>>674 「じゃあ、なんで」 てめえ・・・
「頭についてんの?」 いい加減にしろよ。
「誰が刺したの?」 誰に会ったんだよ。
「何で、気付かないの?」 気付かないほど、夢中なことしてたんだよなあ?
「どうして答えないの?」 答えらんねーんだろ。
「言えないことなの?」 それとも、いいたくないのか?
桂は無言。見るのはこの青い玉。俺の顔は見もしない。
もういいよ。
「あっそ。知らないんだ。じゃあ、いらねーよな」
俺がそう言ったとたん、青い玉に飛びついていた。
はあ???!!!意味わかんねーーーーよ!!!
何でそんな必死にさあ!!
桂をひょいとかわす。簡単に桂はバランスを崩し、どさっと、床に倒れ込んだ。
何でそんなにこれが欲しいわけ。
大切なわけ??!!
その青い玉を、よく見てみると、・・・模様かと思ってたものが、違うものだったことに気付く。これ、この赤い染み。「あ」
・・・まさかなぁ。
答えられなかったのは、転んで頭打って、例のごとく記憶喪失・・・な??んて事はないよね?でも、こいつならやりかねない。天然だし。
一応聞いとこう。
「お前、転んで・・・頭打ったりしなかった?」
と、素直に、首を横に振る。
・・・・
あっそ。
頭打ってないんだ。じゃ、お前はおかしくないって事ね。
ていうかさ、じゃあ、
「・・・血が付いてる。」
誰の血よ。これ。
「!!!!!」
もう、泣きそうな顔の桂。
ああ、そうなの。
お前は知ってるんだよね。この血の主も、この青い玉の送り主も。
知ってて、まだ言わないつもりなんだよな。
もうさあ、おまえさあ。むかつくんだけど。すごく。
「俺さあ、言ったよね。」
何度も、何度も言ったよね。
「こそこそされんの、嫌いだって」
でもさ、お前は直らないんでしょ。
直す気もないの?
だったらさあ、当然だよなあ。
「これ、捨てるから」
「!!!」
「いや・・・・っ」
瞬間、桂が初めて声を出した。“いや”って言った。
はあ???!!!ふざけんなよ、てめえ。
俺に、飛びついてきた。
その勢いに、俺は反射的に腕を高く上げた。絶対、今の桂には届かない位置に。
なのに、分かってるのに、必死になっちゃって。
そんな泣きそうな顔しちゃって。
いかにも、大切なものですって感じで、しがみついてくる。
桂。お前さあ、
お前ってホント、
最っっ高??????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????
????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????に、ムカツク!!!!
「なんなの?欲しいの?何で?」
だったら、いえよ、何で欲しいのか。
誰からもらったのか、そいつと何したのか。
何で何も答えないんだよ。だから、いけないんだろうが!!!
ああ、桂がついに泣いた。涙があふれ、止まらない。
こんなに、哀しそうに泣くのは、初めてかもしれない。
ああ、・・・・なんだよ。
誰のために、それって泣いてるの?
誰を思い出してるんだよ!!!!!てめえ!!!!
今日、俺が一体どれだけお前のことを・・・
それなのに、お前は、一体誰と、何してた?
そんで、そいつを思い出して、今、泣いてる。
俺のことなんて見ちゃいない。
もう、ホント、限界。
心が、折れた。
「てめえ、いい加減にしろよ」
本気で怒った。もう、止まらない。
「誰にもらったか、言え」
答えは分かってる。だけど、お前の口から言え。
「た、かす、ぎ・・・・っ・・・」
やっぱりな・・・・・・・・!!!!!
頭が怒りで真っ白だ。
とにかくここには居られない。冗談じゃない。たまらない。
玄関に歩いていく。
「まっ・・・」
か細い声で、俺の方にやってくる。
でも、もう俺、お前の顔見んのもいやだから。
つらいから。無理だから。
っていうか、殺しちゃいそう。