【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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万斎の不安は、杞憂に終わらずその日の昼過ぎに確信に替わった。

桂が水菓子を作ったのだ。来島と。

そして、それは吉田松陰から教えてもらったものだという。

「高杉はあまり甘いものを食べないが、これだけは好きでな」と、来島に教えた。

来島は、自分の知らない高杉の話を聞きたくて仕方ないようだ。

「今日、元気なかったから、これで晋助様に元気を出してもらうっす!」と大はりきり。



そこへ、本人登場。高杉の前へ、自慢げに来島が水菓子を差し出した。「これ、月子さんと作ったっす!」どうぞ、と。

その瞬間のこんな表情の高杉を見たのは、おそらく、この場にいた桂以外全員はじめてだったろう。

懐かしそうな、寂しそうな、うれしそうな顔をした。