●○●サンデー編集部を語るスレ Part33●○●

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893名無しさんの次レスにご期待下さい
冠茂
一般の方々に一番わかっていただけていないのは、単行本の売れ行きやアンケートが悪いと作家が困るだけでなく
編集も強く追い込まれるということですね。サラリーマンなんだから関係ないだろうと言われるかもしれませんが
それは会社をクビにならないという意味でしかありません

一般社会では、多くの編集が嫌々漫画編集者にさせられているなどという明らかなウソも耳にしますが
そんなことは今の役員クラスが新入社員だった時代にあったかないか程度の話です。多くの漫画編集者にとって漫画を外されるのは会社をクビになるのと変わりません

もっと言えば漫画の仕事ができないなら別の会社に行く、というくらいの気概がある人間がほとんどです。しかしながら全員の希望が叶うことはないですから
誰かは異動しなければなりません。では異動させるかの判定をどうするかといえば、どうしても担当作のアンケや単行本の売り上げを見ることになります

自分で担当作を立ち上げ、初期にアンケが極端に悪く、まして単行本も売れないとなれば大変です。なんとかして軌道修正しなければ、作品は打ち切り
自分自身も異動です。しかも、上司や先輩に校了で怒られっぱなしという話になりますから。ええ、私もそりゃあ時には後輩に怒ったりしますよ。ごめんね

好き好んで漫画家と喧嘩したい奴はおりません。一般社会でわざわざ取引先と喧嘩する人がいないのと同じですし、誰とだって喧嘩なんかしたくないのが人間本来の感情でしょう
かといって我々は面白い物を読者に提供するのが仕事、アンケや売上げは無視できません。読者こそが一番偉いんです

要するにお客様(読者)は神様ってことなんです。そこを理解してくださらないと揉めてしまいます。
作品を続けたい作家の気持ちと漫画の仕事を続けたい編集の想いは同じ。ですが、神様である読者の方々はそれを許してくださらないことがあるんです。
これはもうどうしようもないことだと私は思います

過去の経緯から、相手の方が精神を病んでいることが明らかだったり、病んでいなくても性格上、誰とでも揉めてしまうような方であれば
責任を問われることはないでしょう。しかし、そうでない場合は大変なことになりますね

ある意味、数字が全てです(笑)しかし一般企業と同じですよ。どれだけ売り上げの高いセールスマンがいたとしても
お客さんや取引先としょっちゅう喧嘩していたら問題になりますよね?重要書類を紛失しても、そりゃあ問題になります

いえいえそんな編集はいませんよ。ただ売上やアンケートともに結果が悪ければ路線変更しなければ遅かれ早かれ打ち切りです。
載せられる作品数は決まっていますし、誰よりも偉いのは作家ではなく読者の皆様ですので結果が悪い場合は何らかの提案をさせていただくしかないんです

提案してその結果が悪かったのなら理解できますが結果も良好でした。過去の私のケースでも同じです。
ただし、これはあくまで一例ですが平均20位が平均13位程度に上がっても単行本が伸びなければ打ち切りですね。もちろん作家ご本人が打ち切りを希望する場合はテコ入れもしません

きとさん、お返事遅くなってすみません。それはウチもですが同じでしょう。こびたりすれば上司から配分される優秀な新人も担当させてもらえますし
結果的には当たる確率も上昇します。凄い新人は読めばすぐわかりますからほぼ全員が担当希望しますが嫌われていればもらえません

優秀な新人をもらえない場合、業界では仕込みといいますが、自力では賞が取れなかった新人さんのネームを直し
賞が取れるようにがんばってもらいます。しかし、実は私はこのシステムが非常によくない側面を持っていると思っていて、よろしければ今度つぶやきますね。

25名前後もいる組織ですから皆が優秀ということはありません。4〜5名しかいない組織と違ってその規模の人数が全員優秀な部署というのは不自然だと思います。
基本的にクビにまではならないのが日本の企業ですから、人の入れ替えも激しくはないですしね。ただし、

ただし、非常にデキが悪いという人間までいるかと言えばそこまでの人間はいないでしょう。これもどこの会社でも基本は同じだと思いますが
あまり営業成績に関係のない部署に行かされることになります。そもそもみんなに好かれる能力があるのであれば、非常に悪くはないはずです

なお、上司が変わると評価ががらっと変わることはよくあります。これも一般の会社と全く同じです。しかし、違うのは
“個々の編集の能力に依存して新人を育てる”という作業がある職種であるという部分だと思います
894名無しさんの次レスにご期待下さい:2014/02/10(月) 05:15:08.55 ID:Rwds+jA10
個々の能力に依存して新人を育てる職種だと何が問題なのでしょうか。
問題なのは、世の中でよく言われるような能力のない編集者が変な育て方をして、ということではありません。むしろ、その逆です。
優秀な編集が本来まんがに不向きな新人を漫画家にしてしまうことです

編集の力でネームを直して賞を取らせ、読切を作り雑誌に載せ、アンケートを取りとやっていくと、
才能のない人でも読切でそれなりの順位が取れてしまいます。こうして週刊連載をしても実際には通用しない漫画家を作り上げてしまうことができるんです。

直して受賞、読切で人気、とやってしまえばお金ももらえて多くの新人さんは大喜び。
編集も得意げで大満足です。しかし、連載になってしまうと話は別。
時間をかけて直せる読切りと連載では同じ漫画でも大違い。連載になると直す時間がかぎられ、作家の実力が出てしまうんです

仮に連載になっても直しでしのいで、アンケも取ったとします。しかし、今度は絶対的な問題が発生します。
それが単行本の売上です。これだけは作家自身に才能がないとどうしようもありません。
まんがである以上、絵が良くないと絶対に売れないのです。

よくアンケがいいのと売れ行きは一致しないと聞いたことがありませんか?アレは本当ですが少し嘘をはらんでいます。
何が嘘かというと同じ作家の作品で比較すれば一致するんです。つまり同じ作家が描いた
アンケのいい作品Aとアンケの悪い作品BではAの方が売れるということです

要するに売上は作家自身の個性による部分が非常に大きいということです。
きとさんがどんな作品がお好きか知りませんが、たとえばここで医龍という漫画をイメージしてみてください。
これを全部コマ割りまで同じ原作として、様々な作家さんに描かせたことをイメージしてください

医龍は医龍ですから内容は同じですが、たとえば藤田さんのような天才が絵を描くと雰囲気は全然違って違った売れ方をしたでしょうし
他社の天才作家が書いても同じです。が、ここであまり売れてない作家さんの絵もイメージしてください。全然迫力がなくなってしまいませんか?

少し話がそれましたが、結局の所、育ててピカソは作れないのと同じで、絵や売上は完全作家依存。
無理矢理、新人を育てても不幸を生んでしまうことになります。これはウチだけでなく業界全体の問題です。
たとえばウチにはジャン〇さんで通用しなかった新人さんがよく来ますが、

その場合、完全に2つに分かれます。簡単に言うと天下のジャン〇だから競争が厳しくなかなかチャンスをもらえずすぐあきらめてきた若い新人さん
何度かチャンスはあったがダメだった少し年を取った新人さん、ですね。で、成功する可能性があるのは当然前者です。

編集も人間ですし、気の合う新人さんとは友人のように仲良くなる、そうなるとなんとか成功させてあげたくなる
でも、本当はそれを大きくやってはいけないんですね。最低限の才能がないと結局は売れずに年を取って廃業せざるを得ない。
自力で賞を取れる程度の才能は必要でしょう

相手がベテラン作家でさらに合意の上なら編集が原作を描いたっていいんです。でも、新人に対して大きく直すと
結局は原作を描くのと同じになり、作家として通用しない人を作り上げてしまう。何人もそういう方を見てきましたし
僕自身もそれをやってしまった経験があります。

かつて知らない漫画家さんが僕のことを叩いたのもそれが原因でしょう。読切は散々直しました
で、超増刊で大作家をやぶりアンケ1位週刊連載化!でも通用しなかった。その後も世に出てこない。
本当にかわいそうなことを。ただし世で言われているように彼に原作は書いてません

というわけで今も昔も新人に原作を書いて渡した事実はありません。
そして最近は(新人のネームの多くはそのままだと上にも通らないので直さないことは不可能です)
極力自分で考えさせるようにしています。また向いていなければ心を鬼にして早めに漫画以外の道を探らせています

長くなりましたが以上です。夢を見続けた故の不幸を多く見聞きする業界ですので気の毒に思えても早めの決断が重要なんです。
作品を面白くする技術は大事ですが本当の意味での優しさや正義感を持たないといけません。
結局、漫画のキャラもそういう感覚で行動するわけですからね
895名無しさんの次レスにご期待下さい:2014/02/10(月) 05:19:33.56 ID:Rwds+jA10
おっしゃる通り打ち切りはもっともっと早くしなければなりません。
以前にもつぶやいてますが私個人も完全な早期打ち切り論者です。
しかしながらウチはやっぱり保守的なんでしょう。
世の中のイメージと逆で作家を甘やかしてしまうような優しい編集が多いのかもしれません

また私は新人のネームをいじりすぎるのは悪だと思ってますが
先に述べたようにベテラン(連載経験が2回目から)には編集が原作を書くのも含め
作家主導にする必要はないと思ってます。特に前作があまりうまくいかなかった人をそのままやらせても失敗することがほとんどですから

世の中では編集主導で原作と聞くとイメージが良くないですが、実際は成功例の方が多いです。
私も何回かやったことがありますが、その場合、その作家が人生で描いた中で最も売れた過去作品の
さらに倍以上は売れました。もっと凄い場合もありましたね。

未知の新人は可能性も無限大である反面、全く作家に適してない確率が高くいじって
何者かに仕立ててはダメだということです。その点、連載2回目以降の人は実力もある程度わかります。
全く駄目な人は1回目で終わりですが何かいい部分があればそこを編集が引き上げるべきでしょう

売上は作家依存と書いてしまったので、ちょっと誤解があったようです。作家の絵に売上は依存しますが
先に書いたように同じ作家ならアンケが上の方が売れる。つまり話が面白い方が売れるわけです。
わかりやすくいうと編集や原作は掛け算のようなものだと思います

ある作家の元の能力をわかりやすく10とした場合、編集が2割増しにすれば12になります。
しかし、元の作家の能力が5しかなければ同じように2割増しにしても6にしかなりません。
極端な話、能力が0であれば二割増しにしても0は0なんです。編集や原作はそのような仕事です

医龍の話を別の漫画でたとえましょう。北斗の拳ではどうですか。あの作品を絵の下手な作家が描いていたらどうなるか。
完全なギャグ漫画になってそれなりに面白いかもしれませんがきっと売れません。売上は作家依存とはそういう意味です。
話でどうこうできるのは限界があるんです

どうすれば漫画がよくなるかは実は単純明快です。おっしゃる通り打切りを早め
才能のある新人だけを選んで抜擢し、話作りが苦手な作家やベテランになって
衰えた作家は原作で補強すればいいんです。まさに黄金期のジャン〇。しかしこれは難しい、理由はとてもいいにくい話です

いろいろ書きましたが、やはり反論を一切できない相手に対し一方的な意見をネット上にあげるという行為は
ある種の暴力だと私は考えます。そのような図式が成り立つのであれば、作品に対しても
本人に対しても誰も何の意見も言えなくなり長い目で見れば個別の作品も本人自身も貶める結果になるでしょう

本誌は部数では他のメジャー誌に比べ若干苦戦中ではありますが、何百もの作家や新人、編集を抱え
それぞれが多くの時間を犠牲にして努力を続けています。一方的な主張を上げてその努力の結晶を壊す権利はどの個人にもなく
何か不満があるのであれ編集長なりが即座に対応するものと考えます

以前のことも含め反論したいことは山のようにあります。が、それをしないのは、数人のためにそのような批判合戦をして
過去の偉人も含めて数十年間、皆で作り上げてきたものを壊す権利は私たちにもないからです。
このような騒動が二度とないことを願ってツイートはまたしばらく終了します
896名無しさんの次レスにご期待下さい:2014/02/10(月) 06:30:57.45 ID:rshBLBVM0
@chiyokenmotsu おお意外な所から返信が。
かつて私が絶賛した読切を描いたた作家さんですね。
以前は会場も大きくて一言くらいしか話せませんでしたが光栄です。
是非、飲みに行きましょう。時間遅めであればかなり都合つく日は
多くなりますがそれでも平気ですか?こちらからご連絡します

最後と言っておいてなんですが、原作を押し付ける編集というような
人間がいると言われますが、それはハッキリ言って100%デタラメです。
考えてください。原作を毎週書けばわかりますが、鬼のように大変なんですよ。
印税がもらえるわけでもないのに、そんなの好き好んで書く編集はおりません。

原作を書いたりするのはあくまで個人的にその作家に勝ってほしい、勝たせたい、
どんなことをしてでも!と思っている場合のみです。普段の日常業務もある中で、
そんなことをしてたら死にますし、運よく書いて外したことはないですが、
外せば合わせる顔もなく、二度とやりたくないのが本音です

またネット上で私の妻子の話が出ているというような噂を聞きましたが、
私は独身です。珍しい苗字であっても全国に少なくとも1000名以上はいる
ようですので、コイツが冠の妻子か!みたいな事態になったら恐ろしいです。
他所の人に迷惑をかけないでください。それだけはお願いいたします