島流し状態だったのでスマソ
ヴュルム氷期が終わって急速に温暖化が進んだ時、人類(ってホモ・サピエンス
しかいないが)はどのように対応していったのでしょうか。
非常に大きな変化だったにもかかわらず、ここらへんを扱ったものが意外と
少ないような
156 :
世界@名無史さん:02/10/05 18:29
>>155 それは、扱ったもの少ないと思います。
南極で氷床コアがボーリング発掘されたのが、20世紀末です。
新雪が自重で氷床化するときに封じられる大気成分や氷床の層厚から
気候変化の細かいデータが採れるようになったのですが。
これは、研究者にしてみれば、つい先ごろって感じでしょう。
南極の気候変動を、どうやって各地の気候変動に参照するかにも
細かな処置が必要ですしょうから、ヴィルム氷期終了前後の気候変動については、幾つ物仮説が並立しているのが現状のはずです。
ですから、現状は「扱ったもの」一番出難い時期かと思います。
そうだったのですか。どおりで・・・
>>157 例えば、ヴュルム氷期が一端温暖化した後の、地球規模で一時寒冷化した時期が知られています。
ヤンガー・ドリアス期と呼ばれている時期です。
これが1万2000年前を中心にした時期で、前後数百年。
(大まかに800年前後だったと記憶していますが、ちょっとあやふやな記憶です)
このヤンガー・ドリアス期発生のメカニズム一つをとっても諸説ある状態で。
アイスランドやヨーロッパの氷床が溶融し、氷床内奥部に溜まっていた冷たい
水が沿岸部で一気に決壊して、海に流れ込み、冷たく重い深海海流となって
各地を冷やした、なんてモデル仮説が考えられてます。
が、電算機上のシミュレーションはできても、氷床の内に冷たい溶水がダム状
になっていたかどうか、地質状態から推定するのは現状ではなかなか困難らしいです。
何か、新しい測定技術が開発されれば、推定も可能になるかもしれません。
こんな感じです。
ほかにも、気候の変化に応じて気候帯の分布事態が変動していることはほぼ確実だそうですが。
その変動のメカニズムもうまく説明するモデルはまだ定説化してないようです。
ですから、せっかく南極で、細かい気候変動のデータが採れるようになっても、
それを各地の気候変動にリンクさせてくのに大変てこづっている、とこうした状態らしいです。
深層海流の話は聴いた記憶があります。確か東南アジア付近の温度上昇が約2000年
遅れていたことの説明だった(←超あやしい記憶)
ところで気象で使われている年代ですが、これは絶対年代なのでしょうか。
考古学で一般に使用されている年代は14C年代が多いようですが、最近はcal.BP年代
も使われていたり、しかも表記している年代がどれなのかの説明もほとんどなされて
いないので、素人泣かせとなっております。
さてと、また出稼ぎに逝ってきます。憂)
>気象で使われている年代ですが、これは絶対年代なのでしょうか。
古気象学についてですね、
私も専門ではない、という事である程度眉につばつけて読んでください。
絶対年代/相対年代と言う事は気象学では言わないのではないか?、と思います。
一応書いておきますと、相対年代と言うのは、出土遺物の形式に基づく編年の
事ですので。
古気象学の年代推定法は、みんな絶対年代です。
が、分析方法によって誤差の範囲が違う。
>表記している年代がどれなのかの説明もほとんどなされていないので、
>素人泣かせとなっております
そうですね。確度の高い推定年代です。
絶対年代と言えど、推定であることに変わりありません。
後、次のようなことは言えると思います。
地質調査に基づく推定はより誤差が少ないはずです。
が、古木の年輪を調べ、複数データを接合していって古気象を推定していくような場合、
どうしても誤差が大きくなるのではないか、という意見は聞くことがあります。
専門ではないので、判断は保留しますが。そういう意見も聞く、という事で。
>>160は、ちょっとはしょって書いてしまった。
一見、妙な主張をしてる文章になってますね。補足。
>絶対年代と言えど、推定であることに変わりありません。
絶対年代/相対年代というのは、
昔は、
歴史学(文献史学)と考古学(C14分析法が確立する前の考古学)の間で言われていた事です。
文献史学では絶対年代が割り出せるが、考古学(形式編年方)では相対年代しか割り出せない、
だから考古学は文献史学の補助学でしかないんだ、とか言って、文献史学、特に制度史の学者は、いばってた(w)。
多分、その反動だと思うのですが、
C14法が開発されてから、考古学者の方がこれこそ絶対年代だ、と言って見返した(?)。
ところが、C14法にも誤差はある。
その誤差は年代が古くなればなるほど大きくなる。また測定対象が高熱を帯びたことがあると、誤差は大きくなる。
ですから、今では考古学関係では、きちんとした情報には、誤差付きの絶対年代が示されています。
そうした誤差を補正する手法もあるのですが、結局、測定誤差は0にはならない。
これは、かつて文献史学の方で言ってた絶対年代とは、厳密に言えば、考え方が違う数値です。
文献史学の方では「絶対年代」なんて、今ではあまり聞かないような気がします。
>>160,161
解説感謝
絶対年代は表記ミスでした。[真の]年代かというのが本意です。
例えばよく12000年前に・・・と書かれているものを見ますが、この値は何を元に
割り出したものなのでしょうか。
この年代だと放射性炭素だと思うのですが、仮にそうだとすれば補正が必要だと
思います。そうしなければ他の測定法による年代と合わなくなるから。
それにしても一万年前の放射性炭素停滞期ってのはイタいですね。結構肝心な所
が曖昧。考古学ではここの所はどのように対処されているのでしょうか。
>>161 文献史学では絶対年代が割り出せるが、考古学(形式編年方)では相対年代しか割り出せない
そんなことで威張りかえられてもなあ(w
>>162 例えばよく12000年前に・・・
この時代に限って言えば、細かい年代を言うより
「更新世の終わりから完新世にかけて」とした方が
事の本質を捉えてる気がする。
>>162 >例えばよく12000年前に・・・と書かれているものを見ますが、この値は何を元に
>割り出したものなのでしょうか。
推測ですが、「1万2000年前に」の「大元」は、世界各地の氷河痕跡の地質学的調査だと思いますよ。
氷河の研究と言うのはヨーロッパからはじまった物で、過去には氷河期の存在も議論になっていた。
アメリカ大陸の氷河期痕跡からの推定とも大筋があうので、氷河期が学問的に認知された。
これ19世紀の話。炭素同位体年代測定が実用化されたのは20世紀の60年代の話だから割りとギャップがある。
後は、G・ハンコックみたいな超古代論者が何かと言うと「1万2000年前」を多用するので広まった部分もあるとは思いますが。
どちらにせよ、私が目にした範囲では、
>>156、
>>158で紹介したような、研究の動向とは関係ない物ばかりだと思います。
>>163 >そんなことで威張りかえられてもなあ(w
考古学って、振り替えってみると、実は不思議な学問だと思うんですよね。
私は、考古学の学問史のよい本がないか、探してるんですけど、なかなかこれと言ったのがないんですが。
a「美術史研究」、b「古銭学や金石学といった博物学」、c「歴史言語学」この3つのトレンドが、なんとなく集合して学問らしくなったのが、多分18世紀も後半の事。
19世紀に地質学、古生物学、人類学などが集合して分野が確立(?)。
20世紀に科学的測定技術が次々開発され、“科学的”になる。
アメリカだと考古学は人類学の一分野と位置づけられてるし、位置付けも国によって違う。
>>161>考古学は文献史学の補助学でしかないんだ、とか言って、文献史学、特に制度史の学者は、いばってた(w)。
私は、考古学と歴史学の対等の共同研究が成立したのは、1970年代頃からではないか?と思うんですが。
特に日本では、過渡的に「歴史考古学」なんて盛んに言われてた時期がありましたよね。
(今では当たり前すぎて「歴史考古学」なんて言わない:w)
私が思うに、「考古学と歴史学の対等の共同研究」成立するようになったのは、歴史学の方でも、例えば社会史みたいな観点が成立したからでは(?)、と思ってます。
>>.165
さらに人類学とも微妙にかぶる罠
>166
おまえ、レスをしっかり読んでないだろ・・・
>>165 考古学の歴史と言うのも面白いですね。
余談ごとですが、
昔、歴史というのは文字が現れてから以降のことを言い、それ以前は有史以前と呼
ぶと習いました。今にして思えばずいぶんと大雑把な編年ですが、このために歴史
という言葉を有史以前に当てはめるのが後ろめたく感じられます。
一方、考古学が示すところの編年は人類史であり、生物としての種が異なるにもか
かわらず連綿とした文化の流れを表しているのにも違和感を覚えます。
なんでホモ・サピエンス史の編年を作らないのだ と。
>>163 たしかに古気象学だけから見ればそれでも良かったのでしょうが、考古学と結び付
けられるようになるとそうも行かなくなっているように思います。
例えば、農耕開始のきっかけがヒプシサーマルと呼ばれる気候変動にあるというよ
うな仮説がでると、その前後に位置する遺跡に注目が行きます。ここにさらに細か
な時間軸が必要になってきます。
時間という基本的な次元が統一されていないと混乱のもとになるので、少ししつこく
追求しているしだいです。
ヒプシサーマル→ヤンガードリアス
>>168生物としての種が異なるにもかかわらず
連綿とした文化の流れを表しているのにも違和感を覚えます。
例の捏造原人、アレが嘘じゃなかったとしても
「日本史」の教科書に載せるというのはどうかと思った。
・・・「日本」も何も原人じゃん!
現生人類と繋がりがあるのかどうかも分かんないし!
171 :
世界@名無史さん:02/10/17 21:41
z
173 :
世界@名無史さん:02/11/01 21:50
age
ピルトダウン原人が闊歩していたのです。
=== 終 了 ===
178 :
世界@名無史さん:02/12/07 12:30
age
179 :
世界@名無史さん:02/12/07 18:02
180 :
世界@名無史さん:02/12/21 08:22
ウバイド期って都市文明と言える?
181 :
世界@名無史さん:02/12/21 13:13
>>180 言えないのでは
定義は知らんが王墓がでたら都市と呼んでいるように思える
>>181 でもウバイド期の集落って数十ヘクタールに及ぶものがあるよね。
183 :
世界@名無史さん:02/12/21 18:45
>>180-181 えーと、一般的には、
定住地の定住民にに、1次産業以外の専門職にて生計をたてている者の比率が高い場合が、「都市」の最低条件とみなされます。
研究者によっては、立場に応じて、その他の余条件を考慮して、都市であるとか都市でないとか言い合ってる感じですね(苦笑)<最低条件
従って、集落(定住地)の面積が広大であっても都市ではないこともあります。
逆に、フェニキア系都市のように、インフラの規模が極狭くても都市と呼べれます。たとえば交易拠点都市など。
王墓・王宮に関しては、例えば、遊牧民族の場合は、王墓が出たから都市」という予想は蓋然性が低いです。
一例、ミケーネ文明の場合、王宮に専従書記官層が多数従属していたことがわかってきてから、都市との見方が成り立ちました。
逆に初期ヴァイキングのように、首長みずから家業の牧畜なども監督していた場合は、この居城がある集落を都市とみなすかどうかがたいへん微妙な議論になるはずです。
184 :
世界@名無史さん:02/12/21 18:53
>>183 なるほど。
しかし、ウバイド期ウルク期のような文字の無かった時代に専門職の割合など解るもんなんじゃろか?。他の考古資料から推測するのかな?
185 :
世界@名無史さん:02/12/21 20:36
>>81 今更のレスだけど、脳容積=頭の良さとはちがう。
その理屈だと鯨は人間より頭が良いという事になってしまう。
それと関係あるかどうかわからないが、
最近ではチンパンジーなども人類に含める区分も出てきているね。
186 :
世界@名無史さん:02/12/21 20:49
チンパンジーが地域によって行動形態とか道具に違いがあり、
「文化」というものを持っているというのは有名な話だな。
187 :
世界@名無史さん:02/12/22 02:01
>>185 >チンパンジーなども人類に含める
ボノボも入れてやらないとね。道具を使うという観点だと、カラスも人類の一員だね。
188 :
世界@名無史さん:02/12/22 07:14
>>184 私は、専門研究者ではないので、ちょっと、中公世界の歴史の1巻を読み直してたのですが。
一応、ウルク期の初期(前3400年〜)メソポタミア南部の後のシュメール地方で都市化が始まったとされているようです。
ウバイド期の“都市”については記述が見当たらなかったのですが。
例えば「ウバイド1期(前5000年頃〜)小祭祀場が、継続して大神殿に発展していった様子が跡付けられる」などの記述がみられまして、個人的な読解ですが、ウバイド期末期の都市化は断定はできないが、可能性も否定できない、的な含みも感じました。
専門家は、イラクでの発掘調査をしたくて(再開したくて?)しょうがないんじゃないですかね?(苦笑)
>>184 >他の考古資料から推測するのかな?
広い意味での考古資料から推測するはずです。
>>189に記した、ウバイド期の集落発展に関しても、例えば――
>それまでこの地域では、漁労、小家畜の飼育、農業がバランスよく営まれていたのにたいして、――といった記述がありますので。
遺構、出土遺物、動物遺骨、顕微鏡的な物も含めた植物標本などから総合的に判断されるのだと思います。
後、今の考古学だと、近隣集落間の物流の跡付けもすごく考慮してますよね。
例えば、インダス文明の考古学なんかは、特にメソポタミア地方との交流で都市化したとか、都市が衰退して集落に戻ったとか、そういう記述をちょくちょく見かけます。
191 :
世界@名無史さん:02/12/24 04:27
沖縄海底(略
192 :
世界@名無史さん:02/12/27 17:08
>>184,198
NHK出版の四大文明のうちのどれかで対談があり、
その中で都市についても言及していたよ。
漏れ的にはそのような言葉に振り回されたくはないが・・・
193 :
世界@名無史さん:02/12/27 17:45
とりあえず世界中にはまだまだ未確認の場所が多い。
海底大陸棚、砂漠、南極、地下、など。
2003年に期待しる!
194 :
世界@名無史さん:02/12/27 18:23
>>191,193
ロマン派は別スレ立ててそっちでやってくれ
(^^)
196 :
世界@名無史さん:03/01/13 02:30
ここまで来てまだ未出なので挙げると・・・
新大陸が触れられないのはなぜ?
中央アメリカやアンデスの他に独自の文明と呼べそうな地域といったら・・・
ミシシッピ川流域やコロラド高原などでしょうか?
カリブ海の島々でも祭祀施設や球戯場を伴った首長制にまで発達していたようですが・・・
197 :
世界@名無史さん:03/01/13 05:43
ていうか、アメリカ大陸は四大文明とは系統自体が違いすぎる。
ジャルモ2号丘9層、チャタル・ホユック東6層、ヤムリ・テペ1層は
同じ年代だと思うがどうよ
200 :
世界@名無史さん:03/01/27 21:39
200
201 :
世界@名無史さん:03/02/13 20:39
先史あげ
202 :
世界@名無史さん:03/02/19 06:15
保守
203 :
世界@名無史さん:03/02/19 13:02
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