高杉は、私室で桂に言った。
「お前が決めろ」
「銀時のところへ戻るかどうかか?・・・ずいぶんと世話になってしまったし、お前にもみんなにもこれ以上迷惑をかけるわけにいかんしな・・・」
「そうじゃねえ。将軍をお前が殺るかどうか、決めろ」
「な・・・」
高杉は、桂に短刀を見せた。
「大和魂、まだあんのか」
「高杉・・・」
「将軍のとこへ嫁げば、その無防備な首に一番近くなる。お前もそれが望みだったはずだ」
「それが俺を抱いた理由か・・・」僅かに、桂の目に陰りが見えた。
「お前なら、大丈夫だ。どんな男でも夢中になるさ。俺が保証するぜ。一番無防備なときに側にいるんだ、確実にしとめられる」
桂は、勢いよく首を横に振った。