その言い草に、ついかっとなって、瞬間、お登勢が
「月子!」
と、声を荒げてしまった。
その声に、ビクッとなった月子が、お登勢を見た、その刹那??????
気を逃さず、男が、月子の両肩を掴んだ。
そのまま、数歩うしろの、テーブル席のソファーに倒れ込む。
「・・・・!!!」
押し倒されたように、きっと月子は感じただろうが、お登勢には、数歩歩いてよろけて、倒れ込んだようにしか見えなかった。
「高杉!!貴様っ!!!」バタバタと月子が暴れる。
月子のその手を握り、口づけた。
狂ったように、深い、口づけ。
いや、そんな甘いものではない。
血に飢えた獣が、獲物の血をすするように・・・
水に飢えて、その口の僅かな水分も生きるためにすすっているような。そんな口づけだ。