封建社会が資本主義を生み出した

このエントリーをはてなブックマークに追加
1世界@名無史さん
西欧と日本の封建社会が社会システムとしての私有財産制を保証することが出来た。
私有財産制の確立は私有財産を保証するための社会契約の概念を発展させ、持続した安定と競争を社会に作りだした。
日本がすぐに資本主義化できたのも江戸時代の成熟した封建制の下で、私有財産を尊重する社会契約の概念が発展していたからである。
中国が資本主義化するのに苦労したのも私有財産を保証する社会的な合意が存在しなかったためである。
私有財産制の基盤の緩かったロシアや中国で共産革命が起きたのは偶然ではなく、社会的に共産化しやすい要素があった。
封建制が安定して発展するには強い外圧が存在しないことが必要である。
初期のもろい封建制が発展して成熟していくには社会の安定と勢力分裂の状況が必要であり、強力な帝国が形成されるようなことがあってはならない。
西欧も日本も極西と極東という立地条件が遊牧民からの直接的な侵略からまぬがれることが出来た。
中国やイスラム圏は遊牧民によって強大な帝国を形成するしかなった。
日本と西欧だけが遊牧民の侵略から免れたために安定した封建制社会を作り出し発展させることが出来た。
西欧と日本が資本主義化し発展するのは15世紀の時点で運命付けられていたように思える。
2世界@名無史さん:02/03/18 17:34
>>1
非常に興味深い御意見です。
3世界@名無史さん:02/03/18 18:04
付け加えるとしたら・・・宗教の邪魔もなかった
4金魚:02/03/18 18:10
>3

 カルビニズムから、資本主義の精神が生まれたと、中学校の教科書にも書いて
あるよ。
 契約の絶対性なんてのは、キリスト教・ユダヤ教特有のものだし。むしろ、資本
主義の精神の形成のためには、勤勉を尊び、契約を尊重し、時間を大切にする、
宗教的、もしくは、疑似宗教的な価値観の押しつけが必要だったのが、世界史
の真実だろう。
 せこい損得勘定だけでは、資本主義の形成に限界があるようだ。勤勉・契約・時間
を尊ぶ価値観が必要なのだ。
5世界@名無しさん:02/03/18 21:14
>>1
幕府による転封や改易は、各大名家に対する財産権の侵害ではないのですか?
6くじら:02/04/15 02:25
たまに、上で空気を吸おうage.
7くじら:02/04/15 02:29
age
8世界@名無史さん:02/04/15 02:30
文明の生態史観あげ
9西国のアズマ帰依者:02/04/15 04:02
制度学派の影響もあるのでは?
10世界@名無史さん:02/04/15 04:57
というより資本主義の背景が世襲制などの一種の封建社会だと思うんですが。
11世界@名無史さん:02/04/15 05:14

1の言ってるのは大学入試レベルだが、感心してるのあ厨房なのか?

しいて言えば「強大な帝国が・・・」の部分はオリジナルだが、

「強大な帝国がある=封建制が進化しない」は的を得た意見とはいえない。
強大な帝国といっても強い時期と弱い時期があるし、地域ごとの有力者は
居る。それらが別の帝国に変わられても、既得権益は完全に潰えるような
性質のものじゃない。

12    :02/04/15 09:51
何十年も前に流行った俗説です。
>>1よ、もっと本を読みなさい。
傍目で見ていても、イタイよあんた。
採点したら、100点満点で、書き賃10点くらいですな。
13くじら:02/04/15 11:31
11,12さん最近の学説の解説お願いします。
14西国のアズマ帰依者:02/04/15 17:49
さすがに大学入試レベルというのはいきすぎだろう。(笑)
15世界@名無史さん:02/04/15 18:50
ここの1はネタですか?本気だとしたら、世界史の受験勉強をしなおした
方が良いのでは。主張はわかるけど、論証がスカスカ+甘すぎる=主張が
納得できない。面白くもない。
16世界@名無史さん:02/04/15 21:33
1さんは自分の意見が書いてあるだけ、あらさがしだけの15氏
より点数は高い。
17世界@名無史さん:02/04/15 21:56
中国宋代の発展はどう位置付ける?
18世界@名無史さん:02/04/15 22:26
宋は糞
19世界@名無史さん:02/04/15 22:56
>14
俺は受験のときにまんまの内容を授業で聞きましたけど。
よって入試レベルなんじゃないですかね?

そのコースは早稲田・慶応対応コースだったのでそのレベルでの大学入試
ってことなんでしょうが。
20世界@名無史さん:02/04/15 23:35
西洋が発展した理由?
そんなの水車利用がはやくから飛びぬけて進んでたからに決まってるじゃん。
イスラムも中国も中世ヨーロッパに比べれば遥かに人力社会。
水車無き所蒸気機関の発明なく、
水車無き所工場(mill水車すなわち工場は西洋の常識)なし。
ほかに理由なんてないよ。
21世界@名無史さん:02/04/15 23:39
ヨーロッパが他の地域より先に発展できた理由は
「銃・病原体・鉄」ジャレド・ダイアモンド著 草思社
がかなり納得できる論を展開している。
22世界@名無史さん:02/04/15 23:51
中国なんかも結構契約社会だったし、世界のどの国よりも市場経済的だったと言うしね。
明清私有財産制が江戸の日本より尊重されなかったとは言えないと思う。
封建社会の有無が近代化を左右したと言うのは古い説のようの思う。
23西国のアズマ帰依者:02/04/15 23:58
文明の生態史観自体ファンは多いから、歴史学崩れの予備校講師(ドキ!)
なら話すと思うけど、おれは大学入って学んだ。(笑)
24西国のアズマ帰依者:02/04/16 00:02
>>22
その質を問題にする人もいる。
本野英一によれば、税金を納めるのと引き換えに与えられる財産権であり、
近代的所有権の確立とは違うらしい。
ダグラス・ノースの影響を受けすぎてる感じはあまり面白くはないけど。
25世界@名無史さん:02/04/16 00:13
>>1
>西欧も日本も極西と極東という立地条件が遊牧民からの直接的な侵略からまぬがれることが出来た。
>中国やイスラム圏は遊牧民によって強大な帝国を形成するしかなった。

バイキングは「遊牧」はしないけど「侵略」はしたと思われ。
26世界@名無史さん:02/04/16 00:21
宋代は面白いよな
27世界@名無史さん:02/04/16 00:40
>25
バイキングがしたのは略奪であって、侵略ではないよ。
28世界@名無史さん:02/04/16 00:52
>>24
江戸期の日本だって税金を納めなければ財産権(下手すれば生命だって)保証されなかったよ。
江戸時代に「財産権」の「不可侵」なんて観念は無かった。
土地だって誰のものか、耕すもののものなのか、地主のものなのか、領主様のものなのか、お上ものもなのか、自明ではないでしょう。
29世界@名無史さん:02/04/16 01:08
日本で近代的所有権が確立したのは明治維新後だよ。
江戸時代の豪商なんか大名から借金踏み倒されたり、「贅沢しすぎ」って
理由で財産没収取り潰し食らったり、踏んだり蹴ったりだったよ。
30世界@名無史さん:02/04/16 01:08
資本主義の誕生は、やはり大航海時代がなきゃだめなんじゃないかと思う

今から思えば資本主義制度は、経済発展のエンジンとして極当たり前の
制度(アーキテクチャー)だけど、
それが「発明」されるためには、儲けも大きい代わりにリスクもでかい
「産業」がある必要がある。

航海のリスクを分散するために先ず保険制度が発明されて、
それから、部分所有(収益分配は出資率による)・有限責任(出資金
以上の損が発生しない)の株式会社制度が発明された。

この経済テクノロジーが、蒸気機関や鉄鋼をはじめとする大規模装置
産業に応用されて大英帝国はいち早く高度成長をする。
31世界@名無史さん:02/04/16 01:08
>>28
>土地だって誰のものか、耕すもののものなのか、地主のものなのか、領主様のものなのか、お上ものもなのか、自明ではないでしょう。
中世ヨーロッパでもそうなんだよな。

1の議論は、肝心の前半がよくわからん。
封建社会〜私有財産制〜「社会契約」の関連が。

あと、「社会契約」ってのはいわゆるルソーとかのソレとは違うよな。
契約を重視する社会的な慣習のことなのか、
(そしてその場合封建的主従関係における契約の契機をイメージとしてダブらせているのか)
あるいは「私有財産を保証する社会的な合意」のことなのか。
3230:02/04/16 01:14
結論を書き忘れたけど

アジアの大帝国のように皇帝が富を独占するのではなくて
ヨーロッパや日本では封建制により小金持ち(領主)がたくさんいて
みんなで投資してリスクを分散しようという考えが出てきた

という点で、封建制が資本主義の源になった

しかし、資本主義発生の最も大きい要因は大航海時代だと思う。
33世界@名無史さん:02/04/16 02:11
「日本=ヨーロッパ」&「日本≠アジア」
と考えたい、という切ないまでの願望があって、
それを満足させる要素を探していくと「封建制」ということになるわけで。
実際、近代日本の歴史学界における「封建制」への着目も、脱亜入欧的文脈が先行するわけで。
(cf「武士の誕生」関幸彦)
3424:02/04/16 07:23
>>28-29

ちょっと書き方が変だったようで誤解を与えてしまった
財産権が「恩恵」という形で保障されるという書き方に変更してくれ。
それで、中国資本主義における租界のもつ意味が強調され、むしろ買弁という、
旧来の恩恵=保護的な清朝支配体制の「外」に存在することになる洋人化した
中国人が、清朝支配体制への挑戦となることを取り上げ、近代史を見直そうとしている。
この見方は面白いとおもう。

開国体制下、この「洋人化した中国人」的存在が日本にあったのか?
無いとすれば時間的長短の違いなのか、江戸時代と近代中国の前「近代的所有権」
を考える上で面白いかもしれない。

>>30
それは、そうだと思うけどその体制はいずれも大航海時代以前の地中海イタリア
で開発されたものではないか?保険・有限責任制度

>>33
同感だなあ。やはり日本経済史研究となると、
服部之総以来の文脈から逃れることが出来ないわけで、それゆえに日本史研究
では日本以外の他者、とくにアメリカの日本史研究が与える理論的影響も
大きいのかもしれない。外国史研究をしてると、本場との意識の違いに慄然とする。
35世界@名無史さん
先進国に共通してあって、非先進国にないものを
考える手法に何か問題ありや?