【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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「だが、あの人は・・・先生を弾劾した将軍とはちがうのだ」瞬間、

「関係ねえ!!!」ぴしゃりと言った。

「いいか、ヅラァ・・・将軍の血は将軍の血よ。血統をつぶさなきゃならねえ」

「高杉・・・」

「できないってんなら・・・」俯いた高杉の表情は読めない。だが、狂気を感じる。



「・・・預かろう」

桂は、おとなしくその短刀を高杉の手から奪った。

「そのかわり、お前はもう江戸に近づくな。守れるか?」

「・・・てめえが成功した暁にはな」

後は、お互い無言だった。それは、暗黙の了解を得るようにも思えたし、お互いの本心をはかり合うかのようでもあった。



銀時と、高杉が会うことはなかった。

桂だけがその後姿を見せ、いなくなったときと同じ出で立ち、同じくはにかむような笑顔で銀時を迎えた。

結い上げた髪には、あのときの紅い簪が着いている。無事な姿を確認して、ほっとする。見送りに、来島が来ていたが、寂しそうに月子を見ていた。

桂が「来島殿、色々世話になった」とお辞儀すると、何か言いかけたが、「・・・この方が良かったのかもしれないっす・・・」と、銀時と月子にだけ聞こえるような声で言った。

銀時が、「じゃましたなあ」と言って、桂とともに去っていった。