レーニン「帝国主義」

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1世界@名無史さん
私はこの本を何度か読みました。
同じく読んだことある人、または帝国主義全般が好きな人、
自由に語り合いましょう。
2世界@名無史さん:01/12/10 05:42
 
30人:01/12/10 06:48
JAホブスン『帝国主義』も読めば、
レーニンがホブスンの著書から
都合のいいとこだけ抜き出したんだ、
ということが判るよ。
4世界@名無史さん:01/12/10 19:09
>JAホブスン
農協の新定期プランか?
5世界@名無史さん:01/12/10 22:15
>>3
確かにそれは言える
6世界@名無史さん:01/12/11 17:56
age
7ナポレオン:01/12/11 17:59
『帝国主義ノート』は全集以外で読めますか?
8:01/12/11 21:55
>>3
邦訳はでてるんですか?
9【^▽^】縄文太郎ジョーカー@吾妻:01/12/11 22:01
何がアメリカが史上最大の「帝国主義」だよ>冷忍
10世界@名無史さん:01/12/11 22:13
>>9
気がついたら自分の国が「悪の帝国」になってたのは、ほとんどギャグみたいなものですね。
11世界@名無史さん:01/12/11 22:54
レーニンは結局何が言いたかったんだ・・・
12:01/12/11 23:01
レーニンはドイツのスパイだったという話はどうなったの?
13世界@名無史さん:01/12/12 02:55
それってほんとなのか?
14世界@名無史さん:01/12/12 04:00
>13
第一次世界大戦のときにロシアを混乱させるために
ドイツ軍部がレーニンを亡命先からロシアに秘密裏に
送り込んだという話じゃないかな。
15阿修羅:01/12/12 05:32
帝国主義の現状に関するレーニンの認識は、
同時代人にとっては常識的な内容だった。
レーニンが同時代人と対立したのは、帝国主義の将来像に関して。

最後の一国が勝ち残るまで列強がトーナメント戦争を続けるか、
その前の段階で帝国主義諸国が野合して戦争が終わり、
国家の境界を越えた国際的帝国主義が実現することになるのか、
ホブスンやカウツキーは両方の可能性がありうると考えた。
しかしレーニンは、帝国主義勢力の間に恒久的平和はありえず、
列強は戦争を続ける(そして共倒れになる)と主張した。
レーニン『帝国主義』では、国際的帝国主義の可能性に反論し、
そういう想定をしていたカウツキーとホブスンを罵倒している。

後知恵で判定すると、二十世紀前半の両世界大戦を予測した点で、
ジャーナリスティックな短期的尺度ではレーニンが正しかった。
しかし、第二次世界大戦以後の国際関係は、
カウツキーやホブスンの想定した国際的帝国主義そのものである。
そういう安定解もありうるという理論的可能性を否定した分、
アカデミックな長期的尺度では間違っていたことになる。

しかし、そういう国際関係が実現したのは、もちろん、
列強間の国際関係の〈外〉にソ連という大国が成立し、
資本主義諸国が危機感を抱いたからである。
皮肉なことに、予測が外れたのは彼自身の行動の結果だった。
仮にレーニンという人物がおらず、ソ連が成立しなかったら、
帝国主義列強が戦争を続けて共倒れになるという修羅道、
レーニンの予測した時間線が実現したのかもしれない。
16世界@名無史さん:01/12/12 06:11
>>15 おお、すげ。
17世界@名無史さん:01/12/12 06:39
>>15
じゃ、すでに共産主義が消滅(一部を除く)した以上、これからアメリカもヨーロッパも中国もロシアも戦争やって共倒れになるってことかいな?
18世界@名無史さん:01/12/12 13:31
今の状況はアメリカの帝国主義
19ゴルビー:01/12/12 13:38
>>15
「もしも異星人が地球に攻めてきたりでもしたら、
 地球人も内ゲバをやめて一致団結するんだろうけど……」
冷戦期にはそういうことが言われていたもんだが、
資本主義諸国から見たソ連ってのは、
まさにそういう異星人みたいなもんだったわけだな。
20世界@名無史さん:01/12/12 13:43
「帝国主義」という言葉は元々英国内の選挙で使われていた言葉である。
いわゆる自由党の小英国主義に対して保守党のベンジャミン・ディズレーリ
が作ったものである。しかしその後英国が世界に帝国主義を展開すると
インターナショナルな言葉になったというわけ。
21名無しさん@1周年:01/12/12 13:49
今はイスラムテロが異星人役だけど
流石に北朝鮮・中国・ロシア・旧ユーゴ圏が
米国への同盟意識を表したのには驚いた・・・
22世界@名無史さん:01/12/12 14:14
帝国主義=ドグマのひとつ。
23世界@名無史さん:01/12/12 14:43
dogmatic
24世界@名無史さん:01/12/12 17:18
>>15
>帝国主義の現状に関するレーニンの認識は、
> 同時代人にとっては常識的な内容だった。

そう、独占資本の過剰が必然的に利子率の高い後進国へ向かう
それが帝国主義の動機であり、これは資本主義社会である以上避けられない。
植民地支配をなくすには、資本主義社会をやめるしかない。
というのがレーニンの主張。
しかしこれに異を唱えたのがアメリカケインジアンで
貿易さえ自由に行われれば、たとえ資本移動が完全に制限されようが
利子率は両国間で一定になると、モデルを使って証明して見せた。
今日ではレーニンの主張の前提が間違っていたことが歴史的に証明されており
今日、このような駄本をまともに取り上げるのは日本の馬鹿左翼ぐらい。

>しかし、第二次世界大戦以後の国際関係は、
>カウツキーやホブスンの想定した国際的帝国主義そのものである。
>そういう安定解もありうるという理論的可能性を否定した分、
>アカデミックな長期的尺度では間違っていたことになる。

よって同じ前提を元に理論を展開したカウツキーも今日び、まともに取り上げるやつなんていないよ
今の国際社会が国際的帝国主義そのものだって?
彼らのいうように
先進国の資本の流入が後進国を一方的に搾取してるとでも本当に思ってるのかね。
とんでもない時代錯誤の理論ですなあ(藁

たとえば、フィリピンの労働者は日本の工場(先進国の資本)で働けば、高い給料と
充実した福利厚生を約束される。

フィリピンの農場(民族資本)で働けば、搾取拷問で福利厚生なんて何にもない。

華僑、韓国資本の工場(共産主義国、後進国の資本(藁))で働けば
安い給料で使い捨て、おまけにひどい差別を受ける。

さて、フィリピンの貧しい労働者にとってどの選択肢が一番幸せでしょうか。
小学生並の知能さえあればわかると思うけどねえ
25世界@名無史さん:01/12/12 17:32
ソ連軍部や中国軍部のやり方こそが帝国主義、
という批判は未だにされてないのか?
26世界@名無史さん:01/12/12 18:45
揚げ
27【^▽^】アフリカ太郎ジョーカー:01/12/12 19:11
>25
軍部よりも共産党中央委員会のやり方。
共産国の軍隊は共産党の番犬に過ぎない。
28世界@名無史さん:01/12/12 20:07
レーニングラード
29世界@名無史さん:01/12/12 20:14
>今日ではレーニンの主張の前提が間違っていたことが歴史的に証明されており
今日、このような駄本をまともに取り上げるのは日本の馬鹿左翼ぐらい。

まあ確かに間違ってるが、読むだけなら読んだほうがいいでしょ。
帝国主義論に関する古典、って事で。
この本を丸呑みにした形で論を展開する奴はヤヴァイが、
しっとかないと新しい論が何を批判してるかわからないかもしれないしね。
30世界@名無史さん:01/12/12 23:13
age
31世界@名無史さん:01/12/12 23:36
一応揚げ
32魚花 うるふ:01/12/13 00:37
>何時の間にか「アフリカ太郎」になったジョーカー様へ

中央委員会ではなく政治局ですね(ソ連の場合)。そういえば日本の某政党の
中央委員会も単なる執行機関になってるという点がソックリなのでオモロイ。
33世界@名無史さん:01/12/13 01:50
age
34>>25:01/12/13 01:52
>>25

中共は、ソ連のことを社会帝国主義と言っています
35【^▽^】縄文太郎ジョーカー:01/12/13 02:16
>32さん
その通りです。
>34さん
そもそも社会帝国主義なる用語は、19世紀末・20世紀初頭の
イギリスで、保守党の帝国主義政治家が
”内乱を避けたいのでれば、帝国主義しかない。
それが結果として国内の社会福祉も増進さえる”という
考え方を指したものです。確かディズレーリの
演説からかな?
それを中共がフルシチョフ・ブレジネフ政権の
対米協調政策やデタント政策を指すものとして
使いました。意味は全く異なりますが。
36【^▽^】アフリカ太郎ジョーカー:01/12/13 02:28
補足:つまり中共は、ソ連が”アメリカ帝国主義”
   と妥協することも、また、チェコスロヴァキア侵攻
   のようなもろスターリニズムのことも
   ソ連にやることは全て「社会帝国主義」と決め付けた
   のです。中共はチべットを侵略し―ソ連のチェコ侵攻
   の比でない残酷さ―、更には70年代になると自らは
   ”アメリカ帝国主義”や日本と握手すりという
   御都合主義ぶりです。
37小さなバイキング:01/12/13 10:08
まぁ中共も何だがその隣の共産主義国はどうみても
マルクスの嫌悪する東方専制君主の国だよなぁ
マルクス・レーニンの思想から逆の物が出来てしまうのは
皮肉だね。
38世界@名無史さん:01/12/13 12:06
そもそもソ連自体が東方専制君主の国だったじゃん
39世界@名無史さん :01/12/13 12:16
赤いツァーリ(皇帝)
40世界@名無史さん:01/12/13 13:05
age
41世界@名無史さん:01/12/13 18:48
雑な考え嫌い。
偉大ななんとか同志は、皇帝とは別もんだ。
既成概念におしこめて思考停止するなよ。
42世界@名無史さん:01/12/13 19:25
>>41

19世紀に残った代表的アジア的専制君主国
オスマントルコ・清朝・ロマノフ王朝の二つまでが
革命後、西欧的民主主義国を志向しながら共産主義国になってしまったのは
皇帝専制と強大な官僚機構のせいで
中間的共同体が育たなかった歴史のせいであるというのは、
西欧の政治、社会学者のほぼ共通認識。(F・フクヤマ P・ケネディ S・ハンチントンら)
だからスターリンが赤いツアーリ、毛沢東が赤い皇帝というのは決して間違った議論ではなく
ロシア、中国の共産主義というのは、専制と官僚独裁のアジア的専制国の
衣替えに過ぎない。
ちなみに、残ったひとつであるトルコも、ムスタファ・ケマルの専制によって近代化したことは非常に興味深い。
ただし、ケマルは他の二者と違って真に偉大な政治家であったので
オスマントルコの版図に対する領土的野心も持たず、個人としては清廉を貫き
トルコをイスラム教国でありながら民主主義国にした。彼こそは真に偉大であり
トルコ最大の英雄とされている
43世界@名無史さん:01/12/13 19:33
>>41
もちろん思想的には、まるで別物だろうが
指導者と共産主義の果たした政治的な役割はほとんど一緒だと思う。
ロシアと中国の行動原理、国の性格などもよく見てみれば皇帝の時代と全く変わっていない。
その証拠に、相変わらずこれらの国は、対外的に戦争を仕掛け他の国を支配下に置いていた。
4441:01/12/13 21:21
政治体制を学的に論じる人なら、少なくともスターリン時代と以後を別の
体制(全体主義→権威主義)とみる。赤い皇帝なんて粗雑さに耐えられる
のは、政治学をやったことがないベタな実証屋か、いい加減な文明論です
ます評論家だろう。

上にあけた中でただ一人政治学者であるハンチントンを例にとる。彼の体
制論は、社会的要求と政治の処理能力の両者が増加する近代化プロセスに
おいて、前者が早すぎる成長をとげたときに政治が乱れるというものだ。
だからハンチントンにとって前の体制と後の体制は別物だ。

42、43が指摘した類似点を頭から否定するつもりはない。しかしそれを結
論にして、皇帝にすぎないとまとめるのは、思考停止だ。表面的類似は、
より深い理解のための手がかりだ。終わりでなく出発点にしてくれ。

私に言わせてもらうなら、社会への浸透度において、共産党支配は皇帝支
配より圧倒的に大きい。また、その体制の構造変化は圧倒的にダイナミッ
クだ。赤い皇帝論で思考停止してそれ以上何も考えないなら破綻はおきよ
うもない。しかし内部政治を見はじめると、赤い皇帝論は何の答えももた
らさない空虚な言葉にすぎなくなる。
45世界@名無史さん:01/12/13 21:54
>>44
>上にあけた中でただ一人政治学者であるハンチントンを例にとる。

F・フクヤマは政治学者だよ。しかもいい加減な文明論で済ます評論屋じゃなくって
現在アメリカを代表する論客の一人だと思うけどねえ。
フクヤマのTRUSTを読んでみたほうたいいよ。
明らかに41で述べたような意見を
彼が持っていることに気がつくだろ。
ちなみに確かに、スターリン以降のソ連は権威主義体制だけど、
あくまで赤いツアーリとはスターリンのことを言ってるだけで
フルシチョフやブレジネフのことを、皇帝だとは誰も言ってないよ。
少なくともスターリン、毛沢東の独裁について、アジア的専制との
共通性を指摘するのはおかしな議論ではないんだけどなあ。
46世界@名無史さん:01/12/13 21:55
>>45

×明らかに41で述べたような意見を
○明らかに42で述べたような意見を
47:01/12/13 23:16
>>45
しょうもない質問ですけど、ケ小平もやはり皇帝という認識が一般的なんでしょうか?
48世界@名無史さん:01/12/14 00:23
age
4941:01/12/14 03:32
>>45
フクヤマは読んだ。おもしろい。信についてだけはいい仕事だと認めるが、これ
は社会主義を語っていない。中間団体という別の議論だ。

中間団体の弱さで政治を説明するのはけっこうだが、それは赤い皇帝論よりはる
かに広い国、はるかに長い時代をカバーする。それなのに、その中から個人独裁
があった国の個人独裁があった時代だけをとりだして、皇帝と同じですと言うの
はどうか。むしろこれは、別のところに原因がある証拠だろう。

また、スターリン限定なのだとすると、やっぱり表面的類似しかなかったという
結論にならないか。スターリンを生んだもの、支えたもの、消したものは、皇帝
の類推では説明できない。ならばこれは、役立たずの説だ。
50世界@名無史さん:01/12/14 03:39
レーニンあげ
51世界@名無史さん:01/12/14 08:58
age
5237:01/12/14 09:54
>>41
いや〜最初に私が某半島共産主義国家を東方専制君主の国と言ったのは
共産主義国で国家元首世襲制や出自門地による階級成分があるのって
マルクスもビックリだよという意味です。
53世界@名無史さん:01/12/14 10:33
>>24

微妙にズレてる.要素価格均等化定理がなりたつような世界というのもひとつの
モデルにすぎない.そのような長期の状態を考えるのは,新古典派の発想であって
「アメリカケインジアン」とやらの発想じゃあないよ.
むしろ,価格調整が有限時間内では不完全にしかなされないダイナミクスをレーニンが
考えているのだとすれば,その方がケインジアン的だといえる.
54世界@名無史さん:01/12/14 13:17
age
55世界@名無史さん:01/12/14 13:26
>>53
>>>24
>
> 微妙にズレてる.要素価格均等化定理がなりたつような世界というのもひとつの
> モデルにすぎない.そのような長期の状態を考えるのは,新古典派の発想であって
> 「アメリカケインジアン」とやらの発想じゃあないよ.

サムエルソンをアメリカケインジアンに分類しないやつはいないと思うがね。

> むしろ,価格調整が有限時間内では不完全にしかなされないダイナミクスをレーニンが
> 考えているのだとすれば,その方がケインジアン的だといえる.

いったいレーニンの帝国主義論のどこにそうと読めるような理論が書かれているのかね。
具体的に引用して述べてくれよ。
56世界@名無史さん:01/12/14 18:52
age
57世界@名無史さん:01/12/14 21:14
あげ
58世界@名無史さん:01/12/14 23:00
福山?
59世界@名無史さん:01/12/15 04:25
age
60世界@名無史さん:01/12/15 04:30
まさはる
61世界@名無史さん:01/12/15 17:52
age
62アルペンローゼ:01/12/16 00:55
私がラディソの生涯を書いている間に、こんな良スレができていたのですね。
帝国主義とは直接関係ない、初歩的な質問ですが、
>44
スターリン時代の前後で全体主義・権威主義に分かれるのは何故なのですか?
63世界@名無史さん:01/12/16 06:23
資本主義の独占的段階が帝国主義なんでしょうか?
64世界@名無史さん:01/12/16 06:46
>>62
おおざっぱに言えば、全体主義とは体制支持を大声で叫ばないと弾圧
される体制、権威主義は体制反対を大声で叫んだときに弾圧される体
制です。それがスターリンとその後にどう対応するかは、解説不要でし
ょう。

ソ連の体制の動きの最大の違いは、政治が官僚的に動くかどうかだと
私は思います。この点で両極端の体制でした。

スターリンのもとでは、能力より忠誠を重視する党が、行政の正常なプ
ロセスを破壊してトップの決定を貫徹しました。お役所的手続きを盾にと
ってサボタージュする官僚が出たら、あぼーんです。スターリンの下で
は、官僚的な官僚は生きていけませんでした。

ところが、スターリン後になると、党も官僚原理で動くようになり、官僚が
組織を根城にしてトップの決定に裏で抵抗するようになりました。シビア
な失脚がなくなったので、官僚たちは安心して文書いじりに没頭し、出
世の速度に一喜一憂しました。官僚の天国です。
65世界@名無史さん:01/12/16 06:59
「帝国主義」最大の教訓は、実際には根拠がない利益のために、とんでも
ない大戦争がおきたってことだろう。レーニンが間違っていたとしても、
それは同時代のほとんどの人の間違いだった。レーニンは反体制の男だか
ら、遠慮なく指摘できただけだ。

植民地は本国経済をうるおさなかったが、戦争はおきた。おこしたやつが
いたからだ。ではなぜ戦争をおこしたかを問えば、レーニンの説明が最適
だろう。
66世界@名無史さん:01/12/17 02:37
age
67世界@名無史さん:01/12/17 09:55
>>63
帝国主義という言葉は、資本主義の多くの性質のひとつ
さらにその中の、一時期の流行を表した言葉に過ぎないと思う。

そもそも資本主義は競争原理という基本的な原則以外には
時代とともにそれに付随する細かな要素(植民地など)を変幻自在に変化させてきており
「段階」という概念は適用できないのではないだろうか?
68世界@名無史さん:01/12/18 04:38
AGE
69世界@名無史さん:01/12/18 05:10
レーニンの定義での「帝国主義」とは、
国内の民間資本が巨大化して対外投資に手を出し、
国が多国籍企業の本国になること、という程度の意味。
ホブスンは、国家が領土拡大を図る動機として、
経済的理由のほかに軍事的理由や心理的理由
(地図上に自分の国の色が増えたら何となく嬉しい!)
もあげているが、レーニンは経済的理由だけに限定してしまった。

ここで「帝国主義」という用語の意味が歪められたんだ
ということに気をつけておかないと、議論が混乱する。
軍事的・心理的な側面から見れば、ソ連成立後の膨張主義も、
資本主義諸国の膨張主義と同じく帝国主義ということになるが、
「多国籍企業の本国になること」が帝国主義だとしたら、
定義上、ソ連は帝国主義ではなかったわけである。

「帝国主義ではない≒平和志向である」というような、
もう一段階の言葉の意味のずらしがあって、
冷戦期日本の左派の妄言が出て来ることになる。
「米国の核は攻撃的なものだが、中ソの核は防御的なもの」とか。
本気で言ってる人が当時は実際にいたんだが、
当時の言説を知らない人にはネタにしか聞こえないだろうな。
70世界@名無史さん:01/12/18 05:56
当時の日本の知識人はソ連の実態を知っていて確信犯的にお先棒を担いでいたのか、
それともソ連は本当に労働者の楽園だと信じていて支持していたのか
どっちなんだろう?
前者なら頭は良いのかもしれないけど不誠実だし、後者なら人柄は誠実かも
しれないけど頭は悪いね。
71世界@名無史さん:01/12/18 06:07
結構、ソ連から金が流れていたんだろう。
72ななし:01/12/18 09:15
>>70
良く知っていればいるほど建国時に幹部になれるよう
革命運動に努力するでしょう。(W
彼らはベンツでお出かけ〜
僕らはコルホーズ♪
73敢闘軍:01/12/18 12:21
>当時の日本の知識人はソ連の実態を知っていて確信犯的にお先棒を担いでいたのか、
>それともソ連は本当に労働者の楽園だと信じていて支持していたのか
>どっちなんだろう?
世間知らずのインテリは、電波の強いところに簡単に誘導されてしまう。
モスクワの命令とあれば、平気で国を売ったのである。
今なお日共が聖人と仰ぐ、山本宣二、小林多喜二、野呂榮太郎は救い様のないDQNであった。
74世界@名無史さん:01/12/18 13:53
そんじゃグローバリズムについては、
帝国主義論で説明できないということ?
75世界@名無史さん:01/12/18 17:30
age
76世界@名無史さん:01/12/18 22:49
age
77後知恵:01/12/19 07:27
「今後は国家の数が減っていき、1〜4個程度の超大国に集約されるだろう」
というのが、20世紀前半くらいまでは世界の将来像についての常識だった。
現実の2001年時点では二百個ほども国家が存在するわけだが、
これは当時の人々にとっては全く予想はずれな展開だと言える。
各国は、生き残る国家は少数だという将来像を前提に、
文字通り民族の存亡を賭けて、勝ち組みに入れるよう戦略を立てていた。

結果論で言うと、アメリカによる日本占領は大和民族を消滅させることはなく、
多くの点で日本社会を良い方向に改革したわけだが、そういう後知恵を忘れて、
「百年後の地球に日本語を母語とする人は生きているだろうか?」
と憂えてみれば、当時の日本人が好戦的だった理由が判るだろう。

純粋な経済合理性だけで行動する Homo economicus
というキャラクターが、経済学で扱う基本的人間モデルである。
Homo economicus には、人種も民族も愛国心も無い。
母国の税金が高すぎたら、Homo economicus は税の安い国に引っ越すだろう。
「独立国日本よりも米国日本州の方が行政サービスが良くなるだろう」
と考えれば、Homo economicus は日本の独立放棄に賛成するはずである。
戦争というのは経済的には無駄の極みだから、
Homo economicus の世界では戦争はまれだろう。
少なくとも、Homo economicus は飛行機で神風特攻をやったりはしない。
現実世界で戦争が起きるのは、現実の人間が Homo economicusではなく、
宗教や民族意識といった、経済合理性に反する要素を持っているからである。

帝国主義を成立させた複雑な要因を、レーニンが
巨大資本の自己利益追求という理由に一元化したのは、
(陰謀理論特有のプロパガンダ臭があるにせよ)
モデル形成に必然的に起きる単純化として許容できるかもしれない。
とにかく、それが極めて大きな理由だったことは事実なのだから。
しかし、そういう形で純経済的にモデルを立てた場合は、
複雑な心理的理由を持ち出した場合以上に、
「各国資本の協調と大規模戦争の消滅」という結論が自然な解となる。
モデルの内部論理が首尾一貫しているかどうかという問題は、
モデルが現実と一致しているかどうかという問題とは別にあるわけだが、
レーニンの想定した世界モデルは内部論理が整合的になっていない。
理論家としてはレーニンは思考が粗雑だと思う。

ただし無論、レーニンは20世紀の歴史に最大の影響を及ぼした政治家であり、
20世紀の世界を理解したい同時代人や現代人にとって
政治家レーニンの世界観を理解することは必要不可欠だから、
そういう意味での歴史資料としては今後も重要であり続けるだろう。
7878:01/12/20 05:30
ここにいる人たちはみんな詳しいですね。
私は以前「帝国主義」を読んだものの、世界史や経済の予備知識もほとんど無いためか
十分理解できなかった経験があります。
このスレを見てもう一度読み直してみようかと思い始めたのですが、こんな素人の私に
この本を読む上で必要な予備知識は何か、レーニンの大まかな主張・話の流れ、
現代の帝国主義との関連をなどについてどなたか詳しい方教えてください。
79世界@名無史さん:01/12/20 06:23
>>77
>「今後は国家の数が減っていき、1〜4個程度の超大国に集約されるだろう」

なるほど、ジョージ・オーウェルの1984年で世界が3つの超大国に分裂してるのは
作品が書かれた時代背景があるわけですね。
80世界@名無史さん:01/12/20 11:09
1950年代までは、東側の方が経済的優越性を主張できる面もあったと
思うのですが、どうでしょうか?(開発独裁に近い機能面があったとか、
社会保障政策が西側に先行していたとか)
81世界@名無史さん:01/12/20 13:58
>15
だいたい言いと思う。第一次大戦と第二次大戦は、レーニンのいうとおり帝国主義
分割戦争によるもの。
しかし、二次大戦の勃発は、世界恐慌過程での階級闘争が敗北した結果とスターリンの裏切りで
結果させたもの。
戦後の体制は、超帝国主義でなく、ソ連とパクスアメリカーナの体制にすぎず、
>17のいうとおり、分割戦の兆しはありえる。

これにたいして、ケインズ主義や貿易関係の観点で、帝国主義の矛盾を否定する
意見があるが、ケインズ体制は71年以後、破産している。このあと、新自由主義
が台頭したが、結局バブル破綻と世界不況・財政赤字は累積しており、国際通貨体制としてのドル体制
ももろくなっている。
ソ連崩壊後の世界情勢において、戦争が激化しているのはどういうことでしょうか。
また、地域経済圏への国際体制シフトは、どういうことでしょうか。
私的には、アメリカ体制が崩れてきたということだと思います。
したがって、レーニンの帝国主義は、無効とはいえないと考えています。
82世界@名無史さん:01/12/21 00:36
AGE
83世界@名無史さん:01/12/21 06:56
>>81
それは、未だに「共産主義に間違いは無かった」と
主張するのに等しいと思いますが?

それから、ケインズの経済理論、それすなわち資本主義の全て、でもありませんし
バブルの破綻(しかも日本だけの話では?)が資本主義の「全面的崩壊」だと言う人もいないでしょう。
84世界@名無史さん:01/12/21 08:13
共産主義は歴史に刻まれる人類の大失敗だろ。
失敗から沢山学んだな。
85カウツキー:01/12/21 12:42
帝国主義を語るのなら
もうひとりの天才
トロツキーのことも語ってください

そうでないと片手落ちですよ
86世界@名無史さん:01/12/21 13:28
>83
日本だけではありません。
アメリカがバブル破産したということです。11回の利下げ
のききめは、あまりありませんし、次の産業蓄積方法はないといわれています。

>85 トロツキーのインターナショナル論やロシア革命史はいいですね。
マルクス・レーニンの世界革命論をひきついでてる視点は、よい。
しかし、経済的論理は、ちと弱いかんじがします。
しかし、トロツキーの第4インター論は、歴史的にも現代的にみても注目すべきしろものです。
87世界@名無史さん:01/12/21 15:21
不景気な時期は過去に何度もあっただろう?
その度に「共産主義の優位性」が説かれるのはなんだかねー。
やっぱりまだ、心の隅では信じている人が多いらしいな。
88阿吽:01/12/21 16:04
15の文章は良い
分かりやすい
89世界@名無史さん:01/12/22 01:21
age
90世界@名無史さん:01/12/22 16:14
ageとこう
91世界@名無史さん :01/12/24 00:15
すべての権力をソヴィエトへage
92世界@名無史さん:01/12/24 23:29
共産主義について、特にその侵した犯罪・テロル・抑圧について
次の本がきめこまかに記述している。

1997年フランス、ヨーロッパで左右両陣営に大論争を巻き起こし
たベストセラーが上智大学教授外川継男先生によってやっと邦訳
され最近発行された。
なぜナチズムが断罪され共産主義は断罪されないのかといった観点
から共産主義を暴力・抑圧・テロルを軸に豊富な資料で克明に描い
た学術的な社会科学、歴史、政治、人文思想書です。

「共産主義黒書 -犯罪・テロル・抑圧- ソ連篇」
        A5判、342頁、上製本、3000円

戦争と革命の世紀であった20世紀、ナチズムの犠牲者は2500万
人に対し、共産主義による犠牲者はソ連で約2000万人、中国
で6500万人、全世界では合わせてなんと1億人を数える。民族・
人種によるジェノサイドと階級・思想によるジェノサイドはど
こが違うのか?
東京大学のゼミでも採用されています。フランスで30万部、この
度の日本語訳で35カ国で翻訳出版されたことになります。すでに
全世界で100万の人に読まれていると推計されています。
月刊「正論」や「諸君!」にも広告がでていました。
読みごたえのある本です。
特にソ連が未公開にしていた犠牲書の目をおおう写真も載ってい
ます。
93世界@名無史さん:01/12/24 23:37
>>92
「共産主義による犠牲者」ね?
内訳示してくれないかな?
赤白内戦の犠牲者とスターリン主義粛清時代の犠牲者とわけてね?
赤白内戦の場合、白軍の暴力による被害者が多いのでは?
94世界@名無史さん:01/12/25 00:52
2000万人ってのはスターリン粛清の人数じゃないの?
95世界@名無史さん:01/12/25 04:08
age
96世界@名無史さん:01/12/25 22:33
スターリンは殺しまくったからなあ。
97世界@名無史さん:01/12/27 10:37
読まずに言うのはなんだが、おそらく飢饉と戦争の犠牲がまざってる。どちらも
人為的原因だから犠牲者と呼んでもいいが、すりかえないよう注意。それと、
犠牲者と死者も同じではない。
98世界@名無史さん:01/12/29 15:22
スターリンは危険だった
99世界@名無史さん:01/12/29 23:41
レーニンの「帝国主義」と「帝国主義論」どっちが正しいの?
100世界@名無史さん:01/12/30 17:14
レーニンの帝国主義とホブスンの帝国主義論どっちが読みやすいですか?
ボリュームとかも含めて。ホブスンのは上下あったような・・・・・
101世界@名無史さん:01/12/31 01:45
>>97
>読まずに言うのはなんだが、おそらく飢饉と戦争の犠牲がまざってる。どちらも
> 人為的原因だから犠牲者と呼んでもいいが、すりかえないよう注意。それと、
> 犠牲者と死者も同じではない。
>

30年代ソ連の飢餓は飢餓輸出によるものなので、虐殺といって良い。
中国大躍進運動のときの飢餓も、ほとんどが農村だったが
これは共産党の強制的な食糧徴発によるものなので
これも虐殺。生存できないほど食料を強制挑発すればそれは殺したのといっしょ。
頭の逝かれたブサヨクは、1945年のベトナムの飢饉は日本軍の虐殺だと言い張るくせに
(これは日本軍が食料を挑発したためではなく、アメリカの空爆によって
北部へ食料が流れ込まなかったのが原因であった)
共産主義独裁下で起こった、飢餓は、なるべくたいしたことないと言い張りたいらしい。
102世界@名無史さん:01/12/31 07:18
>>101 そっちの世界にはバカとブサヨクの二種しか人が住んどらんようだの。
103世界@名無史さん:01/12/31 09:31
報告が遅れました。
簡単に具体的な数字を引き写します。

共産主義体制は自分達の権力を確立するために、大量殺人を真の
統治システムにまで高めた。
反体制派のラ−ゲリ(強制収容所)送り、人質の銃殺、反乱労働
者の虐殺、飢餓をもチャンスと利用して農民を大量死させ、
 ソ連で死者----2000万人、
 中国で-------6500万人
 ヴェトナム---100万人
 カンボジア---200万人
 東欧--------100万人
 その他ラテン・アメリカ、アフリカ、北朝鮮、アフガニスタンなど
 合計は1億人にちかい。
「共産主義黒書 -犯罪・テロル・抑圧- ソ連篇」では、情報公開
されたロシア「文書館」の膨大な資料をはじめ、世界中の膨大な資
料を具体的に明示して立証している。虐殺や、実行者、命令をくだ
した人名や組織名など具体的に書かれており、貴重な学術書にもな
っている。
今まで隠ぺいされ開示された事が無い貴重な虐殺の写真は目をおお
わずにいられない。
ちょっと疲れるが読みごたえのある本だ。
2002年10月には続刊「コミンテルン、アジア篇」が出る予告も載
っています。
今年の大きな収穫はこの本に出逢ったことです。
104世界@名無史さん:01/12/31 09:39
>>101
>1945年のベトナムの飢饉は日本軍の虐殺だと言い張るくせに
>(これは日本軍が食料を挑発したためではなく、アメリカの空爆によって
>北部へ食料が流れ込まなかったのが原因であった)

これ意外に知らない人が多いから不思議。
南部では米が余ってどうしようもなかったらしいね。
105世界@名無史さん:01/12/31 20:14
共産主義おそるべし
106世界@名無史さん:01/12/31 22:50
右翼もそうだが近年の情報操作は大抵左翼だな。
107世界@名無史さん:01/12/31 23:06
dottimodottidaafo
itteyosi!!
108世界@名無史さん:02/01/03 03:34
age
109世界@名無史さん:02/01/07 10:48
結局、各共産国のスターリニスト達の手によって
マルクスとエンゲルスの理想は紙屑にされてしまったわけだけど、
あえて、一番理想に近づこうと努力をした共産国家を挙げるならば何処だろうか。

ゴルバチョフ就任後のソ連?
110nanasi:02/01/07 12:00
>>109
日本!
111マルクス:02/01/07 12:58
100円ショップと吉牛こそ私の求めていた社会・・・!
112世界@名無史さん:02/01/07 15:07
>>106
どっちもどっちじゃないか?
113世界@名無史さん:02/01/10 05:11
瓜屋の夫
114世界@名無史さん:02/01/12 13:12
レーニンに関する映画とかあったら誰か教えてください。
115世界@名無史さん:02/01/12 13:30
>>106,>>107,>>112
ここは右翼と左翼のどちらが情報操作してきたかを比較するスレですか?
116世界@名無史さん:02/01/12 22:16
>>115
つーか、最初のレスから2週間も経ってるのになんで未だネタになってるんだ?
117世界@名無史さん:02/01/13 21:46
ねたばれ
118世界@名無史さん:02/01/20 19:01
>>86
83さんが言うケインジアンのみが資本主義のイデじゃないって
言ってることについては? このとおりよ実際.最近はリベが
社民化されたのを嫌って出てきた「新自由主義」がさすがにや
ばいってんで,間を取るようなこと言いはじめる人もいますが.
ギデンズとかね.

ただしそれでもグローバリゼイションがやばいじゃんきゃーど
うしてくれる〜ていう主張もありますよね>左翼のだけど

まー狡い人はみんな今は修正資本主義面しはじめているね (w

現状は市場原理主義による世界統一もすんなりとはいかな
いから,限定多国間(二国間つーのもあるな)による地域
経済ブロックもやっとくか,という二面作戦でしょ?
マルチナショナル企業どもは (w

国家の役割が明らかに変わってきているという点では,帝国
主義つーのもやはり無理めな部分があるのは当然.だからと
いって,帝論(レニンでもホッブスでも)の歴史的文書とし
ての意義はなくなるものじゃないと思うけど.だってすべての
ものは時代的・環境的制約を負うわけだから.唯物論者を自
称するマルクス・レーニン主義者がそのことも勘定にいれず
に歴史的文書を教典化するのはどう考えても,お前指向停止
してるだろと言わざるを得ないかもね.
119age:02/01/29 06:47
現実の世界がレーニンの予測と違ってしまった最大の要因は、
核兵器の実現で大国同士全面戦争が不可能になってしまったことだと思う。
120世界@名無史さん:02/01/29 07:04
マネタリストや新古典派と帝国主義の関係は
どうなっているのでしょうか。
121世界@名無史さん:02/01/29 18:45
>>120
金に色はついてないと考えてるから、「帝国主義?はにゃ?資本入ればハッピー
でない?だって職は増えるよ?ボスが誰だろうとかまへんでは?」話が通じない。
122  :02/02/24 17:23
まだ腐ってないスレあげ
123@名無しさん:02/03/10 21:37
若葉マークの質問ですいません。
ホブソンはボーア戦争をみて、商品輸出にかわり資本輸出に
変わる帝国主義をとなえたとありますが、ボーア戦争は
資本輸出に関する戦争だったんですか?
124@名無しさん:02/03/10 21:41
資本輸出にかわる×>資本輸出になる○
125世界@名無史さん:02/05/05 15:36
スターリンは文句なしのドキュソだけど
レーニンはどういう評価を受けているの?
126世界@名無史さん:02/05/05 19:10
>>125
同じドキュソだよ。日本の一部バカサヨクだけは評価してるかもしれないが
127あねご:02/05/08 23:28
>125
『ロシアにおける資本主義の発達』はイイ・・・
128世界@名無史さん:02/05/15 22:41
age
129世界@名無史さん:02/06/01 22:16
age
130世界@名無史さん
革命の頭脳