【空知英秋】銀魂 二百十四訓

このエントリーをはてなブックマークに追加
651名無しさんの次レスにご期待下さい
>>648
月子は妙な違和感を感じた。

「桂。聞いてくれ。一度しか言わねえから」

息が荒い。

「はあ、その前に、どけ!」

月子の、息も荒い。



「桂、本当のことを言う。・・・俺は、お前が、お前のことが、・・・好」

ど・・・・・っと、突然、高杉の頭が倒れ込んできた。

同時に、高杉の全体重が月子の全身にかかってきた。

「・・・・!!!!」

重い!!と、思った時、

「ヅラ??????!!まだ????????」

カンカンカン・・・と、けだるげな靴音がした。
652名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 11:10:44.44 ID:isEBTkGX0
と、カウンターの奥からすごい勢いでお登勢が駆けだしてきて、ガラガラと、戸を開けて怒鳴る。

「今、使いに出してるから居ないよ!もうちょっと待ってな!」

「ハア??ババア、てめ、何してくれてんだ!今日あいつ誕生日だぞ!人の奥さん勝手にパシリに使ってんじゃねえよ!」

「ああ??そういうことは、家賃払ってから言いな!!」

「くそババア!」

「何だって!じゃ、家捜しさせてもらおうかね!!」

「ハアアア??金なんかねーし!!」

といって、二人の足音が上へ消えていく。
653名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 11:11:24.29 ID:3Yue2PgC0
その騒ぎで、ハッと高杉が顔を起こす。

「なんだ、重い、どけ・・・というか、なんだと言うんだ、貴様、変だぞ」

と言えば、聞こえているのか居ないのか、

「桂、聞いてくれ」という。

「だから、何だ」

「松之助を、頼む」

「!!!」



そしてまた、狂ったような口づけを交わすと、

何かに気付いたかのように身体を離して、

「・・・安心しろ、こんなことは、もうしない」と言った。

「当然だ」
654名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 11:11:54.05 ID:vEZGFTWK0
「・・・しばらく、連絡が取れない。だが、俺のことは心配するな」

と、なぜか不敵に笑うので、

「はあ?何で俺がお前の心配なんぞするんだ」

と言ってやった。

そのとき、高杉は、やけに寂しそうな顔をしたと思う。



それから、ぱっと、体を離して立ち上がり、

スタスタ出口に向かっていった。

そして、

??????ガラガラ、ピシャン。

出て行った。
655名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 11:12:20.53 ID:5BLzwUZ60
????

何だったんだ?

それにしても、と月子は思う。

“松之助を頼む・・・”あいつ、初めて、息子を名前で呼んだのでは無かろうか。

真意が分からない。



気付いたら、追いかけていた。

出口の戸を開けると、・・・そこには誰もいない。

忽然と、消えていた。



え・・・・
656名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 11:13:28.68 ID:A/tpnDZn0
カンカンカン、と、お登勢が戻ってきた。

「月子、あんた・・・・・!!!」

お登勢が、月子を見て、息をのむ。

「え?」

視線の先が、身体であったので、つられて、下を見る。

「????????っ!!!!!!」



血だらけの、

割烹着だった。



それは、まるで、真っ赤な着物のよう。

一面が、赤く、染まっていた。



夕暮れは、夜に変わった。
657名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 11:14:21.74 ID:5rWzWFTs0
余談 最後の誕生日 G



今日は、ヅラの誕生日!

前々から計画していた。

多分、女の姿ではこれが最期と分かっていたから。



申し訳ないけど、今日は、どうしても二人で(と子供達で)祝いたかったから。

早い時間から、新八と神楽にはお妙のところに行ってもらっている。

今日は、特別なんだ。

今日は、桂に伝えたいことがある。

渡したいものも。
658名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/09(日) 11:23:35.71 ID:POlY4UuN0
それなのに、

あのババア。帰ってくるなり、ヅラに買い物言いつけやがって。

最近のあいつの横暴さには頭くる。今度、がつんと言わなきゃな。

一度様子を見に行ったあと、金時(俺と桂の子供)がぐずったのでミルクをやった。

と、同時くらいに、とんとんと、階段を上がる音がする。



「すまん、銀時、遅くなって」

ヅラが戻ってきた!!

玄関にいる・・・が、なかなか上がってこない。

ん?何かあったのかな。