気候から見る世界史

このエントリーをはてなブックマークに追加
79世界@名無史さん:02/08/06 21:53
>>75
そんななかでも差別はあったし、それを見てやっぱり
思う人は思ったんでしょうね。
80Krt:02/08/06 22:44
ブックガイド

(1)まずは、議論の一番基礎となる、「そもそも小氷期とか、高温期といった
過去の気象変動が、歴史時代に入ってからは、いつ、どこで、どのような規模で
生じたのか」を自然科学的方法と古文書解読による歴史的方法という両面から
具体的に解明しているアナール派の史家による名著として、
@エマニュエル・ル・ロワ=ラデュリ「気候の歴史」藤原書店、がある。
 ただこの本は、「その気象変動が歴史にどのような影響を与えたのか」という
問題に関しては極めて禁欲的だし、\8800と高価。入門書とは言い難いかな。

(2)気候のもたらす人間、及びその文化への影響というテーマだと、これは古典だが、
@ハンチントン「気候と文明」岩波文庫(品切れ?)と、これに影響されて書かれた、
@大後美保「気候と文明」日本放送出版協会(これも古い本)

この手の本を批判されずに書くのは難しい。前者など良く岩波が復刊したなと思うし、
後者も筆者が農学者なせいか基本的に理科的な本で、年代別気温グラフなどもあるんだが、
そういう気象変動を、そのまま何の媒介も検証もなく歴史的出来事に結びつける辺りに
そこはかとなくトンデモ臭が漂う。産業と気候の関係を述べた部分なんか良いんだけどね。

(3)狭義の気候を含めた、環境と歴史文明という風に枠を広げると対象も増える。
誰かが挙げていたが、クライブ・ポンディング「緑の世界史」上下、朝日選書、は面白い。
最初の方のイースター島の話が読めるだけでも買う価値はあると思う。
あと個々の歴史的事象の解釈の正確さに異論が出そうだが読んでいて刺激的な物としては
湯浅赳夫の一連の著作、特に@「環境と文明」@「人口の文明史」(新評論)あたりか。
 
(4)最後に総合的なものとしては(未読なんで無責任だけど)、
朝倉書店:講座「文明と環境」全十五巻(内容は下記URL)の中の何冊かが良さげだ。
http://www.asakura.co.jp/cgi-bin/ncommerce3/ExecMacro/asakura/frames.d2w/report
8174:02/08/06 22:55
俺も、「緑の世界史」はとんでもなく面白いと思った。
一読をおすすめする。
82世界@名無史さん:02/08/07 02:51
age

83世界@名無史さん:02/08/07 03:08
昔、百済とか新羅とかから王子が人質できてたし、大和政権のほうが国力があった
とかいいますけど、これって当時の朝鮮半島が寒冷化で米とれなかったからとか可能性として
ありますかね?
そうでもないと、鉄取れるのは新羅だし、大和のほうが力あったという理由が他にないような気がするのです。
日本は寒冷化でも暖流でどうにかなってたのかと。
84世界@名無史さん:02/08/07 03:52
気候変動って、今も当然起こり続けてるんですよね?
今のこの暑さは異常というか、昔は確かにこんなに暑くなかった。
CO2の増加だけでなく、本当に気候が変化しているのではとも考えたり・・・。
85世界@名無史さん:02/08/07 04:27
>>84
しかし、地球史的には今はむしろ寒冷期だそうだ。
86世界@名無史さん:02/08/07 06:08
狩猟民族の労働時間が3時間、云々って話は
マービン・ハリス”食と文化の謎”じゃなかった?
楽しいし好きな本だけど、いまや内容的にはいかがなものかと…(なのにカキコ)
87世界@名無史さん:02/08/07 11:37
>>86
獲物がなければ死ぬまで残業という罠
88世界@名無史さん:02/08/07 16:50
>>86
緑の世界史他、けっこういろいろなところに書いてある。
狩猟・採集は「採集」のほうに圧倒的ウェートがあるので、>>87のようなことには
ならないらしい。
89世界@名無史さん:02/08/07 22:44
>>84

IPCCによれば、20世紀で世界気温が暑かった日のベスト10をとると、
うち7つは最後の90年代に集中しているそうな。

90世界@名無史さん:02/08/08 11:09
>>78
>あと生まれたときから住んでいれば慣れるだろうし。

いやいや、やっぱり暑いらしい。現地の人たち、モスクの中で寝ていたもの。
モスクって、お祈りの時間以外は、お昼寝の場なのよね。巨大な屋根が、日光を
さえぎるから、建物中は涼しいんですよ。
91世界@名無史さん:02/08/12 01:24
かなり良い入門書が挙がっているけれど、もう「気候と歴史」についてのテキストは、
もっと他に無いのかな。
92 :02/08/12 01:26
>>90

そうそう!
モスクって、寝るのが禁止にされているけれど、結構現地の人たちが昼寝に
来てるよね!

日陰だし、屋根が高いから輻射熱ないし、モスクって風通しもいいから、昼
寝にさいこー
93YP:02/08/12 02:32
>>92
>モスクって、寝るのが禁止にされているけれど、結構現地の
>人たちが昼寝に 来てるよね!

それってのは察するにトルコだからって事っすか?
いいですね、優雅で。歴史的建造物での昼寝なんて。

お茶の水の正教会なんて、写真すら撮らせてくれん。
昼寝なんてしようものなら「出てけ!」だろうな。
9492:02/08/12 03:02
>>93

なぜ、トルコと分かったのですか?

ちなみに、ロンドンのモスクでも昼寝している、アラブ人や白人ムスリムが
たくさんいました。
9592:02/08/12 03:06
モスクが昼寝に向いているんほあ、あの絨毯のせいですね。
靴を脱いであがると、足の裏にフワッフワッという心地よい感触。

もともと、地面に絨毯を敷いてその上で祈りをしていた、西アジアのスタイルを
建物に持ち込んだのがモスクですから、立っても座っても寝ても心地いいんです
よね。

それに比べると、キリスト教の教会は、イスに座って祈るのが主流だから、昼寝に
向きませんね。

この違いはなぜ生まれたんだろう?
96YP:02/08/12 03:31
>>94
>なぜ、トルコと分かったのですか?

いや、別に、読めばトルコでは無いかな?と思っただけの事っす。
主要なモスク内部に観光客が入れるのはトルコくらいだと聞くし。

代々木上原のモスクに本でも読みながらゆっくり昼寝しに行こうかしら。
97世界@名無史さん:02/08/15 08:09
スペインの昼寝の習慣は
イスラム時代のお祈りに端を発する、
というのは本当ですか?
98世界@名無史さん:02/08/15 18:18
そういえばタタールスタンなど冷帯イスラム国では
日照時間がほとんどないからラマダンの時に断食が出来ないってきいた事がある。

イスラムって実はチベット仏教とも発想が似てたりするが
パミール高原から西がイスラムで東が仏教なのも面白いね。
西伝仏教の西限ってバーミャンあたりだっけ?
乾燥地帯と湿気のある地域でウケるものが違ってくんのかな。
99世界@名無史さん:02/08/15 18:20
タタ−ルスタンて実はロンドンより北なんだよな。
100世界@名無史さん:02/08/15 19:13
100?
101世界@名無史さん:02/08/15 21:56
>>16
「生態史観」というのは、『遷移』『撹乱』などの「生態学」(主に群集生態学)的な
用語を援用して、歴史を包括的に捉える考え方です。

気候や植生などの生態系的な要因を基本的には無視しますので、気候史と生態史観には
関連性はあるかもしれませんが、まったくの別物です。
102世界@名無史さん:02/08/15 22:11
>>24-30
いい加減な説明をすると、赤道付近で蒸発した水蒸気は次第に冷やされて南北緯30度
くらいで下降気流になります。
 上昇気流が抑制されるから雨が降らずに沙漠化しやすい気候が発生するわけです。
(南〜東アジアではヒマラヤ山脈のせいなんかでちょっと気候パターンが特殊だけど)

 気温が低ければ早く空気が冷えるんで、この少雨ゾーンが赤道寄りになります。
 暖かければその逆。

 あまり気付かれにくいのですが気温の変化によって、降雨パターンも変化します。
当時の降雨パターンが、中国北部に森林を作るだけの降雨をもたらしていたというこ
とでしょう。
 なんでもかんでも人類の活動のせいにしてしまうと、変な結論になることがあるので
注意したほうが良いかも、という話です。
103世界@名無史さん:02/08/15 22:18
ただし、中国北部の沙漠化には人類(特に農耕と薪炭利用)の影響も大きく見ら
れるのは事実のようです。
 もともと沙漠化しやすい土地を農地化すると、沙漠化を加速します。

>>33
 そのせいで家畜を肥やす草原が減少し、棲家を奪われた遊牧民族が南下活動を
活発化させることになった……というのは司馬遼太郎が好んで発言していた内容
ですね。
104世界@名無史さん:02/08/15 22:28
今日初めてこのスレッドを見つけたんで、知っているだけのことを。
読みなおしてみると、>>102の内容は必要無しでしたね。すいません……

>>50
たたら製鉄では植樹してませんでしたっけ?
今度機会があったら調べておきましょう……
105世界@名無史さん:02/08/16 00:56
本屋に「ウェザーファクター(だったかな?)」という本を見つけました。
106世界@名無史さん:02/08/18 16:03
人間もいつか気候を操れるようになるのかなぁ
107世界@名無史さん:02/08/18 20:16
>>106
地球規模なのでちょっと難しいかと……。
局地的に雨を降らせることぐらいでご勘弁を。
108:02/08/19 00:28
>>107
核の冬、って手がありますぜ
109:02/08/19 00:31
と、ここで素朴な質問。
たとえばフン族って、「何の目的で」西進してきたんでしょうか?
そうせざるを得なかった理由はやはり気候的なもの?

110世界@名無史さん:02/08/19 01:02
・韓国の新聞などは「現実に "East Sea" と表記するサイトが増えてきている」と伝えている
 が、これは「日本海の名称は現在係争中であるから、係争が解決するまで両方の名前を併記
 せよ」という韓国側の圧力によるものである(現在国際的にはこのようなルールになってい
 ることは確か)。つまり、これをもって学術的な正当性が認知されたとするには明らかに
 無理がある。

・韓国政府が行っているロビー活動について知る由は無いが、民間の地図会社に対して行われ
 ている「活動」の実態は以下のようなもの(通常の活動を行っている人もいるだろうが):
 - 活動団体のサイトに、日本海が Sea of Japan と記述されている地図サイトの投稿がある。
- 活動団体は「地図サイトに抗議メールを送信する」ボタンを自分のサイトに設置する。
  ここで送信されるメールは以下の内容を含む。
o 韓国は "East Sea" が Sea of Japan の正式名称であることを主張している
o 現在の Sea of Japan という名前は日本の植民地支配によるもの(但し具体的な証拠は
   挙げない)
o そのため、Sea of Japan への改名、最低でも併記を関係国が合意に達するまでは行う
   こと。
- 活動の支持者は、このサイトを訪れて自分のメアドを入力してボタンをクリックするだけ
  で、その地図サイトに抗議メールを送ることが出来る
ネット上であるWebマスタがこの方式によるメールを毎日20通受け取ることになったので名前
 を変更せざるを得なくなった、と言うことを述べ、この活動の裏側を明らかにしている。

http://forums.about.com/ab-geography/messages?lgnF=y&tid=3165&fpi=yes



188 名前:我々がすぐに始められる活動について[] 投稿日:02/08/17 13:05
※East Sea との表記を見つけたら抗議しよう。

2ちゃんじゃないんだから「チョンは基地外だから」とか書くとあんたが機知外だと思われるぞ。
SPAMまがいのことも出来れば避けたいが・・・

「この地域の地名としては "Sea of Japan" が世界的に確立している。このように表記している
理由を教えて欲しい」が一通目。二通目はおそらく「韓国がこの地域が紛争地域と認定している
ことは承知しているが、それを理由に表記するにしても"Sea of Japan"が標準名称と分かるよう
に書くべき。」ぐらいか。
また、表記の理由を控えておこう。「この地域が紛争地域との指定があったから」とだけ言われ
たら、そこではおそらくどうしようもない。ただ、後日韓国側から「このサイトも正当性を認め
た」と主張された場合に反論できる証拠になる。「表記が不当であるとの指摘があったから」と
言われたら、上で書いた説明を送って欲しい。「純粋に韓国地域の地図であり、韓国内の呼称に
従った」と言われ、実際に日本が出てなかったら…。「そうであるなら、"East Sea"ではなく、
"Dong Hae"と表記して欲しい。この地域で"East Sea"という英語名は通用していない」だろうか。

※外国人のお友達に説明しよう

上にも書いたように、中国・ベトナムは自分の東の海を"East Sea"と呼んでいる。「韓国は
どのアジア人も"East Sea"というと日本海を想起すると嘘の主張をして、East Seaを日本海の
標準名にしようとしている」と説明すると、きっとおかしいと思ってくれるはず。
また、ヨーロッパの人々は、日本や韓国とは比べ物にならないくらい海事に対する意識が高い。
200年以上前の古い地図を引っ張り出して、各国がやっと作り上げた標準名称を破壊しようと
することに対する関心は、多分日本人が思っているよりかなり高い。

111世界@名無史さん:02/08/19 04:08
>>108
サダムの秋ってのもありましたぜ。
フセインがクウェートの油田を燃やしたら、日本のイネの収穫量が二割減った。
細川内閣は公約を翻して史上初めてタイ米をコメとして輸入。

なお、同じ時期にピナツボ火山が噴火していて、こっちの煙のほうが数倍多いという罠。
でも桁数はおなじ。
112梵阿弥:02/08/19 20:39
小氷期であっても、地球上の水のうち地上で凍ったままの分が増えますから、海面が下がる。
ネデルラントの勃興も或いは低湿地が高燥化して港湾整備が進んだのが切っ掛けだったかも。
>>58
些細なことですけど、石炭で動く内燃機関というのは存在しないと思います。
蒸気機関やスターリング機関は外燃機関です。
113トトメスV世:02/08/19 20:58
>>109
「西暦535年の大噴火」って本にその辺り書いてありましたね。
丁度このスレの内容に合うかと思われましたので。
「はぁ?」と思う部分は多かったですが、全体としては面白い本でした。
114:02/08/27 21:40
>>113
それって本の題名?
古本屋で漁る「むー」より面白い?
115世界@名無史さん:02/08/27 23:16
>>114
はい、書名です。
きちんと史料を検討しつつ書かれていて、所謂トンデモ本の類では無いですね。
116世界@名無史さん:02/08/30 07:43
117世界@名無史さん:02/09/01 14:43
良スレなのでage
118世界@名無史さん:02/09/02 03:51
119 :02/09/12 22:33
保守
120世界@名無史さん:02/09/14 14:15
「西暦535年の大噴火」って、噴火そのものは確認されているの?
その影響と目される不作、とか、王朝衰退とか民族移動とかじゃなくて、
火口跡、とか火山灰の堆積跡といったハードな証拠はあるの?
121世界@名無史さん:02/09/26 23:11
122世界@名無史さん:02/10/07 23:26
保全命令、執行!
123世界@名無史さん:02/10/08 00:27
なんか面白そうなテーマなのに「火山噴火で滅びた文明」スレと
両すくみになっちまったみたいな気がする。
理系の地球科学関係の人いませんかぁ?
いたらなんか書いて下さいよ。


124世界@名無史さん:02/10/21 20:11
>>123
う〜ん、理系の板にこのスレを紹介してみるのも手鴨。
125世界@名無史さん:02/10/21 20:23
>>120
横レスですが。
『スンダ海峡火山の噴火は、インドネシアの古代伝承による』と、
その本の中ではされています。
オランダとジャカルタにある、『王国時代からの歴史関係の書物』
だそうですが…なんかトンデモ臭もしちゃいますな。
126世界@名無史さん:02/10/27 22:14
>>120
大噴火に伴う気候の寒冷化が、植物の年輪等から推定されていなかったかな。
127世界@名無史さん:02/10/27 23:22
120じゃないけど、
「寒冷化があった」ということと「それが大噴火による寒冷化だ」
ということとは、もの凄く距離があるよ。
その本はそこの所のギャップを埋めてないんじゃないの?
全ての寒冷化が噴火で起こる訳じゃないだろうし、
ましてや噴火そのものの存在は確認されてないわけだろ?
128世界@名無史さん
age