」は「アルベール」になり、「アルベール」は
「アルベルティーヌ」へと変身したのです。
もし、アルベルティーヌがその日、劇場へ行かなかったら、どうなったでしょう?
変身は起こらなかった? いいえ、偶然を装いながら、運命は確実に歩みを進めています。
何もかも、すでに起こってしまったことなんです。今更、「もし」なんていっても
仕方がないことです。たとえこれが「夢」ののだとしても…。
七色のベールは…。もちろん、まだ「アルベール/元アルベルティーヌ」が持っていますわ。
そのベールを渡すことのできる「鳥人」が現れる日まで…。
あたしが育てているヒナ鳥は、そのベールで踊れる日がくるのかしら…。フフフ…。
楽しみなような、ちょっと怖いような、複雑な気持ちですのよ。
あ、言い忘れましたが、クルマはまだ購入するつもりはありませんのよ。
…だって、運転する時間がありませんもの。
場所を移したら、少し考えてみようと思いますけど…。
ぼんじゅー! さりゅ!
あらあら、バルベット姐さんとはすれ違いになってしまったのねん。サビスイ・・。
まあ、いいわ。気を取り直して、・・・今日は、世界史板らしく、ギリシア神話のお話。
皆さん、「ピグマリオン」のお話は、よくご存知でいらっしゃいますわよね。
このお話にはたくさんのヴァリエーションがあって、どれが最も原型に近いのか、今では
ほとんどわからなくなっていますわね。その中でもあたしの知っているお話は、極めつけ!
これまで明かされたことのない、誰も知らなかった展開だと思いますのよ。
・・・では、お聞きくださいな。
女神アフロディーテを守護神とするキプロス島では、島の住人の中から最も美しい娘を
選び、女神役と決め、毎年、祭りを催す習慣があった。もちろん女神役であるから、娘は
処女でなければならず、女神役に任ぜられている期間は独身でいなければならなかった。
任期は特に決められていないが、選ばれた娘が女神役に相応しくない容貌や年齢、また、
結婚して母となることを望めば、直ちに次の女神役を探さねばならなかった。
さて、ピグマリオン王の時代、女神役の娘が、もうそれには相応しくない年齢で、人々の
信仰を集めるのは難しい状態になっていたにもかかわらず、次の女神役の娘が見つからず、
王は大変困っていた。祭りの日は近づき、王はあせった。「女神」抜きで祭りを開催する
なんて、そんな恥ずかしいことをしたら、国王としての沽券に関わる! どうしても
最高の美女を見つけ出すぞ! ……そこで国王は、島の住人ばかりでなく、近隣の島にも
呼びかけ、女神に相応しい年齢と美しい容貌を備えた娘を探す大イベントを催した。
…さて、そのイベントが催される少し前、島には不思議な出来事があった。島の尖端、
バッフォの岬になにやら光るものが流れ着いたのだ。見ると、大きな貝に誰かが乗っている。
海の色の紗(うすもの)を纏っただけの姿で眠っているその人を見て、人々は驚いた。
「なんと美しい!これほど美しい人は見たことがない!アフロディーテ女神が降臨した!」
「彼女」は目を覚ますと、不思議そうにあたりを見回した。「ここはどこ? 私は誰?」
可哀相に「彼女」は記憶喪失にかかっていたのだ。「私は遠くから来たような気がする。
でも、何も思い出せない…」人々は、とりあえず、「彼女」を神殿を護る島の神官に預け、
流れ着いた岬の名をとって、「バッフォ」と名付けた。
バッフォは、神官の許で幸せそうだった。神官を「親」と慕い、その美しさは輝きだした。
少し幼かったバッフォは、やがて「島」で「成人」と認められる年齢(?)に達した。
国王の大イベントが発布されたとき、神官は考えた。今までは「島の住人」に限られていた
女神役だが、今回は近隣の島々へも範囲が広げられた。それが異邦人バッフォであっても、
何の不都合もないのではないか?
神官は、国王の催す女神コンテストにバッフォを滑り込ませた。(選択権は国王にあった)
案の定、ピグマリオン王はバッフォに注目した。「これほどの美女は見たことがない!
絶世の美女と謳われた我が妻、王妃でさえもかすんでしまうほどの美貌だ!」
バッフォは、当然のごとく、アフロディーテ女神の役を射止めた。その年の祭りは、かつて
ないほど盛り上がった!! …しかし、自分の決断、自分の果たした役割とその結果に
大いに満足した国王は、このとき、決してしてはならない「罪」を犯してしまった。
美しい女性を王妃に迎えながら、ピグマリオン王はバッフォに恋をしてしまったのだ!
国王たるもの、多くの寵姫を持つことは当然である。しかし、「女神役」にだけは、手を
出してはならないことは、国王も十分承知していたはずなのだが…。
バッフォは悩んだ。国王の求愛を拒み続け、「親」と慕う神官に助けを求めた。…しかし、
神官は無力であった。バッフォは誰にも悩みを打ち明けることができず、「女神役」に
就任してから数ヵ月後、心痛と「女神役」を演じることの重圧に耐えられず、病気になって
しまったのだ。
国王は、そんなバッフォを心から心配し、王である公務を犠牲にしてまで、看病を続けた。
さすがのバッフォもそんな国王の姿を見るにつけ、その求愛を拒み続けている自分を
情けなく思った。ある日、ついにバッフォは決意し、国王に告げた。
「王妃様のことは問いません。出生もわからぬ私は、王妃にだけはなれませんから…。
でも、私以外の寵姫、側女とは、すべて手を切ることをお約束してください。そうすれば、
私はあなたのお心に従います」
ピグマリオン王は喜んだ。バッフォを得ることができるなら、他のすべての寵姫と縁を切る
ことなど、何でもない! …国王は、それまで抱えていた寵姫、側女のすべてと縁を切る
約束をすると、ついにバッフォを自分のものにすることに成功したのだ。しかし…ああ!
あぁぁぁぁ!!! なんということだろう! バッフォ自身、知らなかったことなのだが、
バッフォは…、この絶世の美女は、何と「男」だったのだ!
それでもピグマリオン王はめげなかった。「別にいいじゃん!愛してるんだから…。何でも
ありさ!」とバッフォとの関係を断ち切るつもりは毛頭ないようだ。そればかりか「女神役」
から降ろす気もさらさらないようだ。バッフォは、以前よりも更に悩むことになった。
「処女」でなければならないアフロディーテ女神の役を、自分は続けることができない。
こともあろうに、自分は「男」であったばかりか、国王との爛れた関係を続けている。
バッフォは反乱を企てる。美しい女神の衣装を脱ぎ捨て、無精髭を生やし、男であることを
公衆の面前でアピールしたのだ。人々は、それを見て驚愕した! 女神は男だ! かつて
「髭のある女神」など見たことがあるか? ピグマリオン王は何をしている! 神官は?
人々の怒りはピークに達し、恐ろしい暴動が起こる予感があった。
このまま、キプロス島は滅びてしまうのか? 「美神」に護られた、この美しい島は!
そんなとき、バッフォはアフロディーテ女神の「夢」をみた。女神は「彼」にこう告げた。
「我が子、バッフォよ。心配はいりません。あなたは確かに男の肉体を持っていますが、
あなたは、私自身なのだから…。私はアフロディーテ、またの名を、<金星・明けの明星・
ルシフェル>といいいます。この世で最も美しい者、輝く者、海の泡から生まれた者、
<美>の守護者、男であり、女でもある<唯一の神>なのです!」
バッフォは神官を誘い、夜の海へ出かけた。ようやく二人きりになれたとき、バッフォは
「夢」の話をし、彼に告げた。ピグマリオン王を裏切り、神官とともに別の世界へ向かって
船出することを!
…ここからは、別の神話が始まる。バッフォは「バフォメット」、すなわち両性具有の神と
なり、新しい神話を作る。かつての美神の神殿には、偽者の美神「月の女神」が鎮座し、
真の「神」の不在を隠し、再び「神」がその守護すべき地を訪れる日まで「神の留守」を
護っていてくれる。
「バフォメット」こそ「足りないトランプの1枚」、すなわち「33枚目のカード」なのだ。
いかがでした? この神話は、現代の神話。誰もみたことのない、「夢の物語」ですのよ。
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。
貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。
黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。
(黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。
また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。
「○ドルでどうだ?(俺を買え)」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。)
彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
皆様、お久しぶりでございます。前にここに書き込みしたのは、6月20日ですわね…。
…この40日あまり、あたしがどこで何をしていたかと申しますと、…どうやら「異世界」へ
ワープしてしまっていたようですのよ。それも1900年代のフランスへ…。
あたしが「鳥人」であることは、前にお話しましたわよね。「鳥人」が、同族の匂いを
感じ取ることができるということも…。1900年代のフランスで、あたしは、強烈な個性を
持った「鳥人」に会うことができました。バルザックの小説『セラフィトス』のように
魅力的な彼女(彼)は、ゴーティエの『コントラルト』にもこう謳われています。
青年なのか? あれは、女なのか?
女神なのか、それとも男の神なのか?
恋心は汚れを恐れ 逡巡し
思いを打ち明けようとして口ごもる。
彼女(彼)は、サンロベール元帥やエミール・ド・ジラルダンなどの崇拝者に囲まれ、
ロバン博士、ポッジ博士、シェランベルジュを愛し、リーニュ大公の子を産み(?)、
ルイーズ・アベマと同性愛関係にあり、貴公子ロベール・ド・モンテスキューとも
親しい友人関係にあったといいます。…そう、彼女(彼)の名はサラ・ベルナール!
多くの伝説を生んだ大女優サラ・ベルナールの話は、皆様、よくご存知ですわよね。
熱狂と賛美の中で、彼女が演じた続けた数々のアンドロギュヌスたち…、ハムレット、
ロレンザッチョ、フェドラ、サロメ…。演じられたそれらの「役」の中に観客が見出した
ものは、人々を夢中にさせ、不安にさせる、超越的な「何か」であったのでしょう。
サラは、決して美貌ではありません。身体の線は細すぎるし、秀でた額、鼻は鷲鼻。
金髪の巻き毛に囲まれたその顔が女性的な印象を与えることはほとんどなく、むしろ
聖堂に描かれた大天使のような威厳を感じさせるものであったといいます。
でもね、…あたしが出会ったサラ・ベルナールは、ちょっぴり繊細で傷つきやすく、少し
我儘で、微笑ましい程度に傲慢な、…そして誰よりも勇気のある、素敵な人でしたのよ。
サラは、自分を愛してくれるすべての人を愛していました。だから、自分の魅力を最大限に
生かし、「観客が見たがっている自分の姿」を見せることに専念したのです。平坦な胸、
低い声、痩せた身体、直線的な動き、女性的な魅力に欠ける顔立ち…、それらの欠点を
逆手にとって、未だかつて、誰も見たことのないもの、「両性具有の天使」を演じるという
冒険に敢えて挑戦したのです。それはそれは、大変な努力と勇気ですわよね!
あたし、サラに心からの賞賛を伝えましたの。そうしたら、サラは、こう言いましたわ。
「私は、私を愛してくれている人たちが何を望んでいるのか知っている。彼らは私の中に
理想化された自分自身を見たがっているんだ。だから私は、両性具有でなくてはならない。
私は私を愛してくれた人たちが切望していながら手に入れられなかったすべてのもの…、
若さ、美しさ、凛々しさ、男らしさ、女らしさ、純粋なもの、神秘的なもの、超越的な何か、
…それらすべてを、この肉体で表現しなければならないんだ」
「でもあなた、女性としての幸せを考えたことはない? 家庭を持ち、子供を育てるという
平凡な女の幸せを願ったことは、一度もないの?」
と、あたしが聞くと、サラはこう答えました。
「若い頃は、少しはね…。でも、私は浮気者なんだ。たった一人の人だけを愛することなど
絶対にできない。私は私を愛してくれる人、すべてを愛したい! それが私にとって
舞台に立つということなんだ。舞台に立つことによって、私は、全世界の恋人になる!」
自意識過剰? 快楽主義者? エゴイスト? いいえ、サラは神様みたいに謙虚な人です。
だって、すべての人を愛そうなんて、神様以外、誰も思いつかないでしょう? 誰だって
自分が大事だもの。利己的な愛に生きることに精一杯で、すべての人を愛そうとする余裕
なんてないのですから…。それに、肉体は怠惰なものだから、少し油断したら、すぐに
太ってしまったり、遊びすぎて肌が荒れたり…、身体的な魅力を保つには、想像を絶する
努力が必要ですわ。サラは厳しく自分を律して、舞台に立ち、長い間、観客に夢を見続け
させてくれたのです。…そう、それは自己愛とは程遠い、崇高な自己犠牲。
自分を犠牲にして多く人に愛を与えたサラ・ベルナールは、「鳥人」の中でも最も優れた
人の一人だと言えるでしょうね。
カメレオンシータさんは博識な方ですね。
もっとお話が聞きたいです。
カメレオンシータさんは善と平衡をつかさどる女神ユスティティアのことに
ついて知りませんか?目隠しをつけた知性あるあの女神のことを語ってほしい
です。
83 :
カメレオンシータ:03/08/04 05:35
>81 カメレオンシータどえす。博識だなんてとんでもない!
あたくしを誰かと間違えていらっしゃらないこと? カルメンシータ姐さんとか…?
…でも、あたくし、おだてに乗りやすい典型的なB型ですから、聞いてくださるなら、
いくらでもお話しいたしますわ!
>82 女神ユスティティアさん? あの乙女座の女神さんね。それなら「正義の女神」で
検索してごらんあそばせ。嫌ってほど出てくるわよ。アストレイアとか、イシスである
とか、デメテルと同一視されているとか…、持ち物も天秤と剣、羽根、蛇、杖など様々…。
まあその辺は、ご自分でお調べあそばせ。神話もたくさん読めますから。
実はあたくし、サイトにはどんなことが書かれているか、調べてみましたの。豊富な知識
を持った多くの方が、様々なHPを創っていらして、本当に驚きましたわ。あたくしの出る
幕なんてないんじゃないかと思うくらい…。それでね、ちょっと考えましたの。
あたくしのような浅学菲才の徒が、ネットで出てくるのと同じようなことをここに書いても
つまらないでしょうから、ちょっと他と違った話を書いてみようかしらって…。
題して、「衝撃! 女神ユスティティア(アストレイア)は大天使ミカエルだった!」
お断りしておきますが、あたくしがここに書くことは、資料的な価値はあまりありません。
推理ですから、信じてくださらなくてもいいし、ネタだと思ってくださっても結構ですわ。
でも世界史板には相応しいお話ですのよ。ギリシア、ローマ、エジプト、フェニキア、
バビロニアなどの古代神話が、いかにしてキリスト教文化に取り入れられたか、という
お話なんですから…。
…あ、でも、このスレのテーマとは違うかしら? スレ違いって言われない?
まあ、アストレイアさんは、ゼウスを父、タイタン族の女神テミスを母に持った女神様で、
人間が堕落し、争いばかりを繰り返すようになり、他の神々が天上に帰ってしまった後も、
頑張って地上に留まり、人間界に関わっていたという方だから、それこそ、「ドゥミ(半)
モンド(世界)」の女神といえるかもしれないわね…。ちょっと苦しいけど開き直って…。
84 :
カメレオンシータ:03/08/04 05:36
では改めて、女神ユスティティア(アストレイア)の正体を探ってみることにしましょう。
この女神は、アスタルテ(Astarte)、またはアシュトレト(Ashtoreth)ともいい、
フェニキアの豊饒の女神であったといいます。バビロニアのイシュタール(Ishtar)も
同じ女神ということですが、イシュタールはエジプトのイシス(Isis)で、ローマ神話の
ウェヌス(Vinus)、ギリシアのアフロディーテ(Aphrodite)とも同じです。ところが
これが中世になると男性に変化し、アシュタロト(Astaroth)=悪魔公爵になってしまう!
アフロディーテは金星、金星はルシフェル、ルシフェルは堕落してサタンになった…、と
ここまでくると、何が何だかわからなくなっちゃうから、ユスティティアとアストレイア
についてだけ、整理して、ちょっと考えてみましょう。
これは星座の乙女座を何と呼ぶかにも関わっていて、アスタルテ、イシュタールなどの
豊饒の女神とする地域では、乙女座の女神は手に麦の穂と羽根を持っているわ。それが
どうして天秤と剣を持つ「正義の女神ユスティティア」に変わったのかというと、どうも
それは、乙女座のすぐ近くに天秤座があったから、という単純な理由なのかもしれないと
あたくしは思うの。天秤がただ空中に浮かんでいると考えるよりは、隣の女神が持って
いると思った方が納得できるでしょう? そして作物のかわりに天秤を持たせられた
豊饒の女神は、正義の女神に「変身」せざるを得なくなってしまったというわけ。
85 :
カメレオンシータ:03/08/04 05:38
ところで皆様はタロットカードの「正義(Justice)」をご存知? これはもちろん文字
通り、正義の女神ユスティティアを表しているのだけど、この女神の名は「テミス」と
なっているの。テミスはアストレイアのお母さん。そして手に持っているのは、剣と天秤。
いつの間にか、乙女座の女神が娘からその母に変化してしまったようだけど、天秤は本来、
テミス女神の持ち物だったのよ。彼女はタイタンの子、プロメテウスを育てた女神。で、
どうして剣と天秤を持っているかというと、それは、「死んだ人の魂の重さを量るため」
なんかじゃなかったの。テミスさんはね、プロメテウスが立派な男に育つように、すべて
の叡智を授けて教育した女神なの。剣と天秤は、そのためのお道具だったのよね。つまり、
正義の秤にかけて律法を定め、剣による武力によって人を統べる王様となるようにって…。
ところが、キリスト教美術の中にも、必ず剣と天秤を持った姿で描かれるお方がいました。
それが他ならぬ大天使ミカエルさん! 背中に翼があって、長い巻き毛で、男だか女だか
よくわからない綺麗な顔してたら、女神なんだか天使なんだか判断できないわよね。
ミカエルさんは、キリスト教の教義を護るために、剣をもって悪魔を制し、天秤で死者の
魂を量るお仕事をしているのよね。それで、テミスさんも、いつの間にかミカエルさんと
同じお仕事をしているということになり、乙女座の女神アストレイアさんも、天秤持って
いるんだから、同じお仕事しているんだろう、ってことで、豊饒の女神じゃなくなって
しまった…。え? じゃあ、アストレイア=イシュタール=イシス=ビーナス=ミカエル
でいいのか?ってことになるけど、それを言い出したら、堕天使ルシフェルも悪魔サタン
もアシュタロトもごっちゃごっちゃになっちゃうじゃないの!
86 :
カメレオンシータ:03/08/04 05:39
どうしてこんなことになっちゃったかっていうと、答えは簡単。キリスト教が「女神」の
存在を認めなかったからよ。キリスト教は一神教でしょ。だから、聖書に書かれていない
「神々」などというものが存在してはいけないのよ。ましてや女の神様なんて…。
そこで、人々は必死に古代神話の神々を聖書と結び付ける努力をしたの。つまり、古代の
人たちは天使を女神と見間違えたのだと勝手に決めつけ、古代の神々、とりわけ女神は、
聖書に書かれている「天使」であると解釈しようとしたのよね。当然、女神様たちが担当
していたお仕事は、天使たちに割り振られることになった。
古代神話に登場する神々は、他の地域では何と呼ばれていたか? …きっと、古代の神々
の「戸籍」が、ものすごい勢いで創られたんでしょうね。さらにその神々は、旧約聖書
にはどう書かれているか? 持ち物が似ている神、象徴するものが同じ神、名前が似て
いる神はすべて同一視され、天使たちと合体させられたため、女神ユスティティアは
大天使ミカエルとまるで双子のような「そっくりさん」になってしまったのです。
ところが、ルネサンス時代になって、それまで「魔術」として密かに研究されていた、
ギリシア、ローマ神話やエジプトの占星術、カバラ哲学などが俄かに注目を集めると、
今度は逆の現象が起こったのよね。
87 :
カメレオンシータ:03/08/04 05:39
剣と天秤を持った女神テミスが、実は大天使ミカエルだったことにしちゃったのはいいと
して、じゃあ「乙女座」はどうなるの? あの星座は、占星術で、昔から「乙女座」と
呼ばれてるんだよ。テミスはアストレイアの母親なんだから「乙女」じゃないじゃん!
キリスト教では天使が星になるなんて有り得ないから、「大天使ミカエル座」なんて呼ぶ
わけにもいかないし…。んじゃ、アストレイアが、正義の女神ユスティティアだったって
ことにすれば? あ、それ、いいかも…。ついでに伝説も適当につくっちゃおなんて……。
…いいんですのよぉ。別に信じてくれなくても…。
ついでにもっとすごいこと、言っちゃいましょうか? どうしてこんなに混同するのか…。
神話に出てくる神々は、後で混同したんじゃないの。…本当は全部、同じ「存在」なのよ!
大洪水以降、約2000年の間、地上の人間に関わった「聖霊」は二体のみ。
一体は「救世主」と呼ばれ、他の存在は、…様々な名で呼ばれている。
カメレオンシータ様は神。
90 :
ヴァンダー・クライド:03/09/02 11:58
俺は女装の曲芸師、「バルベット」ことヴァンダー・クライドだ。
舞台で女装していた者が、一人称で「俺」と言うことに違和感を覚える人もいるだろう。
しかし俺は、女性言葉で話したことはないし、普段、女性的な仕草をすることもなかった。
ましてや、ホモセクシャルの趣味は全く無い。また、女装をするにしても、カツラを
使ったり、凝った化粧をして顔つきを変えていたわけではないし、胸につめものをして
乳房を作ったわけでもない。(そんなことをしたら、空中ブランコの芸を披露する際、
邪魔になってしまって非常に危険だ)
では、ジャン・コクトーが「魅惑の美女」と称賛した「バルベット」の魅力とは何か?
…簡単なことだ。俺は、男として最も理想と思う「美女」を自ら演じたにすぎない。
それが多くの観客の心を惹きつける結果となったのだ。つまり俺の女性観が並外れて
優れていたというわけだ! …では、俺の考える「最高の美女」とは? ずばり答えよう。
それは「乳房を誇示しない女」だ。そして命知らずの勇気とパワーを持った「強い女」だ。
「最高の美女」は、可憐な容貌や姿態、「弱さ」を売り物にしたりはしない。
男性は乳房を持っていない。だから乳房がついているというだけで、自分は魅力的なのだ
と錯覚する女性は多い。しかし、すべての男性がすべての女性の露出した乳房に欲情する
などと考えている者はいないだろう。多くの男は、着飾った豊満な老婦人の露わな乳房
よりも、年若い修道女の胸当て(バルベット)の中に隠された、硬く未成熟な乳房を想像
したとき、より多くの欲望を感じるだろう。乳房を強調した裸体同然のファッションを
好む女性を「美女」と誉めそやす現代の気風は如何なものだろうか? 女性は愚かなもの、
無力なものと決め付けた、過去の価値観に束縛されているのではないだろうか?
…ついでに言っておくと、俺の考える「最高の美男」は「髭を誇示しない男」だ。
91 :
ヴァンダー・クライド:03/09/02 11:59
髭についても、俺には俺の哲学がある。最近の若者の間では、いわゆる「無精ひげ」が
流行しているようだが、あれはどうも気に入らない。俺のように戦乱の時代に生まれた者は、
どうしても軍隊の悲惨な生活を思い出してしまうからだ。髭を剃るどころか、泥や汗に
まみれ、身体を洗うこともままならなかった軍隊時代を思い出すと切なくなる。毎日風呂に
入り、清潔に生活することのできる現代の日本人が、何故、無精髭など生やしているのか、
理解に苦しむところだ。「乳房が小さい」とコンプレックスを抱く若い女性と同じように、
髭が薄い男は、男性的魅力に欠けているとでも考えているのだろうか?
…そんな価値観は昔のものだ。これほど文明の発達した時代において、古い価値観に
縛られている現代の若者の姿は、俺にはいささか滑稽に映る。
バルベット(barbette)の語源については、
>>62で偽のバルベット氏が語っている通りで
あるが、髭という意味の "barbe" の語源をさらに辿ると、「異国の」「野蛮な」「未開の」
「残酷な」「野卑な」という意味の"barbare" という語に行き着く。無論、古代ギリシア、
ローマ人から見た蛮族、夷狄のことをさしていたわけで、彼等が髭を蓄えていたことから、
"barbe" が髭という意味になったのだろう。
92 :
ヴァンダー・クライド:03/09/02 11:59
文化的に未発達な地域では、髭を盛大に伸び放題にしている種族が多い。成人男性は髭を
伸ばさなければならないと決められている民族もあるほどだ。しかし、彼らは自然体で
あることを善しとしていたわけではない。頭髪と同じように手入れをしなければ、不潔で
あるし、皮膚病の原因にもなる。しかし、毎日髭を剃り、身づくろいをするには相当な
労力と時間を要する上、良質な髭トリマーなどなかったのだから仕方がない。伸ばすに
しても剃るにしても、髭がやっかいなものであることに変わりは無い。それなのに何故
髭は生えるのか? それも、男性にだけ…。
お答えしよう。それは、人間が狩猟生活を送っていたことの名残である。鋭い歯や角を
持たない人類は、武器を使うようになった。しかし、直立したために、最も弱点であり、
急所である首が露出し、敵から狙われやすくなってしまった。肉食動物は、獲物を一撃で
仕留めようとするとき、まず相手の首を狙う。その首を、長く伸ばした髭で覆い隠し、
敵の牙が直接首に食い込むことを避けていた。…つまり髭は原始時代の遺物なのだ。
観相学には諸説あるが、どの説をとっても、髭面は、あまりよい相であるとはいえない。
「臆病である」とか、「実力以上に自分の力を誇示する者」とか、「傲慢」とか、ロクな
解釈をされていない。それは、野蛮で残酷であることが「男らしさ」であるかのような
間違った考えに基き、自分が「男らしくない」と感じている者が「男らしさ」を演出する
ために髭を蓄えることが多いからである。真に男らしい勇気のある男は、わざわざ髭を
誇示しなくても(俺のように女装していても)十分に魅力的だ。「魅惑の美女」バルベット
の魅力は「女と見紛うばかりの美男」であると同時に「男らしい美女」であったことだ。
どうだろう? …髭女バルベットことヴァンダー・クライドの「barbe と barbette 論」、
気に入っていただけたかな?
93 :
マダム・ド・サンジュ:03/10/14 19:01
某板で、カメレオンさんが世界史板に復帰するという噂をききました。
早く戻ってきてほしいな。寂しくてたまらないから。
カムバ〜ック! カメレオン! あげwww!
94 :
世界@名無史さん:03/10/15 02:21
私はリアーヌ・ド・プージィが好きだなあ。
リアーヌとベル・オテロの有名なバトルをアガサ・クリスティが
短編にちらっと書いてるよ。
95 :
世界@名無史さん:03/10/15 06:10
>94
つか、リアーヌ・ド・プージィてさ、ナタリー・バーネイとの愛人関係とかの個人情報握られて、
僻みや嫉妬から何されるかわからなくて怖いって気持ちが強いから、ついつい言わなくてもいいこと
言ってしまうの。それほど「あの全然相手にしていなかった人からの攻撃」がショックだったの。
過剰反応かもしれない。でもマジ何考えているかわからないから怖いよ。
96 :
ルネ・ヴィヴィアン ◆OQomYzRHWk :03/10/15 11:37
トリップつけたぜぃ!
リアーヌには負けないよ。ナタリーが本気で愛してたのは、僕の方だ。リアーヌは、
ナタリーより7歳も年上だが、僕はナタリーより1歳年下。誰だって、若くて綺麗な方が
いいに決まってるじゃないか。ナタリーだけじゃなく、僕に恋していたご婦人は多いが、
エレーヌ・ヴァン・ジェイレン・デ・ニーヴェルトだけは御免だな。肥満していて、
「ブリオッシュ」って渾名されていた、あの男爵夫人さ。人に恋着する前に、鏡で
自分の姿を映してみろっていうんだ。僕の恋人として相応しい容貌かどうか…。
…まあ、それも、僕が美しすぎたからだろうな。皆、サン=ジュスト風の扮装をした
僕の美貌にやられたのさ。
…え? 僕の顔見たい? それなら、フィリップ・ジュリアン著『1900年のプリンス』
(クラテール叢書5)に僕の写真が載っているから、図書館ででも見てくれたまえ。
サン=ジュスト風なのが僕だからすぐわかると思うが、図版の説明に誤植があるので
注意。「ルネ」が男名なので、内容をよく知らない本の編集者が間違えたのだろうが、
よりによって、ガブリエル・ダヌンツォと間違えるなんて…! 確かに「ガブリエル」
は女名でもおかしくない。…僕は男装の麗人。本名はポーリーヌ・マリー・ターンだ。
97 :
ルネ・ヴィヴィアン ◆OQomYzRHWk :03/10/15 12:06
あはっ! 僕の記憶違いだった!
今、本を確認してみたら、入れ替わっていたのは、ガブリエレ・ダヌンツォとじゃなくて、
レーナルド・アーンだった。プルーストの友人の作曲家だな…。
しっかし、何であんな「髭おやじ」と僕の写真を間違えるかなぁ…。
98 :
世界@名無史さん:03/10/16 00:36
>98
・・・そだね。きっと、文章力のない人が書いたんだね。
書きたいことがあるなら、もっとシンタックスを学んで、構文力をつければいいのに。
100 :
世界@名無史さん:
age