>>134-140 フランス・ブルボン家の家督は、シャルル10世のあと、
アングレーム公ルイ・アントワーヌ(自称ルイ19世)→ボルドー公アンリ(自称アンリ5世)の順に継承されています。
ルイ19世は、シャルル10世の長子で、妻はルイ16世の娘マリー・テレーズ(革命中に幽閉された王族のなかで唯一革命後まで生き残った人物)です。
アンリ5世は、ルイ19世の弟の子です。
しかし、ルイ19世、アンリ5世ともに子供がなく、フランス・ブルボン家はアンリ5世の死をもって、1880年代に断絶しました。
そこで、現在フランス国内の王党派からフランス王位継承者と認定されているのは、スペイン王アルフォンソ13世(1931年の革命で廃位)の曾孫で、現スペイン王フアン・カルロスから見れば従兄弟の子にあたるアンジュー公ルイ・アルフォンスです。
もし仮に即位すれば、フランス王ルイ20世となります。
スペイン・ブルボン家はルイ14世の子孫なので、男系のみでたどれる親族としては一番フランス王家に近い家系になるそうです。
もちろん、前述のアンリ5世にはイタリアのパルマ公に嫁いだ妹がおり、彼女の子孫を含めれば、末期のフランス王家に血縁的にもっと近い家系もいくつかあります。
例えば、パルマ・ブルボン家と姻戚関係のある現ルクセンブルク大公家なども、女系を介せば、シャルル10世の血を引いていると言えます。
なお、フランス王家の継承権を主張する一族としては、他に七月革命で王位についたルイ・フィリップの子孫のオルレアン家(正しくはブルボン・オルレアン家)もあります。
こちらは、ルイ13世の子孫ということになります。
オルレアン家のほうは、第二次世界大戦中からフランス王位継承権を主張して活動しており、1958年にはフランスへの帰国が(二月革命以来110年ぶりに)認められています。
オルレアン家の現当主は、フランス王アンリ6世を僭称しているようです。
しかし、王党派の大半は、王位継承権者としてのオルレアン家の正当性に否定的であり、そのために代わりに擁立されたのが、スペイン・ブルボン家の一族のアンジュー公だったようです。
アンジュー公家は、フランス革命200周年の1989年にフランス国籍を取得しています。