天下分け目の戦いは国内戦争の場合ですね。
井上勝生編、幕末維新論集「開国」吉川弘文館
玉賓著、「中華」の国から「夷狄」の国へ、
近代中日両国の初めての遣外使節団の西洋見聞。
日本人は密航してでも、見に行きたくてしょうがなかった。
中国人は船の難破なのでいやいや行った。両方とも近代化
に驚いて文明の導入を考えたが、体制変革の必要を考えた日本人と、
まったく考えなかった中国人。演繹的思考の日本人と、帰納法的
思考の中国人。日本人は表面的変革はすばやい。けれども本質は
かえっていつも同じかもしれない。
マカートニー著「中国訪問使節日記」東洋文庫277
フランス革命の頃、イギリスから乾隆帝の中国に通商交渉に行く。
表面的に厚いもてなしをうけるが、実質的には朝貢体制の存続を確認
され失敗に終わる。紀行文は当時のようすが感じられ面白い。
皇帝との面会の後、北京から大運河を通って広東にいく様子が私には
興味深い。林則徐の広東赴任の様子が陳舜臣の「アヘン戦争」にも
でてくるが引船の説明がある。マッカートニーは揚子江から運河で杭州
経由で南昌を通って広東にいったのに対し、林則徐は南京あたりから
長沙を通って広東に抜ける。いずれにしろ、利根川を上行し峠を歩いて
越して、信濃川にでて新潟に下るようなもので、日本では考えにくい。
山地がなだらかなのであろう。
宮崎市定全集22、岩波書店
「幕末のきれいな攘夷ときたない攘夷」
水戸派のきれいな攘夷。
薩摩は沖縄経由で清国と、長州は朝鮮と密貿易でもうけ、小藩の
くせに豊かだったそうだ。その利益を失うのがいやで攘夷を主張
したという。こちらがきたない攘夷。
密貿易をしてたのは知っていたが攘夷と結びつくとは知らなかった。
広東商人も独占貿易の利益を失うのを恐れ開国に反対した
きれいな攘夷といっても、たいした内容は無いように思うのだが・・
雑誌「世界の動き」毎日新聞社
4(13)(1949年、7月)旬刊
この雑誌はすごく面白い。歴史でなくリアルタイムの世界の出来事が
書かれている。中国ではほぼ中共の勝利が見えているが、蒋介石は
国内で反共産活動をするのか、台湾に行くかわかっていない。
いろいろな記事がある。世界で共産主義が攻勢をかけている時期の
ようで記者もその傾向はみえるが、かえって現在よりは公平な視点は
失っていない。
1、竜雲将軍物語ー反共から容共へ転進ー(注、転身でない)
蒋介石に軟禁されていた南京を脱出、広東経由、香港に現れた。
当時の雲南は蒋介石系の竜雲の異母弟芦漢が主席で竜雲の復帰を
断る。雲南では中共系反政府軍が活動。竜雲の今後を予想している。
蒋介石と仲が悪いから中共にすりよりそうの予想。汪兆銘を逃がした
のも反蒋介石の行動だそうだ。
2、中国はソ連の衛星国になるか?
記者がエドガースノーにインタビュウしている。スノーは中共は
独自路線を進むと予想している。記者はソ連の力に屈服する予想
なので不満そう。
3、湖南省の湘潭の訪問。毛沢東の生家を探すが見つけられない。
毛沢東の評判をきくと、あいつは毛匪だといわれびっくりしている。
4、上海が共産軍に占領される。資本主義の象徴ともいうべき都市が
繁栄を保てるか?疑問を持たれている。
5、広東はまだ占領されていないようでもある。
6、共産主義はカリスマは作らないと信じている記者がソ連に行って
スターリンの写真があふれ驚いている
レファレンスに
野口鉄郎編「中国政治における中央政治と地方政治」
菊池一隆著「雲南省の戦時経済建設ー軍閥龍雲と蒋介石」と
あるのですが、タイトルやお二人の名前で探してもこのような本は出てきません。
雑誌の特集でしょうか?
938 :
世界@名無史さん:03/12/07 11:36
age
939 :
世界@名無史さん:03/12/07 19:06
こんなスレがあったのか、こういうマイナースレ好き
熟読させていただきます
940 :
[☆]|`▲´b) 偉大な人民の父:03/12/07 19:25
★君たち!自国の領土保全なんて小さいこと言っていてはイカンな!我が
勢力下に入れば「★ソ連邦」全部が君たちのものになるんだよ!
そうすれば、君も社会主義の祖国を防衛する革命戦士として、邪悪なブル
ジョア帝国主義反動と戦う権利が与えられるのだ。健闘を祈る。
>>937 レスが遅くなって申し訳ありません。
その資料は雑誌ではなく、研究報告書ですね。
一般の公共図書館よりも、大学や研究機関の図書館の方が所蔵している所が多いと思います。
942 :
世界@名無史さん:03/12/26 01:41
age
国会図書館のHPによると、科研費の報告書は全部関西に移した
そうで、大学や研究所でないとやはり無理のようです。
944 :
世界@名無史さん:03/12/31 15:02
age
945 :
世界@名無史さん:04/01/13 20:47
張群って熊さんみたいな顔ですな。
レオナルド張群
947 :
世界@名無史さん:04/02/05 22:51
age
あげときます
保守
すみません、何ヶ月も書き込みしてませんで・・・・・・。
>>949 石島先生の新刊は僕も楽しみです。
民国時代の雲南を主題とした書籍は、日本では多分初めてだと思います。
ところで、このスレももうすぐ1000に達しますし、
最後に関連文献を、もう一度整理して書き込もうと考えています。
時間がとれるかどうか心配ですが・・・。
952 :
世界@名無史さん:04/03/10 03:57
>952
19路軍は蒋介石の意向に沿わない行動が多かったので、資金面で
冷遇されていたので、上海に援助を要求したことはあったでしょうが
それと軍事行動は別じゃないですかね。ご指摘のHPのかたもそうは
断定されてないようですが・・
19路軍はもともと、満州事変の馬占山に共闘したかったくらいですから
部隊全体が衝突を希望していた状態にあったんじゃないですか?
盧溝橋でも上海でも、どちらが先に発砲したかは問題にならないほど
日中双方が交戦気分にあふれた状態だったように思っていますが・・
初歩的なこと聞いて申し訳ないのですが、なぜ「路軍」と言うのでしょうか?
コミックバンチの
「蒼天の拳」読むべし
先週は蒋介石、何応欽、陳立夫、張群がでてきた
>954
北伐で広州から攻め上る時に中央軍、西路軍、東路軍と3集団。
それぞれに3〜5軍の編成。軍の下に師団が数個。
各軍が種々のルート路を通って進軍したため。
汪兆銘政権について語ってクレヨン
南京政権の統治の実態、軍備はどのようなものだったのでしょう?
スレ終盤に来てなんですが・・・大まかなトピック区切りの軍閥割拠状況を教えてください。
中国は一つ・・・じゃないですよね?
>958
法律文化社「図説中国近現代史」第6章に
年代別、各省別の軍閥の表が出てますね。この本はどこの
本屋にもありますね。
小谷豪治朗(ひでじろう)著「蒋経国伝」プレジデント社、1990年
江南の同名の本がある。あちらに比べ面白くない。内容は細かいのだが
どうしてだろう。批判が無いためか?あちらはトゲがありすぎて殺され
てしまったが。江南の本に蒋経国が生まれた時期は蒋介石が日本にいた
ころで、出生に疑問をもつものがいるとスキャンダラスなにおわせが
あるが、こちらの本には写真が沢山あり、蒋経国が年取ってデブになった
写真では蒋介石のイメージは無いが、蒋経国が若い時期に蒋介石とならんだ
写真をみると、眼元などがそっくりで疑問が消える。蒋介石は何度か
途中で帰国しているそうだ。
962 :
@名無史さん :04/03/24 15:55
(台湾の5権分立体制) 23日日本経済新聞より
司法考試監察院人事の同意 (司法院)最高司法機関
弾劾罷免案など ←(立法院)国会
→立法院の解散国情の報告
総統(総統府) →行政院長の指名権 (行政院)内閣
(監察院)予算執行の監督など
(考試院)公務員の登用試験など
独裁でやってきた間は問題無かったが選挙制度になってみたら意外に総統に権限がなく
憲法改正の必要があるそうだ。
議会制度未経験の孫文の思いつきにしばられて動きがとれなくなっている。
963 :
世界@名無史さん:04/03/24 22:16
1929年の奉ソ戦争について語れ
(中東路事件、奉ソ戦争←この言葉は知らなかった)
1928年6月4日 、張作霖爆死
6月15日 、北京占領、北伐完了
12月29日、張学良、易帜(現在はこんな字)
29年 2月11日、張学良は楊宇霆等を殺害
7月10日、張学良軍はソ連管理下の東支鉄道接収を目的に満州里付近で襲撃。
ソ連兵の動員爆撃で撃退される。
12月12日、「ハバルスク議定書」現状回復。
東支鉄道はその後日本がソ連から買い取る。
日中戦争初期、数百人の外国人顧問。
大部分はドイツ軍。フォン・ゼークト、ヴェッツェル、クリーベル。
1933年、ゼークトはフォン・ファルケンハウゼンと交代。
(リンドバーク大佐)
1927年、大西洋横断飛行
31年、太平洋横断飛行、来日
32年、長男誘拐、
WW2に反戦的な言動ととられルーズベルトに嫌われる。
太平洋戦争にパイロットとして参加。
中国軍にリンドバーグがかかわっていたらしいが、資料不足。
>>965 ちなみにフォン・ゼークト将軍は藤子不二雄Aの作品『毛沢東伝』のなかにも
ちょこっと登場してる。漏れはそれで彼のことを知りましたw
968 :
@名無史さん:04/04/09 15:31
リンドバーグ著「孤高の荒鷲、太平洋戦争従軍記」学研M文庫、上下、2002年絶版
この本、入手不能。中国のことが出ているか、読まれた方教えてください。
日本軍の捕虜の扱いが実はよかったというのが出てるのは解っているんですが。
>汪兆銘政権
親日政権スレがこのスレの姉妹編としてあるんですが、現在落ちてますね。
2ちゃんヴューアーなどで読めるらしいんですが、良くわかりません。
>>968 米軍の日本人捕虜の扱いが悪いという記述はダワーの「人種戦争」
に引用されてるね。
970 :
世界@名無史さん:04/04/23 00:05
age
971 :
世界@名無史さん:04/04/23 23:44
これは旅行案内です。関心のある方は03−5295−1702(山田)
(ソ満国境関東軍要塞地帯を行く)
7月28日出発
29日長春満州国関連施設見学
30日ハルピンから虎林市へ途中列車カノン砲見学虎頭へ
ウスリー河遊覧
31日虎頭要塞探索、虎東山地下陣地跡
探索後旧関東軍軍都東安へ司令部跡、空港旧跡
8月1日 東寧要塞見学、地下陣地
2日 牡丹江へ
3日 北京観光
4日 帰国
別冊歴史読本;戦記シリーズ54「関東軍全戦史」、新人物往来社、2001年
第4部、関東軍の崩壊
昭和20年8月9日、ソ連侵攻と最後の奮戦、p168
東部国境北部に虎頭要塞があった、地下40mに射程2万mの41センチ
榴弾砲があった。シベリア鉄道砲撃用。東寧要塞。
今日の昼ころ叔父のとこに届いた亜東書店の図書案内を見たら、中国文史出版社から
「掲秘中国軍閥叢書」というシリーズが出てました。
「我所知道的誰某」という形式のタイトルで「我所知道的張作霖」を初めとして
袁世凱・馬歩芳・馬鴻逵・徐世昌・曹錕・孫傳芳・呉佩孚・張宗昌・王士珍・段祺瑞・馮國璋・
湯恩伯・溥作義・陳儀・陳誠・盧漢・龍雲・韓復と多士済々です。
お値段はどれも1176円均一。叔父にこれ注文出す?と尋ねたら「面白そうだが守備
範囲外だから見送る」そうです。
溥作義→傅作義 と訂正
あやめタン(;´Д`)ハァハァ
結婚して下さい。
「我所知道的張作霖」って暴露本ですか?
「我所知道的誰某」って著者が見聞きした伝聞書なんですか?
どれも興味をひくラインナップですねぇ。
977 :
世界@名無史さん:04/04/28 19:17
段祺瑞といえば、吉田茂が戦後、中国で知り合った人で一番立派なのは誰か
と聞かれて、段祺瑞と答えたらしいけど、どこが立派だったんだろう?
「私が知ってる吉田茂」みたいな直接に有名人と接点のあった人の追憶談だと
思われます。暴露物ではなくそれなりに歴史資料としての価値のある本でしょう。
吉田茂と段祺瑞ってどこで接点があったんだろう?
奉天総領事時代?
980 :
世界@名無史さん:04/04/29 23:55
西原借款を私物化しなかったからだそうだ
981 :
世界@名無史さん:
次スレは立てないの?