【大今良時】 聲の形 Part64 【マガジン】

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1名無しさんの次レスにご期待下さい@転載は禁止
※ネタバレはマガジン公式発売日0:00まで厳禁
※荒らしは徹底スルーで(NG推奨)
※wikipediaと個人ブログの話題もスルーで(NG推奨)
※次スレは>>950が宣言してお願いします

■前スレ
【大今良時】 聲の形 Part63 【マガジン】
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1405938895/

■ネタバレスレ
聲の形ネタバレスレッド Part40
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1405700472/

■キャラスレ
【聲の形】西宮硝子を愛でるスレ3【あしゃだお】
http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1401892713/
【聲の形】西宮結絃をナデナデするスレ【ゆじゅう】
http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1395239744/
【聲の形】植野直花を愛でるスレ4【サラッ】
http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1404838250/

■わかりやすい聴覚障碍者の世界
http://deafathlete.blogspot.jp/2012/10/blog-post.html
2名無しさんの次レスにご期待下さい@転載は禁止:2014/07/25(金) 01:27:11.62 ID:nOvomOD20
■よくある質問
Q:第23話で硝子がお返しに渡した「猫飾りの付いた棒」は何?
A:ガーデンピックまたはプランターピックと呼ばれる園芸用の装飾雑貨

Q:硝子の右耳、石田母の右耳に傷のようなものが見えるが?
A:硝子の傷は第2話で将也が補聴器を引っ張った際に傷つけたものと思われる。
 石田母は自傷or他傷の描写が無いため、読み手側で補完しよう。

Q:全7巻で終わるって本当?
A:マガジン巻末コメントで作者が明言。マガジンSP班長twitterも参照。
 https://twitter.com/betsumaga/status/479524367240404992

Q:マガジン掲載順が後ろの方なので打ち切りが気になるのだが…
A:ジャンプと異なり、アンケート人気順には掲載されていません。
 入稿順、前後の掲載作品とのバランスで決められているようです。

Q:手話を調べる方法は?
A:weblio手話辞典が便利。http://shuwa.weblio.jp/
 例えば第12話で結絃に対して怒ったときの西宮神拳は「あなた」「必要ない」

Q:この作品の舞台のモデルは?
A:岐阜県大垣市、岐阜市、養老公園の風景が良く使われている。下記サイト参照。
 http://togetter.com/li/655873
 http://togetter.com/li/680772

Q:作中の出来事は何月何日?
A:「聲の形 イベント」で検索すると幸せになれる
3名無しさんの次レスにご期待下さい@転載は禁止:2014/07/25(金) 01:27:47.99 ID:nOvomOD20
テンプレは以上
4名無しさんの次レスにご期待下さい@転載は禁止:2014/07/25(金) 01:43:28.19 ID:Tyk2S6Jp0
>>1
サイン会の情報詳しく頼むぜ(他力本願)
5名無しさんの次レスにご期待下さい@転載は禁止:2014/07/25(金) 01:51:19.10 ID:t5OA34aF0
@betsumaga
8月6日発売の合併号で告知します。名古屋です!聲の形サイン会。 RT @★★ @betsumaga え!詳細はいつ出ますか!?
6名無しさんの次レスにご期待下さい@転載は禁止:2014/07/25(金) 02:57:37.88 ID:Gxl1VY/V0
サイン会行こうかな、from尼崎
7名無しさんの次レスにご期待下さい@転載は禁止:2014/07/25(金) 06:05:54.86 ID:0KfCwy4l0
前スレでテンプレ入りしてくれと要望が多かったので

【植野直花さんが2日続けて同じ服の理由】


――髪がまた、伸びたらいいな。そうすれば……

乱闘を経て心身ともにボロボロになった植野。ゆづるには強がっていたが限界だった。
「……あいつボコッて、その親と殴り合いしたなんて知られたら、親父に殺されるかも…」
その様子を見て佐原は「うち寄ってって、治療する。服も洗濯するし」と誘った。

植野入浴「着替え置いとくねー」
佐原のタンクトップ=ダブダブ=(´・ω・`) … 「ふとんしいたよー」

治療を済ませ「やなことはこれで忘れちゃえ」とビールを出す佐原。
ふとんの上であぐらをかきながら、ふてくされた表情でビールをちびちび啜る植野。
佐原もビールを一度あおってから、植野の後ろに座り、ゆっくりと彼女の髪を梳かしはじめた。(もちろん二人ともタンクトップ+ショーツです)
佐原「ほら、もとに戻った。やっぱきれいな髪だよねー」
植野「…汚いよ!」身体を震わせて叫ぶ。佐原の手が止まる。
植野「この髪、中学のときに一度切ったの。あの頃、石田は変わってしまったと思った。もう関係ないって。過去の自分とケツベツしようって。
   卒業式で、一人で帰る石田を見て、……後悔してる自分に気づいて、わかったの。
   私が弱かっただけ。ただ言い訳してただけ。石田が好きだったことも……。
   でも、私が石田に声をかける資格はなかった。私は、弱い私自身が嫌いだった。
   だからまた昔みたいに髪を伸ばして、強くなって、いつか会おうと」
佐原「直ちゃん」
植野「髪が、昔の長さに戻った頃、川井からネットの記事のこと聞いて、昔の石田が戻ってきたと思った。
   今なら昔みたいにやりなおせる、そう思った。でも……」
植野の瞳からぽろぽろと涙が零れ落ちた。
植野「石田と関われば関わるほど、私と石田の距離は遠くなってく。振り向かせようと、いくら声をかけても通じなくて、いらいらして
   ……気が付くと、いつもあいつを傷つける言葉ばかり吐いてた。
   今日わかった、私はもう、石田とも誰ともずっと離れたところにいて、ひとりで喚いてただけだって。たぶんもう、ずっと前から迷子になってたんだと思う」
佐原「直ちゃんはいつでも本気でぶつかってただけだよ。暴力は…良くないけど」
植野「佐原も言ったよね!私は人の気持ちを無視しすぎる。私、変わってしまった石田から目を逸らしたままだった。
   私のしたことからも目を逸らして、西宮さんひとりをワルモノにして。そんな状態で、声なんて通じるはずなかった。
   何もできなかった小学のあの時から変わらない。結局、私は……弱いままだった。
   私…汚い…汚いよ!髪なんか伸ばしても、石田と会う資格なんて、最初から無かったんだ…!」
酒が背中を押し、弱音が止まらない。これまで抑えてたものが溢れるように、滝のような涙が流れ出る。

その濡れた頬に、佐原がそっと唇を寄せ、涙を飲んだ。
8名無しさんの次レスにご期待下さい@転載は禁止:2014/07/25(金) 06:07:02.09 ID:0KfCwy4l0
>>7から続き≫

その濡れた頬に、佐原がそっと唇を寄せ、涙を飲んだ。
植野「……!」
佐原「直ちゃんは、汚くなんかないよ。いつでも一生懸命な直ちゃんが、私は好きだった。
   そりゃあ、道を間違うときはあるかもしれないけど、これからは、私が、一緒に…」
植野「…えっ、ちょっ、ちょっと、待って、…この流れは……あ…」
そのまま佐原は植野を押し倒し
佐原「私、直ちゃんが、ほんとは優しくてきれいな心なの知ってる。だって、ずっと…」
糸が切れた人形のように、突然眠った。
植野「…へっ?」
佐原「…ずっと追いかけてきた。直ちゃんは…私のもの…」寝言でつぶやく。だいぶ酔っていたようだ。
その様子を見て、植野はほっと胸をなで下ろし、仰向けのまま佐原を抱き留める。
植野「……佐原、小学校のとき、ごめんね。ずっと謝りたかったけど、私、本気で謝ったことがないから、謝り方がわからないの。
   昔の自分を、否定するのが怖くて…そこから目を逸らし続けてきたから……。
   …西宮さんのこと、馬鹿にできないね」
そのまま、一日の疲れが押し寄せてきて、植野は瞳を閉じる。

――髪がまた、伸びたらいいな。そうすれば、私は私を好きになれるかな。

中学を卒業した頃、鏡の前で髪の端をつまみながら、ひたすら変わろうとしていた自分の姿が、闇の中に浮かんで消えた。


翌日
曙光は、ふたりを目覚めさせなかった。陽が高く登ったころ、植野はようやく瞳を開いた。
隣で眠る佐原を起こさないよう、そっと離れる。すっかり乾いてきれいになった服を着て、玄関に向かう。
  「…石田くんのところ、行くの?」いつの間にか目覚めた佐原が声をかけた。植野はうなずく。
佐原「…石田くんは、しょーちゃんが好きなんだよ」俯いて、そう零す。
植野「わかってる。でも、だからこそ、西宮さんに任せておけない。あいつも、石田を傷つけるから…。
   花火大会の日、私は一度あきらめたの。私が関わらない方が石田も幸せになれるんじゃないかって。
   それで、どこかほっとして、すっきりしてた自分が、……今は許せない…」
佐原「…わかって、ないよ」
植野「遊園地での石田、あの日の橋での石田を見たとき、あいつがどんだけ傷ついてるか、わかった。
   あれは私の責任でもあるんだ。その時に決めたの、もう見てるだけは嫌、私が石田を救わなくちゃって。
   私は、まだどうすればいいかわからないけど、それだけは、変えられない道標。だから、例え私がワルモノになっても、石田を救う。
   ……いろいろありがとうね、佐原。でも、もうこんなことは言わない」
佐原「……」
植野「佐原はさァ、私にとっての最っ高の友達なんだ。友達にわざわざ礼はいらないだろ」
佐原は、はっと目を見開いて、その後静かにうなずいた。
植野「…またね」そう言って部屋を出る。

外へ出るとき、玄関に設置された小さな鏡を植野は見た。
泣きはらした目、ひどい顔……。まるで迷子の子ども……。
自分がどこにいるのか、どこに向かっているのかもわからない、それでも。
植野「それでも、私は石田を救わなくちゃ、いけないから」
植野はひとり、歩き出した。

佐原に“きれい”と言われた自慢の髪を、サラと風になびかせて。


≪第46話につづく≫
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ペンとメモ帳「キャッ汚い触らないで!」