【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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今日は、何かの記念日だとかで、鬼兵隊の主要メンバーで宴会が行われた。万斎と高杉で三味線を弾く。そうしたら、月子が踊ると言い出した。

「てめえが踊りたあ・・・どうしたい?えらくあか抜けたじゃねえか」などど馬鹿にする口調なわりに楽しそうな高杉。

「事情合って、西郷殿に教えて頂いたのでな。」と、センスを片手に舞出す。元々が美人なだけに、立ち姿も舞姿も見事だ。みな、見ほれた。

万斎さえも。消すのは惜しい存在でござる・・・などと思ってしまった。

まるで、花のようだ。



すこしして、高杉が、歌を替えた。

突然、調子を変えた。

そして、詠んだ歌は・・・「あだしのの、たとえこの身は くちるとも・・・」

「とどめおかまし大和魂・・・」

月子の手から、ぽろりと扇子が落ちた。

その様子さえ、美しかった。

そして、くるりと高杉を振り返ったときの顔は、一生忘れることが出来ない。

悲しげで、寂しげで、儚い笑顔・・・

美しすぎて、この世の者とは、思えなかった。

交わし合う二人の無言の視線の中に、一度は切れたであろう絆が見えた気がした。