【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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699名無しさんの次レスにご期待下さい
>>685
「これは、捨ててくる。今日は戻らねーから」

とだけ言って、さっさと玄関を出る。

あの分じゃ、追ってはこれねーだろう。

っつーか、マジ、ぶっ殺したいんだけど、高杉のヤローも。

あんな桂も。



・・・・くそ・・・





まず、向かったのは、共犯者のところだ。

あのババアは、全部知ってるに違いない。

ガラガラガラ・・・

「おい、ババア」

我ながら、怖い声だと思う。カウンターを拭いていたババアがこっちを向く。
700名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 16:43:38.76 ID:t7mDQ+N10
>>693
こっちでも連載してるからよろしく

銀魂’〜ぎんたま〜第二百九十三訓
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/anime/1354930129/
701名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 16:45:35.63 ID:0CikK3tL0
>>699
「まだ開店じゃないよ」

とぼけやがって。

「飲みになんか来てねえよ。さっき、ここに、包帯した男来ただろ」

これ見よがしに、青い玉をちらつかせる。

「さて、知らないねえ」

「すっとぼけんなよ」

「なんだってんだい。あんた。あたしにくってかかろうなんて」

「月子とあいつ、会わせたろ」

「あんたねえ・・・」

ふと、俺の手に持っているものを見つけて

「なんだいそりゃ。あめ玉かい?」と言った。
702名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 16:46:22.16 ID:NGBiJ7m30
これは、この存在を初めて見た反応だ。演技じゃない。

「・・・ホントにしらねえの?」

「知らないって言ってるだろ」

「ふーん」

これは、本当かもしれない。でも、だとしたら。

一体何処で?

「あいつさあ、何処に使いにやったって行ってたっけ?」

「大江戸スーパーだよ」

「どうも」

そう言って、俺はスナックお登勢を後にした。
703名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 16:47:45.13 ID:+J9RhXAm0
余談 最後の誕生日 K



「すまん、銀時、遅くなって」

玄関を開けて。

なるべく、普段通りに言う。そうしようと思えば思うほど、どういう風に普段の自分は振る舞っていたかと思ってしまう。

さっきから、思考がまとまらない。



高杉に会って、

去っていった後を追ったら居なくて。

お登勢に、血だらけの割烹着を指摘された。高杉のことは、言わない方が良いと、言われて、血に濡れた割烹着を着替えた。

下の着物にも血が付いていたが、着替えるわけにも行かず、赤い着物で余り気付かないだろうから、割烹着だけを借りることにした。

もともと、割烹着はお登勢にもらったもの。全く同じものがあるから、と、新しいそれをもらい、着ていたものは、お登勢に渡してきた。
704名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 16:48:32.48 ID:jkHmMzrg0
お登勢は、銀時には俺がスーパーに酒を二本買ってきたことにすると言われた。

銀時をだますようで、心苦しいが、・・今日の銀時には言ってはいけないと思う。

心強い、二人で口裏を会わせれば、ばれることはない。

そうだ・・・。大丈夫。

いや、大丈夫なものか。



俺だって、戦地にいた。

自分を含め、仲間の怪我、傷、死、色々なものを見てきた。今更、血を見たくらいで、あわてるような人間ではない。

自分だって随分血を流したし、傷も負った。それは、銀時も高杉も同じ事。

・・・高杉。

だからこそ、

だからこそ、

大丈夫じゃないんだ。
705名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 16:50:07.84 ID:XFJkmuMH0
あの、出血は、致死量だ。

すぐに意識がなくなってもおかしくない。

いや、

すぐに、死んでも、おかしくは・・・は・・・

ドクッ・・・

ああ、胸が、痛い・・・なんで・・・



あいつのことなど・・・

俺が斬ると言ったじゃないか。

何時死んだっておかしくないんだ。攘夷志士は。

もしも・・・のことがあったとしても、

俺には関係ないことだ。

そうだ。

そうなんだ。
706名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 16:50:57.82 ID:vAB70XD/0
なのに、なぜ・・・

こんなにも不安なんだろう。

あいつが気になって仕方ない。

あの怪我で、一体何処へ・・・

無事なのか・・・



それより、なんで、そんな怪我でお前はあそこにいた・・・

なんで、

何をしに?



「どうした?」

「はっ?」

なかなか上がらない俺を不審に思ったのだろう、銀時が出てきた。
707名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 16:52:40.67 ID:xzbwd64L0
ドクドクドク・・・

妙に緊張する自分が居る。落ち着け。今は、とにかく。

「あ、ああ、ちょっと転んで足が・・・靴を脱ぐのに戸惑ってしまって」

「え?大丈夫?見せてみろ」

ああ、優しい銀時。

ごめん。俺は今、嘘を付いた。



「なんもねーみたい。痛い?」

「いいや、大丈夫だ」

と、二人で居間に行く。

どうやら、金時(銀時との子供)に、ミルクをあげていてくれたらしい。金時は、よく寝てる。その横に、松之助が居る。

寝てる金時をつつくのが好きらしく、ぷにぷにと頬を押している。ほっとする。なんだか、すこし、和む。

「ミルク、ありがとう。上げてくれたんだな」