《《 熱く書け!架空の歴史。パート2 》》

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143時空官吏淡雪
第五世界 1968年 8月 

 この日、日本共和国軍楽師団は米国経由で英国へと向かった。
 長い長い、ユーラシアの戦いの始まりであった。 

 風前の灯火となった英国軍楽大将、リンゴスターの発案によりXday、つまりは、カレー上陸作戦の
敢行及びユーラシア連合軍との合流のためのヨーロッパだ通の為である。
 結果として、この戦いにおいて、ジョンレノンは討ち果たされた。

 しかし、その代償は大きく、小モルトケ、チトー、フランコ、ヒトラー、ドゴール、ロンメル、
スターリン、トロツキー、ナジイムレ、ドゥダエフ、チャウシェスク、サダムフセインやイツハクラビン、カダフィ、ナポレオン四世
そして山本五十六駐在武官や吉田茂といった英雄達の文字通り死力の限りを尽くした戦いにもかかわらず、
全ヨーロッパ及び南アフリカを覗く全アフリカは1973年に陥落した。

 ユーラシア連合軍は部隊を東シベリアへと移した…・・…これまでも充分に壮絶な戦いであったが、
何とか、軍楽師団の主力の面々は生き残っていた。
 そして、運命の1973年。ソ連滅亡戦において、それは起こったのである。
144世界@名無史さん:03/07/31 04:11
age
145世界@名無史さん:03/08/22 02:09
cominng soon

1.ロシア、その最後。
2.亡命者達の挽歌
3.ユーラシア失陥 お呼びでなかった民族達
146時空”管理”官:03/09/13 11:18
終章 1.ロシア、その最期。

永きにわたる戦いの末、ユーラシア連合軍は多くの有為なる人材を失った。
ドリススターリンゴスター師団とても例外ではなく、リンゴスターが重傷を負って療養の為に
関東送りになってからは、いかりや長介防衛軍付軍楽大将、荒井防衛軍付軍楽中将、
高木ブー防衛軍付軍楽中将、加藤茶防衛軍付軍楽中将、そして、志村康徳防衛軍付軍楽少将が
主力となっていた。
 
 1973年。この頃になると、出来得る限り日本への上陸を阻止しようとする動きに重点が置かれるようになり、
旧ソ連や旧ヨーロッパからの技術者は樺太経由で北海道に逃れ「きたかぜ」や「紅天」などの対中型幻獣決戦
兵器の開発に挑んでいた。

 そんな状態が10年も続いた頃、ついに均衡が破られ、東シベリアに最期の時がやってこようとしていた。

「志村!後ろだ、後ろ!何度も言わせんじゃねーぞ!」この頃の記録に拠れば、志村康徳は撃墜数は
少ないものの有能な支援能力で善く部隊を支えた、とある。

「チョーさん、何やってんすか!幻獣来ますよ!このままじゃ助かりませんよ!」
「・・・・おめぇ、幻獣があそこからやってきた他の世界の人間だ、と言ったら信じるか?」
いかりやは天空の「黒い月」を指差して言った。
本来のつきに貼りついてもう50年は付かずはなれずである。 
147時空”管理”官:03/09/13 11:50
終章 1.ロシア、その最期。 その2 幻獣の支配する世界

「・・・・・」
「そうだな、にわかには信じられねぇだろう。しかし、これは事実らしい。そして・・・おまえは知ってるよな?
幻獣に支配されるって事がどう言うことかを。」

知らないはずが無い、志村康徳は、この手で止めを刺したジョンレノンとオノヨーコを思い出した。
1945年、ドイツは未だにヒトラー総統が健在でアルプスでにらみ合った状態で休戦状態に入った。
そして、首脳は徹底交戦を図ることを条件に一切の講話条件無くユーラシア連合軍が組織された。
それも・・・80年代から90年代に掛けて欧州が陥落の憂き目にあうと同時に夏季休戦期・・・何故か夏休み
の数箇月は幻獣は現れなかった・・・を縫って旧ソ連領を突破しようとしたのだが・・・

そこには人類がいた。幻獣と共に生きる生体部品のような輩では有ったが。
結局は海路で東シベリアへの脱出を図ったのだが・・・
148世界@名無史さん:03/09/13 11:54
「つまりは、自然ファシズムって奴だな。問題は、長い間奴等と接してると体中が胞子や植物繁殖菌に蝕まれ・・・
最悪、幻獣となる、って事だ。」

「チョ―さん、まさか・・・・」
「あぁ、そうだ。俺と注さんは、ここまでだ。御前等は俺達の分も長く生きて多くの者を救え。」
「チョ―さん!」
「あと、一時間、いや幻獣が来たらそれまでだが・・・各部隊に配られている焦土弾だ。これを起爆させる。
良いか、お前らは21世紀をその目で見るんだぞ!」
「・・・・・・全軍に通達!本部隊はこれより全ロシアの焦土化作戦に入る。よって全軍は朝鮮半島方面より
脱出を図れ!」

「さぁ、次、行って見よう・・・麦捕落ちて新たな麦となるように、我等は落ちて新たなものとなる。
 その身と魂は、われらの知らぬところで、新たな生となるだろう。…次もまた、ともに戦う戦友となることを願う。
…我等の旅が良い旅であらんことを。ゴッドスピード。『いかりや長介』『荒井注』本人同士で引導渡し合うのも
オツで良いもんだ・・・」

・・・この核の業火による焦土化作戦により幻獣は環境の修復を優先させた為に進撃が止まり、人類は
貴重な時間を得た。
 しかし、97年、その安寧も終わりの時が来たのである。
149時空”管理”官:03/09/17 08:04
終章 2.亡命者達の挽歌 その1 国の夢の終わりに
話は ttp://www.alfasystem.net/game/gp/GPMOS/gpm_gaiden_top.html
の第7話最終幕から始まる・・・・

「何だ、こりゃあ・・・・」
志村が目にしたものは見渡す限りの死体。
鬼善行と呼ばれた伝説的少尉の率いた部隊のなれの果て。

同時に何者かに幻獣がものすごい勢いコロされていっているのが分かる。
・・・・懐かしい、姿は違うが、あれはAだ。

女が傷ついた少尉に話しかける。そうか、あれが善行か。
「そろそろお別れだ。善行。希望の種はまき終えた。我はまた新しい世界に行く・・・待て。」

女はこちらに気づいたようだ。
「本来有りうべからざる者……我は、反逆者。天と地の理に異を唱え、反逆するもの。そして志村、
そなたもも、そうだ。久しいな。」
「あぁ、30年ぶりになる。仲間は皆死んじまった。俺には運命は変えられなかったようだ。」
「そなたは反逆しすぎた。そなたは肉体の限界により伝説のこちら側の人間にはなれぬようだが・・・」
「現在の撃墜数は289だ。足りねえな。」
「何よりそなたは仲間を殺しすぎた。敵も。味方をコロした敵を殺してもマイナス2のままだ・・・・」

「時間だ。善行、時の果てで会おうぞ、英雄の介添え人よ。」
「待て!何故仲間を助けなかった!」
「・・・同じ事だ。残るは死体が二つだけ。敵と味方の両方の死に責任を持てるようにせよ」
150時空”管理”官:03/09/17 08:48
・・・・・・・一連のやり取りを見守りつつ志村は考えていた。
東南アジアの失陥によるユーラシア連合軍の最後のこと、日本義勇軍に志願して戦った、この戦いのこと。
そして、殿を勤めた善行隊の生き残りを回収するように依頼してきた芝村のこと。

善行はひとしきり何故一介の大学生の中途出陣に過ぎない自分が生き残るのか!
と泣き叫び返事の無い、もう消えてしまった友に問いかけ、絶叫した後、しばらく黙っていた。
志村はここで初めて、若宮タイプの戦士が一人生き残っていることに気づいた。
「貴方は?」まだ震えながらも戦士としてのふるまいは忘れていない、上出来だ・・

「志村康徳。 旧ユーラシア連合軍内・旧大英帝国防衛軍付き軍楽中将・・・今はただの陸自大佐だ。
芝村もやっている。貴官らは敵を撃滅させた。命を捨てて最期の30分を稼ごうとするものを見捨てる者を
芝村とは言わないしな。」

若宮の目が大きく見開かれるのが分かる。志村。芝村であるのは気にくわないが、さっき消えた少女と同じく
絢爛舞踏の素質あるものとして学校の教科書に載る生ける伝説・・・そのカトラスはスキュラですらも
砕いたと言う。

善行は冷静に言った。
「さて、芝村さん、で良いですか?脱出方法はありますか?」
「できれば志村の方が良いが・・・隠してある旧連合軍の艦艇を使えば対馬までは持つだろう・・・」