別に、ヅラがどうなろうと、俺の知った事じゃない。あいつがやりたいようにやり、生きたいように生きれば良いだけだ。
俺たちは、元々昔からそうやって生きてきたじゃないか。それは、男であっても、女になった今も替わらない。
ただ、そうやって生きてきた中で、たまたま交わるところがあったと言うだけの話だ。これから先、交わることがないとしても、それはそれで仕方のないことだ。
だが・・・なんだろう、この釈然としない思いは。
あいつがまっすぐ生きていくことに、俺は立ち入ることはしたくない。あいつが曲がったときに俺が叩き斬るだけだ。そう言う関係だ、俺たちは。
なのに・・・何でこんなにもやもやするんだろう。
嫁入り前夜、なんだかよくわからないが、そう言うものだと思ったのか、桂は万事屋の面々の前で三つ指ついて深々と礼をした。そして、
「長らくお世話になりました・・・」と言った。
「おおおおおい!ヅラ君、気持ち悪いよ!やめてやめて!お父さんじゃないからね、俺たちは」
「ヅラ、ふつつか者だったけど、将軍によろしくしてもらうヨロシ。あ、そよちゃんにあったらこの酢昆布渡して欲しいアル!後、手紙も!」
「桂さん、本当に良いんですか?」新八だけは、最後まで確認している。
「いいんだ。もう、きめたことだ。きっと逃れられないだろうし、これはこれで・・・ひとつの生きる道だ」