【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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4.混乱と決断



時折、風呂を借りたときに高杉がいても、別段話をすることはしなかったが、この日は少々事情が違った。



風呂に入る前は、いなかった部屋の主が、あがってみると戻ってきていて、桂が机に置いておいた簪をもてあそんでいた。

何の気なしにしたことかもしれないが、なんとなく嫌な気分になり、「勝手に触るな」と言った。

高杉は、「てめえにしちゃあ、趣味が良い」などと言って手放そうとしない。

「もらい物だからな。くれた奴の趣味が良かったんだろう」と言えば、さもつまらなそうに手荒に机上に置く。



「将軍は、てめえのどこがよかったんだろうなァ」などと言いながら、桂の方に近寄ってくる。

不思議な話だが、この船に来てから、まともに高杉を見たのは、このときが初めてだったような気がする。

いつも、桂にあっても素っ気なく、余りこちらを見ようとしなかったからだ。だから、今まで、話すきっかけもつかめず、話すこともなかった。

もしかして、今がチャンスではないか。と、桂は思った。

そして、説得してみても良いかなと思った。

だが、それは、後から考えれば間違いだったにちがいない。