阿部謹也の「世間論」てどうよ?

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404世界@名無史さん:04/03/09 20:52
>>366
>>377
西洋の社会が、キリスト教以前の状態に戻ることははたして
良いことなんだろうか?
そもそも西洋社会のシステムは、キリスト教を前提として組み立てられて
いるから、それを無くすと、>>353で指摘されているアフリカ諸国のような
状態に陥る可能性があると思われ。
405考える名無しさん:04/03/09 23:57
>>404
もどるといっても、キリスト教を前提として形成された個人の自立=強力な自
我の存在は、それが(西欧独自の)伝統社会の所産である以上、キリスト教の
もつある意味での不寛容性が緩和したからといってなくならないだろう。

すでに19世紀後期には、「神は死んだ」(ニーチェ)と言われたわけで、日本
人から見れば、現在でも依然としてキリスト教的色彩が濃厚であるように見え
るけど、実際はこの100年内外で大きく変化しているのでは。
406世界@名無史さん:04/03/10 00:29
キリスト教の影響が薄れたかわりに、ヘンな迷信が形を変えて復活して
きているような。例えば、
「クジラは頭のいい動物だから食べてはいけない」
とか。
そもそも「創世記」には、
「地のすべての獣と空のすべての鳥は、地を這うすべてのものと海の
すべての魚と共に、あなたたちの手にゆだねられる。動いている命ある
ものは、すべてあなたたちの手にゆだねられる。動いている命あるものは、
すべてあなたたちの食糧とするがよい」
と書いてあるんだが。
407世界@名無史さん:04/03/15 17:21
>>364
>フランスには死者との結婚が法的に認められている

パトリック・ギアリ『死者と生きる中世 ヨーロッパ封建社会における死生観の変遷』
(白水社)という本があります。
中世には「聖人を辱める儀式」「聖人に対する恫喝」というのがあったというのが
おもしろかった。
408世界@名無史さん:04/03/15 19:32
>>407 面白そうな本ですね。ぜひ読んでみたいと思います。情報サンキュー
409世界@名無史さん:04/03/17 23:08
age
410世界@名無史さん:04/03/18 19:26
「AERA Mook 11 宗教学がわかる」(朝日新聞社)という本を読んでみたら、
池澤優氏が中国の宗教について、「聖」と「俗」の世界が分離していないと
書いていた。

「中国の宗教的活動・思想のかなり多くの部分は、政治・哲学・文学など諸分野の
一部分として存在していたからです。
このことを端的に表すものとして、儒学が宗教であるか否かという問題があります。
儒家思想自体は人がいかに生き、人間社会がいかに運営されるべきかを主テーマ
とする哲学体系であり、仏教・キリスト教と同じ意味では宗教とはいい得ませんが、
同時に上帝(天)・自然神・祖先の崇拝を含む多くの宗教的要素を含んでおり、
それは儒家思想の不可分の構成要素となっています。宗教的要素のみを抽出
することは、儒家思想が持っている一体性を損なうことになります」

のだそうで。
411410=411:04/03/18 19:32
これを読んで、中国・韓国といった儒教社会が外部の人間から見て
理解しにくい理由がなんとなくわかったような。
17世紀にカトリック教会と中国との間で典礼問題が発生しているし。

阿部さんが「世間論」で指摘している「聖俗未分離の日本」との比較も
おもしろいかと。

412世界@名無史さん:04/03/18 22:50
東アジアにおいて、処世のやり方、基本となる人間関係とその発想、
そういったものの「雛型」は中国製だもんな。
アジア的専制だとか、東洋的ナントカと欧米からいわれるものも、
よく観察すると。
リー・クアンユーも日本軍の仕打ちに恨み言を述べながらも
同じ儒教圏としては共感を抱いてるとか。

欧米の比較だけで日本が特殊だとか言ってる人達がいるが、
別に東アジア各国と較べれば珍しくなんともないものも数多い。
413世界@名無史さん:04/03/19 00:30
阿部さんが、中国の大連にある東北財経大学で講演したところ、学長や教員から
「個人」とは何ですかと聞かれたと書いていた。
日本に帰ってから中国専門家に聞いてみると、日本語の「個人」に当たる
普通名詞は中国語にはないといわれたらしい。

アメリカと中国が人権問題について話し合うとき、アメリカ側は「個人」と
いうものを前提にして考えている。中国に人権思想が無いとはいわないけれど、
「個人」を前提にしていないことは明きらかで、そこではどういう話し合いが
行われたかを新聞社はもっと詳しく情報を集めて報道するべきだが、そうは
なっていないと。

414世界@名無史さん:04/03/19 00:36
http://www.kobe-c.ac.jp/~a-kawamu/pages/writing/1998/asia.html
「アジア的」人権論−4つの視点から
415世界@名無史さん:04/03/22 21:56
リー・クアンユーって、西洋式の教育を受けたエリートなのに、なんで
「アジア的価値観」なんて言い出したんだろうか・・・
416世界@名無史さん:04/03/23 22:29
age
417世界@名無史さん:04/03/25 22:59
正直言って、中国人や韓国人よりも、
イラン人やインドネシア人のようなイスラム教徒のほうがわかりやすいと思う
ときがある。
418世界@名無史さん:04/04/09 13:29
>>417 確かに。分かりやすい部分で個人的なんだろうな。
419世界@名無史さん:04/04/10 10:38
 部族単位の人間関係では?
420世界@名無史さん:04/04/11 21:29
在日イラン人やパキスタン人も日本社会に対していろんな要求をしてくるけど、
彼らの場合イスラームの教義にもとづいているからそれをとっかかりにして
ある程度理解することができる。
ところが中国人や韓国人の場合、そういう原理原則がないから、わかりにくいのでは。
421世界@名無史さん:04/04/12 16:37
イスラム教徒の要求ってあつかましさもあるけど、
なにかいじらしさのようなものも感じる。
422世界@名無史さん:04/04/12 22:08
中公新書の「中世の風景」って面白い?
423世界@名無史さん:04/04/13 13:33
高校の現代文で読んだような・・・
424世界@名無史さん:04/04/13 21:06
>>422 
ちょうどいま読んでいるけど面白いよ。
日本史の網野さんら4人の対談形式で、あまり専門的に深い話題でなく、
みなさん楽しみながらリラックスしてお話されているようで、
読んでいても何か雑談を聞いているような感じになります。
もっとも、まじめで学問的な話題ですが。
425世界@名無史さん:04/04/21 19:37
昔のヨーロッパでは、障害者は「悪魔によってすりかえられた子供」と
考えられていたらしいね。
ルターは「そのような取替え子は単なる肉の塊に過ぎない、なぜならその中には
魂がないからだ」といって溺死させるように勧めたし、
聖アウグスティヌスは、「うまれつき聾唖の人は決して信仰を受け入れることが
できない。なぜなら、信仰は説教から、人が耳にするものから生まれるからだ」
と書いていた。

426世界@名無史さん:04/04/27 23:27
http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~miyajima/_t5VBOm_.html
我々がロシアを論じる場合、我々はよく自分を欧米の立場に置いて議論するが(43)、
これはロシアに関する情報が欧米経由だからであろう(バルカン諸国に至っては、そんな
情報すら入ってこない)。しかし、聖俗分離が無いということでは、ロシアの方がカトリ
ック教会圏より我々に近いということを忘れるべきではない。遠藤周作はカトリック教徒
であることと日本人であることの矛盾に悩み、またそれをテーマに小説を書いてきた小説
家だが、彼が言うように、おなじキリスト教でもカトリック教会より東方正教会の方が「
われわれの感覚にまだしも合っているキリスト教」なのである(44)。
427世界@名無史さん:04/04/27 23:27
しかし、それでも我々はキリスト教徒でなく彼らはキリスト教徒なのである。その
違いは何を意味するのか。従来の日本論は、カトリック教会圏との比較で論じられてきた。
その違いは聖俗分離(政教分離)の有無が原因なのか、それともキリスト教徒であるか否
かが原因なのかが区別されないまま論じられてきた。この比較論にもう一つ、東方正教会
圏を加えると違いの意味が明確になってくるはずである。聖俗分離がないということでは、
我々はロシア人と同じであり、キリスト教徒であるということではロシア人は欧米人とお
なじである。では何が我々と欧米人に共通しているのか。欧米と日本の共通点として封建
制度を挙げる者がいるが(しかも、その論拠にフランス人の歴史家であるマルク・ブロッ
クを引用する!)、これもバーマンは根拠のないこととして批判している(45)。
もし欧米人と我々のあいだに何か共通点があるとすれば、それは何なのか。聖俗分離を知
らないにも関わらず、聖俗分離を原則とする彼らと共通点をもつ理由は何なのか、そんな
視点からなら、これまで見えなかったものが見えてくるのではないだろうか(46)。
428世界@名無史さん:04/04/29 19:45
ttp://x51.org/x/04/04/2906.php
中国は四川省にて妻の病気を治癒する為に墓場から30体の死体を盗み、肉と骨を用いてスープを
作っていた男が逮捕されたとのこと。
地元新聞(WestChinaCityDairy)に掲載された郡警察の発表によると、同地域では1988年より
墓から死体が忽然と消える事件が続発、捜査の結果、ホアン(51)と言う名の男性が
墓から死体を盗み続けていたことが発覚し逮捕したという。
これまでの聴取によれば、男性は重病に苦しむ妻を持っており、あるとき占い師に相談したところ、
病気を治癒するためには新鮮な人肉を用いてスープを作って与える事が唯一の治療方法であると
告げられ、実行に及んだと話しているが、事実関係はまだ確認されていない。
男性の供述では死体を盗んだ後、骨を砕いて妻の額に塗り、肉を用いて作ったスープを
与えていたと話している。

いまだにこんな呪術が生きているとは…
429世界@名無史さん:04/05/04 12:22
昨日関ヶ原へ行ったんだけど、そこにある十九女池(つづらいけ)という
ところに竜女伝説があるのを知った。人が動物に化けるというのは西洋にも
あるけど、動物が人に化けるというのも西洋にはあるのだろうか?
430世界@名無史さん:04/05/12 22:15
>>429
動物が人に化けるというのは寡聞にして知らない。
キリスト教では動物には霊魂が無いと考えられているからかもしれない。
日本でいう「狐憑き」は西洋では「悪魔憑き」だしなあ。
431世界@名無史さん:04/05/27 11:26
>>429
神が動物に化けるというのは古代にはあるが、キリスト教が広まった後
となると・・・どうなんだろ。でも、罪人が町から追放される時に狼の皮を
着せられて獣として追放されるという事もあるようで、そういうのを見ると
人が獣に変わるというイメージもあったのかもと思います。でも、ちょっと
竜女伝説の場合と違うかんじがするなぁ。
432431:04/05/27 11:32
 勘違いしてました・・・。人が動物に化ける、じゃなくて、動物が人に化ける
という話なのですね Σ (゚Д゚;)。うーーん・・・それは聞いたこと無いなぁ。
433世界@名無史さん:04/06/11 09:49
>>351
>これらの諸地域は19世紀〜20世紀初頭には、西欧により(半)植民地化
>されて、西欧的な諸制度が強制されていくが、そうした場合でも、日本
>同様に伝統的な社会関係が存続して現在にまで至っている場合が大多数
>であろう。

インドで仕事をした日本人が、インド人は世界に冠たるタフ・ネゴシエイター
であり、交渉の論理は表面的には西欧的だが、どこの国のものにも属さない、
と書いていたな。
434世界@名無史さん:04/06/18 02:20
なんだこのスレ?異常に平和だな 素晴らしい
435世界@名無史さん:04/07/10 19:22
阿部さんの新しい本マダー?
436世界@名無史さん:04/07/22 20:25
まだ。
437世界@名無史さん:04/08/11 01:17
「国体の本義」読むと、今個人主義批判してる人と
全く同じこと言ってるので驚く。
1930年代以前は日本人も結構個人主義的だったのかな?
438世界@名無史さん:04/08/30 18:28
内藤正典氏が『ヨーロッパとイスラーム−共生は可能か−』(岩波新書)で、
ヨーロッパ的個人とイスラーム的個人について説明していた。

イスラーム的な「個人」とは、神に従う一人の人間としての個人であって、
とことん自分の頭で考え、それに従って行動する個人ではないのである。個人の
自由意思は、神の定めとしてのイスラーム的規範を超越することはありえない。
この違いは、ヨーロッパにおいて、ムスリムと非ムスリムのヨーロッパ人が
共生するうえで、より根源的な問題をつくりだす。お互いに、「個人」の観念
が土台から異なっていることに気づいていないからである。
439438=439:04/08/30 18:40
フランスは、ムスリムの社会を「個人」という単位にまで分割することが
可能だと考えている。個人には自由な意思がある。フランス共和国は、
個人の自由を尊重する国家である。したがって、移民であっても、個人の
自由な意思でフランス共和国と契約を結べば、みな平等にフランス国民と
なる。
ところが、ムスリムの側は、「契約の内容がイスラームの教えに抵触
しない限りにおいて」という留保をつけてフランス市民になろうとする。
ムスリムは、国家と交わす契約に、個人の信教の自由を制約する規定が
あることを理解しにくい。ところが、フランスは公的領域での非宗教性
を貫徹する世俗国家であるから、宗教の教えで留保をつけることを許さない。

440世界@名無史さん:04/08/30 21:02
イスラム教のほうが観念的だからそういう感じになるのかな?
441世界@名無史さん:04/08/30 23:48
>>440
ユダヤ教の場合、律法を柔軟に解釈することによって近代社会に適応したハズ。
もっともユダヤ教徒にもいまだに古代そのままの意識の超正統派(ハシディーム)
がいるが。
改革派は律法の字句にこだわらず、現代に合わせた生活をしている。
むしろ西欧キリスト教社会が特殊なのかも。
442世界@名無史さん:04/09/22 20:48:09
ヨーロッパ社会でいう「多文化主義」や「寛容」には日本よりも冷徹な意味が
あって、他者に同じ権利を認めるが、他者に関心や共感を持つ必要はないんだよね…
こういう話を聞くと、やっぱり阿部さんのいうとおり、ヨーロッパの個人と
日本の個人は同じではないんだな、と思う。
日本人でこれだけ冷徹になれる人は少数派だろう。
443世界@名無史さん:04/09/22 20:50:49
>>437
http://www5f.biglobe.ne.jp/~happy-love/mito8.htm
国体の本義

大正デモクラシーの時代なんかは、けっこう日本社会もリベラルな風潮が
広がっていたからね。
444世界@名無史さん:04/09/22 21:17:58
独裁望んでたのには、社会主義者が多かったからね。
445世界@名無史さん:04/09/23 14:42:22
>>442
社会の中に社会を作るような状況だな。
446世界@名無史さん:04/09/23 18:07:32
: ◆S9rdhph7bE :04/09/01 19:46
>>638

英国でも行政側で異なるエスニックグループを一つに統合することなどはなっから考えてない
違うものを違うと認識して共存せよ、という方向です
最近まで英語しゃべれなくても帰化できた位だから、
いわゆる「同化」を問われない社会ですな
この辺がフランスのアプローチとは違う所か?

その結果共存は可能になるが
>他者の権利を保障したり、他者の生き方を尊重することが、
>他者を理解したり好きになることを意味するのではない
ということになる場合もしばしば
これが悪い方へふれると
移民と従来の英国人が全く接点を持たない「パラレルライフ」を生きることになり
そこに摩擦が起こるた例が数年前の Oldham のインドパキスタン系住民と白人(おもに貧困層)との衝突
現地の地方公共団体がパラレルライフの解消を怠ったのが騒動の原因とされて非難された
共存とinclusiveness 舵取りが難しい所だね
447アフリカ版「世間」:04/10/25 22:48:11
西欧における国民国家−Nation States−の成立の条件は個人の集合体としての
社会である。しかし、サハラ以南アフリカにおいて個人はコミュニティーに同化し、
「個」が主張されることはまれである。現段階では、コミュニティーが政治の
基本単位であって、個人ではない。議会はコミュニティーの代表による政治の
場であり、個人の国家とのつながりは、コミュニティーを通じることとなる。
議会選挙は、個人の競争のプロセスではなく、コミュニティーの利益を代表する
者が、コミュニティーによって議会に送り込まれ、コミュニティーへの利益の
還元が期待されている。「個人」が選ばれる選挙ではなく、コミュニティーの
代表であれば内閣の構成に当たって、「部族」間のバランスが大切となるのも
頷ける。

448世界@名無史さん:04/11/11 13:21:02
>>447
世界的に見ると欧州のほうがむしろ特異な社会って感じがするな
449世界@名無史さん:04/11/11 14:15:15
読んだことないんで分かりません。
450世界@名無史さん:04/11/11 14:23:23
>>447
アメリカでも、そういう地方政治は多そう
451世界@名無史さん:05/01/04 12:17:06

ちょっと聞いてくれ、すごいことを発見した。
桃から生まれたアイツは桃太郎だよな。
ということはだ、膣から生まれた俺達は、
膣太郎と名乗るべきなんじゃないのか?
452世界@名無史さん:05/01/04 14:10:26
何年前のコピペだよ
453世界@名無史さん
>>92
スレ無くすにはまだ早すぎる age