>>17,
>>18 とんでもない誤解があるようなので書いてみたい。文化の退行どころかヴェルサイユ宮殿こそは
シスターン(貯水槽)を備えた本格的水洗式トイレが初めて設置された栄光の地なのである!!
いや、のみならず、汲み取り式からスタートしたヴェルサイユのトイレの歴史を語ることこそは
トイレの近代史を語ることでもあるのだ。以下でその黄金の歴史について語ることにしよう。
まず最初の段階はルイ十四世の時代である。四分の一世紀をかけてヴェルサイユを大改修した
太陽王はその居住スペースに風呂と「穴の開いたイス」と呼ばれる汲み取り式トイレを設置した。
しかし、宮殿に住むことになった王一家以外の貴族たちや召使いのためのトイレはなく、彼らの
用をまかなっていたのは2000個に及ぶ「おまる」だった。だがそれが使用される以上、中身は
当然、庭にでも捨てるしかない。華麗なるヴェルサイユの影の歴史はここに始まるのである。
1715年のルイ十四世の死後、摂政時代が始まり宮廷は暫くパリへ移るが、1722年ルイ十五世は
再びヴェルサイユに戻り、彼の積極的なイニシアチヴによって、このやや旧式化していた宮殿の
大改装が始まった。その際、真っ先に手を着けられたのが風呂とトイレで、清潔好きだった王は
従来の十四世型の汲み取り式便器を「イギリス式のイス」と呼ばれる水洗式に変えたのである。