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ななしのフクちゃん:
当初はとても楽しみだった実技。しかし・・・三角コーナーの作り方を含むベッドメイキングの方法を
一回で覚えられなかったのが悪夢の始まりだった。それからというものの、何をやってもうまく
いかない・・・それの繰り返しだった。確かに介護という仕事は思っているより何十倍も難しい。
とは言うものの、出だしでいきなりつまずいたのはまずかった。2日目の午後はボディメカニクスを
活用して移動動作の解除を行なったが、その頃からすでにモチベーションが低下していて、介護に
集中できない苦痛の日々が続いた。しかし、悪いことばかりではない。比較的難しいと言われていた
4日目の「衣服の着脱」は、自分としてはかなりうまくいった。その時思ったのは、自分が介護する
場合は利用者が女性よりも男性の方がはるかにやりやすいということだ。相手が女性だと、どうも
身体(特に胸部)を触れることに抵抗がある。4日目は午前中こそ珍しく成功したものの、昼休みに
米川先生から「このままでは実習に送り出せない」と告げられ、ある程度予想していたとはいえ、
動揺を隠せなかった。そのことが原因でまたもやテンションが大幅に下がり、講義終了後には
福祉関係の仕事に就くことはおろか、ホームヘルパーの資格取得すら完全にあきらめていた。
しかし帰宅後、米川先生の「できない自分から逃げないで下さい」という言葉を思い出し、
このままでは自分は一生負け組として生きていかなければならない・・・それだけは絶対に
避けたいと思い、もう一度介護の必要性について見直してみた。今まで学んだことは決して
無駄ではないとわかった。そう思って気を取り直したが、今日行なわれたテストでは
自分だけがベッドメイキングなどという基本中の基本動作ができなくて非常に恥ずかしい
思いをした。しかし垂石先生の熱心な指導のおかげで、あと一歩で合格という所まで来た。
幸い明日から実技は行なわれないので、ベッドメイキングを完璧にマスターすることに専念し、
なんとか明日中に合格できるように精一杯努力したい。