>>94 「女になれば、考えも変わる・・・ということか。お前も、一度女になって見ろ。世界が替わるぞ。物事の見え方が替わってくる。新しい発見の連続だ。
そう言う意味では、この経験も悪くはなかったかもしれぬ。もちろん、戻れるのであれば今すぐにでももどりたいが」
「答えになってねえだろ」
「そうか?」
「俺は、高杉と何があったかって聞いてるんだよ」
「しつこいな、貴様は・・・何もなかったと言っているのに。さては嫉妬か?男の嫉妬は見苦しいぞ」
「嫉妬じゃねえええええ!!!気持ち悪いこと言うな!!!!」ぽかっと桂の頭を殴った。しかし、以前に比べるとその威力はすこぶる弱い。
「ともかく、もう遅い。輪は回り始めたのだ。止めることなどできぬよ。・・・もっとも、結婚などと考えたことはなかったが・・・
というか、自分が嫁ぐ立場でなんて全く考えたことはなかったが」
「当たり前だああアアア!」
「こんな俺をもらいたいだなどと、あの方も奇特な方だとおもわんか」フフと、桂はさもおかしそうに笑った。その顔を見るのは、ああ、久しぶりだと思った。美しいとも。
「なぁ、銀時。俺たちは俺たちだ。それ以上でも以下でもない。昔も今もだ。替わらぬ関係があるのではないか。たとえ、もう二度と会えないとしてもだ」