【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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>>61続き


こうして、一日に一度だけだが、通り抜ける程度に高杉の私室に桂は出入りした。

そのとき、高杉がいることもあるし、いないこともある。しかし、いつも桂のことなど気にしてはいない。



高杉の私室には僅かな人間しか入ることを許されておらず、来島ももちろんなくて、いつもいいっすね??とうらやましがった。

それを聞いて月子は(来島は桂だと知らない)「そうか?なんの変哲もない部屋だが、そんなに見たいのなら今度写真捕ってきてやろうか」

などと、とぼけたことをまじめに言うものだから、来島のツボに入ってしまった。

それ以来、来島はなにかと月子について回っている。

月子が、料理をしているのを見つけては、来島は料理を習ったりした。

まるで、そうしていると普通のお嬢さんのようで、月子はこのまま血なまぐさいことを辞めたらいいと言ったのだが、

来島は「あの人のためにしか生きれないっす」と言って寂しそうに笑った。

「来島殿は、きっといい奥さんになれるぞ」といった時には、うれしそうに笑ってくれたのに・・・。

高杉、お前には大切にするべき仲間がいるじゃないか。その隻眼でちゃんと見ろ。