ヘロデ王の悲惨な最期、米研究者が症状を「診断」
米メリーランド州ボルティモア(CNN) 新約聖書で、生まれたばかりのキリストを殺そうとした「悪者」
として知られる古代ユダヤのヘロデ王は、慢性の腎臓病から生殖器が腐れ落ちるなど症状にもがき
苦しんで死亡した――ワシントン大学医学部のハーシュマン教授がこのほど、文献の分析などから、
こんな「診断」を発表した。
ヘロデ王は、キリストが救世主として誕生したと知ると、キリストを殺すためにベツレヘムとその周辺
に住む2歳以下の男児をすべて殺害するよう命じたとされる。
紀元前4年に死んだとされるヘロデ王については、「ユダヤ戦記」で知られる歴史家のフラビウス・
ヨセフスが、その病状を「激しいかゆみ、腸の痛み、浅い呼吸、けいれん、生殖器の壊疽(えそ)」などと
詳しく記しており、ハーシュマン教授はこの資料をもとに分析、診断したという。
その結果、ヘロデ王は慢性の腎臓病で、フルニエ壊疽と呼ばれる生殖器の腐敗や、それによる
感染症などを併発していたとみられるという。
ハーシュマン教授は、この研究結果をメリーランド大学医学部などが主宰する臨床病理検討会で
発表した。この検討会ではこれまで、小説家のエドガー・アラン・ポーやアレクサンダー大王、
ベートーベンの死因についても研究、その内容は「アメリカン・ジャーナル・オブ・メディシン」などの
医学専門誌に掲載されている。
http://www.cnn.co.jp/2002/FRINGE/02/03/herod/