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112世界@名無史さん

ひとーつお聞きしたいことがあるんですよ>ALL


いま流行の犬、チワワ

あれはどの本にも
「アステカで生贄用に飼われていたテチチという犬を、品種改良したもの」
と書いてあります。
これについて調べようとしても、資料がすこぶる・・・というかないのです。
わかったことは
・テチチという犬種は現在もう存在しない(らしい)
・現在のチワワは、アメリカで改良されたものらしい
・本場メキシコのチワワ州には、現在チワワはほとんどいないらしい。
・やたらと小型で虚弱っぽいのは日本だけのおかしなブームらしい。
ということだけです。
そのくせ「犬の系統図」のようなところには「絵」があるんです。
博物絵のような感じですが・・・チワワとは異なる、もう少し大型の、
どちらかというとテリア系のような犬の絵が。


お聞きしたいことは次の通りです
・テチチなんて犬(犬種)は存在したのか。
 (それって古代現地語で「犬」という程度の言葉じゃないのか?とか)
・生贄に犬を使ったような事例は存在するのか
 (骨等が見つかっているのか)
・生贄専用だったのか
 (狩猟等には使ってなかったのか)
・画像はないのでしょうか
 (もっと昔にいなくなったのなら、なぜ絵があるのか)

以上です。有識者のご意見求む。
113_:03/06/24 04:34
114世界@名無史さん:03/06/24 19:28
チチメカ語の「チチ」は「犬」を意味する語で、
「チチメカ」は「(出かけるときは必ず)犬を連れている人々=狩猟民」の意味だそうです。
115トラメメ ◆Tula/H2VxM :03/06/25 03:21
>>112
そういえば、アステカ関係の本だと犬ってあんまり注目されないですね。

1.犬種に関してですが、アステカ関係の本からでは全く判りません。
ただ、無毛の犬と普通に毛のある犬がいたようですけど。
アステカのナワトル語で、犬は「イツクィントリ」といいます。
ただ、トルテカは他民族なので何と呼んでいたか、おれは判りません。


2.犬自体を生贄に使うことはアステカではしません。
実際に犬を生贄にしたのであれば、トルテカの頃でしょう。
アステカでは犬を殉死させてました。「あの世」の案内として。

生贄にするのは頻度は低いと思います。
アステカでは「うずら」が生贄動物で一番多用されましたし、
トルテカのケツアルコアトル王は蝶、鳥、蛇を生贄にするのがベストだとしてました。
トルテカで生贄にも使われた可能性は否定できませんけど、基本的に同じ宗教ですし、
犬が墓からも出てくるらしいので、やはり殉死が多かったでしょう。
116トラメメ ◆Tula/H2VxM :03/06/25 03:21
3.食用犬もいましたよ。一般的な家庭は犬と七面鳥を飼ってましたし。
狩猟に関してはアステカ族(テノチティトラン)では疑問ですね。
狩猟法として、獲物を円陣で取り囲んで飛び道具で攻撃、というのがありました。
この方法だと狩猟犬は使わないというか、記述には犬が出てきません。

スペイン人の軍用犬が強力だったということは判ってますが、対抗する
アステカの犬というのは聞いたことがないです。
「スペイン人の軍用犬が巨大な犬だった」とか「アステカの人々が犬に殺された」
とかいう記述を見ると、アステカの犬は弱そうなイメージを受けます。
117トラメメ ◆Tula/H2VxM :03/06/25 03:23
4.画像に関してはコデックスを全部見たわけではないのでなんとも言えませんが、
おれはあまり見られないですね。
「犬」という文字があるのですが、無毛ではないのが判る程度です。
鹿・ウサギと見分けが付けにくいです。


おれもテチチを調べてみたんですが、湯たんぽのような「抱き犬」とか愛玩用とか書いてありましたね。
エスパニョーラ島にはアルコという小型犬がいたそうですけど、別種ですかね。

>もっと昔にいなくなったのなら、なぜ絵があるのか
骨が出ているし、「近縁」とされる種や資料などを元に復元した想像図だと思います。

>>114
はじめて聞きました。チチメカだと狩猟犬多かったんですかねぇ。
狩猟犬とか多かったら鉄砲とか大砲の対策しやすそうですよね。
118トラメメ ◆Tula/H2VxM :03/06/25 03:27
そういえばアステカの方が1000行ってから復帰するとか言ってた気が・・・。
すいません。今南米スレ復活したトラメメです。よろしくお願いします。
119世界@名無史さん:03/06/25 05:19
>>114-118
とりあえずありがとうございます。

まずは読んでみてください。>ALL
http://bidders.auction.biglobe.ne.jp/dog/ch.html?e=all
どこのサイトを見ても、まぁ大体、というかほぼ同じ記述です。
多分、どっかの本が書いたことがそのまま基本文面として伝わっているのでしょう。


また、コロンブスの記録に「小さい犬を見つけた」と書いてあるそうです。
「小さい」の基準が難しいところではありますが。
(現在ブームのチワワの大きさは・・・
   近年の極小ブームの結果ですので考えないでください。)

とりあえず理解したのは
・トルテック族が生贄・・・というより埋葬の道連れに使った(埋めた)
 (天国への道案内、飼い主に代わって生前の罪を請け負う等諸説あり)
・食べた。
・「チチメカ」とはおよそ狩猟民を指す言葉である
 (イコール、つまり犬も狩猟のできる程度のサイズではあった・・・小型ぁ?)
・(これは個人調べですが)テチチと言われた当時の現地犬と、現在のチワワには
 実は連続性はない・・・かもしれない
 (16世紀ごろヨーロッパから持ち込まれた説あり。後述)

その他にも「チワワ」に関連しては以下の説があるそうです。
・生き物を小さく育てる事の巧みな中国人によって作出された(おいおい・・・)
・1519年にスペインのコルテス将軍と共にメキシコ入りした(凱旋将軍かと)
・マルチーズと同じ、地中海マルタ島がチワワの原産地である

どれもテチチ(便宜上、当時の現地犬)とは関係ありませんが。
もしかしたら一旦絶滅してる(連続性がほとんどない)かもしれない、ということです。
120世界@名無史さん:03/06/25 05:20

そうそう、
Mexの9世紀ごろの遺跡に、犬が彫られているそうなんですが。
わたしには「太陽の子エステバン」に毛が生えた程度の知識しかないので・・・


また、未見ですがペルー方面にはPeruvian Inca Orchid(インカ・ヘアレス・ドッグ/インカ・オーキッド・ドッグ)
と呼ばれる「体毛のない」犬がいるそうです。
体高:11-23cm、体重:50-65kg、ですからパピヨン・ポメラニアンぐらいですね。柴犬より全然小さい。
狩猟は・・・ちょっとどうかなぁ、と。
121(/o\):03/06/25 05:25
アソコを癒す清涼サイト
http://homepage3.nifty.com/coco-nut/
122世界@名無史さん:03/06/25 05:30
なんかでも、世間(というかチワワ・愛犬世界)は南米に疎いようで・・・


http://www.chiwawaworld.com/DB/zukan.html
>このテチチという犬は、アステカ帝国において部族神への犠牲として捧げられていた
>聖獣であり、また一般のペットとしても飼われていました。
部族神とか・・・聖獣とか・・・なんか悪意ない?

http://irukaweb.com/areia/hairless_dog.html#techichi
>トルティック族を征服したアズテック族が、アジアから持ち込んだ
>神聖化され、崇められていたようだが、神への生け贄にされたり、珍味として食されていたりと
アズテックったらアジアと交易が!?そして珍味!?

http://members.tripod.co.jp/freebie/ti.htm
>人間の墓の中に、テチチの化石が見つかっている。
>当時は珍味としてもたいへん好まれたらしい。
>中国人が連れて行った。
>バイキングの船でやって来た。
化石って・・・アステカ前後はいつの文明なのか・・・
中国人もバイキングもいらっしゃいですー。


・・・がっかり脱力しながら、いろいろ突っ込んでください。
123世界@名無史さん:03/06/25 05:53

あ、なんか・・・画像見つけた
でもこれは画像と言えるのか・・・な?
https://www.barakatgallery.com/store/index.cfm/FuseAction/ItemDetails/cmdNextItem/6918/ItemID/6918/SubCatID/817/userid/0.htm
はいそこがっかりしない。

ついでにここの説明によると
>its wrinkled gray skin the color of stone giving it the ancient name of
>Techichi (Tetl meaning 'stone,' Chichi meaning 'dog')

>>114さん御教授と合わせますと
「テチチ」=「石の犬」

・・・狛犬?いやいや。

無毛で皺の寄った灰色の肌をしていたので石の犬、ってことですね。


これが?
https://www.barakatgallery.com/store/index.cfm/FuseAction/ItemDetails/cmdNextItem/6918/ItemID/6918/SubCatID/817/userid/0.htm
ぷりぷりむちむちじゃん。食用説を信じたくなるぐらい。
(チャウチャウって食用犬として改良@中国なんだと聞きました。)
124とてた:03/06/26 00:14
な、なんかすごい説明文ですね…>チワワ

>>107のリンク先にある、犬の土偶(車輪つき)がチワワに似てるような気もするんですが…。

無毛なのは「湯たんぽ用」だからわかるとしても、食用には小さくする理由はないですし、
小型化は最近のことなのでは。
125世界@名無史さん:03/06/26 00:28
現在、米国で牧畜犬として活躍している犬のなかに唯一、
先住民の犬が起源の「カタフラ犬」が今もいます。
先祖は中米の無毛種の猟犬だったようで、その才を買われて
白人の牧場で元気に働いています。

英語HPでつが「Cowdog Site」:
http://www.catahoulaleopard.com/
126トラメメ ◆Tula/H2VxM :03/06/26 01:08
メキシコ原産の犬種は小型がほとんどみたいですよ。
小型といってもチワワのような超小型よりは大きいものですね。
メキシカン・へアレスやチャイニーズ・クレステッド・ドッグも小型ですし。

>>120のインカ・へアレス・ドッグなどは「家畜系統史」にはインカ犬として出てくる犬種ですね。
インカ犬だとメキシコ原産の小型犬を改良したもので、主に食用と牧羊犬用であったらしいです。

コロンブスが見つけた小型犬は>>117で挙げた「アルコ」ですね。
この犬は鳴かないらしいです。(資料には鳴かないと書いてあります)
この犬はエスパニョーラ島の犬なので、テチチとは違うのかも知れませんし、
近縁なのかも知れません。

食用に小型犬を使うのはとてたさんの言われるようにおかしい感じがしますが、
元から小型犬が多かったので、小型犬を食用にせざるを得なかったようですね。
127トラメメ ◆Tula/H2VxM :03/06/26 01:19
>>125のカタフラ犬は中型犬のようですね。
チチメカの狩猟犬が先祖なんでしょうか。

>>122のサイトとかグーグルで検索に引っかかるサイトを一通り見てみましたけど、
結構コピペっぽい文章が多かったですね。(笑)

犬は聖獣とはいかないですけど、ショロトルの象徴として「道連れ」にしていました。
ケツアルコアトルの「冥界降り」の案内役としてショロトルが出てきたからですね。
冥界の河を渡るのに必要とか、そういう意味合いだったようです。

スペインから連れてきた犬の説もありましたけど、それは否定できないですね。

テチチは謎な犬ですね。
128世界@名無史さん:03/06/26 20:34

あ、あの、「(チワワの)小型化」はアメリカに持ってってからの改良です。
特に最近の凄まじい小型化は、日本のブームです。


ちょっと画像見つからないんですけど、よく獣医さんとことかに

「犬の血統図(進化図・系図)」

みたいなものがあるんですが、そこにはチワワの上(先祖)として「テチチ」
が描かれています。
博物絵のような感じですが、明らかに中〜大型犬として描かれています。
大きさを例えていうなら(普通の)柴犬〜秋田犬、という感じでしょうか。

それと、ロングコート(長毛種)のチワワは、パピヨン・ポメラニアンといった
犬を無毛(へアレス・極短毛)のチワワに掛け合わせて作ったとされていま
すので、「アステカ原種に毛の有無」はこの場合無視して構いません。
むしろ気候条件なんかから考えても「短毛」「無毛」であるような気がします。


http://irukaweb.com/areia/hairless_dog.html
ここにある「メキシカンへアレス」を小型にしたようなのが「スムース(短毛)チワワ」
です。


そもそも本来、北米中米南米に「犬(狼)はいた」んでしょうかね?
どっから来たんでしょうかね?
129とてた:03/06/26 23:37
>>128
うろ覚えですが、ユーラシアで家畜化されたイヌと一緒にベリンジアを渡ったはずです。

とはいえ、「北アメリカで(も)家畜化した」という多地域家畜化説も聞いたことはあります。
130世界@名無史さん:03/06/26 23:42
コヨーテを飼い馴らしたヤシはいなかったのかな・・・

映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」では
野生でもずいぶんと人なつこそうですが・・・
131トラメメ ◆Tula/H2VxM :03/06/27 01:04
おれの書き込みの「小型」の話ですけど、改良型のチワワは超小型、柴犬程度の
犬は小型、という解釈で書いてます。

それで、メキシコにはインカ犬の元となる犬種を含めて小型程度のものばかりだった、
ということらしいです。
メキシカン・へアレスは中型くらいの大きさのものもいるようですけどね。

そういうのを踏まえて、テチチは小型だったと推測できると思うんです。

オオカミはいましたね。
ただ、ネコ科の動物の方も多かったので、あまり目立たないですけど。
犬の方はとてたさんの言われるように家畜化されてから移動したらしいですね。
12000年前位に移動してると、どこか(忘れました)に書いてありました。

>>130
コヨーテは基本的に人にはなつかないみたいですね。
一匹くらいは飼いならせそうですが、繁殖できるほどの数を飼いならすのは
難しそうですね。
132とてた:03/06/27 22:06
やっぱり家畜化できる生き物って限られますね…「動物園での飼育」みたいにはいかないですし。
133トラメメ ◆Tula/H2VxM :03/06/30 02:32
柵の中に入れると、死ぬまで柵に激突し続ける動物もいるみたいですから。
そういう動物は明らかに飼いならせないですね・・。

アステカスレ落ちたみたいですね。