<登録型ヘルパーの月収10万円未満>
「ワーキングプア」と化した介護業界の中でも、ホームヘルパーの賃金の低さは異常だ−。
ホームヘルパーやケアマネジャー、訪問介護事業者ら約130人が参加し、
7月6日に東京都内で開かれた「全都ヘルパー集会」。
ヘルパーの中でも、直行・直帰の登録型ヘルパーでは、7割が月収10万円未満という実態が報告された。
関係者は「これでは食べていけない。ヘルパーの早急な待遇改善が必要だ」と訴えている。
登録型ヘルパーの現状については、全国ホームヘルパー連絡会が報告した。
北海道のホームヘルプ協議会が今年2月に行った調査結果を基に、道内では登録型ヘルパーの
7割が月収10万円未満にすぎないことを指摘。
また、介護労働安定センターの2006年度調査では、登録型ヘルパーの平均月収が6万9300円に
すぎないことも取り上げた。同センターによると、全ヘルパーのうち62%が登録型ヘルパーとなっており、
多くのヘルパーが月収10万円未満での介護労働を強いられている。
一方、厚生労働省がまとめた「賃金構造基本統計調査」によると、ヘルパーの平均月収は
07年度で約20万円。これに対しては、同集会に参加した都内の関係者が「恣意(しい)的な
調査結果だ」と批判している。
この関係者が所属する関係団体が行った調査でも、登録型ヘルパーの平均時給は1200円前後、
一か月の平均稼働時間が約70時間で、月収では8万5000円前後にすぎない。
この関係者らは、「全国の登録型ヘルパーが毎月160時間(一日8時間×20日)のフルタイム
稼働をするか、全員が月収20万円の常勤職にならないと、厚労省が示す20万円にはならない。
しかし、介護報酬が相次いで引き下げられ、事業所の収入が減少し、ヘルパーを常勤として
雇用できない中、月収20万円を『保障』すれば、すべての事業所が倒産しかねない」と指摘している。
登録型ヘルパーの場合、低賃金と不安定雇用に加え、労働災害の適用があいまいなことや、
労働基準法が順守されないなどの問題があり、厚労省は04年8月27日、ヘルパーの移動時間や
活動の記録時間に対する賃金の支払い保証などを求めた「8・27通達」を出した。
しかし、介護報酬のマイナス改定と06年の介護保険法改正などから、労働環境は依然として
改善されていない。訪問介護では収入が減少し、事業所ではヘルパーに払う賃金を低くして
経営を成り立たせている所も少なくなく、同集会の参加者らは「報酬の引き上げが不可欠」
と訴えている。
ソース引用元: キャリアブレイン 更新:2008/07/07 19:22
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16966.html